嫁姑問題を理由に離婚や慰謝料請求をしたい!離婚を決断する前にすべきことは

嫁姑問題を理由に離婚や慰謝料請求をしたい!離婚を決断する前にすべきことは
嫁姑問題を理由に離婚や慰謝料請求をしたい!離婚を決断する前にすべきことは

  • 「姑と接するのが苦痛なので離婚したい…」
  • 「離婚のとき、姑から受けた嫌がらせについて慰謝料の請求はできる?」

嫁姑問題は昔から多くの家庭で起こっているトラブルです。姑と考え方が合わず辛い、姑からひどい嫁イビリを受けているという方もいます。

姑は夫の母親ですので夫と婚姻関係にある間は蔑ろにできない存在です。しかし姑と接するうちにどんどん苦痛が増していき姑を原因に離婚を考える方も決して珍しくありません。

しかし姑が嫌だからといって後のことを考えずに離婚すると、時間が経って後悔することもあります。そこで今回は嫁姑問題で離婚する前にすべきことについて解説します。夫が離婚に反対した時に離婚調停が成功するケース姑に慰謝料が請求できる事例についても紹介しています。

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嫁姑問題で離婚に発展する理由

嫁姑問題とはその漢字のとおり、嫁と姑(夫の母親)の間に起きる問題のこと。裁判所のデータによると令和2年度に全国の家庭裁判所において「家族親族と折り合いが悪い」という理由で女性が離婚を申し立てた件数は2,647件にも上り、決して少ない数字ではありません。
(参考:裁判所|婚姻関係事件数―申立ての動機別

離婚は決して簡単にできるものではなく、デメリットも伴う行為です。しかしそれでも姑を理由とした離婚に至るには、以下のような理由が挙げられます。

離婚してでも姑と離れたい理由がある

離婚してでも姑と距離を置きたいと考える程の理由がある場合、離婚によるデメリットよりも姑と離れられるメリットのほうが大きいと考え離婚に至ります。具体的には以下のようなケースが当てはまります。

  • 家事や育児に関する干渉が激しい
  • 嫌がらせを受けている
  • 価値観を押し付けられる
  • 姑の介護が続けられない

家事や育児に関する干渉が激しい

家事や育児に対する姿勢は人それぞれですが姑が自分のやりかたを押し付けたり嫁のやり方を批判したりしていると、嫁側は居心地が悪くなりストレスを募らせていきます。

また結婚したばかりの頃はよい嫁姑関係性が築けていたにも関わらず、姑にとっては孫にあたる子を妊娠・出産した途端に過干渉になることもあります。いわゆる孫フィーバーと呼ばれる状態になり過度な訪問や連絡を繰り返すことも。

この場合本人には全く悪気がなく、逆に良かれと思っていることが大半です。干渉を控えるように伝えても状態が改善されないことも珍しくありません。姑と距離が置けずストレスが溜まる状態に長期間晒され続け、やがて離婚したほうがマシだと考える人もいます。

嫌がらせを受けている

嫁が姑からの嫌がらせに耐え切れず離婚を考えるパターンです。姑の中には、嫁は自分の息子を奪った存在だと考え嫁にキツく当たったり、嫌がらせをする人もいます。

姑と会うのが一年に数回だったとしても、何度も酷い嫌がらせがあると縁を切りたいと思うようになります。そして他の親族に相談をしても味方になってもらえない場合や信じてもらえない場合は離婚も考えるように。

価値観を押し付けられる

姑と嫁はそれぞれ育った環境・時代がともに異なりますので、家事や育児の価値観は大きく異なります。それにも関わらず、姑は自分の元々の価値観だけを主張し嫁に押し付けようとします。

特に多いのが育児に関する価値観の相違です。赤ちゃんに自分が口をつけた匙でそのまま食べ物をあげようとする、子供にアレルギーがある物を与えようとするなど、今では考えられないことを平然と行う姑とは距離を置きたくなるものです。

姑の介護が続けられない

要介護状態にある姑の介護が原因で離婚に至るケースです。実際には妻が義両親を介護する義務はなく、民法においても扶養義務の対象は『直系血族』と定められていて嫁は対象ではありません。

