- 「事実婚している夫が不倫しているかも…」
- 「事実婚でも不倫の慰謝料請求はできる?」
婚姻届を提出していない事実婚カップルの不倫の場合、法律婚と同じように慰謝料請求ができるのか疑問をお持ちの方はいませんか?事実婚は法律婚と同様に、法的に守られる部分がある一方で、事実婚ならではの注意点もあります。
そこでこちらの記事では、事実婚で不倫した場合の問題点について詳しく解説。必要な証拠の詳細や証拠の集め方、相手への請求方法についても紹介していきます。事実婚を解消する場合には、離婚と異なるポイントがあります。関係解消後に後悔しないために、事前準備を怠らないようにしましょう。
事実婚とは?法律婚との違い
事実婚での不倫について紹介する前に、まずは事実婚の定義や法律婚との違いについて解説していきます。
事実婚の定義
事実婚は、婚姻届を役所に提出して戸籍や住民票などの公的資料に記載される法律婚と大きな違いがあります。事実婚について法律上の定義はありませんが、次のような状態にあるカップルを事実婚と呼んでいます。
- 役所に婚姻届けを提出していない
- 双方に婚姻の意思があり、それを継続している
- 同居し生計を共にして相互に協力し合うなど、実質的な夫婦と同じ生活を営んでいる
- 社会的にも夫婦と認識されている
同居や事実婚の絶対条件ではありませんが、内縁関係を強く裏付ける事情とみなされます。同居していない場合は家計の同一性や対外的な認識など、その他の証明を強くするという工夫が必要です。
内縁関係とほぼ同義
事実婚と似た言葉に「内縁関係」がありますが、これらは今の日本ではほぼ同じ意味で使われていて、法律的な違いはほとんどありません。しかし歴史的な背景から、内縁関係は家制度下において親族の同意が得られずに、やむを得ず届出ができない場合の関係として使われるケースが多いようです。
一方の事実婚は、現代の結婚に関する価値観の多様化から、あえて婚姻届けを提出しない選択をした関係を指すといったニュアンスで使われます。
法律婚との共通点
事実婚と法律婚には、婚姻届けを提出する・しないという違いがあるのもの、生活実態で考えるとほぼ同じといえます。そのため事実婚の夫婦は多くの場面で、法律婚の夫婦と同様に扱われています。主な共通点は以下の通りです。
- 同居・協力・扶助義務がある(民法第752条)
- 貞操義務がある(民法第770条)
- 婚姻費用の分担義務がある(民法第760条)
- 日常家事債務について連帯責任を負う(民法761条)
- 夫婦関係解消時には財産分与を請求できる(民法768条)
貞操義務とは、パートナー以外の人と性的関係を持たないという義務のこと。事実婚であっても互いに貞操義務を負うのが原則です。
そして日常家事債務とは、共同生活において日常的に必要な費用やそのための借金のことを指します。例えば一緒に暮らす家の住宅ローンや日用品購入のための借金、子どもの教育ローンなどです。事実婚を解消するときには、これらマイナスの財産も等分に分ける必要があります。
事実婚に必要な同居期間
法律婚と同等の共同生活を営んでいると判断されるためには、ある程度の同居期間が必要です。法律婚は役所への提出の有無で判断できますが、事実婚は共同生活の実態で判断されるため。一般的に同居期間が長いほど、事実婚が認められやすくなります。
一概に○年あれば認められるとは言えないものの、通常2~3年程度の同居期間があれば事実婚が認められる可能性が高いでしょう。しかし親族や友人に結婚相手として紹介している、結婚式を挙げているなど夫婦になることを前提とした行動が見られる場合には、同居期間が短くても事実婚と認められやすくなるでしょう。
同棲との違い
同棲と事実婚との違いは、双方の夫婦となる意思や社会的な認識について異なります。同棲は単なる恋人同士の同居としてみなされ、結婚の意思や社会的な承認は必要ありません。しかし事実婚はそのどちらも必要で、だからこそ法律上の夫婦に準じた権利が認められるという訳です。
事実婚の実態
事実婚を選択するカップルはこれまでよりも増えているものの、まだ多数派とはいえません。内閣府男女共同参画局が行った「事実婚の実態について」という調査によると、事実婚を選択している人は成人人口の2~3%と推察しています。
また新聞社が実施した企業アンケートによると、既婚者に占める事実婚の割合は1.4%という結果です。選択的夫婦別姓のニーズとも相まって若い世代を中心に事実婚への関心は高まりつつあるものの、事実婚を選択するカップルはそれほど多くないのが実情です。こうした多様化した夫婦としての在り方に、制度としてどこまで対応できるのかが今後の課題といえます。
