離婚に踏み切るきっかけとは?統計からみる理由と決め手、後悔しないためのチェックポイントを解説

離婚に踏み切るきっかけとは?統計からみる理由と決め手、後悔しないためのチェックポイントを解説
離婚に踏み切るきっかけとは?統計からみる理由と決め手、後悔しないためのチェックポイントを解説
  • 「他の人はどんなきっかけで離婚しているか知りたい」
  • 「離婚を後悔しないためにどんなことを考えればいい?」

どんなに仲のいい夫婦でも、長い結婚生活の間には「もう離婚した方がいいのかも」と思うこともあるでしょう。しかし本当に離婚すべきことなのかは、冷静に考える必要があります。また離婚後のこともしっかり想像してからでないと「やっぱり離婚するんじゃなかった…」と後悔のもとに。

そこでこちらの記事では、離婚が頭をよぎるきっかけや統計でみる離婚理由、こんなときは離婚すべきという決め手について詳しく解説します。さらに離婚を後悔しないためのチェックポイントも紹介するので、離婚すべきか悩んでいる方は参考にしてください。


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離婚がちらつく8のきっかけとは?

結婚している多くの方の中で離婚がちらつくのは、次のようなきっかけがあるときです。

思いやりや愛情が感じられない

妻や夫から思いやりの言葉や愛情ある態度が感じられなくなると、離婚が頭をちらつくようです。男性は妻に対して「今さら言葉にしなくても分かるだろう」と相手を褒めなかったり、感謝の言葉を口にしなくなったりするケースが多いです。しかし妻は愛情が感じられないと感じてしまいます。

逆に夫側は収入が少ないとバカにされたり、家族の中で居場所がないなどと感じると、妻からの愛情を感じられなくなりがちです。また自分のプライドが傷つけられたと感じたり、寂しがりやなのに家族に邪険に扱われたりすると、離婚が頭をちらつく傾向にあります。

自分や相手の不倫

離婚原因として最も多い要素の一つに、自分や配偶者の不倫があります。夫側に不倫がきっかけで離婚するケースが多いですが、妻側の不倫による離婚も少なからずあります。他の理由があり離婚をとどまっていた場合も、相手の不倫が明らかになると「もうやっていけない」と離婚を決断するケースも。

夫側が不倫するケースでは、妻が専業主婦などで経済力がないと、「1度目は許す」と大目に見る人もいます。逆に人によってはたった一度の不倫でも「もう配偶者として信頼できない」と、離婚を言い渡されることもあります。

不倫が相手にバレたときにどのような行動をとるべきか知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「不倫がバレたらどうなる?トラブルを防ぐ対処法や慰謝料の相場・変動する要素を解説」

セックスレス

セックスレスや性的不一致も、離婚の大きなきっかけです。特に理由もないのに、一方的に拒否されてしまうと夫婦としての絆や愛情が感じられず、離婚が頭をよぎります。男性側が性交渉を拒むのは、不倫などが背景にあることが多いです。

一方で女性側が拒むのは子育て中だったり、夫に愛情を持てなくなった場合が考えられます。いずれにケースでも、片方が性交渉を望んでいる場合は夫婦仲が悪くなる大きな要因になるでしょう。

セックスレスで離婚する方法が知りたいという方は、こちらの記事を参考にしてください。

「セックスレスで離婚する方法|認められる条件や有利に離婚する4つのポイントとは」

家事や育児に非協力的

妻側が離婚を考えるきっかけとして多いのが、夫の家事や育児に非協力的な態度です。とくに共働き夫婦の間では、どちらがより多く家事を分担するか、子どもの世話や送り迎えは誰が担当するかなどでギクシャクしがち。片方にだけ負担が大きくなると、不公平感を感じて夫婦げんかの原因になります。

一緒に家計を支えているという現実がある一方で、家事や育児は女性の仕事という一昔前の考えをする夫が多いのも離婚の原因になりがち。夫がいる意味を感じられず、離婚を考えるようになります。

暴力や暴言を振るわれた

夫婦間で暴力や暴言があると、離婚原因の一つになります。自分だけに向かうならまだしも、子どもにまで暴力や暴言を浴びせるようになると、離婚を決意する人も少なくありません。DVやモラハラは裁判で離婚が認められる要因になるため、そのような行為がある場合は、極力証拠を取るようにしましょう。

