- 「不倫の賠償責任があるか知りたい」
- 「慰謝料請求されたら必ず支払わなければならないってホント?」
不倫賠償責任があるのはどのようなケースかご存知ですか?不倫相手の配偶者から慰謝料請求をされていたとしても、ケースによっては賠償責任から逃れられるかもしれません。そのためにも不貞行為の定義や賠償責任の有無などをしっかりと確認してください。こちらの記事では不倫の賠償責任を果たさなくてもいいケースや慰謝料を請求できないケースについて紹介していきます。
また実際に慰謝料を請求されたときの対処法や、それを証明するためのポイントを詳しく解説。すでに慰謝料を請求されている人はもちろん、これから不倫相手に慰謝料を請求したいと考えている方も参考にしましょう。
不倫に賠償責任はある?
不倫をした側の人には、賠償責任があるのでしょうか。前提として賠償責任とは損害賠償責任のことを指し、民法第708条に規定されている「不法行為」があるときや、「債務不履行」による損害を金銭などで償う責任のことです。不法行為や債務不履行の言葉の意味は以下の通りです。
| 不法行為 | 故意(わざと)又は過失(不注意)により他人の権利(生命・身体・財産・名誉・プライバシーなど)または法律上保護される利益を侵害し、損害を与える行為のこと |
| 債務不履行 | 契約上の義務(売買・業務委託)など契約で約束した義務を、正当な理由なく果たさない、または不完全な形でしか履行しないこと |
「不貞行為」に該当すれば賠償責任がある
不倫が「不貞行為」に該当すれば、損害を賠償する責任があると考えます。
不貞行為とは
不貞行為とは民法でも規定されている法律用語で、「配偶者以外の人と、自由な意思の元で性的関係を持つこと」を指します。それぞれの言葉の意味や要件は、以下で紹介していきます。
①配偶者以外の人と
配偶者以外の人とは、文字通り自分の夫や妻以外の人を言います。婚約者や事実婚(内縁関係)のパートナーは法律上の配偶者ではありませんが、法律婚と同様の貞操義務を負うため、パートナー以外の相手との性的関係は不貞行為とみなされる傾向があります。
では配偶者が、同性の相手と性的関係を持った場合はどうなるのでしょうか。かつては不貞行為に当たらないとされていましたが、最近の裁判所の判断では、同性間の性的関係であっても婚姻生活を破綻させる原因となる行為として損害賠償請求が認められつつあります。
②自由な意思の元で
不貞行為とみなされるのは、自由な意思に基づいて行われた場合です。そのため脅されて無理やり関係を持たされたケースや、強制性交等罪などの犯罪行為は不貞行為には該当しません。
加えて上司と部下、取引先の社長など、相手が職務上の地位や権力を利用し、拒絶の意思を示せない、または判断できない状況で性的関係を持った場合は、形式上は同意があったとしても実質的な自由意思とはみなされず「不同意性交等罪」に該当する可能性があります。
夫に風俗通いが発覚し、相手の風俗嬢に損害賠償請求したいと考えている人もいるかもしれません。しかしこの場合、風俗嬢への責任追及は難しいと考えます。風俗嬢は雇用されている店との契約で性的サービスを提供していたに過ぎず、また基本的に風俗嬢が相手の客を自由に選べる立場にないため、「自由意思に基づいて」とはみなされないためです。
風俗通いによる慰謝料請求の可否については、こちらの記事を参考にしてください。
「風俗通いによる離婚の可否|発覚した後の対処法と慰謝料請求する場合のポイントとは」
③性的関係を持つこと
不貞行為とみなされるためには、性的関係と認められる必要があります。法律上の性的関係とは、性器の挿入を伴う性行為や性交類似行為(口腔性交、肛門性交、手淫など)です。そのため手をつないだだけや、2人っきりでデートしただけの関係では、不貞行為とみなされません。
同様にキスやハグだけの行為があっても、基本的に不貞行為とみなされないでしょう。しかし不貞行為がない場合でも、キスはハグが複数回、長期間にわたって繰り返されたり既婚者だと認識していながら執拗に接近したケースにおいて、これにより夫婦関係が完全に破綻したと認められれば、損害賠償責任があるとみなされます。
不倫発覚前は婚姻関係が破綻していないこと
不倫による損害賠償責任が認められるためには、発覚前には婚姻関係が破綻していないことが条件です。そもそも不倫による賠償責任は、不倫という不法行為により夫婦の平穏な共同生活が破壊されたために生じます。一方ですでに夫婦関係が破綻している場合には、不倫によって婚姻関係が破綻したとはみなされないため、損害賠償請求などは認められないのが原則です。
婚姻関係が破綻しているかどうかは、別居の有無や別居期間、別居の経緯や関係修復に向けた働きかけの有無などを総合的に見て判断されます。一方で不倫した側が「うちの夫婦は終わっているから」「離婚しようと思っている」といった言葉だけでは、婚姻関係が破綻したとはみなされない可能性が高いです。
不貞行為は「共同不法行為」