しかし「施設に入れるのはかわいそうだ」「息子の嫁が介護をすべきだ」などさまざまな理由をつけて嫁に義両親の介護をさせる家庭は少なくありません。

介護は実の親が対象でも大変なものであり、元々の関係性が希薄な義両親であれば尚更です。介護に対する価値観の違いや介護方法について意見が合わなかったり、介護を当然と考え労いの言葉を一切かけてくれないことも。介護する側は「この状態がここまで続くのだろう」と途方にくれ、離婚を考えるようになっていきます。

なお介護を原因にした離婚は介護離婚と呼ばれており、離婚の理由としては決して珍しくありません。介護を理由とした離婚を回避したい方はぜひ以下の記事も併せてお読みください。
親の介護で離婚できる?介護離婚の現状&離婚の可否、決断すべきか迷ったときの対処法

夫が自分の味方になってくれない

嫁姑問題が原因で離婚をする夫婦の特徴として夫が嫁の味方をしないことも挙げられます。

姑の行動によって嫁が苦しんでいたとしても、夫が妻の味方になり姑を距離を置くなどの対処をすることで嫁姑問題は解決するはずです。しかし実際には嫁姑問題を解決しようと動いてくれる夫は多くありません。自分の母親のことを強く否定できず、嫁と姑どっち付かずの対応を取る夫が多いです。

  • 「そんなこと気にしないほうがいい」
  • 「向こう(姑)に悪気はないから大目に見てほしい」
  • 「もっと仲良くしてほしい/うまくやってほしい」

というような言葉で、あくまでも嫁と姑だけで解決するよう促します。また元々マザコンの傾向がある夫の場合は全面的に姑の味方をするため、明らかに姑からの嫌がらせがある状況でも姑側をかばいます。そのような夫の姿に失望を感じて相手への愛情を失い、離婚への意志を固めていくことになります。

マザコン傾向がある夫と離婚したい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
マザコン夫と離婚したい方必見!離婚方法や注意点、離婚を迷ったときの考え方とは

嫁姑問題で離婚する前にすべきこと5つ

夫と離婚をすれば姑とは縁が切れます。しかし離婚したい原因が嫁姑問題だけにある場合は安易に離婚を決断せず慎重に考えることを強くお勧めします。まずは以下のように嫁姑問題が解決できるかどうかを検討し、どうしても難しい場合は離婚を視野に入れた生活のことを計画するようにしてください。

姑と和解できないかを考える

まずは姑の行動に対し折り合いが付けられるかどうか、譲歩できるかどうかを考えてみてください。世の中には理解のある優しい姑も存在しますが、そのようなケースはごく一部であり多くの姑が嫁にキツくあたります。

そもそも姑にとって嫁は血が繋がっていない他人です。また年齢が大きく離れているため、長年育児や家事をこなしてきた姑からすると嫁はどうしても口を挟みたくなる存在です。また子離れしていない姑の場合、可愛い息子を奪ったという嫉妬心を抱いていることも。

以上のような理由を理解し「姑とは嫁に敵意を持たずにいられない存在だ」と考えましょう。特性だと割り切ることにより、ストレスを軽減しながら付き合っていける可能性があります。

夫と話し合う

先にも触れたとおり、嫁姑問題において夫はどっちつかずの対応を取るケースが大半です。そのような配偶者は嫁が離婚まで視野に入れていると気づかず、放置しても問題ないだろうと考えている可能性が高いです。

そこで夫に現状を知ってもらうため話し合いの機会を設け、姑との間に入ってもらえないかどうかを相談してみてください。

姑と距離を置けないか考える

嫁姑問題は姑と接触の機会が多ければ多いほど深刻になります。特に同居している場合、毎日のように行動を監視されたり小言を言われたりするためストレスは溜まっていく一方です。

そこで義家族と同居しているなら別居する、家の距離が近い場合は別の場所へ引っ越すというように姑と物理的な距離を置くことができないかを検討してみてください。

言うまでもなく引っ越しには夫の同意が不可欠です。母親である姑と離れるのを嫌がる夫もいるかもしれませんが、嫁姑問題の解決に夫が協力してくれない場合、離婚する際にそのことを離婚事由にできる可能性が高いことを心に留めておいてください。離婚事由については後の項目で解説をします。

