- 「婚約破棄で贈られた指輪は捨ててもいい?」
- 「婚約がダメになったときに慰謝料請求できるか知りたい」
結婚式を挙げない「ナシ婚」が多くなっているとはいえ、結婚前に男性から女性へ婚約指輪を贈る割合は、全体の6割ほどいるといわれています。何事もなく結婚に至れば問題ないのですが、残念ながら婚約破棄に至った場合、贈ったもしくは贈られた婚約指輪はどうしたらいいのでしょうか。
そこでこちらの記事では、婚約破棄で指輪はどうすべきかに焦点を当て、指輪を贈った側、贈られた側それぞれの立場で解説していきます。さらに指輪の処分・活用方法や、指輪以外で問題になりがちなケースについても見ていきます。婚約破棄で処分に困った指輪が手元にあるという方や、贈った指輪を取り返すことができるか疑問の方は参考にしましょう。
婚約破棄とは?婚約成立の要件と正当な理由の有無
指輪をどうするか解説する前に、まずは「婚約破棄」についてその要件と成立する・しないケースについて見ていきましょう。
婚約が成立していたかがポイント
法的に婚約破棄を証明するには、そもそも婚約が成立していたかがポイントです。自分は婚約していたという認識でも、客観的に見て婚約が成立していたという事情の有無で、不当に破棄されたときに保護されるべき権利が生じるかどうかが変わってきます。
婚約が成立する要件
婚約が成立したといえるためには、お互いに結婚しようという合意があったことが前提になるものの、次のような客観的もしくは外形的な事情が必要になります。
- 結婚式の予約をしていた
- 婚約指輪の受け渡しがあった
- 結納の儀式を行っていた
- 結納金の授受を済ませていた
- 双方の両親に結婚相手として紹介していた
- 将来の結婚を前提として同棲し、性交渉があった
そして婚約が成立したと認められる証拠となるのは、次のようなものです。
- 結婚式場の予約をしたときの資料や料金払込みの明細書
- 結婚式の案内を送ったことを示す案内状や送付者リスト
- 婚約指輪そのものや購入したときの領収書
- 結納の儀式を行ったときの資料
- 結納金の授受があったことを示す資料や振込明細書
婚約破棄で指輪の返還や慰謝料請求などを求めるときには、客観的に婚約が成立していたと認められる証拠が必要です。
婚約が成立しないケース
一方で次のようなケースでは、婚約が成立しない可能性があります。
- 単に恋人同士として一緒に暮らしていた
- 親や友人に結婚することをまだ話していない
- 結納や婚約指輪、結婚式や新婚旅行など、結婚に関する具体的な行動を起こしていない
たとえ「結婚しよう」などの明確なプロポーズの言葉があったとしても、その言葉を聞いたのはあなただけです。婚約や結婚について周囲に話していなかったり、具体的な行動をとっていないときは婚約と認められない可能性があるでしょう。
婚約破棄はどこからかという疑問については、こちらの記事を参考にしましょう。
「婚約破棄はどこから?婚約成立の条件や理由・慰謝料が発生するケースを解説」
破棄に正当な理由があるかどう
婚約破棄で一番問題になるのが、破棄に正当な理由があるかどうかです。もし正当な理由もなく一方的に破棄された場合、結婚するという約束を破ったということで「債務不履行」に該当。相手に賠償金を請求できる可能性があります。
婚約破棄によるトラブルを扱う裁判所でも「婚約した当事者は互いに誠実に行動し、やがて婚姻を成立させるよう努める義務を負う」としています。そしてその義務には互いに貞操を維持する義務も含まれています。例えば婚約者の男性が自分以外の女性に心惹かれその人と性的関係を持った挙句、結婚する気持ちが揺らいでいるときには、彼女の方から婚約破棄することに正当な理由があるといえます。
正当な理由とは
婚約破棄する正当な理由には、次のようなことがあります。
- DV・モラハラされた
- 不貞行為(性交渉を伴う浮気や不倫)された
- 相手に著しく社会常識を逸脱するような言動があった
- 相手の収入が激減した・収入がなくなった
- 相手が病気や障害者になった
- 相手が行方不明になった
- 相手が性的不能だと分かった
- 結婚に関する大切な取り決めを一方的に変更された
相手から上記のようなことをされた場合は、こちらから婚約破棄を申し出ても、正当な理由があるとして損害賠償請求されることはありません。逆に相手からの婚約破棄であっても、自分に落ち度があるときには賠償金を支払わなければなりません。
婚約中の浮気はどこからかという点や慰謝料を請求できる基準については、こちらの記事を参考にしましょう。
「婚約中の浮気はどこから?慰謝料が請求できる基準を具体的に解説」
正当な理由がないケース
しかし、次に紹介するような理由で婚約破棄を考えた場合、正当な理由がないと判断される可能性があります。
- 何となく性格が合わないと感じた
- 両家の家柄が合わない
- 両親や周囲の人に反対された
- 他に好きな人ができた
- 相手と思想や宗教が合わない
- 被差別部落などの不当な差別
- やっぱりもう少し独身でいたいので、結婚したくなくなった
このようなケースで婚約破棄を申し出ると、正当な理由がないとみなされます。相手から賠償金を請求されたら、それを支払わなければならない恐れがあるでしょう。
婚約破棄で指輪はどうすべき?