参考:事実婚は日本に数百万人?「家族」として扱われない厳しい現実|毎日新聞
事実婚と認められるための手続き
事実婚の法的定義はあいまいで、これをすれば事実婚が成立するといった具体的な手続きはありません。しかし次のような手続きを取っておけば、事実婚と判断されやすくなります。万が一の場合に備えて事実婚と認められるようにしておきたい方は、これらの手続きを行っておくことをおすすめします。
世帯変更届の提出
事実婚をしたい相手がいるときには、自治体役場に「世帯変更届」を提出して、住民票上の世帯を同一にしておきましょう。同じ世帯に入ることで、パートナーとの続柄が「夫(未届)」「妻(未届)」と記載されます。必要がある場合には住民票の写しを取ることで、事実婚を証明できるでしょう。
公正証書の作成
事実婚を開始するにあたり、夫婦としての約束事を公正証書にまとめておくと事実婚と認められやすくなります。公正証書とは、公証役場という公共機関で公証人の立ち合いの元で作成する公文書のこと。争いが生じたときに法的な証明力があるのがメリットです。
また公正証書の原本は、公証役場で一定期間保管されるので、紛失や改ざんの心配がありません。事実婚の証明が必要になったときには、公証役場に申請して公正証書の正本もしくは謄本を発行してもらってください。
自治体のパートナーシップ制度を利用する
自治体のパートナーシップ制度を利用して、事実婚を証明するという方法もあります。パートナーシップ制度とは、法制化されていない同性婚を含む事実婚の当事者が、自治体にパートナーシップの宣誓を行う制度のこと。令和7年12月現在で、33の都道府県全域で、541/1788の自治体ですでに導入されています。日本の人口に対するカバー率は92%です。
この制度を利用することで、事実婚の要件である「婚姻の意思」が認められやすくなります。お住いの自治体でパートナーシップ制度があるか確認し、導入されている場合は窓口で手続きしましょう。
子どもの認知や養子縁組をする
事実婚の夫婦の間に子どもがいる場合は、父親がその子を認知することで、事実婚が認められやすくなります。子連れの人と事実婚をしている場合は、その連れ子と養子縁組するという方法があります。ただしひとり親あていが対象となっている児童扶養手当などの公的手当は、事実婚が成立すると支給されなくなる可能性が高いです。
これらのメリット・デメリットを踏まえたうえで、手続きを実施するか検討してください。
事実婚での不倫問題について
こちらでは事実婚での不倫問題について、不貞行為と認められるかどうかや関係解消時のポイントを中心に解説していきます。
不貞行為とみなされる可能性が高い
事実婚での不倫は、不貞行為と認められる可能性が高いです。不貞行為とは、夫婦の貞操義務に違反して、パートナー以外の人と自由な意思の元で制定関係を持つこと。慰謝料請求が認められるほか、相手が同意しなくても裁判で離婚が認められます。
先ほど紹介した通り、事実婚には法律婚と同様の貞操義務があると考えられています。そのため、パートナーの不倫は不貞行為とみなされるでしょう。
一方で事実婚で不貞行為とみなされるためには、不貞行為の証明にプラスして事実婚の成立についても証拠をもとに証明する必要があります。この点で法律婚とは異なるといえます。
不貞行為がどこからの行為なのか詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「『不貞行為』はどこからの行為?不倫・浮気との違いや当てはまるケース、法的に有効な証拠を解説!」
過去の判例で見る事実婚の解釈
過去の判例でも、事実婚を法律婚に準ずる関係と認めています。昭和33年4月に最高裁判所で出された判決によると、法律婚に準ずる理由として次のように述べてます。
いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。
(中略)内縁も保護せられるべき生活関係に外ならないのであるから、内縁が正当の理由なく破棄された場合には、故意又は過失により権利が侵害されたものとして、不法行為の責 任を肯定することができるのである。
上記の判例では、片方による一方的な内縁関係の破棄は不法行為とみなされて、損害賠償(慰謝料)請求が認められました。不貞行為をした場合も同様に、慰謝料請求が認められる可能性が高いでしょう。
事実婚で不倫した場合の対処法
事実婚で不倫された場合、主に関係を解消することを検討した方は次のような対処をしていきましょう。
事実婚を解消する