離婚後の収入や住む場所を考える

元々夫の実家や二世帯住宅に住んでいた場合、離婚の際はあなたが出ていくことになるはずです。その場合住居をどうするかを考えなくてはいけません。勢いで離婚して住居探しで後悔しないよう、前もって検討をしておいてください。

また離婚後は自分の収入だけで生活をしていくことになります。夫婦の収入を合わせて生計を立てていた頃と比べ、生活の水準を大きく下げざるを得ない方も多いはずです。離婚後の住宅の家賃も含め金銭的な問題と向き合わなくてはいけません。

姑と同居していた場合、自分が専業主婦をしていたという方もいるでしょう。その場合はまず就職先を見つけることです。社会から離れていた年数や子供の年齢によっては就職がなかなか決まらないこともありますので要注意。シングルマザーとしての生活ができるかどうかを冷静に考えるようにしましょう。

子どもを育てる環境について考える

姑と同居していた場合ば少なからず姑も育児に参加し、子どもの世話を頼むこともあったかもしれません。しかし離婚をすることにより育児の環境も激変し、子どもの世話を義両親に頼ることはできなくなります。子どもが一人になる時間が増え、学童や保育園を探さなくてはいけないこともあります。

また子どもと姑が孫と祖母としてお互いに親しかった場合は家族関係の変化が子どものストレスになる可能性もあります。離婚する場合は子どもの事もよく考え、できるだけ子どもの負担を減らせるようにしてください。

嫁姑問題を理由に離婚はできる?

姑との関係改善のため手を尽くしてもうまくいかず、夫への愛情も冷め離婚を選択する人は決して少なくありません。離婚は夫婦双方の同意があれば成立しますが、夫の反対があった場合は協議離婚、離婚裁判を経ることになります。

協議離婚や調停離婚の場合は離婚の理由は問わず、相手の同意を得られ次第離婚することができます。しかし離婚裁判となった場合、離婚が成立するには民法770条に定められている法定上の離婚事由が必要です。

  • 不貞行為があった
  • 3年以上生死不明である
  • 回復の見込みがない重度の精神病である
  • 悪意の遺棄があった
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由がある

嫁姑問題は上記の1~4番目には該当しません。そのため嫁姑問題が5番目の「婚姻を継続しがたい重大な事由」に関連づけられるかどうかがポイントになります。

婚姻関係の継続が難しいことの証明が必要

姑はあくまでも夫婦関係から見ると第三者にあたります。そのため姑の行動のみを原因に「婚姻関係が継続できない」と判断してもらうことはできません。

しかし姑との関係が悪化しているにも関わらず夫が問題解決のために動いてくれなかった場合は夫の不適切な対応を原因に「婚姻関係が継続できない」と判断してもらえる可能性が。実際に離婚を認められるケースは以下のような状況です。

  • 姑について相談をしたのに何の対応もしない
  • 自分の母親である姑の味方をする
  • 嫁が別居や引っ越しの必要性を訴えても反対する

夫婦関係の継続のためには夫は嫁の味方になり姑から守るべきです。しかしその努力を怠るということは婚姻関係を壊す行為と言えるため、客観的に離婚が認められる事由となります。

逆に夫が姑に対して態度を改めるよう要請するなど、何らかの具体的な行動があった場合は離婚が認められにくくなります。

姑に対して慰謝料請求ができるケース

姑からひどい嫌がらせを受けて苦しんだ方は、離婚の時に姑に慰謝料を請求したいと思うかもしれません。結論から言うと離婚裁判は夫婦間の裁判ですので、姑に慰謝料を請求することはできません。

しかし姑の嫌がらせが度を越していて不法行為に該当する場合は慰謝料請求が認められることがあります。具体的には以下のように客観的に違法だと判断できる行為が当てはまります。

  • 収入を姑が握り、経済的な自由を奪われていた
  • 嫁の人格を否定するような言動・暴言があった
  • 姑から無理やり離婚するよう仕向けられた
  • 暴力や器物損壊があった

証拠を確保することが重要

請求先が誰であるにも関わらず、慰謝料請求において重要視されるのは客観的な証拠です。裁判所に提出できるような証拠をできるだけ多く残しておくことにより、慰謝料を請求できる可能性が高くなります。

