結婚前の浮気で慰謝料請求するには…できる条件や請求の手順、慰謝料の相場を解説

結婚前の浮気で慰謝料請求するには…できる条件や請求の手順、慰謝料の相場を解説
結婚前の浮気で慰謝料請求するには…できる条件や請求の手順、慰謝料の相場を解説
  • 「結婚前の浮気が分かったので慰謝料を請求したい」
  • 「結婚前の浮気が原因で離婚になった場合の慰謝料の相場は?」

浮気が原因の慰謝料というと「結婚してないともらえないんでしょ?」と思われる方がいるかもしれませんが、結婚前でもある条件を満たすと慰謝料を請求できることがあります。こちらの記事では結婚前の浮気で慰謝料請求できるケースやできないケース、慰謝料の請求方法などを紹介していきます。

結婚後に交際中の浮気が発覚した場合では、結婚前の浮気でも離婚できるかについて解説。浮気相手から慰謝料をとれるかについてやケースごとの慰謝料の相場も分かるので、結婚前の浮気が分かってどうしようかお悩みの方や、浮気相手に慰謝料を請求したいとお考えの方は必見です。

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目次

慰謝料請求できるケース

結婚前の浮気で慰謝料請求できるのには条件があり、婚約中もしくは内縁関係にある場合に限られます。こちらではそれぞれの条件について詳しく紹介していきます。

婚約中の場合

ただの男女交際ではなく婚約中だと証明できれば、結婚前の浮気でも慰謝料を請求できます。婚約というと「結婚の約束」という意味合いが強く、将来の伴侶となることをお互いに約束した状態のことと一般的には考えられていますが、法的には婚約に関する明確な定義がありません。

ただし次のような条件に当てはまれば婚約中とみなされる可能性が高くなり、慰謝料を請求できるようになります。

婚約中とみなされる条件

婚約中とみなされる条件には、第三者から見て客観的に婚約状態だと分かる必要があります。

  • 家族や友人に結婚相手として紹介していた
  • 書面による双方の同意がある
  • 結納を交わした
  • 婚約指輪を貰った
  • 結婚式場を予約していた
  • 招待状を送るなど結婚式の準備をしていた

婚約状態だと証明できるかどうかは「結婚にむけた準備や話し合いが具体的に進んでいるかどうか」がポイントです。上のような証拠が多ければ多いほど婚約関係であったことが証明しやすくなるため、なるべく多くの証拠を集めるようにしましょう。

婚約中とみなされない状態

お互いに結婚の同意があれば一般的には婚約状態とみなされるかもしれませんが、こと慰謝料請求に関する場合では、具体的な証拠がないと婚約中とみなされません。例えば次のようなケースが婚約中と認められないことになります。

  • 口約束だけで書面に残していない
  • プロポーズされただけ
  • 「いつか結婚しようね」と話し合っただけ
  • 「〇〇さんと結婚しようと思っている」と両親や友達に話したが具体的に行動に移していない

上の様に口約束だけだったり、具体的な証拠がない状態では婚約関係を証明することは難しく、浮気されても慰謝料請求できません。

内縁関係(事実婚)にある場合

内縁関係(事実婚)にある場合も、法律上の夫婦同様に権利や義務が発生するため、客観的に証明できれば慰謝料を請求できます。

内縁関係とは

内縁関係とは婚姻届けを提出していないものの、普通の夫婦と変わらない生活を送っている状態のことで「事実婚」ともいいます。籍は同じでない男女が生計を共にしていて、他の家族や友人などからも夫婦として認識されていると、内縁関係ということに。

最近では夫婦別性を希望するカップルや従来の婚姻制度に抵抗がある人などが、あえて届を出さずに内縁関係として生活を共にするケースが増えています。具体的には次のような状態のことを指します。

  • 長期間同居をしていて生計も同じにしている
  • 周囲の人に夫婦として認識されている
  • 二人の間に子供がいる
  • 住民票の続柄が「妻・夫(未届)」になっている
  • 結婚の意思があった
  • 社会保険の扶養に入っている