事実婚で不倫され、「もうこの人とは一緒に暮らしていけない」と思ったら、事実婚の解消ができます。相手も合意すれば同居を解消して住民票を異動させるなどすれば事実婚の解消が成立します。相手が拒否している場合は法律婚の離婚と同様に、家庭裁判所に「内縁関係調整調停」を申し立てて、調停の中で解消の話し合いをしていきます。
法律婚では調停の先に裁判がありますが、事実婚では関係解消のための裁判を起こすことはできません。そのため協議もしくは調停で関係解消する必要があります。
財産分与の取り決め
事実婚の解消時には、法律婚の離婚と同様に、財産分与の請求権(民法第768条)があります。事実婚を開始した同居開始時点から共同生活の中で形成・維持してきた財産については、夫婦どちらの名義であっても貢献度に応じて平等に分与されます。
財産分与の対象となるのは、現金・預貯金・有価証券・不動産・自動車・美術品や骨とう品などです。さらに将来支払われる予定の退職金や年金の請求権も分与の対象です。
離婚でマイホームを売らない方法が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚時の財産分与で家を売らない方法はある?ケース別の方法と注意点、スムーズに分与するポイントとは」
養育費
事実婚解消時に子どもの養育費を請求できるかについては、夫が子どもを認知しているかで判断されます。事実婚の夫婦の間に生まれた子どもは「非嫡出子」といい、母親との親子関係はあるものの認知してしないと父親との関係は証明できないままです。つまり関係解消時に父親に対して養育費を請求することはできません。
これを解消するには子どもの認知が必須です。出生届のように、生まれてからいつまでに手続きしなければならないといった期限はなく、自治体役場に父親の戸籍謄本と母親の承諾書を提出すれば認知が可能です。
養育費を途中で増額する方法が知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「養育費、途中で増額できる?請求できる要件と手続き方法、増額請求を成功させるポイントとは」
子どもの親権
関係解消時の子どもの親権は、認知したかどうかで変わってきます。認知していない場合は子どもの親権は母親にあります。そして認知した場合は父母間の協議により父親を親権者と決めた場合に限り、父親が親権者になれます。この協議には、家庭裁判所の調停も含まれます。
そのため父親が親権を取得したい場合には調停を申し立てるしかありませんが、よっぽど母親に親権者として適さない事情がない限り、父親が親権を獲得するのは難しいといえます。
相続権について
関係解消後に父親が亡くなった場合、子どもに相続権があるかどうかは認知の有無で変わってきます。認知して(されて)いない場合、子どもに父親の遺産の相続権はありません。逆に認知して(されて)いる場合は、子どもは父親の遺産を相続する権利があります。相続順位は法律婚の子どもと同様に第一位です。
とくに事実婚においては、認知の有無で相続できるかどうかが変わってくるので注意が必要です。
慰謝料を請求する
事実婚であっても、不倫された側はした側の当事者2名に慰謝料を請求できます。法律上不倫は不貞行為といい、不法行為に当たります。不法行為を行った加害者は被害者に対して、損害(精神的苦痛)を賠償する責任が生じます。事実婚には法律婚と同様に貞操義務があるので、これに違反して不倫をすると民法上の不法行為とみなされます。
不倫を行った当事者2名は「共同不法行為者」となり、被害者は慰謝料を請求する権利があります。
事実婚の不倫問題で慰謝料を請求するときのポイント
では事実婚の不倫問題で慰謝料を請求する場合、金額の相場はいくらになり、どのような手順で請求すればいいのでしょうか。請求するときのポイントについても、併せて見ていきましょう。
慰謝料の相場
不倫慰謝料の相場は、法律婚と同程度の50万~300万円程度です。不倫が原因で事実婚の解消に至った場合は慰謝料の相場が150万~300万円、事実婚関係が継続している場合には数十万~100万円が相場になります。
婚約破棄の慰謝料請求相場について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「婚約破棄の慰謝料相場・高額になる要因|確実に獲得する請求方法とは?」
金額が変動する要件
不倫慰謝料の金額が変動するのは、事実婚解消の有無だけではありません。次のような要素によっても、慰謝料の相場が変わってきます。
- 事実婚の期間の長さ
- 子どもの有無・人数・年齢
- 夫婦の年齢
- 子どもへの影響の大きさ
- 不倫発覚以前の夫婦関係
- 不倫の回数・期間