ではこちらの記事の本題である「指輪はどうすべきか」について解説していきます。
婚約指輪は結婚を目的とした贈与
婚約時に贈られた指輪は婚約指輪ということになりますが、婚約指輪は法的な意味でいうと「結婚を目的(条件)とした贈与」となります。つまり婚約指輪を渡すという行為は「贈与」ということに。そのため単純に考えると、結婚が取りやめになった以上、贈られた側は贈った側に婚約指輪を返すのが自然な流れといえます。
破棄の理由の有無やどちらに責任があるかで変わってくる
どちらかが正当な理由なく婚約を破棄した場合や、婚約を破棄せざるを得ない原因を作ってしまった場合、指輪を返すべきかが変わってきます。上で説明したように、婚約指輪を贈るという行為は結婚を目的として婚約状態にあることが前提の贈与契約です。
しかし婚約が破棄されると、その贈与契約も消滅。不確実な事実に連動させた契約のことを「解除条件付きの契約」といいます。そして婚約破棄が解除条件となり、条件が満たされると贈与契約が消滅するという解釈です。
男性(指輪を渡した)側
婚約指輪を渡した男性側の立場では、自分に破棄の原因(相手にとっての正当な理由)があるかどうかで指輪の返還を請求できるかが変わってきます。
破棄の原因がある
自分に婚約破棄の原因がある場合、贈った指輪の返還を相手に請求することはできません。このような場合、婚約指輪に関する不当な利得返還請求権を認めることが民法第1条2項の「信義則」に違反するとみなされるため。
婚約指輪を贈った側に破棄の原因があると、指輪に対する「不当利得返還請求権」が否定されるので、指輪を受け取った女性に対して婚約指輪の返還を請求することができません。
破棄の原因がない
婚約破棄の原因が女性の側にある場合、贈った側の男性は指輪を返してもらえるだけでなく、場合によっては指輪の購入代金相当額を金銭で賠償するよう請求できる可能性があります。婚約指輪は婚姻を前提とした買い物。しかし婚約破棄によって意味をなさない物になります。そのため破棄と相当因果関係がある損害とみなされ、指輪を処分してしまったという場合に賠償金を請求できるという訳です。
女性に他に好きな人ができたなど婚約破棄の原因がある場合は、贈った婚約指輪の返還を請求できるだけでなく、指輪の返還が難しいときには、購入した金額相当の金銭を賠償してもらうことができます。
女性(指輪をもらった)側
婚約指輪をもらった女性側から見た場合も、破棄の原因があるかどうかで指輪をどうすべきかが変わってきます。
破棄の原因がある
婚約破棄の原因が女性側にある場合や、正当な理由なく破棄を申し出た場合、相手から「贈った指輪を返して欲しい」と言われたら、返還する必要があります。もしもすでに指輪を処分してしまった方は、購入時相当額の賠償金を支払う必要があるでしょう。
とはいえ「指輪を返してもらっても返品できないし困るから、指輪代相当のお金を支払え」と相手に言われた場合でも、現物があるときにはそれを返却してしまって構いません。婚約破棄による指輪の不当利得返還請求制度の趣旨からいっても、指輪の現物を返すというのが一般的です。
破棄の原因がない
指輪をもらった自分に破棄の原因がない場合や、相手の男性側から一方的に不当に婚約破棄をされた場合、指輪を返す必要も指輪代相当の金銭を支払う必要もありません。過去の判例でも「結納の授与者(男性)が自らの有責事由によって婚約不成立の事態を招いたり、正当な理由なく婚約を破棄した場合は、信義則上その返還を求めることができない」としています。
どちらにも原因がある場合
婚約指輪を贈った側と受け取った側の両方に破棄の原因がある場合は、その責任の大きさで指輪をどうするかが変わってきます。指輪を贈った男性側の責任の方が重いときは、女性は指輪を返す必要がありません。反対に女性の方の責任の方が重いと判断されると、指輪を返す必要が出てくるでしょう。
