- 「旦那がストレス…離婚したい」
- 「旦那と離婚せずに生活を続けるときの対処法は?」
新型コロナウイルスなどの影響で旦那の在宅時間が増えている昨今、ストレスを感じる妻が急増していることをご存じですか?「何も手伝わないのに家事のダメ出しをする」「子どもの面倒を見ずにゲームばかりする」など、一緒に居ることでストレスとなり、やがて離婚を考えるようにも…。
こちらの記事では旦那にストレスを感じることで生じるリスクや、離婚せずに一緒に居るための対処法などを詳しく解説。またどうしても一緒に居られない方への別居の手順や、離婚する場合に気になるポイントも詳しく紹介します。
旦那がストレスだと生じる5つのリスク
好きで一緒になった夫婦でも、長年一緒に居ると互いの嫌な部分が目に付くことがあります。とくに最近は、旦那の在宅時間が増えたことによってストレスをためる妻が増えています。旦那にストレスを感じると、一体どのようなリスクが生じるのでしょうか。
子どもへの悪影響
旦那をストレスだと感じることで、子どもへの悪影響が心配されます。というのも母親が精神的に不安定だと、子どももその影響を大きく受けるため。年齢が小さいほど不安を感じやすく、表面上は以前と変わらなくても成長するにしたがって他人の顔色ばかりうかがうようになったり、自己主張ができない正確になる可能性が。
また子どもの前での夫婦喧嘩も、悪影響しかありません。子どもの前での激しい夫婦喧嘩は児童虐待に当たる可能性があり、脳の萎縮による精神疾患や自己肯定感の欠如、成長して暴力的になる恐れが懸念されます。子どもは、大人が思っている以上に父母の関係を見ています。極力子どもの前では旦那に文句をいったり、喧嘩をしないよう気を付けましょう。
「夫源病」など心身の体調不良
日々旦那にストレスを感じていると、心身に不調が出てくる可能性があります。最近話題なのが「夫源病(ふげんびょう)」です。医学的な正式名称ではありませんが、夫へのストレスが原因で発症する症状のことを総称してこのように名付けられました。
旦那に対するストレスを放置していると、ホルモンバランスや自律神経に支障が出て、次のような症状が出る場合があります。
- 頭痛
- めまい
- 吐き気
- 食欲不振
- 不眠・過眠
- 動悸や息切れ
- うつ症状
他の病気との見分け方は、夫がいるときにこれらの症状が悪化するかどうか。夫が会社や出張などで家にいないときに症状が治まると、夫源病の可能性大です。症状があっても放置してしまうと、うつ病や不眠症、パニック障害などにつながる恐れが。
カウンセリングや投薬などで症状が改善することもありますが、そもそものストレスを減免することしか根本的な解決方法はありません。
夫以外の男性へ目移りしてしまう
夫にストレスを感じていると、夫以外の男性に心を奪われてしまう可能性があるでしょう。ふとしたきっかけで不倫関係になってしまうケースもありますが、たとえ旦那へのストレスが原因でも決して許されることではありません。
旦那に不倫のことがバレてしまうと、あなたが有責配偶者に。旦那に慰謝料を請求されたり、離婚を要求される可能性があります。
家庭内別居・仮面夫婦
旦那がストレスだと感じていると、当然会話もしたくなくなり、同じ空間にいることも苦痛になってしまいます。結果として外では仲の良い仮面夫婦を装ったり、家庭内別居状態にまで発展してしまうでしょう。同じ家に住んでいながら会話や心を通わせない関係は、当事者だけでなく子どもにも悪影響があります。
最悪の場合は離婚へ…
旦那がストレスだと感じた結果、最悪のケースでは離婚となります。旦那にストレスを感じると喧嘩や言い争いが増え、やがて家庭内別居状態になり最終的には嫌いな存在に。旦那にストレスを感じながら嫌々一緒に人生を送るくらいなら、いっそのこと離婚してしまった方が互いの幸せのためにはいいことかもしれません。
しかし離婚を選ぶ以前に何か対策が取れれば、旦那を嫌いにならずに済む可能性があります。好きで一緒になった夫婦なのだから、子どものためにも離婚はなるべく回避すべきではないでしょうか。
離婚しようか迷っている方は、こちらの記事を参考にして後悔しない選択をしましょう。
「離婚を迷う人必見!迷う理由や離婚を決断した理由を知って、未来のために正しい行動を」
離婚せず夫と暮らすための対処法
では具体的にどのような対処法を実践すれば、離婚せず夫と暮らすことができるのでしょうか。
夫の言葉を真に受けず受け流す
文句や要求が多い夫に対しては、何か言われても真に受けてカッとなったり反論したりせず、話半分で聞き流すようにするといいでしょう。そうすることで気持ちがいくらかでも楽にすることができるためです。