内縁関係だということを証明するには、いわゆる「同棲」とは違うことを証拠で示す必要があります。法的には同居をして生計を共にしている期間が3年以上の場合は内縁関係とみなされることがあります。

慰謝料請求できないケース

上のようなケースだと結婚前の浮気でも慰謝料請求が可能ですが、場合によっては認められないことも。こちらはたとえ結婚前に浮気が発覚しても、慰謝料を請求できないケースを解説していきます。

婚約や内縁関係を証明できない

婚約関係や内縁関係にあるということを証明できないと、慰謝料請求は難しいと言わざるを得ません。法的に慰謝料を請求するためには、証拠が最も重要です。口約束だけやお互いの気持ちの中だけでは婚約(内縁)関係とは言えません。当事者間の話し合いで合意い出来れば慰謝料が支払われる場合もありますが、揉めた場合などは次のような証拠を提出する必要があります。

  • 結納式の写真
  • 両家顔合わせの写真
  • 婚約指輪・結婚指輪の領収書や注文書
  • 結婚式場の注文書・明細書・打合せ資料など
  • 結婚式招待状や印刷の領収書
  • 第三者の証言

内縁関係にあることを証明するためにも証拠は欠かせません。次のような証拠が準備できれば慰謝料請求の第一歩となるでしょう。

  • 未届の夫・妻と記載された住民票
  • 一緒に住み始めた証拠(賃貸借契約書など)
  • 社会保険被保険者証

内縁関係や事実婚状態の場合、所得税の配偶者控除はできませんが、健康保険の被扶養者や国民年金の第三号被保険者にはなれるので、被保険者証が内縁関係を示す証拠となります。

浮気の確実な証拠がない

浮気の確実な証拠がないと、慰謝料請求ができません。浮気を示す証拠に関しては下で詳しく説明しますが、具体的には婚約者(事実婚の相手)以外の異性との肉体関係を裏付けるような客観的な証拠が必要です。知人から「彼が浮気してるらしいよ」と聞いた話や、何となく浮気しているかもという直感だけでは浮気の確実な証拠とは言えません。

とくに2人きりで歩いているところや食事しているところを見たというだけでは、浮気だと認定されないことがほとんど。浮気以外の目的で会っていたと言い訳されればそこまでで、浮気の証拠としては弱いでしょう。

慰謝料請求の時効が過ぎている

浮気(不貞行為)の慰謝料請求には時効があり、時効が過ぎていると慰謝料を貰えなくなります。具体的な時効の期間は次の通りです。

  • 浮気や不倫の事実およびその相手を知ったときから3年(消滅時効期間)
  • 浮気や不倫の関係が始まってから20年(除斥期間)

例えば4年前の浮気の事実がつい最近分かったという場合は、慰謝料を請求できる可能性があります。一方で3年前から浮気に気が付いていたにもかかわらず、何も行動に移していないと請求しても時効により認められない可能性が高いでしょう。このように過去の浮気に対して慰謝料を請求できるかどうかは、浮気の事実や浮気相手を知ったタイミングによって変わってくるということに。

もしも上の時効期間が迫ってきている場合は、内容証明郵便による催告や訴訟提起によって時効を止められる可能性も。詳しくは弁護士などの専門家にお問い合わせください。

浮気の原因が自分にもある

浮気の原因が自分にもある場合は、慰謝料請求が認められない可能性があります。例えば過去に自分も浮気していたときや、特に理由もなく相手を拒絶して長期間セックスレスだった場合などです。相手の浮気の原因が自分にもあると判断されれば、慰謝料請求は難しくなるでしょう。