不貞行為は「共同不法行為」に当たります。そもそも不倫や浮気は、不貞行為をした側の配偶者とその相手がいてはじめて成立するものです。そのため不倫をした当事者の二名が連帯して損害賠償責任を負うのが原則です。民法第719条でも、次のように規定しています。
(共同不法行為者の責任)
第七百十九条 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
引用:民法|e-GOV法令検索
例えば不貞行為によって200万円相当の慰謝料請求が認められた場合、不貞行為を行った配偶者とその相手から、合計200万円の慰謝料を得ることができます。200万円以内であればどちらにいくら請求しても構いませんが、片方から200万円受け取った場合には、もう片方には請求できません。慰謝料の二重取りは裁判上認められていないという訳です。
法律上の離婚理由の一番目
不貞行為は、民法に規定されている法律上の離婚理由の一番目にあります。法律上の離婚理由のことを「法定離婚事由」といい、裁判で不貞行為が認められれば、相手が離婚を拒否していようと強制的に離婚ができるという規定です。民法では不貞行為を他の理由と分けて一番目に規定していることからも、いかに不貞行為が婚姻関係を破綻させる原因になりやすいかということが分かります。
男性が離婚を有利に進めるポイントが知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「男性が離婚を有利に進める方法|離婚方法・離婚条件別ポイントといざというときの対処法とは」
慰謝料請求が認められる
不貞行があったとみなされると、当事者双方に対して慰謝料請求が認められます。慰謝料とは不貞行為により夫婦関係が破綻したことや、配偶者の不貞行為によって精神的ダメージを受けた場合に、それを慰謝するために支払われる金銭のこと。つまり慰謝料は、不倫による精神的苦痛を慰謝するために損害賠償であると言えます。
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用:民法|e-GOV法令検索
損害賠償が認められる根拠
不貞行為によって損害賠償(慰謝料)請求が認められるためには、以下のような根拠が必要です。
故意又は過失があった
不倫相手への慰謝料請求が認められるためには、上で示した民法第709条にある通り「故意」又は「過失」により、不倫された側の権利または法律上の利益を侵害したとみなされる必要があります。不倫でいう「故意」や「過失」とは、性的関係の相手が「既婚者だと・婚姻生活の平穏を害するものだと知っていた」もしくは「知ることができたはずなのに不注意で見落としていた」ことを指します。
相手が既婚者で、この関係を続けていれば相手夫婦の関係を壊すものだと分かっていながら不倫を止めなかった場合はもちろん、少し調べれば気が付ける状況にあったときやすでに婚姻関係が破綻していると思い込んでいた場合も「故意」や「過失」があるとみなされる可能性が高いでしょう。
不倫相手が既婚者だと知らなかった場合については、こちらの記事を参考にしてください。
「彼氏が既婚者だと知らなかった…慰謝料請求されたときの対処法や減額方法を解説」
他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した
不貞行為により慰謝料請求が認められるのは、不倫された側の権利や法律上保護される利益を侵害したときです。夫婦には互いに配偶者以外の人と性的関係を持たないという「貞操義務」を負います。また「婚姻共同生活の平和の維持」という権利や法律上保護される利益を有しています。
不貞行為はこれらを破壊する行為と言えるため、慰謝料請求が認められるという訳です。ただし前出の通り、すでに婚姻関係が破綻している状況では、守られるべき利益や権利が存在しないとして、慰謝料請求が認められないのが原則です。
慰謝料請求しない方がいいケースについて詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「慰謝料請求しない方がいい? 控えた方がいい11のケースと【離婚理由別】取るべき対策とは」
不倫に刑事責任はない
不倫は民法上の不法行為に該当しますが、刑法上はどのような扱いになるのでしょうか。現行法改正(1947年)以前までは、刑法で夫のいる女性とその相手の男性のみを処罰する「姦通罪」という処罰規定がありました。
(姦通罪)
- 有夫ノ婦姦通シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス其相姦シタル者亦同シ
- 前項ノ罪ハ本夫ノ告訴ヲ待テ之ヲ論ス但本夫姦通ヲ縱容シタルトキハ告訴ノ效ナシ
しかしこれは男女平等とは言い難い、古い家制度に基づく規定のため、男女平等を定めた戦後の改正憲法に反する内容としてすでに削除されています。そのため現在では、不倫そのものに対する刑事罰は存在していません。
不倫の賠償責任を請求できないケース