ちなみに男性に婚約指輪を返す必要がないケースでは、指輪の所有権は女性にあります。指輪を捨てるなり売るるなり自由にして構いません。またそのまま身に着けることも可能で、リメイクして別のアクセサリーやデザインにしても問題ありません。
どちらにも原因がない場合
どちらにも婚約破棄の原因がない場合や、双方が納得して円満に婚約を解消する場合には、当事者間での話し合いが成立すれば、必ずしも返還しなければならないという訳ではありません。しかし過去の判例から見ても、このようなケースでは婚約指輪の返還請求が認められる可能性が高いでしょう。
というのも婚約が解消されて婚姻が成立しないと決定的になったときには、贈られた結納金や婚約指輪は「不当利得」となるため。返還義務が生じるケースがあるものの、男性側から「指輪は返さなくてもいいよ」と言われたときに限り、返還しなくても良いと考えましょう。
任意で返還することも可能
いくら男性が指輪を返さなくてもいいと言ってくれても、別れた相手からもらった指輪をそのまま持っているのも微妙な感じがするでしょう。このようなときには任意で返すことも可能です。
上記の内容を簡単にまとめると、次のようになります。
指輪の返還請求が認められるケース | 婚約破棄の原因の責任が双方にない
指輪を受け取った女性に破棄の原因がある |
指輪の返還が認められないケース | 指輪を贈った男性に破棄の原因がある |
どちらともいえないケース | 双方に婚約破棄の原因がある |
双方に婚約破棄の原因があるケースでは、指輪を贈った男性側の婚約破棄の原因についての道義的・倫理的責任が、女性側よりも重くないときに限り、指輪の返還が認められるでしょう。
婚約破棄後の指輪はどうすべき?
婚約破棄後に手元に戻ってきたまたは、返さなくてもよくなった指輪はどうすべきなのでしょうか。
捨てる
指輪を見るだけで過去の出来事が思い出されて辛いという方は、思い切って捨てるという方法があります。また気持ちに整理をつけたいと考えている人にとっても良い方法の一つです。婚約の証である指輪は、お互いが「結婚したい」という意思の元で贈り、贈られるもの。
そのような指輪が身近にあると、早く踏ん切りをつけたくても相手のことや婚約破棄のことを思い出してしまうでしょう。高価なものなので勇気がいることかもしれませんが、捨てるのが一番気持ちがスッキリするという人もいるでしょう。
売る
捨てるのがもったいないという方は、質屋やリサイクルショップ、オークションサイトなどに売るという方法もあります。婚約指輪は大きなダイヤモンドがあしらわれていたり、ブランド品だったりするので、高額な買取が期待できます。
手放すことに変わりがありませんが、気持ちの整理が付くだけでなく、お金も手に入ります。そのお金で過去を忘れて前向きな気持ちになれることも。質屋やリサイクルショップで提示された金額に納得できない方は、オークションサイトを利用するといいでしょう。
そのまま取っておく
手元に残っていても気持ちの整理が付くという人は、そのまま取っておいてもいいでしょう。指輪に罪はないですし、懐かしい思い出の品になる可能性が。まだ指輪をどうすべきか判断がつかない方も、そのまま取っておくことをおすすめです。気持ちの整理がついたときに処分しようと決断するときが来るかもしれません。
デザインをリメイクする
指輪のデザインをリメイクして、ネックレスやブレスレットにするという方法もおすすめです。指輪とは違う形にすることで、そこまで過去のことを気にせずに身に着けることができるでしょう。処分したり売るのがもったいないという方も、思いが残らない形でリメイクできたら普段使いができるかもしれません。
指輪以外で問題になりがちなケース
婚約破棄という結論になると、指輪以外でも問題になる事柄があります。こちらでは、指輪以外で決着をつけるべき問題について詳しく解説していきます。