慰謝料請求ができる有効な証拠とは

浮気の慰謝料請求をするためには、法的に有効な証拠を集めなければなりません。浮気で慰謝料請求できるかどうかの基準は、類似行為も含む肉体関係の有無です。パートナー(婚約者・内縁の妻や夫)以外の異性と性的な関係があると判断できると浮気と認定され、慰謝料請求が可能になります。

具体的には次のようなものが証拠となります。

ホテルに出入りする動画・写真

ラブホテルや相手の部屋に何度も二人で出入りしている動画や写真があると、浮気の証拠となります。浮気の一番の証拠は、性行為の事実が分かるような動画や写真が一番ですが、隠し撮りなどは難しいため、ホテルに出入りしている動画などが取れれば、継続的な浮気があったと推測されるため証拠として有効です。さらにそれがラブホテルとなればもっと有力な証拠です。

他にも二人でホテルで撮ったと思われる写真や宿泊しなければ帰ってこられないような場所での自撮り写真なども証拠にできます。別の日に同じように足を運んでいる証拠や、長時間滞在したことが分かる証拠とあわせれば、より強力な浮気の証拠と認定されるでしょう。

浮気を推測できるLINEやメールの内容

浮気していることを推測できるようなLINEのやり取りやメールの内容なども浮気の証拠として有効です。内容から二人で宿泊したことが分かるやり取りや、SNSへの「〇〇さんと泊まっています」といった投稿も浮気の証拠となります。SNSをしている人が多い最近では、いわゆる「匂わせ投稿」から浮気の証拠を確保できる可能性も。

パートナーや浮気相手のSNSはすかさずチェックして、浮気の証拠が投稿されていないか確認しましょう。LINEのやり取りを証拠として確保するときは、静止画で撮るよりもスクロールしながら動画で撮影する方が手間もかからずおすすめです。

GPSのログなどの足どり

GPSアプリやGPS機器などを使って、相手の行き先や足どりを調べて浮気の証拠にするという方法もあります。ホテルの領収書や写真の日付と合致すれば、浮気の証拠としてみなされることも。他にも次のような手段で足どりをたどることもできます。

  • 交通ICカード(Suica・PASMOなど)
  • スマホの乗り換え検索
  • 車のETCカード
  • カーナビの履歴

自宅や職場以外の場所に何度も通っていたり、ラブホテルと思われる場所に何度も行き来しているという証拠が取れれば、浮気だと認定されやすくなります。ただしたとえ夫婦間でも相手の許可なしにGPSで監視することはプライバシーの侵害とみなされることも。GPSを使って浮気調査する場合は、十分に注意するようにしましょう。

ラブホテルの領収書

浮気のために使ったホテルの領収書やクレジットカードの明細、ラブホテルのポイントカードなどが浮気の証拠となることも。そのホテルが普通のビジネスホテルだった場合は「一人で泊まっただけ」「別の部屋に泊まった」などと反論される可能性がありますが、ラブホテルだと目的がはっきりしているため、浮気の証拠と認められやすいでしょう。

レストランの明細やレジャーランドの入場券などは、直接浮気を示す証拠とはいえないまでも、他の証拠と組み合わせることで浮気があったということの信ぴょう性を高められる可能性も。どうしても浮気の証拠を欲しい場合はどんな些細なものでも取っておくことをおすすめします。

浮気を認める証言

パートナー本人や浮気相手からの浮気を認める証言は、有力な証拠となります。パートナーから浮気のことを聞き出せそうなときや、浮気相手と話し合いの場が持てるときは、あらかじめボイスレコーダーなどを準備しておくことをおすすめします。浮気の証拠として認められる証言には、次のような内容が含まれている必要があります。

  • 浮気をした日時
  • 浮気の回数
  • 浮気をした場所
  • 肉体関係があったこと

単に「浮気をしました」というだけでは浮気の証拠として弱いため、とくに肉体関係があったことははっきりと言葉に出してもらうようにしてください。ボイスレコーダーを準備できないときは、上の内容を紙に書いてもらい、書いた日時や署名、捺印を貰うと証拠になります。

