旦那のいびきで離婚できる⁉離婚・慰謝料の可能性と対処法、伝え方を徹底解説

旦那のいびきで離婚できる⁉離婚・慰謝料の可能性と対処法、伝え方を徹底解説
旦那のいびきで離婚できる⁉離婚・慰謝料の可能性と対処法、伝え方を徹底解説
  • 「旦那のいびきがうるさくてストレスが限界…」
  • 「いびきが理由で離婚できる?」

お酒や年齢のせいで年々ひどくなる旦那のいびき。毎晩のようにいびきがうるさいと、寝不足になってストレスがたまるという方も多いのではないでしょうか?この状態が今後もずっと続くことを考えると、「離婚」の二文字が頭をよぎる人もいるかもしれません。こちらの記事では旦那のいびきが原因で離婚できるかについてや、いびきと夫婦仲の関係について詳しく解説。

いびきで離婚を決意する前に試して欲しい方法があるので、旦那のいびきでお悩みの方はぜひ実践してみて下さい。中には協力的でない旦那もいるでしょう。旦那への伝え方を少し工夫するだけで、すんなり納得してもらえる可能性が。睡眠が不足すると、健康や夫婦仲に大きく影響します。「いびきぐらいで大げさかも…」と思わず、できる限りのことを試して離婚を回避しましょう。

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いびきが理由で離婚・慰謝料請求できる?

旦那のいびきがうるさくて離婚まで考えるようになったとき、本当にいびきが原因で離婚したり慰謝料請求ができるのでしょうか。

協議離婚なら離婚可能

協議離婚なら、いびきが原因でも離婚できます。協議離婚はどのような理由があっても、夫婦が合意さえすれば離婚が認められるため。離婚方法には協議離婚・調停離婚・裁判離婚の3種類があり、どのような理由があっても(離婚原因がなくても)離婚できるのは協議離婚だけです。夫婦が離婚することに合意して離婚届を役所に提出すれば、離婚成立となります。

裁判では離婚が難しい

夫が離婚の話し合いに応じなかった場合、最終的には訴訟を起こして裁判所に離婚の判断をゆだねることになります。しかし離婚裁判では、いびきが原因だけでは離婚が認められる可能性が少ないでしょう。

法定離婚事由がないと離婚できない

離婚裁判では、民法第770条1項に定められている「法定離婚事由」がないと離婚が認められません。法定離婚事由には次の5つが定められています。

  • 浮気や不倫などの不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 回復の見込みがない強度の精神病
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

上にあげた法定離婚事由を見る限り、いびきがうるさいという理由に該当するものはありません。旦那のいびきがうるさいだけでは、離婚裁判をしても離婚を認められる確率は限りなく低いでしょう。

「婚姻を継続し難い重大な事由」があれば離婚できる

ただしいびきがうるさいことに関連して、「婚姻を継続し難い重大な事由」があれば離婚できる場合があります。上の法定離婚事由の5番目「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するためです。例えば次のような理由があり、婚姻を継続し難い重大な事由だと認められれば離婚できるかもしれません。

  • いびきのせいで別居に至った
  • いびきの改善に非協力的で、結果として健康を害した

このような理由があり、裁判で証明できる証拠を確保できれば離婚が可能になりますが、結局のところ旦那のいびきがうるさいだけでは簡単に離婚することは難しいといえます。

離婚裁判の手続きの流れや期間について知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「離婚裁判の期間を手続きの流れごとに解説!長引くケース・期間を短縮する秘訣とは?」

慰謝料をもらえる確率は極めて低い

夫婦間の話し合いの結果合意に至れば離婚できますが、いびきが原因で慰謝料をもらえる可能性は限りなく低いでしょう。慰謝料を請求できるのは「不法行為」があったときで、いびきはこの不法行為に当たらないからです。いびき以外に浮気やDVなど、不法行為があったと証明できれば離婚時に慰謝料を請求できます。

協議離婚の慰謝料相場については、こちらの記事を参考にしてください。

「協議離婚の慰謝料相場が知りたい!増額・減額できる秘訣や慰謝料の決め方を解説」

いびきと夫婦仲の関係

実は旦那のいびきと夫婦仲には深い関係があります。「いびきで離婚したいなんて自分だけだろう…」という方は、他にも仲間がいたんだと安心するはずです。

いびきが原因で離婚したい人は少なくない

いびきが原因で離婚したい人は、意外にも多いのが現状です。「夫婦の寝室に関するアンケート調査」によると、夫婦仲が円満でないと回答している夫婦の47.7%が別寝室で寝ていると回答しています。理由として40~60代の熟年夫婦で最も多いのが「いびき・歯ぎしり等」となっています。