暴力や暴言に限らず、夫婦関係が対等でないと家庭がうまくいかない傾向にあります。暴言まではいかないまでも、モラルハラスメントは社会的立場が低い女性が受けやすい精神的暴力です。尊厳を貶められるようなことを繰り返し言われると、「自分は価値のない人間だ」と思うようになり、精神的に追い詰められて離婚を考えるようになるでしょう。

束縛がきつすぎる

相手からの束縛がきつすぎると、離婚を考えるきっかけになります。一緒にいない間も相手に絶えず電話をかけて何をしているか確認する、携帯やスマホを日常的にチェックする、親族や友人との交流を制限するなどの行為が束縛に該当します。

嫉妬心が強い配偶者の場合、相手が浮気をしているのではないかと勘繰って、カバンの中やスマホを細かくみられたりすることも。適度な確認なら愛情表現と取れなくもないですが、度が過ぎると「自分は信用されていないのでは」と思い、夫婦関係が悪化して離婚を考える人も少なくありません。

義理の家族との折り合いが悪い

義理の家族との折り合いが悪く、配偶者が何も対策を取ってくれなかったり、自分の味方をしてくれないと離婚を考えるきっかけになります。とくに妻と夫側の家族との関係悪化で、離婚を考える人が多いようです。家庭によっては「嫁は婚家に仕えるもの」と考えているケースがあるためです。

同居を迫ったり、夫婦間のことにむやみに口を出そうとする、体調が悪くても義理の親の言う通りにするように求めるなどで義理の家族との関係が悪化します。ここで配偶者が防波堤になり自分の親を止めてくれれば、まだ夫婦関係の破綻には至らないのですが、自分の味方をすることなく親の言いなりだと、離婚を考えるようになってもおかしくありません。

収入や浪費癖に不満がある

夫の収入が低くとても生活できない、夫がギャンブルなどに浪費して家に生活費を入れてくれない、妻の浪費癖のせいで借金が膨らんだなど、金銭問題がきっかけになって離婚に発展する場合があります。このような状況では満足に生活できないことでストレスの原因になるだけでなく、将来への不安につながります。

子どもがいる場合は、子どもへの悪影響も考えるでしょう。このように金銭的な問題は、夫婦関係に大きな影を落とす一因になります。

ギャンブル依存症の配偶者との離婚で悩んでいる方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「ギャンブル依存症の相手と離婚すべき?慰謝料や養育費を獲得する方法&注意点とは」

統計からみる離婚の現状

離婚調停などが行われる家庭裁判所では、裁判に関する結果を数値化した「司法統計」を毎年公表しています。また厚生労働省が報告書を出している「人口動態調査」からも、離婚についての様々なことが読み取れます。そこでこれらの統計から、離婚の現状について詳しく見ていきましょう。

【男女別】離婚したい理由

家庭裁判所では、話し合いで離婚できなかった夫婦に対する調停制度を設けています。多くの方は離婚を目的としてこの調停を申し立てます。そのときに離婚調停を申し立てる理由を、「その他」を含む13の選択肢から選ばなければなりません。

1件につき3つまで複数回答ができるのですが、男女別の離婚したい理由がその結果から見えてきます。男女別の離婚したい理由はこちらです。

順位 夫側の離婚理由 妻側の離婚理由
1位 性格が合わない 性格が合わない
2位 その他 暴力をふるう
3位 精神的に虐待する 生活費を渡さない
4位 暴力をふるう 精神的に虐待する
5位 異性関係 異性関係

夫・妻側ともに1位になっているのが、「性格の不一致」です。「恋愛結婚が多いのに相手の性格が分からないの?」と思う方もいるかもしれませんが、結婚後に悪い方に変わってしまったというケースも少なからずあります。また金銭感覚や価値観の違いも、性格の不一致に含まれることがあります。

その他の「異性関係」や「精神的虐待」は男女問わず離婚原因になっているのですが、妻側2位の「暴力をふるう」と3位の「生活費を渡さない」などは、夫婦関係のいびつさが結果に表れた形になります。

参照:婚姻関係事件数≪渉外≫-申立ての動機別申立人別-全家庭裁判所|令和2年司法統計

離婚しやすいのは結婚何年目?