結納金
結納が交わされ男性側から女性側に結納金が渡った場合、その結納金をどのように処理するべきかという問題が生じます。通常結納金は、結婚を前提として贈与されるお金です。つまり扱いとしては婚約指輪と同じになります。
婚約破棄すると前提となる条件(結婚)が失われるので、贈与の効力がなくなります。返還しなければならないのが原則ですが、結納金を渡した男性側に婚約破棄の原因がある場合は、返還請求が認められない可能性があります。また正当な理由なく婚約破棄をした場合も、女性側に結納金の返金を請求できません。
慰謝料
婚約破棄によって精神的苦痛を受けたとして、慰謝料請求が問題になるケースがあります。婚約破棄で慰謝料が発生するのは、「婚約が成立している」ということと「正当な理由なく婚約破棄した」という2つの条件を満たす必要があります。
慰謝料相場
婚約破棄の慰謝料相場は、離婚時の慰謝料よりも低いのが一般的です。裁判例を見ると、50万~200万円程度が相場となります。もちろん個別に状況に応じた算定がなされますが、次のような事情があると慰謝料の相場は高額になる傾向があります。
- 交際期間や婚約期間が長い
- 破棄された側の年齢が高い
- 結婚準備が相当進んでいた
- 破棄された側が婚約のタイミングで退職した
- 婚約破棄で精神状態が悪化した
- 破棄した側の社会的地位
- 婚約者との子を妊娠・出産・中絶した
婚約破棄の慰謝料相場について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「婚約破棄の慰謝料相場・高額になる要因|確実に獲得する請求方法とは?」
請求方法
婚約破棄で慰謝料を請求する場合、次のような手順で請求していくのが一般的です。
1.口頭で請求 | まずは相手に口頭で慰謝料を支払うように求める |
2.内容証明郵便を送付 | 相手が応じない場合や、金額面で折り合いがつかない場合は、内容証明郵便で慰謝料やその他損害賠償金の請求書を送付する |
3.損害賠償請求訴訟を起こす | 裁判所に婚約破棄に伴う損害賠償請求訴訟を起こす
慰謝料だけでなく結納金や婚約指輪の返還なども同時に求めることができる 訴訟で勝訴するには、婚約が成立していたことを示す客観的な証拠が必要 |
慰謝料請求の時効
慰謝料の請求権(損害賠償請求権)には時効があり、婚約破棄されてから3年以上経過すると、慰謝料を請求できなくなります。慰謝料を受け取りたいと考えている方は、なるべく早めに請求するようにしましょう。
もし自分一人で請求するのは精神的に厳しいという方は、弁護士などの専門家に依頼することをおすすめします。
結婚式費用
結婚式場への支払いなど、結婚準備のための費用を出したようなケースでは、実際に出費した金額が損害になると考えられます。挙式や結婚式は、当然ですが結婚を前提としたセレモニーです。婚約破棄によって結婚式や挙式をする予定がなくなり、式場費用などが無駄になった場合は、その費用を相手に請求することが可能です。
式場をキャンセルするときに必要なキャンセル料もまた財産的損害となるので、婚約破棄の原因を作った相手に請求できるケースが多いでしょう。
結婚退職
婚約を機に、今まで勤めていた会社を退職したという方もいるでしょう。実際に出費したという訳でないものの、結婚のタイミングで会社を退職した場合には、退職しなければ得られたはずの給与分が損害となるのか、損害となった場合はどの範囲まで慰謝料を請求できるのか問題となります。
過去の裁判例を見ると、実際に認められるかはケースバイケース。退職の理由が本人の自発的な意思によるものと思われる場合は慰謝料請求が認められない可能性が高いです。一方で結婚に伴う転居や妊娠など、やむを得ず退色を余儀なくされたケースでは、婚約破棄の損害として慰謝料請求が認められる場合があります。