  • 会話の録音
  • メールやLINEの画面を撮影したもの
  • 姑について誰かに相談した際の記録

姑の嫌がらせが原因で心療内科・精神科に通院するようになった場合、診療書や診療記録も強い証拠の一つになります。

姑が父親に親権を渡すよう主張することがある

離婚することを知った姑が「離婚するなら孫をよこせ」と親権を夫にするよう主張するケースは決して少なくありません。もし夫や姑の元に子どもを残した場合、子どもに会うことも難しくなる恐れがあります。更に親権は一度決定すると変更が難しいため絶対に譲歩してはいけません。

親権はあくまで夫婦の問題であり、姑の言動が親権獲得に影響することはありませんので安心してください。親権の獲得で重要視されるのは夫婦どちらがより子どもの世話をしているか(監護実績)です。母親がフルタイムで働き通しだった、もしくは育児を放置していた場合を除き母親が親権を獲得しやすいのが現状です。

親権問題の基礎知識や基準は以下の記事で詳しくまとめています。父親の親権に関する記事ですが、親権獲得の際に重要視されるポイントを解説しています。
父親が親権を取れる確率は?重視されるポイント・親権獲得のためにすべきことを解説

嫁姑問題を理由に離婚したい場合は弁護士へ相談を

嫁姑問題を理由に離婚する場合は夫側に危機感や当事者意識が薄いため妻から離婚を切り出しても取り合ってもらえないことが。また姑が介入することにより妻側に不利な条件で離婚をさせられる可能性も多いにあります。

姑が原因で離婚をしたい場合は弁護士に相談することを強くお勧めします。弁護士を立てることで夫側と直接交渉せずに離婚手続きを進めることができ、財産分与や親権などの交渉もスムーズに進みやすくなります。

直接相手と話さずに済む

離婚の手続きは弁護士に相談せず、自力で進めることも可能です。しかし離婚問題はお互いに大きなストレスがかかるもの。更に姑が離婚交渉に介入した場合は姑とも話をしなければならなくなり、精神的負担は大きなものになるでしょう。

しかし法律事務所に依頼をすることで夫や姑との交渉を全て弁護士に任せることができます。離婚を決意するほど姑が嫌いな方は、これだけでも弁護士に依頼をする価値があると言えます。

養育費や財産分与、親権の交渉が進めやすくなる

離婚後の生活を考える上で財産分与は非常に重要です。また子どもがいる場合は親権や養育費についても話し合いをしなくてはいけません。弁護士に交渉を依頼することで妻の権利を夫側に主張してもらい、妻が受け取るべき財産を規定してもらうことが可能です。

先に述べた通り姑が親権を主張する、もしくは嫁に不利な条件で離婚させようとする事例は少なくありません。しかし嫁相手に強く出られる姑も弁護士相手では従わざるを得ません。

精神的に余裕を持つことができる

離婚後は夫と別々に暮らすことになるため、離婚手続きと平行して新しい生活のことを考えなくてはいけません。これら両方とも自力で行うことは心身共に大きな負担を伴います。

しかし離婚手続きを弁護士に依頼することにより、自分は住居探しや引っ越し準備、就職活動など新しい生活への準備に専念できます。新たなスタートを良いものにするために、できるだけ負担を減らすことをお勧めします。

まとめ

夫婦関係において嫁姑問題は深刻な問題であるにもかかわらず、多くの場合夫側はその深刻さに気づきません。そのため妻が離婚を切り出しても話し合いが難航し、離婚問題が長期化することもあります。

もし夫が離婚に反対した場合、裁判所に「婚姻関係が継続できない」と判断してもらう必要があります。また離婚に際しては財産分与や親権などの取り決めも不可欠です。

そのため姑問題を理由に離婚をしたい場合は法律事務所に相談をすることをお勧めします。離婚裁判に持ち込んだ際に離婚が認められるかどうか、慰謝料を請求できるかどうかを判断してもらえます。

また実際に離婚手続きに移行した際には代わりに夫側と離婚交渉をしてもらうことも可能です。離婚して新しいスタートを切るため、最良の方法を考えていきましょう。

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