令和2年度の「人口動態統計」には、「年次別にみた同居期間別離婚件数及び百分率並びに平均同居期間」というデータがあります。ここでいう同居期間というのは、結婚から離婚(別居)までの期間ととらえられます。令和2年中は約19万組が離婚していますが、そのうちで同居期間別の離婚件数は次のようになっています。

同居期間 割合
5年未満 1年未満 6.1%
1~2年 7.4%
2~3年 7.0%
3~4年 6.4%
4~5年 5.7%
5~10年 20.2%
10~15年 14.1%
15~20年 11.6%
20~25年 9.6%
25~30年 5.8%
30年以上 6.2%

5年刻みで見たときに最も離婚件数が多い同居期間は、5年未満の32.5%です。次いで同居期間5~10年、10~15年という結果に。ここから結婚後5年以内で離婚危機が最も高まるものの、結婚15年まではその危機は継続してあるといえます。

参照:年次別にみた同居期間別離婚件数及び百分率並びに平均同居期間|e-Stat

別居開始から離婚までの平均

では別居を始めてから離婚までの期間は、どのくらいかかる場合が多いのでしょうか?厚生労働省が発表した平成21年度の「離婚に関する統計」の概況によると、同居をやめたときから離婚届けを提出するまでの期間(別居期間)は、1年未満が全体の82.5%と最も多い結果になりました。次いで1~5年が12.8%、5~10年と10年以上も合わせると4.7%という割合です。

この結果から、8割以上の夫婦が別居から1年以内に離婚を決めており、一方で1年以上の長期戦となっている夫婦も、2割弱いることになります。

別居期間1年で離婚が認められるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「別居期間1年で離婚できる?長引く・認められないケースと早く離婚するポイント」

離婚の方法に関する統計

離婚するためには、協議離婚・調停離婚・裁判離婚という3つの方法があります。このうち最も多いのが、夫婦による話し合いのみで離婚する協議離婚で、離婚した夫婦のうち約9割が協議離婚を選んでいます。次に多いのが調停委員を仲介して話し合いを行う調停離婚で、全体の1割弱です。

最後に最も少ないのが裁判離婚で、全体の1%ほど。和解で終わったケースを含めても、約3%という割合です。調停離婚と裁判離婚の間に「審判離婚」という手続きもありますが、そもそも裁判所が審判離婚を指定することが極めて少なく、審判内容が覆される可能性もあるため、ほとんどのケースで選択されません。
参考:婚姻関係事件数≪渉外≫-終局区分別-家庭裁判所別|司法統計

こんなときは離婚すべき!離婚の決め手

具体的に離婚まで考えていなかったり、本人は「離婚までは…」と思っていても、客観的に見て離婚すべきだというケースがあります。次に紹介するようなケースに当てはまる場合は、離婚を親権に考えるべきかもしれません

将来一緒にいるイメージが湧かない

将来夫婦一緒に過ごすというイメージができない場合は、離婚を意識した方がいいのではないでしょうか。結婚した当初は、生涯を共にするつもりで一緒になったはず。しかしこのまま一緒に生活をし続けていても幸せな未来を描けない、むしろ互いが不幸になるような未来しか想像できないと感じた場合は、離婚した方がいいでしょう。

自分が訴えていることをないがしろにされたり、尊重されていないなと感じてしまうと、一緒に頑張っていく未来を想像できなくなります。互いの存在が将来のマイナスになるようなら、いっそのこと別々の未来を歩んだ方が幸せになれるのではないでしょうか。

一緒にいるだけで落ち込む・辛い

「同じ家にいるというだけで辛く、気持ちが落ち込んでしまう」と感じる方は、離婚した方がいいでしょう。このような状況になるということは完全に相手から心が離れてしまい、結婚生活自体が苦痛になっている証拠です。自分の心身の健康のためにも、離婚をおすすめします。

もし経済的な理由などで離婚を躊躇している場合は、別居して生活費として婚姻費用をもらうという方法もあります。家庭内別居であっても同じ家に住んでいるということに変わりなく、裁判所で認められた離婚原因がなくても長期の別居期間があると、それだけで離婚が認められる場合があります。

子どもに悪影響が出た

夫婦の間に子どもがいる場合は、その子どもに悪影響が出たら離婚を決意すべきでしょう。妻への暴力や暴言があるケースでは、子どもも同様の被害を受けていることがあります。またそこまでいかなくても、自分の母親が暴力を受けている現場を目撃してしまうと、大きな心理的ストレスになるのは必至です。