- 相手の認識や意図の有無
- どちらが主導的だったか
- パートナーと不貞相手の社会的地位や収入
- 不倫の悪質度
- 精神的苦痛の度合い
- 不倫発覚後の反省の態度の有無
不倫慰謝料の相場は、カップルそれぞれのケースで大きく異なります。詳しい金額については、個別に弁護士に相談しましょう。
慰謝料請求のポイント
こちらでは具体的に不倫の慰謝料を請求するときのポイントや必要な証拠について解説していきます。
不倫の証拠を集める
不倫慰謝料の請求が法的に認められるためには、不倫(不貞行為)の証拠が必要です。証拠がなければ相手に慰謝料を請求しても支払いを拒否される可能性が高いためです。また慰謝料請求を目的とした法的手続きを取った場合にも、不貞行為の証拠は必須に。客観的に見て不貞行があったと分かるように、次のような証拠を確保しましょう。
- 性行為中の動画・写真・音声
- ラブホテルや相手の自宅に出入りする写真・動画
- ラブホテルを利用したことが分かるレシートやクレジットカードの明細書
- 性的関係があったことをうかがわせるメッセージのやり取り
一方で、2人で食事をしていた、手をつないでデートしていた、キスやハグの証拠しかないという場合には、不貞行があったとみなされない可能性が高いため、慰謝料請求は難しいでしょう。
不倫の証拠の残し方について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「不倫の証拠の残し方|具体例ごとの集め方と残すときのポイント・注意点を知って証拠を効果的に使用しよう」
事実婚の証拠を集める
次に事実婚を証明する証拠を集めてください。とくに事実婚の解消を理由に慰謝料を請求する場合には、今の事実婚関係を立証する必要があります。具体的には次のような証拠が有効です。
| 家計が一体であること | 生活費の分担内訳・共同口座の履歴・家賃や光熱費の負担割合など |
| 婚姻の意思があること | 双方の親への紹介・同居開始の経緯・同居期間・子どもの認知や養育について |
| 対外的な表示 | 夫婦として親族や友人知人に紹介しているか・年賀状や招待状の表記・SNS等の表示・同居人としての住民票の届出・健康保険の第三号被保険者証 |
| 財産の扱い | 賃貸契約書・保険の受取人・家具や家電の購入など |
事実婚は法律婚と違い戸籍で婚姻関係を証明できないため、これら複数の証拠をもとにして事実婚を立証していく必要があります。
不倫相手の情報を集める
不倫相手に慰謝料を請求する場合は、相手の氏名と住所は最低限把握しておきましょう。内容証明郵便を送付するためには、送り先の氏名と住所の情報が必須です。自宅の住所が分からないときには、勤務先に送付することも可能です。
相手の住所が分からないものの電話番号は入手できた場合は、弁護士に依頼して「弁護士照会制度」によって住所を割り出すことも可能です。一方で相手の情報が分からないからといって、尾行して自分で突き止めようとするのはおすすめできません。知らないうちに違法な行為をしてしまっている場合があるため、探偵などの専門家に依頼するようにしましょう。
故意又は過失があるかチェックする
不倫相手に慰謝料を請求する場合は、故意又は過失があるかチェックしなければなりません。故意・過失とは、不倫相手が事実婚関係にある人と不貞行為に及んでいたことを認識していた(故意)か、または注意すれば認識できていた(過失)かという点です。
もしパートナーが事実婚関係にあることを隠していたり「付き合っている人はいない」と嘘をついていて、到底その嘘を見破れないような状況のときには、故意や過失がないとして不倫の慰謝料は請求できません。逆に次のようなケースでは、不貞行為に対する故意や過失があるとして、慰謝料を請求できる可能性が高いでしょう。
- 不倫相手が同居中の自宅に訪問したことがある
- 不倫相手と面識がある
- パートナーと不倫相手の職場が同じ
- 共通の知人や友人がいる
- パートナーが結婚指輪をしていた
慰謝料請求の時効が到来していないか確認
最後に、慰謝料請求の時効が到来していないかもチェックしてください。不貞行為の慰謝料請求には時効があり、一定期間内に請求しないとその請求権が消滅します。次の期間のうち早い方が経過すると、以降は慰謝料を請求できなくなります。
- 不貞行為の事実やその相手を知った時から3年
- 不貞行為があった時点から20年
なお、不倫の相手が慰謝料の支払い義務を認めたり内容証明による請求をした、裁判上の請求を行った場合には、時効の成立を中断(更新)させることができます。
事実婚で不倫問題が生じたときの注意点