不倫された側は、不倫した配偶者とその不倫相手に対して慰謝料を請求できます。しかし次のようなケースでは、慰謝料を請求できない可能性があります。
不倫相手の素性が分からない
不倫相手の素性(住所・氏名・連絡先など)が分からない場合は、交渉や法的措置による慰謝料請求ができません。不倫相手の連絡先が分からなければ、直接相手と連絡を取り合ったうえで、話し合いによる慰謝料交渉をするのは不可能です。
また裁判で慰謝料を請求する場合も、相手方の住所や氏名が分からなければ裁判を提訴することができません。配偶者から聞き出す、自分で調べる、調査会社に依頼するという方法で調べる他に、弁護士に依頼した上で「弁護士照会(23条照会)」で調べてもらうという方法もあります。
社内不倫がバレた後の顛末やその対応については、こちらの記事を参考にしましょう。
「社内不倫バレたらどうなる…?社内不倫の顛末とバレる理由、バレた後の対応を徹底解説」
すでに十分な賠償を受けている
不倫を行った当事者の一方からすでに十分な賠償を受けている場合は、もう一方に慰謝料を請求できないのが原則です。例えば不倫した夫から相場以上の慰謝料を受け取っているときなどは、不倫相手に対して新たに慰謝料を請求することは認められません。
時効が到来している
すでに時効が到来している場合、慰謝料請求が認めらえないことがあります。不倫の慰謝料の請求権にも時効があり、時効の期限を過ぎてしまうと慰謝料の請求ができなくなってしまいます。(元)配偶者と不倫相手に対する慰謝料請求の時効は以下の通りです。(2020年4月改正民法による)
| (元)配偶者 | ① 離婚成立から3年・不倫していることを知った時から3年
② 最後に不倫があったときから20年 上記①、②のいずれか早い時点が時効の完成日 |
| 不倫相手 | ① 不倫があったことに気が付き、かつ不倫相手の住所や氏名を知った時から3年
② 最後に不倫があったときから20年 上記①、②のいずれか早い時点が時効の完成日 |
不倫の賠償責任を果たさなくてもいいケース
不倫(交際)相手の夫や妻から慰謝料請求の通知が届いた場合でも、次のようなケースに該当すれば不倫の賠償責任を果たす必要がありません。
不倫相手が既婚者だと分からなかった
不倫相手が既婚者だと知らなかった場合、あなたに慰謝料を支払う義務がない可能性があります。ただしこのケースで慰謝料の支払いを拒否できるのは、既婚者だと一切知らず気づきようがなかったといえるケースに限ります。裁判で慰謝料について争う場合には、次のような証拠をもとに「一切知らなかった」「気づきようがなかった」ことを証明する必要があります。
| 独身だと嘘をつかれていた証拠 |
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| バツイチだと嘘をつかれていた証拠 |
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| 交際期間が短かったという証拠 |
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| 出会いが婚活アプリ・パーティーだったという証拠 |
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| 相手との結婚を視野に入れて交際していた証拠 |
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相手が独身だと嘘をついていた場合でも、交際期間が半年以上と長いときには、「気づくチャンスがあったはず」「気づかないふりをしていたのでは」とみなされて、慰謝料の支払いを回避できない可能性があります。これらの判断には専門的な知識が必要なため、迷ったときには弁護士などに相談しましょう。
不貞行為の定義や浮気と不倫の違いについては、こちらの記事を参考にしてください。
「『不貞行為』はどこからの行為?不倫・浮気との違いや当てはまるケース、法的に有効な証拠を解説!」
不倫以前から相手夫婦の関係が破綻していた
不倫関係が発覚する以前から、相手夫婦の関係が破綻していたと認められれば、慰謝料の支払いを拒否できるかもしれません。例えば長期間別居している、離婚協議中である、家庭内別居をしているといったケースです。
しかし実際に夫婦関係が破綻していたかの証明は難しく、その判断も個々の事情によって異なるため、一概に慰謝料を拒否できるとは限りません。
また別居していても数カ月と短期間であったり、別居中もこまめに連絡を取り合っていたなど夫婦としての実態が存在していたと認められると、夫婦関係は破綻していないと判断されて慰謝料請求から免れられません。
減額や分割での支払いが認められるケースについて詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚で慰謝料を払いたくない人必見!ケース別11の方法や減額・支払い方法変更のコツとは?