子どもは夫婦関係が悪いことにとても敏感です。「自分のせいではないか」と気に病み、おねしょやチックなど身体的症状に現れます。また睡眠障害や不登校などの原因になることも。そのような家庭に育つと、子どもも親の真似をするようになり、将来的に幸せな家庭を築けない場合も。

子どもに以前と違うような表情が出たり、心身に症状が現れたときは、なるべく早めに離婚した方がいいでしょう。

生理的に受け付けなくなった

相手のことを生理的に受け付けなくなると、夫婦としてこれ以上一緒に生活するのは難しいでしょう。とくに相手の浮気を知った妻が、夫に生理的な嫌悪感を感じることが多いようです。「同じ空気を吸うのも嫌だ」「浮気した夫が自分に触れるのが気持ち悪く感じる」など、相手の存在自体が嫌になります。

出産直後や育児中の女性も、一時期同じような状態になることがありますが、こちらのケースは時期が来ればおさまることがほとんど。恋愛感情が冷めても家族としての信頼関係や情があるなら、生理的に受け付けなくなることはないでしょう。一緒にいることすら耐えられない相手とは、今後も結婚生活を続けることが難しいと気づきましょう。

相手に恐怖感がある

相手に何をされるか分からないという恐怖感がある場合は、一緒にいるべきではありません。なるべく早めに離婚することをおすすめします。本来なら一番くつろげるはずの家庭で恐怖を感じるようでは、あなたの心身の健康にとって害にしかなりません。暴力を振るわれる、大声で怒鳴られるなどで恐怖を感じると相手の機嫌をうかがったり怯えたりしてしまいます。

また相手が家にいると思うと帰宅したくなかったり、なるべく顔を合わせないように生活しているなどのような状況は、相手に恐怖感や嫌悪感を感じているという兆候です。このようなときは、物理的に相手から離れられる別居から検討してみてはいかがでしょうか。

生活費や養育費をねん出できない

「夫が生活費を渡してくれない」、「妻の浪費で家計が火の車」などと言う場合は、これ以上一緒に生活するのは難しいので、離婚を考えた方がいいでしょう。また配偶者のギャンブルが度を越えていたり、借金するほどの浪費の場合も同様です。

生活費や子どもの養育にかけられるお金がないほど家計がひっ迫しているような状況では、遅かれ早かれ生活が行き詰まり家族が路頭に迷ってしまいます。とくにギャンブルや浪費などは、本人の心がけだけでは治りません。専門の医療機関での治療には何年もかかり、それも完治できる保証はないため、毎日の生活に困るようなら離婚を考えるタイミングかもしれません。

健康面に影響が出ている

自分自身の心身の健康面に悪影響が出ている場合は、まずは体と命を守ることを考え、相手から離れましょう。とくに暴力を振るわれてケガを負った場合や、相手の言動が原因でうつや適応障害など精神的な病気になった場合は、早急に離婚するべきです。このような状態のまま結婚生活を続けていると、命の危険さえあるため。

病院にかかったときの明細書や診断書を取っておき、なるべく証拠として残しておきましょう。まずは周囲の助けを借りて、速やかに別居を検討してください。頼れる人がいない場合は、DV支援センターや女性相談窓口、最寄りに警察署などに相談の上、民間のシェルターに入るという方法もあります。

うつ病で離婚する場合の慰謝料相場や請求方法については、こちらの記事を参考にしてください。

「うつ病で離婚するときに慰謝料は発生する?状況別の相場や請求方法、条件を解説」

離婚を決める前に確認すべきこと

実際に離婚してから「もう少し準備をしてから離婚すればよかった」と後悔する場合があります。また離婚そのものを後悔する方もいるので、離婚を決める前には次のようなことを確認するようにしましょう。

離婚しても後悔しないか

離婚を決めるときに最も大切なのは、「このまま離婚しても後悔しないか?」ということ。相手に離婚を切り出してからでは元のような関係に戻れなくなってしまうため、まずは自分の中だけでよく考えましょう。一時的な感情だけではないか、時間をかければ修復できないか、相手にもっと歩み寄れないかなど、一度冷静になって考える必要があります。

離婚について考える場合にポイントになるのは、「離婚する・しない」といった、離婚そのものを目的にしないこと。それよりは「自分にとっての幸せは何か」ということを考えた方が、より後悔しない選択をできるでしょう。よく考えたうえで「それでも離婚したい気持ちは変わらない」という強い気持ちを持つことが、相手に離婚を切り出すうえでの絶対条件となります。