婚約破棄で困ったときのポイント
婚約破棄に伴う指輪の返還や慰謝料請求、結納金の返金などで困ったときは、次のようなことがポイントになります。
婚約が成立しているかチェック
婚約破棄でトラブルになったときは、まず婚約が成立しているかのチェックが必要です。結納をした、両親に結婚相手として紹介したなど、結婚に向けて具体的な行動をとっていないときには、相手に「婚約破棄の慰謝料を支払って」と言われてもそれを拒絶できる可能性があります。
正当な理由があるか確認
次に、婚約破棄に正当な理由があるか確認しましょう。こちらに正当な理由(相手が不貞行為をした・DVやモラハラをされた)があれば、慰謝料を支払う必要がないからです。正当な理由なく慰謝料が発生していないなら、相手にはっきりと「慰謝料支払いの義務がないので請求には応じられない」と対応しましょう。
逆に相手の責任で婚約破棄になった場合には、相手に慰謝料を請求できる可能性が。自分たちのケースだと慰謝料がいくら請求できそうか専門家に相談したうえで、慰謝料請求することをおすすめします。
婚約破棄したいと思ったときの注意点や破棄の方法については、こちらの記事を参考にしてください。
「婚約破棄したい!と思ったら…破棄の方法・注意点|言われた人の慰謝料請求方法とは」
場合によっては減額交渉も可能
正当な理由なしによる婚約破棄で慰謝料が発生するケースでも、相手の請求通りの金額を支払う必要はありません。相手の請求額が相場を大きく超えるときには、少なくとも相場金額までの減額が可能です。減額の余地があるときには、相手と交渉して相場まで減額してもらうようにしましょう。
合意書を作成
当事者間で話し合って婚約解消や結納金、婚約指輪の返還などの合意が得られたら、後から紛争になるのを防ぐために示談書や合意書を作成するようにしましょう。慰謝料支払いに関しても、金額や期日、支払方法などの内容を記した合意書を作成するようにしてください。
弁護士に相談
婚約破棄で慰謝料を請求されたときや、逆に相手に慰謝料を請求したいと考えているときには、弁護士に相談することをおすすめします。離婚問題に強い弁護士事務所なら、婚約破棄など男女間トラブルの実績も豊富。婚約が成立しているかの判断や相手への請求、合意書や示談書の作成も任せられます。
直接相手と交渉する場面でも、法律の専門家として冷静かつこちらが有利になるような交渉をしてもらえます。とくに婚約破棄で慰謝料を請求する・される場合、最初に直接相手との話し合いを行うことがほとんど。自分たちだけで話し合おうとするとどうしても感情的になりがちですが、第三者が冷静に交渉することで交渉もまとまりやすくなります。
何より、元婚約者と直接顔を合わせずに済むので、精神的ストレスが軽くなること間違いなし。婚約破棄された辛い出来事を思い出さずに慰謝料請求が可能です。
まとめ
婚約破棄した場合、指輪をどうすべきかについては、婚約が成立していたかや正当な理由の有無、婚約破棄の原因によって変わってきます。そもそも婚約指輪は結婚を条件として贈与されたもの。基本的に指輪を贈った側に返還すべきと考えますが、贈った側に破棄の理由があるときには返還する必要がありません。双方に破棄の原因があるケースでは、その責任の大きさによって判断が分かれます。
婚約破棄では、指輪以外にも結納金や慰謝料、結婚式費用などが問題になります。とくに慰謝料は婚約破棄の理由や状況に応じて、そもそも慰謝料を請求できるかやその相場金額が変わってきます。
婚約破棄に伴うトラブルが起きたときには、男女問題に詳しい弁護士に相談するのがベスト。慰謝料請求の可否や慰謝料金額の相場、相手との交渉や合意書の作成などのすべてを任せられます。このような問題はいつまでも長引かせるべきではありません。一日も早く立ち直るためにも、法律の専門家である弁護士に相談しましょう。