自分のことしか考えられない夫は、「こんなことを言ったら妻はどう思うか」などと深く考えることなく、その場その場で自分の感情を吐き出しているだけ。その言葉をいちいち真に受けていては、妻の体がもちません。旦那が何を言ってきても、なるべく聞き流してあまり正面から受け止めないようにしましょう。
リフレッシュできる趣味を作る
自分自身がリフレッシュできる趣味を作ることも大切です。旦那によるストレスが溜まっても発散できる趣味があれば、イライラする気持ちをすっきりさせることができます。また趣味の間だけでも、旦那と離れられるのがメリットです。
そのうち旦那は自分が相手にされていないことに気が付き、妻の機嫌を取るようになるケースも。妻が旦那の顔色を気にすることなく自分軸で動くことで、旦那自身も変わっていく可能性があるでしょう。
思っていることを旦那に伝える
旦那に対し思っていることを、改まって伝えることも必要です。ただ単に思ったことを感情的に口にするのではなく「このようなことをされるとこうだから困っている。今後はこうして欲しい」などとなるべく論理的に、困っている現状と改善してほしいポイントを端的に伝えてるのがコツです。
旦那に伝えるときの注意点は、なるべく分かりやすく話すこと。自分の問題点を全く分かっていない旦那も多いので、「ちょっと注意すれば分かるだろう」という姿勢は厳禁です。また話の流れで伝えるのではなく、改まって時間を設けて伝えると、旦那に真意が伝わりやすくなります。
とはいえ、長年習慣になっていることをすぐに改善できない場合があります。ある程度長い目で見守っていく姿勢も必要でしょう。
褒めながら役割をこなしてもらう
何も家のことや育児をしてくれない旦那には、役割を決めて褒めながらこなしてもらいましょう。何もしない旦那の中には、何をしたらいいか分からないという場合や、何かしようとすると妻に怒られるのではと思っているケースがあります。
お願いしたことに対して余計なことを言わず、大げさなくらい褒めると旦那の承認欲求を満たすことができます。役割を決めるときには、夫婦で相談して決めるようにしましょう。「あなたはこれをやって」と妻が勝手に決めてしまうと、押し付けられた気持ちになりやる気がそがれてしまうためです。
夫婦(カップル)カウンセリングを受ける
夫婦2人で解決できない場合は、夫婦カウンセリングを受けるという方法があります。このようなカウンセリングを受けられると、経験豊富で臨床心理士などの資格を持つカウンセラーから的確なアドバイスをもらえる場合が。さらに夫婦間の問題が明確になり、解決の糸口がつかめたりします。
夫婦間の問題は身近な人に話しにくく、1人で問題を抱えこみがちになります。しかし守秘義務のあるカウンセラーなら安心して相談できます。また人に話すことで心が軽くなったりするので、夫婦問題に打開策を見出したいときは夫婦カウンセリングを利用してみてはいかがでしょうか。
離婚カウンセリングのメリット・デメリットや注意点については、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚カウンセリングは役に立つ?相談内容や注意点、メリット・デメリットを解説」
夫婦関係調整調停を申し立てる
家庭裁判所に「夫婦関係調整調停」を申し立てるという方法もあります。「それって離婚調停のこと?」と思われる方がいるかもしれませんが、夫婦関係調整調停には「夫婦関係調整調停(離婚)」と「夫婦関係調整調停(円満)」の2種類があり、調停を円満な夫婦関係にするための話し合いの場にすることもできます。
例えば旦那の態度がかたくなで話し合いができない場合や、離婚を決意するまでに至っていないが離婚した方がいいか悩んでいる場合などです。裁判所で裁判官と2名の調停委員を介して、双方から問題点や事情を聴き、夫婦関係が円満でなくなった原因を探ります。そのうえで、どのように改善できるかの解決策やアドバイスが提示されます。
調停は夫婦が顔を合わせることなく進められるので、話し合いができない場合や相手と顔を合わせると自分の気持ちを言えないという方にもおすすめ。話し合いの結果離婚を決意した場合は、そのまま「夫婦関係調整調停(離婚)」に切り替えが可能です。
弁護士に相談
離婚が頭にちらつくほど旦那にストレスを感じている方は、弁護士に相談することをおすすめします。男女問題に詳しい弁護士なら様々な夫婦を見てきているので、あなたの状況に応じたアドバイスや解決策を提示してくれるでしょう。話し合いが難しい旦那の場合でも、弁護士があなたの代理人として話し合うことができます。
弁護士に相談した結果、別居を決意した場合は別居時に準備すべきことや注意点、婚姻費用の請求方法を教えてもらえます。また万が一離婚になった場合も、夫婦間の協議や調停、裁判の場であなたのサポートをしてくれるでしょう。
離婚時の弁護士費用について心配な方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚時の弁護士費用を徹底解剖!費用をおさえるコツや注意点を紹介」