また睡眠時無呼吸症候群(SAS)広報委員会が既婚女性を対象にした調査を実施したところ、夫のいびきが原因で別寝室で寝ることになったという人は47%、離婚したいと考えたことがある人は19%と、およそ5人に一人が配偶者のいびきで離婚を考えているということが分かっています。このように多くの人が配偶者のいびきに悩んで、離婚まで考えるようになるのが珍しくないのが現状です。

参考:夫婦仲と寝室に関する実態調査|オウチーノ
参考:夫のいびき妻の8割が病気と考えずSAS調査|ミクス

寝不足は夫婦喧嘩の大きな原因

寝不足は夫婦喧嘩の原因になるばかりではなく、やがて夫婦仲の悪化の原因にもなります。現代人にとって理想の睡眠時間は7~8時間と言われています。しかし毎晩の旦那のいびきによって極端な寝不足になってしまうと、翌朝の体調に響き、旦那に対してのイライラが増すはずです。

どうしても機嫌が悪くなりがちになり、何気ない旦那の言動で口喧嘩に発展することも。「悪気があった訳じゃないから」と不満を口にせず我慢しがちな人ほど余計に寝付けず、最終的には不眠症やうつ病を発症する恐れがあります。このように夫婦仲が悪い人の中には、旦那のいびきによるイライラが原因ということも少なくありません。

夫婦喧嘩に疲れた方は、こちらの記事を参考にして仲直りの方法や喧嘩を減らすコツを知っておきましょう。

「夫婦喧嘩に疲れたときの仲直り&喧嘩を減らす方法|自分を変えて夫婦仲を改善しよう」

欧米では離婚理由の上位

欧米では配偶者のいびきは離婚理由の上位にランクインしています。アメリカのヘルスケア会社の調査では、離婚原因・理由の第3位にいびきが入ります。パートナーのいびきが原因で喧嘩や離婚はもちろんのこと、中には警察に通報したというケースも。いびきは日本だけでなくグローバルな夫婦問題と言えるでしょう。

参考:吉瀬美智子も悩む「夫のいびき」はグローバルな問題|NEWSポストセブン

歳を取るにつれて我慢できなくなる

年齢を重ねれば重ねるほど、旦那のいびきが我慢できなくなる傾向があります。というのもいびきの原因が肥満や飲酒だったりするため、年齢が上になるにつれてひどくなる場合が多いからです。そして妻側も結婚年数を重ねるにつれて、旦那のいびきがますます耳ざわりになるということもあるかもしれません。

若いうちや結婚したばかりの頃は「大好きな人だから」いびきがうるさくても許せていた可能性があります。しかし徐々に愛情が減っていくにつれていびきの音もうるさく感じてしまうのではないでしょうか。

いびきで離婚を考える前に…試しておきたい5つの方法

いびきがうるさくて「もう離婚したい…」と思い詰めてしまう前に、できることを試してみましょう。

旦那より先に寝る

いびきの対処法として旦那より先に寝るという方法があります。確かに眠りに入るときは、いびきを聞かずに済むのですんなり眠れることが多いでしょう。しかし眠りが浅いときにいびきが聞こえると目が覚めてしまい、そこから眠れなくなってしまうことも。

とくに寝付きの悪い人といびきのうるさい人の相性は最悪です。先に布団に入り「そろそろ眠れそうだな…」という頃にバタバタとベッドルームに入ってきて、すぐにうるさいいびきを聞かされてしまうと逆効果になることも。この方法は他の方法と併せて実践することをおすすめします。

いびきで悩んでいることを伝える

黙って旦那のいびきに耐えている人は、いびきで悩んでいることを伝えましょう。「ちょっと話があるんだけど」と向き合って話を聞いてくれる体勢が整ったら、自分がどれだけいびきがうるさいことで辛い思いをしているか真剣に伝えましょう。毎日睡眠不足状態で、昼間もだるさがひどいなど、具体的な自分の状況を冷静に説明してください。

いびきを解決するには、本人に自覚を持ってもらうことが第一のステップです。毎日のいびきで寝不足が辛いと、旦那に伝えましょう。

いびきの対処方法を試してもらう

旦那がいびき改善に協力的だったら、実際に効果があると思われる対処方法を試すよう提案していきましょう。その場合はすぐにカンタンにできることから提案することをおすすめします。

横向きで寝る

いびき改善のために、なるべく横向きで寝るように提案してみましょう。特にあおむけ寝が多い人は、口の中で舌が喉の奥に落ち込んで気道が狭くなることでいびきが誘発される可能性が高いと言われています。あおむけだった寝姿勢を横向きにするだけで改善できる場合があるので試してみては?

