青木綜合法律事務所

青木貴則（あおきたかのり）先生にインタビューしました

企業法務の経験を活かし、経営者の財産分与問題も数多く解決なさっている青木先生。保有株式の評価や財産分与請求権の保全など、企業経営に関わる専門的な受任経験も豊富です。

不貞慰謝料に関しても、裁判例の徹底的な調査に基づいた交渉で多くのご依頼者様の希望を実現なさってきました。

高いスキルと専門性をお持ちでありながら、相手の心情に寄り添う姿勢を基本に据えて、ご依頼者様やその相手に真っ直ぐに向き合われている、温かみに溢れた青木先生の独自インタビューです。

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【対応分野】青木綜合法律事務所

企業にお勤めになっていたご経験や、顧問弁護士としての弁護活動は財産分与にどのように活きていますか。

弁護士になる前は企業に勤めていた経験があり、法曹界に入ってからも企業の顧問弁護士を務めています。企業の経営者の方や個人事業主の方に対して、経営や財務関連の視点も併せ持ったご提案ができるのは強みだと自負しています。

事例1：保有株式を共有財産から除外

所有する株式について、夫婦の共有財産か否かが争点になった受任事例をご紹介いたします。

ご依頼者様である男性が結婚前に起業した会社の株式について、株式自体は特有財産として認められましたが、婚姻期間中の株価上昇分をどのように扱うかが問題となりました。

本事例では、ご依頼者様が単独で経営を行っており、相手に従業員としての関与がなかったことから、株価上昇分についても共有財産から除外することができました。

財産分与で減額したいと考える方にとっては、共有財産の線引きは検討すべきポイントの1つです。特有財産としてみなせるものはないか、財産分与対象の資産を再確認しませんか。

事例2；経営者に対する財産分与請求権の保全申立て

上場して間もない会社で決算書類がなく、会社価値の見積もりが難しい財産分与を保全した事例についてご紹介いたします。

ご依頼者様の配偶者である男性は、上場後1期目の会社の経営者で、株式を100%保有していました。決算期を迎えていなかったため、正確な会社の資産データはありませんでした。しかし、ご依頼者様としてはその半分をもらう権利があると考えられましたので、財産分与請求権を保全するために裁判所に申立てをして、保全権が認められました。

保全処分の手続き上の課題は、相手の財務状況が分かる証拠がない点でした。借り入れがないことや、預貯金の額、保有している不動産や車などの資産価値を地道に調べ上げたことで、結果的に男性が保有している会社の価値は5000万円ほどであると裏付けることができました。

株式に関連する財産分与は判断に迷う場面がたくさんあるかと思います。株式の評価額の決め方や、分配の具体的な方法など、ご依頼者様の個別のご状況に合わせた解決策を一緒に検討しましょう。

多くの不貞慰謝料増額実績をお持ちですが、交渉のポイントについてどのようにお考えですか。

慰謝料額の増額を実現するためには、裁判例の徹底的な調査と分析が鍵となります。裁判において増額要因として認められやすい要素を判例から把握することで、より説得力のある主張を展開することができます。

また、相手との交渉の段階では持っている情報の出し方にも工夫が必要です。不貞の事実を立証する証拠を一度に全て開示するのではなく、相手の主張を聞いて矛盾を見つけたタイミングで証拠を示すことで、より有利な条件を引き出せることがあります。

不貞慰謝料の請求に関わるご依頼は、請求する側の方からも、被請求側の方からも頂いています。どちらの立場でも交渉を経験してきたことは私の強みです。専門家ならではの着眼点と積み上げてきたノウハウを活かして、ご依頼者様のご希望の実現を目指します。

慰謝料請求を何度も経験してきたからこそのノウハウをお持ちなのですね。専門スキル以外にも慰謝料の交渉に必要なスキルはありますか。

慰謝料の減額交渉において、論理的な説得の一本足打法では上手くいかないことも多いものです。慰謝料請求の背景には、長年の不満や憤りなど様々な感情が絡み合っていて、どうしても提案を受け入れたくないと頑なな姿勢を取る方もいらっしゃいます。

とりわけ重要なのは、誠実な対応だと相手に受け取ってもらえることなのではないでしょうか。不貞行為について真摯に反省の意を示すことで、感情を和らげてもらえることもあります。

ですから、専門的な話をする前に、まずは土台となる関係を築くことに注力しています。慰謝料の相場など詳細に踏み込むのはその次の段階です。子細に説明を尽くすことで相手を納得させるのではなく、相手の話に耳を傾け、その心情を一旦受け止めるのが私のやり方です。慰謝料を請求したいと考える理由や、その奥にある真の要求を推し量りながら、相手にとって受け入れやすい解決案を提示するように心掛けています。

弁護士に依頼すると相手から反感を買うのではないかと心配なさる方も多いと聞いています。穏やかな解決を目指すにはどうしたら良いのでしょうか。

弁護士が離婚協議の代理人として相手との話し合いの窓口になる方法以外にも、ご依頼者様のサポート役として、必要に応じて協議内容の確認や文章作成をお手伝いするという受任の仕方もあります。

話し合い自体はご夫婦の間で進めていただき、離婚協議書の作成に関して、形式上の不備や内容の不足点がないか確認いたします。離婚成立後に新たなトラブルが生じるのを未然に防ぐという観点で、離婚協議書の作成時に専門家のチェックを受けておくことは効果的です。

夫婦間である程度話し合いができている場合には、弁護士が前面に出過ぎないようにすることが円満な解決に繋がることもあります。あなたが弁護士をつけることに対して、相手が難色を示しているようなケースでは、このようなご依頼の仕方もご検討ください。

青木先生の法律相談の特徴についてお話いただけますか。

離婚相談では、相手に対して不満な点などマイナス面に目が向きがちです。法律相談時に私が意識的にお伺いするようにしているのは、結婚生活の思い出や、相手の良い側面についてです。良いこともそうでないこともお伺いしておくことで、離婚事由にあたる出来事や不貞行為などが婚姻関係に与えた影響が逆説的に浮かび上がってくることもあります。

また、ご依頼者様やお子様、相手のことも理解した上で、弁護活動をしたいと思っています。形式的な書面作成は必要最小限の情報だけでも可能ですが、関係者各人の心情に寄り添った対応こそが、ご依頼者様の人生の再出発を応援する弁護活動だと考えるためです。

最後に、依頼を検討中の方へのメッセージをお願いします。

夫婦間の問題は、一見似たような事例でも、それぞれのケースでご状況や背景が異なります。ネット上にも情報はたくさんありますが、玉石混交と言わざるを得ず、誤った前提に基づいて判断を下してしまうリスクもあります。

「まずは自分たちでやってみよう」と考えるのはよくある流れですが、それがかえってご状況を複雑にしてしまうこともあります。法的な判断には影響しない事項についても感情的な言い合いをしてしまい、夫婦間の溝が不必要に広がってしまうケースなどは、残念ながらよく見られます。

ご家族の問題ですので、近しいご友人やご親族の方に相談しようとお考えかもしれません。その前に、どうぞ法律相談をご検討ください。法律相談で整理した正確な情報を基に周囲の方に相談していただく方が、周りの方への相談においても正しい方向性の相談ができるのではないでしょうか。

法律相談をすることと、実際に弁護士に依頼することはイコールではありませんので、気兼ねなくご相談ください。

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