性的関係がない
既婚者だと分かっていたので数回の食事やデートだけで性的関係を持っていなかったという場合には、基本的に慰謝料を支払う義務がありません。しかしながら既婚者と何年間もこのような交際を続けていた場合には、たとえ性的関係を持っていなくても、その行為自体が「夫婦の平穏で円満な共同生活を送る権利」を侵害したとして、慰謝料請求が認められる可能性があるので注意が必要です。
実際の裁判でも、既婚者とのキスや抱き合うといった行為自体が、社会通念上許容できる限度を超えているとみとみなされ不法行為に該当するとして、50万円の慰謝料請求がみとめられています。このようにたとえ性的関係がないからと言って、必ずしも慰謝料の支払いを拒否できるという訳ではありません。
既婚者との個人的な付き合いは極力避け、既婚者と分かった時点で二人きりで会うのを止めるようにしましょう。
LINEで浮気の証拠を集める方法について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「LINEで浮気の証拠を見つける13の方法|見つけた後にすべきことや注意点とは?」
無理やり関係を持たされた
相手から誘われて断り切れずに関係を持ってしまった場合や、お酒の飲み過ぎで前後不覚になって関係した場合、断ったら暴力を振るわれるのではと怖くて断れなかったケースでは、慰謝料の支払いを拒否できる可能性があります。自分の意思で断ることができたかが問題となるため、状況次第では慰謝料の支払いを拒否できないこともあります。
すでに時効が到来している
すでに慰謝料請求の時効が到来している場合、あなたに慰謝料を支払う必要はありません。慰謝料請求の時効は、前出の通り「不倫が発覚または相手があなただと分かってから3年」もしくは「最後に関係を持ったときから20年」です。
随分昔の不倫で慰謝料を請求された場合には、時効が到来しているかチェックした上で、「時効援用」の手続きをして慰謝料を支払わないことを主張する必要があります。時効援用の方法は、請求者に「時効援用通知書」を内容証明郵便で送付するのが一般的。書面には次のような内容を記載してください。
- 相手方の住所・氏名
- 自分の住所・氏名
- 請求された慰謝料の金額・請求日
- 不倫があった年月日や不倫の内容
- 時効の完成期日「令和○年○月○日をもって3年が経過しました」
- 「消滅時効を援用します」という意思表示
自己破産した
慰謝料を請求されたあなたが自己破産した場合、慰謝料の支払いを回避できるかもしれません。自己破産とは借金の返済が不能になった場合に、裁判所に申し立てて「免責許可決定」の確定が得られればすべての借金の返済義務から逃れられるという法的制度です。
自己破産には手続きしても免責されない「非免責債権」があり、破産者が「悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」が含まれます。不倫による慰謝料請求では、その行為が悪意に基づくものでないとみなされれば、自己破産の手続きにより慰謝料の支払いから免れられる可能性があるという訳です。
不倫の慰謝料を請求されたときのポイント
不倫の慰謝料を請求された場合には、次のようなポイントに注意しながら適切に対処していきましょう。
無視はしない
不倫相手の配偶者から書面や電話等で慰謝料を請求されたときには、その請求を絶対に無視しないようにしてください。たとえ慰謝料を支払う義務がないケースに当てはまる場合でもです。相手からの請求を無視すると、次のようなリスクがあります。
- 示談交渉がまとまりにくくなる
- 減額・分割払い交渉が難しくなる
- 相手の心証を悪くする
- 裁判を起こされる可能性が高まる
- 裁判の中でも裁判官に悪印象を与える
慰謝料の請求を無視した場合、相手がさらに怒りを募らせる可能性が高いです。その後の交渉や裁判が難しくなるというリスクがあることを覚えておきましょう。
慰謝料の相場をチェック
次に請求された慰謝料の金額が適正かどうかチェックしてください。場合によっては減額交渉の材料にできる可能性があります。一般的に不倫により離婚しなかった場合の慰謝料金額の相場は50万から100万円、別居した場合は100万~200万円、離婚した場合は100万~300万円です。慰謝料相場は次のような要素で変動します。
| 高くなるケース | 低くなるケース |
|---|---|