慰謝料の請求方法

慰謝料を請求する場合は、次のような方法で進めるのが一般的です。

1.相手と話し合う

浮気の証拠が揃ったら、まずは相手に浮気の事実確認をして慰謝料請求することを伝えましょう。伝え方は直接会うのが一番ですが、相手に会いたくない場合は電話やメールでも構いません。このような当事者同士の交渉では、後から決めたことをくつがえされたりしないよう、取り決めした内容は書面に残しておくことをおすすめします。

書面に書く内容は慰謝料の金額や支払い方法、支払期日などです。インターネットで「浮気 誓約書」や「浮気 示談書」などで検索するとひな形が出てくるので、ひな形に沿った内容にすると間違いありません、書面は2部作成しそれぞれに署名捺印してもらいお互いが一枚ずつもつようにすると後のトラブルを防げます。

2.内容証明郵送で請求する

当事者同士で直接話し合うのが嫌だという人は、内容証明郵便を利用して慰謝料の請求書を郵送するという方法があります。内容証明郵便とは、いつ・誰が・誰に・どんな内容を送ったかということを郵便局が証明してくれる郵便サービスのことで、いざという場合の証拠にもなります。どんな用紙を使用してもいいのですが、1行の文字数は20文字以内で1列の行数は26行以内と決まっています。

また内容証明郵便には写真などの資料を同封することができません。内容証明郵便には次のような順序で項目を記載していきます。

  • 文書の表題
  • 通知内容(慰謝料請求したいこと・金額・支払期日など)
  • 日付
  • 相手の住所、氏名
  • 自分の住所、氏名

不明な点は郵便局で確認できます。郵送にかかる料金は枚数によって変わりますが1枚~3枚で約1,200円~1,800円ほどです。

3.弁護士に慰謝料請求を依頼

上の方法でも相手が応じない場合は、弁護士に慰謝料請求を依頼することをおすすめします。当事者間同士では、つい感情的になって話が進まなかったり、浮気が分かった当時の辛い気持ちがよみがえって精神的に辛くなることもあります。しかし代理人として弁護士を立てると、そのようなストレスから軽減され、論理的かつ法的な立場で有利に交渉を進められます。

内容証明で請求書を送る場合も、弁護士が代わりに作成してくれます。また相手に対しても弁護士を付けたことで「本気なんだ」とプレッシャーをかけられ、「何とかして慰謝料を支払わないと…」という気持ちにさせる効果が期待できるでしょう。最終手段として慰謝料請求を求める裁判を起こすときも、弁護士が付いていると請求の手続きや裁判所とのやり取りを代わりに行ってもらえます。

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4.裁判で慰謝料を請求する

浮気の慰謝料を請求する最終的な方法として、裁判所に慰謝料請求訴訟を起こすという手段があります。話し合いで決着が付かない場合や、相手が慰謝料を支払うことを拒否している場合に有効です。裁判を起こす場合は訴状と一緒に、慰謝料請求の根拠を示すものとして浮気の証拠を提出します。

裁判になると判決が出る前に和解という形で裁判が終わるケースもありますが、基本的には月一回の口頭弁論を数回行い判決が下されます。このときも代理人として弁護士が付いていると安心です。ただし慰謝料の金額によっては、たとえ支払いが認められても弁護士費用を支払うとマイナスになることも。また相手の経済状況によっては現実的に慰謝料を支払えないという場合もあります。

結婚前の浮気が原因で離婚&慰謝料請求できる?