離婚を悩んでいる場合の決め手や後悔しないためのポイントは、こちらの記事を参考にしましょう。

「離婚に悩む人の決め手は?決断を後押しする理由と後悔しない6つのポイント」

相手は離婚に応じてくれそうか

相手が離婚に応じてくれそうかについても、離婚を切り出す前に考えてみましょう。とくにモラハラなどは、「自分は相手のためを思ってやっている」など、悪いことをしているという自覚がない可能性が高いです。まずは「あなたのこういう言動で私は傷ついている」ということを分からせることから始めなければなりません。

相手が協議離婚に応じない場合は、最終的には離婚裁判で離婚を認めてもらう必要があります。そうなると期間や費用もかかってしまうため、相手に協議離婚に応じてもらうために工夫が必要に。相手が離婚原因となった行為をやめないのであれば、そのことで家庭が崩壊する可能性があるということを認識させてください。

また2人だけで離婚の話し合いにならないという場合は、弁護士などの専門家を含めることで、より深刻な事態だということを認識してもらいやすくなります。

法定離婚原因の有無

自分たちが離婚する場合は離婚原因があるのか、あるとしたらどんなことが該当するのか確認することをおすすめします。互いが合意すれば協議離婚することが可能ですが、相手が話し合いに応じない場合は最終的には裁判離婚で決着をつける必要があります。裁判で認められる「法定離婚事由」は、民法で次のように定められています。

1.配偶者に不貞な行為があったとき。

2.配偶者から悪意で遺棄されたとき。

3.配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

参照:民法|e-GOV法令検索

しかし裁判を提起しても、法定離婚事由がないと離婚が認められず、長期間の別居などを経て離婚を認めてもらうしか方法がなくなります。自分たちのケースでは、法律で定められた離婚原因があるかをチェックして、ない場合はなるべく協議離婚で決着をつける必要があります。

離婚後は自立した生活が可能か

現在の自分の収入や財産で、自立した生活が可能かについても、離婚前によく確認しておきましょう。とくに子どもを引き取って離婚する場合は、自分と子どもの生活費が必要になります。一カ月の収入と支出を洗い出し、自立した生活ができるか計算してみましょう。

社会保障審議会がまとめた「母子世帯における消費実態と生活扶助基準との比較について」によると、全国の母子家庭(全世帯)の消費支出額は、子ども1人の場合218,596円、子ども2人の場合は237,460円となっています。生活する場所や子どもの年齢によっても変動しますが、およそ20万円は生活費として必要です。

当初の生活費は貯金や財産分与などで賄える可能性がありますが、現在働いてない場合は離婚に向けて就職する必要があり、収入が足りない場合はより給料の高い仕事に転職するなどして、生活に必要な収入を確保できるようにしましょう。

離婚後の住まい

離婚して現在住んでいる家から出る予定の方は、離婚後の住まいを確保しなければなりません。実家に帰って生活する予定の方はいいのですが、実家を頼れない場合は自分で住まいを見つける必要があります。離婚後すぐに家を出られるようにするには、最低でも離婚前から住居を決めておきましょう。

住まいの場所は家賃相場や立地、子どもの学校や自身の勤め先などを総合的に考えて決定してください。離婚後の生活をすぐに始めるには、家具や家電、生活用品などもそろえる必要があります。可能であれば離婚前から少しずつ荷物を運び入れておくと、スムーズに新生活に入れます。

周囲の協力体制について

周囲に頼れる人がいるなら、周囲の協力体制についても確認しておきましょう。例えば両親や自分の兄弟が近くにいる場合は、早めに離婚したいことを相談し、いざというときに子どもを見てもらえるようお願いできるといいでしょう。頼れる親族がいない場合は、シッターや公的支援などが利用できないか住む予定の自治体でチェックすると安心。

物理的に助けてもらえなくても、相談できる友人や知人がいるだけでも心が軽くなります。まずは今のあなたの状況や気持ちを相談し、冷静で客観的な意見を出してくれる人を見つけておきましょう。

自身の心身の健康状態

自分自身の健康状態を確認するのも、離婚を前へ進める上で重要です。離婚後の生活がままならないほど疲弊している状態だと、スムーズに離婚後の生活を送ることができません。場合によっては別居して婚姻費用をもらいながら、心身の不調を回復させるのを最優先にした方がいいケースも。