事実婚で不倫問題が生じた場合、次のような点に注意が必要です。
法的な問題が複雑化しやすい
法律婚と比較して、事実婚の不倫の方が法的に複雑化しやすいでしょう。それは事実婚の証明が難しいため。事実婚と認められるための手続きをしていないと、パートナーや不倫相手に「ただの恋人関係だと思っていた」と主張される可能性が高いです。
また不倫相手に慰謝料を請求する場合は、故意又は過失の証明も必要です。「同居している相手がいることはわかっていたが、事実婚であったことは知らなかった」と主張される可能性も否定できません。この点、法律婚よりも慰謝料請求のハードルが高くなります。
慰謝料を請求できない場合がある
次のようなケースでは、不倫の事実があったとしても慰謝料を請求できない可能性があります。
事実婚関係を証明できない
事実婚の定義に該当しない場合や、事実婚関係の証拠がないときには、基本的に不倫の慰謝料を請求できません。例えば同居していたがどちらかに結婚の意思がない場合や、ルームシェアだったのに片方だけが結婚すると思い込んでいた場合などです。
双方に結婚の意思があり同居しているのは当然ですが、事実婚関係を証明できる証拠がないと、不倫の慰謝料を請求できない点に注意してください。
関係が破綻している
すでに事実婚関係が破綻していると、不倫の慰謝料を請求できません。例えば次のようなケースです。
- 事実婚解消に向けて話し合いをしていた
- 相当の期間別居していて、相手と連絡を取っていない
- 関係が破綻していて双方に修復の意思がない
- 長期間性的接触がない
どこからが事実婚関係の破綻と言えるかは、ケースバイケースです。関係の認定が必要な場合は、弁護士などの法律の専門家にご相談ください。
重婚状態だった
重婚状態だった場合には、慰謝料請求が認められない可能性が高いです。例えば相手が既婚者だと認識した上で事実婚関係を結んだ場合などです。このときパートナーにまた別の相手ができて一方的に関係を解消されたとしても、慰謝料請求が認められない可能性があります。
ただし事実婚関係を結んだ時点で、夫婦の婚姻関係がすでに破綻していた場合には、慰謝料請求が認められるケースもあります。
慰謝料請求の場合は「求償権」に注意する
不倫相手にのみ慰謝料を請求する場合は「求償権」に注意してください。求償権とは共同不法行為に対する責任の程度よりも多く慰謝料を支払った場合に、支払った側がもう片方の共同不法行為者に対して過剰に支払った分を請求できる権利のこと。
例えば不倫の慰謝料が200万円だったとして、双方の責任割合が同程度とします。本来はパートナーとその不倫相手に100万円ずつ請求できるのですが、不倫相手に200万円の慰謝料を請求してそれを支払ってもらった場合、不倫相手からパートナーに対して過剰に支払った100万円を請求できるという訳です。
不倫発覚後も事実婚関係を継続する予定であれば、家計から100万円を出すことになり、実質的に不倫相手に請求した分の半額しか獲得できないことになります。
事実婚の不倫問題で悩んだら…弁護士に相談
事実婚で不倫問題が発覚して、関係の解消や慰謝料請求を検討した場合には、弁護士に相談することをおすすめします。関係解消時の財産分与や子どもの養育費などについて、法律の専門家の立場からアドバイスが受けられます。
また慰謝料を請求する場合も、弁護士に依頼するメリットがあります。必要な証拠の種類や確保の方法についての知識が得られるほか、相手との交渉や法的手続きも全て任せられます。信頼していたパートナーに裏切られたという悲しみは簡単に癒えるものではありませんが、弁護士に相談することで心が晴れたりストレスが緩和できる可能性があります。
まとめ
事実婚とは、双方に婚姻の意思があり生計を一つにしていて社会的にも夫婦と認識されているカップルのことをいいます。同居期間は3年前後必要で、世帯変更届の提出やパートナーシップ制度の利用、子どもの認知などによって事実婚状態を証明できます。
事実婚関係での不倫は、法律婚と同様に不貞行為とみなされて慰謝料請求の対象となります。不貞行為の証拠の他に事実婚関係を証明する証拠も必須で、任意の交渉や内容証明郵便、調停などで請求していきます。不倫相手に請求する場合は、故意や過失がないことの証明や求償権にも注意してください。
事実婚で不倫問題が生じたときには、弁護士に相談するのがおすすめです。関係解消時の条件を有利にできるだけでなく、慰謝料を請求する場合でもされる場合でも、依頼者にとって有利な条件になるように交渉してくれます。まずは無料相談に行き、事実婚解消のポイントや慰謝料請求時の要件について聞いてみましょう。