結婚前の浮気が分かったとき、それが原因で離婚は認められ、慰謝料請求ができるのでしょうか。こちらでは夫婦間の結婚前の浮気問題について解説していきます。

結婚前の浮気では離婚は認められない

結婚前の浮気が原因で夫婦関係が壊れてしまっても、それだけで離婚は認められません。夫婦間にはお互い配偶者以外の人との不貞行為を禁止する「貞操義務」があります。また配偶者に不貞な行為があったときは「決定離婚事由」に該当するため、お互いの合意がなくても離婚ができると民法第770条に定められています。

決定離婚事由には全部で5つあり、それぞれの内容はこちらです。

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる

一 配偶者に不貞な行為があったとき
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

引用:民法|e-GOV法令検索

しかし結婚前の浮気は、たとえ婚約していたり事実婚状態であっても、法律上の離婚原因となる不貞行為に該当しません。そして結婚前の関係ではお互いに貞操義務がなく、結婚後の浮気ほど有責性は高くないと考えられます。よって、結婚前の浮気が結婚後に発覚しても、それを理由にすぐ離婚することは難しいでしょう。

浮気の期間によっては慰謝料請求が可能

たとえ結婚前であっても、浮気の期間が婚約中だったり、内縁関係になってからの場合は慰謝料請求ができます。まずは婚約中・内縁関係中の証拠と浮気の証拠を揃えて、弁護士に相談しましょう。時効期間にかからなければ慰謝料請求が可能です。また時効間近でも、内容証明の送付などによって時効の進行を止めることができます。

離婚するための3ステップ

結婚前の浮気が原因で離婚することはできませんが、浮気がもとになって夫婦関係に亀裂が入り、結婚生活を維持していくのが難しくなった場合、離婚を考えるようになります。特に相手が浮気について全く認めなかったり、心からの反省の態度が見られないと「これ以上夫婦としてやっていけない」と考えることもあるかもしれません。

その場合は決定離婚事由の「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性が高いでしょう。ここでは離婚するための3つのステップを説明しながら、離婚までの道のりを見ていきましょう。

話し合いで離婚を決める(協議離婚)

決定的な離婚事由がなくても、夫婦で話し合ってお互いに合意すれば離婚ができます。これを「協議離婚」といい、両社の合意の元で離婚届を役所に提出すれば離婚が成立します。協議離婚は難しい手続きや費用などもかからず簡単に離婚できるため、離婚件数全体の約9割を占めています。

ただし子供がいる場合は、子どもの親権者をどちらにするか決めておかないと離婚ができません。というのも離婚届に子どもの親権者を記入する欄があり、これを記入していないと離婚届が受理されないからです。また財産分与など、子供関係以外の決め事もきちんと話し合って書面に残しておかないと後のトラブルの元に。

協議離婚であっても、離婚時の合意内容は「離婚協議書」や「公正証書」などの文書に残すことをおすすめします。

調停で離婚や慰謝料について話し合う(調停離婚)

話し合いで離婚に至らなかった場合は、調停で離婚時の条件などについて話し合います。これを「調停離婚」といい、家庭裁判所に話し合いの場を移して、調停委員2名に間に入ってもらってお互いの主張をすり合わせていくことに。調停は1~2カ月に一度開かれ、複数回の調停を経て、全体で3カ月から長くて1年ほどの期間かかります。

合意に至ればその内容を家事審判官(裁判官)が「調停調書」として作成します。調停調書は法的に拘束力を持ち、簡単にくつがえすことができません。よって納得できない場合は安易に認めず、慎重に判断するようにしましょう。

折り合いが付かないときは裁判へ(裁判離婚)

調停でも話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に訴えをおこす「裁判離婚」へと進みます。夫婦どちらか一方が離婚訴訟を起こし、尋問や審議を経て裁判所に判決が下され離婚が成立するという流れです。ただし裁判離婚をするためには条件があり、これらの条件を満たさないと訴訟を起こすことはできません。

  • 離婚調停を経ていること
  • 民法に規定された法定離婚事由があること

裁判離婚をするには、離婚調停を経ている必要があり、いきなり離婚を求めて訴訟を起こすことはできません。また離婚の原因が民法第770条に定めている法定離婚事由のいずれかに該当する必要も。裁判離婚にまで発展するケースは離婚件数全体のわずか1%程度でそれほど多くありません。

調停離婚と異なり、手続きが非常に複雑で、訴訟に必要な訴状や準備書面など、高度な法律の知識がないと作成するのは不可能です。裁判離婚を検討する方は、弁護士に手続きを依頼することをおすすめします。

浮気相手にも慰謝料請求できる?