離婚後は様々な手続きや子どもの世話、収入の確保など、今まで夫婦2人でやっていたことを1人でこなさなければならなくなります。今以上の体力やエネルギーが必要となる可能性が高いため、心身が傷ついた状態の方は、その傷を癒すことを最優先に考えるのが、離婚への近道です。

慰謝料や財産分与について

離婚を決める前には、慰謝料や財産分与についても考えておきましょう。相手の不倫や暴力で離婚する場合は、不法行為責任に基づく損害賠償(慰謝料)請求が可能になります。慰謝料の相場は婚姻期間や悪質度などによって相場が変わってくるため、自分のケースではどのくらいもらえるのか確認するといいでしょう。

財産分与は、婚姻期間中に夫婦が協力した築いた財産を等分に分けられます。基準となるのは、離婚時もしくは別居時のいずれか早い段階となります。相手に離婚を切り出した後では、財産を隠される可能性があるため、相手に離婚したいと伝える前に、預貯金やその他の財産の内容をチェックすることをおすすめします。

なるべく多くの離婚慰謝料が欲しい方は、こちらの記事を参考にしてコツや方法を知りましょう。

「離婚慰謝料で1000万もらえる?高額慰謝料を手にする方法と減額するコツとは」

子どもの親権や養育費について

夫婦の間に未成年の子どもがいる場合、子どもの親権をどちらが持つかを決める必要があり、親権を持たない方の親は養育費を支払わなければなりません。未成年の子どもを持つ夫婦が離婚する場合、役所に提出する離婚届けには、どちらが離婚後の親権者となるか示す必要があり、親権者を決めない限り届を出すことができません。

また離婚後の子どもの養育や教育に欠かせない原資となるのが養育費ですが、養育費の不払いについては社会問題化しているほどよくある問題です。養育費の相場は裁判所が公表している「養育費算定表」で算出できます。まずは養育費としてどのくらい受け取れる(支払う)のかを、チェックしましょう。

離婚後もしっかりと養育費を受け取るようにするためには、それなりの準備が必要です。離婚条件を決めた内容は「離婚協議書」などで書面化し、公正証書で作成しましょう。「強制執行認諾文言付」の公正証書にすると、養育費の支払いが滞ったときに、裁判所の手続きなしで相手の給料や財産を差し押さえられます。

養育費を一括払いでもらいたいという方は、こちらの記事を参考にしてデメリットや注意点を知りましょう。

「養育費の一括支払い・請求について|メリット・デメリットや計算方法、注意点を解説」

離婚後の姓や戸籍について

離婚で姓(名字)が変わる場合や、夫との戸籍から抜ける場合は、離婚後の姓や戸籍についても考えておきましょう。結婚で姓が変わった方は、離婚時に特に何も手続きしないと旧姓に戻るようになっています。「仕事上名字を変えたくない」という方や「子どもが名字を変えるのを嫌がっている」という方は、婚姻時の姓をそのまま名乗れるような手続きが必要です。

また離婚で夫の戸籍から抜ける場合、引き取った子どもの戸籍の手続きをしないと、子どもは元夫の戸籍に入ったままです。一緒に暮らしていながら母親と子どもの戸籍や姓が違うという状況になってしまうため、「子の氏の変更許可申立」という手続きや、子どもの「入籍届」の提出を忘れずに行いましょう。

まとめ

離婚を考え始めるきっかけは、愛情が感じられないことやセックスレス、暴力・暴言があったり浮気されたなど様々。司法統計による離婚理由は性格の不一致が上位にきますが、精神的虐待や暴力、異性関係なども上位にきます。離婚しやすいのは結婚後5年未満が最も多く、別居から離婚までは1年未満が最多で、9割が協議離婚を選択しています。

離婚しようか分からなくなったときは、子どもに悪影響が出ていないか、生活費に困っていないかなどで判断してください。一緒にいるだけで恐怖感・嫌悪感がある場合や、生理的に受け付けなくなった場合、自分の心身に異常が見られた場合などは、離婚を検討すべき時期です。なるべく早めに離れることを考えましょう。

離婚を決める前には、本当に離婚しか方法がないかや離婚理由があるか、離婚時の取り決めや離婚後の生活について十分に考えるようにしましょう。もしも離婚について不安や分からない点があった場合は、離婚問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

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