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支払い義務があるか確認したうえで方針を決める
そして自分に慰謝料の支払い義務があるかどうか確認した上で、今後の方針を決めていきます。まずは不貞行為に当てはまるのかを確認し、当てはまらないと思われるときには弁護士に相談したうえで交渉方法をアドバイスしてもらってください。
支払い回避は難しいので、減額交渉をしたいという人もいるでしょう。一括で支払いが難しいときには、分割払いを交渉するという方法もあります。相手と接触する前に方針を決め、場合によっては専門家の力を借りながら、交渉をしていきましょう。
支払い義務がないと思われる場合
支払い義務がないと思われる場合、強硬な態度で支払いを拒否すると、示談交渉が難航することが予想されます。相手の心証を悪くし、裁判に発展する可能性も。こちらが支払い義務がないと思っていても、裁判で慰謝料請求が認められると、費用や時間を費やして裁判した上に慰謝料まで支払わなければなりません。
そのため自分一人で判断するのではなく、必ず弁護士などの専門家に相談したうえで確認することをおすすめします。正式に弁護士に依頼すれば、相手との交渉も任せられます。弁護士が「慰謝料の支払いは回避できない」と判断した場合には、初めから慰謝料の減額を目指す方が、あなたにとって良い結果になるでしょう。
支払い義務がある場合
不貞行為があるなど慰謝料の支払い義務がある場合には、次のような対応が必要です。
真摯な態度で謝罪する
請求者と交渉する以前に、まずはこのような事態に至った自分の行為について、真摯な態度で謝罪しましょう。電話や書面でのやり取りがあるときには、「直接お会いして謝罪したい」と伝えたうえで謝罪する場を設けることで、相手の態度が軟化する可能性が高まります。
憮然とした態度で反省していないと思われたり、あいまいな態度で自分の落ち度を認めなかったりすると、その後の交渉が難航する可能性があります。
分割交渉する
請求者が応じてくれるのであれば、慰謝料を分割払いにすることもできます。「一括で支払えるのなら支払ってもらいたい」というのは当然ですが、「一括で支払えないなら分割でも」と譲歩する人も少なくありません。一括で支払えない事情があることを、給与明細や毎月の家計簿などの資料をもとに説明したうえで、できるなら分割払いで支払いたいとお願いしてみましょう。
ただし不倫した側が直接分割交渉した場合、感情的になっている請求者が交渉に応じない可能性もあります。場合によっては弁護士などの代理人を立てることも検討してください。
不倫慰謝料を分割払いできるかについて詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「不倫慰謝料を分割払いできる?請求する側・される側の注意点とトラブル回避のポイントとは」
減額交渉する
場合によっては、慰謝料の減額交渉も可能です。主に次のような事情がある場合には、減額が認められる可能性があります。
- 請求金額が相場よりも高い
- 相手夫婦の婚姻期間・別居期間が短い
- 不倫の回数や期間が少ない
- 相手からしつこく迫られて関係を持ってしまった
- すでに社会的制裁を受けている
- 反省や謝罪の態度を示している
書面や弁護士を通して慰謝料を請求してくるということは、相手も相当の証拠を握っている可能性が高いです。この場合、慰謝料の支払いを全額回避するのは困難といえます。そのようなときには初めから支払う金額をできるだけ少なくすることを目指すのが賢明です。
まとめ
不倫の損害賠償責任が認められるのは、不貞行為と認められた場合やその行為によって婚姻関係が破綻した場合、時効が到来していない場合などです。不貞行為は法律用語なので、過去の判例から規定されています。まずは行為自体が不貞行為に該当するか確認しましょう。
不貞行為に当てはまる場合には、離婚請求や慰謝料請求が可能になります。共同不法行為者である不倫をした当事者双方に、慰謝料を請求できます。慰謝料の金額は数十万円~300万円が相場です。自分のケースでは、いくらの慰謝料が妥当か知りたい場合は、弁護士などの専門家に相談しましょう。
不倫相手の配偶者から慰謝料を請求された場合には、自分に支払い義務があるかどうか確認した上で、減額もしくは分割交渉が可能です。当事者同士の直接交渉が難しいときには、無理は禁物です。弁護士など第三者に間に入ってもらって交渉するようにしてください。