浮気や不倫には必ず「相手」がいます。その相手にも慰謝料請求することは可能なのでしょうか。

条件を満たせば慰謝料請求も可能

条件さえ満たせば、浮気相手にも慰謝料請求することは可能です。その条件というのは浮気相手が婚約中であることや事実婚状態だということを知っていたかどうかということ。婚約中の相手がいると分かっていて浮気していた場合は、浮気相手にも慰謝料請求が可能です。

また婚約者がいるということを知る機会があったにもかかわらず、あえて知ろうとしなかったときも不貞行為に対する過失が認められ、慰謝料請求できる場合があるでしょう。逆に脅迫まがいで関係を迫られた場合や、強制性行が行われた場合は浮気相手への慰謝料請求ができない可能性があります。まずは上記のことを浮気相手に確認してから慰謝料請求の手続きに入りましょう。

パートナーから慰謝料を受け取っている場合

すでにパートナーから結婚前の浮気についての慰謝料を全額受け取っている場合は、浮気相手から二重に慰謝料を受け取ることはできません。例えば慰謝料の全額が100万円だったとき、パートナーから慰謝料として100万円をすでに受け取っている場合は、浮気相手に浮気に対する慰謝料を請求することはできなくなります。

パートナーからと浮気相手の両方から二重に慰謝料を請求する場合は、50万円ずつの計100万円を請求することになります。ただし浮気相手から迷惑行為や暴力を受けたときは、その精神的被害に対する慰謝料を請求することが可能です。

慰謝料の相場金額・弁護士費用

慰謝料には相場があり、その相場は過去に裁判になった判例をもとに決められることが多いです。こちらでは慰謝料金額の増減に係る要素やケースごとの慰謝料相場、慰謝料請求に係る弁護士費用など、お金に関する項目について解説していきます。

慰謝料の金額を左右する要素

結婚前の浮気でも慰謝料請求は可能ですが、次のような要素の有無や程度によって請求できる相場が変わってきます。

  • 交際(婚約)期間の長さ
  • 浮気の回数や頻度
  • 結婚の準備をしていたか
  • 浮気に対して積極的だったか
  • 婚約が原因の退職があったか
  • 妊娠などの有無
  • 婚約破棄の有無
  • 相手の社会的地位
  • 精神的苦痛の度合い
  • 相手の反省度合い

慰謝料は精神的苦痛に対して支払われる損害賠償金なので、交際期間が長かったり、婚約破棄に至るなど、精神的ストレスが大きいと判断されれば高額になる傾向があります。また請求する相手の社会的地位が高ければ高いほど多くの金額を請求でき、反省の態度が見られないと判断したときも慰謝料の相場は高額になります。

【ケース別】慰謝料の相場

こちらではケース別の慰謝料の相場を紹介していきます。

浮気で婚約や内縁関係が破綻した場合

婚約中や内縁関係にある中での浮気で、パートナーとの関係が破綻した場合に請求できる慰謝料の相場は30万円~150万円です。上で紹介した通り、婚約中であっても慰謝料の請求は可能です。浮気によって婚約が破棄になった場合は、「不当な婚約破棄」として慰謝料が発生する可能性が。交際期間の長さや結婚の準備がどの程度進んでいたかによって、慰謝料が算定されます。

浮気が発覚したが離婚していない

結婚後に結婚する以前の浮気が発覚したが、離婚には至らなかった場合の慰謝料の相場は50万円~100万円ほどです。夫婦間の浮気の慰謝料に関しては、離婚に至ったかどうかが重要な算定基準となり、離婚した場合と比べると相場が低くなります。これは浮気によって夫婦関係が破綻しなかったとみなされ、引き続き安定した結婚生活が送れると判断されるからです。