ずっと横向きでいることが不快なら、抱き枕やクッションなどを活用するのもおすすめ。横向きで寝ていても寝返りであおむけに戻ってしまうという人は、背中側に抱き枕を差し入れるといびきを改善できるでしょう。

参考:いびきは呼吸障害のひとつ|OMRON

過度な飲酒・喫煙を控える

過度な飲酒や喫煙を控えるのも、いびき予防に効果的です。お酒を飲み過ぎると舌やのどの筋肉が弛緩して気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。また深酒で血行が良くなりすぎることで鼻が詰まって口呼吸になり、いびきがひどくなることにつながります。

またたばこの煙は鼻やのどの粘膜に炎症を引き起こす原因となり、粘膜部分が腫れて気道が狭くなりいびきにつながります。仕事でストレスがたまりやすいと、お酒やたばこがストレス解消の手段という人もいるでしょうが、飲酒は週に1~2回にするだけでもいびき予防になります。

参考:睡眠時無呼吸症候群|目黒通りハートクリニック

口呼吸→鼻呼吸

口呼吸だったものを鼻呼吸にするだけでもいびきが出にくくなります。口呼吸するために口を開けっ放しにしていると、舌やのどの位置が奥になるため気道が狭くなる原因に。口呼吸を止めるには、専用のテープやマウスピースを使うという方法があります。

どうしても鼻呼吸だと苦しいという方は耳鼻科を受診してください。鼻づまりの原因に副鼻腔炎や蓄膿症が隠れている場合があります。また鼻中隔湾曲症など、鼻の中心を通っている骨が湾曲している病気の可能性も。

参考:睡眠について理解しよう|みずほの耳鼻咽喉科

肥満解消

太り気味の方は肥満解消のために適度な運動や食生活の改善が必要です。肥満体型だとのど周辺にも脂肪が付きやすく、気道を狭める原因になるからです。肥満度合いが高いほどいびきの音がうるさいと言われていますしのため、肥満体型や太り気味の場合は、ダイエットで体重を落とすことで、いびきが軽減される可能性が高いでしょう。

参考:睡眠時無呼吸症候群|目黒通りハートクリニック

医療機関への受診をすすめる

いびきが激しかったりいびきの途中で呼吸が止まっているようなら、医療機関への受診を進めてください。睡眠時無呼吸症候群(SAS)」などの病気が原因となっている可能性があるからです。睡眠時無呼吸症候群は肥満などが原因の生活習慣病で、睡眠中1時間当たりに呼吸が10秒以上停止する頻度が5回以上起こる症状が見られます。

呼吸停止による突然死や、日中の過度な眠気の危険があるため、すぐに専門の医療機関で検査や治療が必要です。睡眠時無呼吸症候群でなくても耳鼻に病気が隠れている可能性があります。ひどいいびきの場合は放置せず、必ず医療機関を受診するようにしましょう。

寝室を別にすることを提案する

対処法を試してみたけどいびきが収まらないという場合は、寝室を別にすることを提案しましょう。物理的に寝る場所を分けることで、いびきによる様々なストレスが軽減できます。とくに眠りの浅い人や寝付きの悪い人は、いびきがうるさいととたんに眠れなくなります。間取りの関係でどうしても部屋を分けられないという方以外は、寝室を別にしたいと提案してみましょう。

非協力的な旦那を説得する方法

いくらこちらが真剣に訴えても「いびきぐらいで大げさだ」「寝るときぐらい好きな格好で寝させてほしい」といびき解消に非協力的な旦那もいるかもしれません。そのような場合は、次のような方法での説得を試みてみましょう。