離婚していない場合でもなるべく慰謝料の金額を上げたいという方は、浮気発覚によって家庭内別居が始まったという証拠や家族で出かけることが無くなったという証言など、客観的に見て浮気のせいで夫婦関係が破綻したという証拠を見つける必要があります。

浮気発覚で別居中

結婚前の浮気が発覚して別居に至った場合の慰謝料相場は50万~200万円ほどです。離婚に至ったケースに比べて相場は抑えられますが、浮気発覚後も同居を続けている場合よりは高額になります。

また結婚中の別居では慰謝料とは別に「婚姻費用」を請求できることも。夫婦がお互いに生活を助け合う義務があるため、たとえ別居中でも婚姻費用として生活費を分担しなければなりません。特に夫婦間で収入格差が大きいケースでは、収入の多い夫が収入の少ない妻に対して婚姻費用を支払わなければなりません。

婚姻費用は月額で算定され、子どもの人数や夫・妻の収入金額などによって変動します。夫婦間の話し合いでまとまらない場合は、裁判所に調停を申し立てて婚姻費用の金額を決めることになります。

浮気発覚で離婚

結婚前の浮気が発覚して離婚した場合、慰謝料の相場は50万円~300万円です。離婚することになったということはそれまでの安定した夫婦関係が継続できなくなるということで精神的ショックが大きいと判断され、慰謝料は高額になります。婚姻期間が長ければ長いほど精神的苦痛が大きいとみなされます。

離婚時の慰謝料を払わないとどうなるかについては、こちらの記事を参考にしましょう。

離婚時の慰謝料を払わないとどうなる?3つのリスクや払えないときの対処法を教えます

弁護士に依頼する場合の費用相場

浮気での慰謝料請求を弁護士に依頼する場合、気になるのが全部でいくらかかるのかということ。こちらでは弁護士費用の相場を紹介していきます。弁護士費用はその内訳によって次のように相場が決まっています。

費用の内訳 詳細 費用相場
相談料 弁護士に最初に相談に行ったときにかかる費用 無料~30分5,000円
着手金 弁護士に依頼するときに支払う費用
慰謝料請求が失敗に終わっても返金されない
10万~30万円
報酬金(成功報酬) 慰謝料を獲得したときに支払う報酬 獲得した金額の10~20%
実費 慰謝料請求をするときにかかる費用
(郵便切手代・交通費・裁判所費用など)
実費

弁護士に依頼する場合は、上のような費用が必要です。高額だと感じるかもしれませんが、自分ですべて行おうとすると慰謝料を全く取れない可能性も。中には着手金無料や分割払いができる弁護士事務所もあるため、費用の支払いが心配な方はあらかじめ相談してみましょう。

まとめ

結婚前の浮気でも、婚約中や内縁関係だという証拠があれば慰謝料を請求できます。慰謝料を請求する場合は、浮気の確実な証拠が揃っていて、慰謝料の時効が過ぎていないことを確認しましょう。もし時効が過ぎていたり、自分にも浮気の原因があると判断されると請求できません。

結婚後に浮気が分かったケースでは、結婚前の浮気が原因で離婚することができませんが、夫婦関係が修復できないときは協議離婚、調停離婚、裁判離婚を経て離婚ができます。また浮気相手については、浮気相手が婚約中や内縁関係だと分かっていて合意の上で行為に及んでいると慰謝料請求が可能です。

浮気の慰謝料には相場があり、婚約破棄に至った場合や離婚した場合に高額になります。慰謝料請求を弁護士に依頼する費用は着手金と報酬金で15万~70万円ほどです。調停や裁判だけでなく、相手に直接請求するときでも弁護士がいるとスムーズに進められます。精神的ストレスの軽減にもなるので、浮気の慰謝料を請求する場合は弁護士に相談するようにしましょう。

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