主語を「私たち」にして会話する

いびきで悩んでいることを旦那に伝えるときは、主語を「私たち(We)」にして伝えてみましょう。夫婦間でも対人コミュニケーションでは主語がとても大切。「あなたのいびきがうるさい」「あなたはいびきを治さないの?」など「あなた(You)」を主語にして話すと、責められているように感じて相手のプライドを傷付けてしまう可能性があるからです。

逆に「私たち最近よく眠れてないよね」「私たちの睡眠環境をもっとよくしたいと思っているんだけど」と「私たち」を主語にして話してみましょう。こうすることでいびきの問題を相手にばかり押し付けず、夫婦二人で解決していこうという前向きな姿勢が伝わるはず。

いびきを録音して聞かせる

いびきを録音して聞かせる方法も、いびき問題を深刻に考えていない旦那には有効です。というのもいびきは起きた瞬間に止まってしまうため、自分がどれほど大きな音のいびきをかいているかの自覚がないからです。最近では睡眠中の物音を自動で録音できるアプリなどがあるので、自分のスマホに事前にインストールするなどして、いびきの音声を録音しましょう。

単にいびきの音声を聞かせるだけでは「嫌味なのか?」と思われる恐れがありますが、睡眠時無呼吸症候群を心配していると伝えれば険悪にならずに聞かせられるはずです。自分のいびきの音がどのくらいの大きさか気が付けば、旦那も眠れないというあなたの訴えに耳を傾けてくれる可能性があります。

旦那の体が心配だということを訴える

旦那にいびきのことを伝えるときは、「あなたの体のことが心配で」というニュアンスで伝えることが大切です。これからも健康でいてほしいからと言って、医療機関を受診することを提案してみて下さい。睡眠時無呼吸症候群にかかっていると、日中でも異常に眠くなるなどの自覚症状が出てきます。心当たりがある旦那なら、「そこまで言うなら受診してみようかな」と思うはず。

またとくに自覚症状がない場合も、録音したいびきの音声を聞かせて、呼吸が止まっていることを一緒に確認し、「このままだと心臓の負担が増えて突然死するかもしれない」と伝えましょう。

眠れることがお互いのメリットだと伝える

夫婦二人とも安眠できることが、お互いのメリットになるということも伝えましょう。眠れるようになると、私はとても幸せを感じてさらに旦那を愛することができ、旦那は健康不安が無くなるということを訴えられれば、無理解な夫もで理解を示すようになるはずです。

とくにモラハラ気味だったり俺様的な旦那は、自分にメリットやデメリットがないと動きたがらない傾向があります。相手の心の動きを想像しながら、上手に交渉していきましょう。

「別に寝る=愛情が無くなった」訳ではないと説明

いびきがうるさい旦那と別の部屋で寝る場合は、愛情が無くなったから別で寝たいわけでないことをキチンと説明しましょう。寝室が同じ以外に夫婦のコミュニケーションが少ないと、妻に別に寝られると不安を感じる旦那がいます。「いびきを理由にしているけど、実は浮気しているんじゃないか」と想像を飛躍させる旦那がいないとも限りません。

なので、寝室を別にしたいと思った場合は、意識して寝室の外でも積極的にコミュニケーションを取るのが有効。何気ないスキンシップや会話を増やすのももちろんですが、同じ空間で同じ時間を過ごすのも大切です。夫婦仲がさめつつあるという方は、一緒に映画を見たり、一緒に料理をするだけでも会話が生まれます。

また休日の前など日にちを決めて、一緒の部屋に寝るのもいい方法です。平日は仕事や家事などに支障をきたさないように別の部屋で寝て、休みの前の日など多少寝不足になっても構わないタイミングで一緒に寝られるようにすれば、旦那も安心できるでしょう。

まとめ

日本のみならず、欧米などでもいびきが原因で夫婦喧嘩が増えたり、離婚を考えている妻がいるのが現状です。しかしいびきが原因で旦那との離婚を考えた場合、日本では話し合いで離婚できる「協議離婚」では可能ですが、「裁判離婚」では認められない可能性が高いでしょう。同様に離婚時の慰謝料請求も難しいと言わざるを得ません。

そのため、まずは離婚を決意する前にいびきの対処方法を実践してみましょう。旦那を説得する場合は、体のことが心配だということを伝え、いびきを解決することが「私たち(We)」にとってメリットになると説明するのがベスト。それでもいびきが改善されなかったり、旦那が非協力的な態度を取るときは、離婚問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

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