一緒に居るのが限界と思ったら…別居を検討
一緒に居ることに限界を感じたら、いきなり離婚を決意するのではなく、まずは別居を検討してみましょう。別居して物理的に旦那と離れることで、お互いに冷静に関係を振り返ることができるからです。
別居のメリット
別居には次のようなメリットがあります。
- 物理的に距離を置くことでストレスから解放される
- お互い冷静になって関係を見つめなおせる
- 離婚の本気度を旦那に伝えられる
- 離婚に向けての準備ができる
別居すると相手の顔を見ずに済むので、精神的なストレスから解放されます。体調が悪かった人は、日常生活や仕事に専念しやすくなるはず。そして互いに冷静になって、今までの関係を見つめなおせるのもメリットです。離婚を検討している場合は、相手に本気度を示せ、具体的な離婚の準備がしやすくなります。
別居のデメリット
一方で別居には、次のようなデメリットがあるでしょう。
- 生活費が二重にかかる
- 財産分与の調査ができない
- 不倫の証拠を集めづらい
- 他の男性との交際はNG
生活の拠点が二つになる訳なので、当然生活費は二重にかかります。また離婚を念頭に入れた別居では、財産分与の調査や旦那の不倫の証拠を集めにくくなることもデメリットです。こうしたことは、なるべく別居前に調べておくことをおすすめします。
また当然ですが、旦那以外の男性と付き合うことはNGです。別居中とはいえまだ婚姻は継続している状態です。ここで他の男性と関係を持ってしまうと不貞行為となり、旦那から慰謝料を請求される可能性があります。
「悪意の遺棄」にならないよう注意
別居する場合は「悪意の遺棄」にならないように注意が必要です。悪意の遺棄とは民法第752条にある、夫婦の同居義務・相互扶助義務の違反行為のこと。旦那の同意なしに黙って家を出て行ってしまうと、悪意の遺棄と判断されて、あなたの方が離婚理由を作った有責配偶者ということになってしまいます。
有責配偶者からの離婚請求は裁判で認められず、慰謝料の支払い義務も発生します。別居するときは必ず旦那の同意を得てからにしましょう。ただし次のようなケースでは、例外的に黙って家を出ても悪意の遺棄に該当しません。
- 旦那から暴力や暴言を受けている
- 関係が冷え切っていて喧嘩が絶えない
- 家庭内別居状態になっている
- 旦那が浮気している
別居時の生活費は「婚姻費用」として請求
専業主婦やパート勤めなどで別居後の生活費に困った場合は、旦那に「婚姻費用」を請求できます。婚姻費用の金額は子どもの人数や夫婦の収入、勤務形態(会社員か自営業か)によって変動します。婚姻費用として請求できるのは、次のような費用です。
- 食費
- 光熱費
- 住居費(家賃・管理費)
- 医療費(治療費・薬代)
- 交際費(外食費など)
- 娯楽費(レジャー施設の費用・趣味の費用など)
- 養育費(子どもの生活費・学費など)
ただし婚姻費用を請求できるのは、収入の少ない側から多い方にだけです。旦那よりも収入が多い場合は、旦那に婚姻費用を渡さなければならない場合も。ただし旦那側に別居の原因(不倫やDVなど)がある方は、それを主張して婚姻費用の支払いを拒める可能性があります。
婚姻費用の相場
では一体婚姻費用はいくらもらえるの?と気になる方もいるでしょう。2019年の司法統計によると、夫から妻へ支払う婚姻費用の月額の割合は次の通りです。
月額 | 件数(総数:9,339) | 割合 |
---|---|---|
2万円以下 | 660 | 7.1 |
3万円以下 | 512 | 5.5 |
4万円以下 | 663 | 7.1 |
6万円以下 | 1,623 | 17.4 |
8万円以下 | 1,464 | 15.6 |
10万円以下 | 1,231 | 13.2 |
15万円以下 | 1,765 | 18.9 |
20万円以下 | 754 | 8.1 |
30万円以下 | 405 | 4.3 |
30万円を超える | 262 | 2.8 |
参照:婚姻関係事件のうち容認・調停成立の内容が「婚姻継続」で婚姻費用・生活費支払の取決め有りの件数―支払額別支払者別-全家庭裁判所|裁判所
上の表によると、15万円以下が18.9%と最も多くなっています。次いで6万円以下、8万円以下という順です。婚姻費用は、裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」でおおよその金額が算出できます。
子どもの年齢と人数によって9つの表に分かれているので、まずは該当する表がどれか確認しましょう。次に自営業者と給与所得者で異なる欄を婚姻費用を支払う側の年収を縦軸、受け取る側の年収を横軸で見ます。それぞれの年収の部分が交わった金額が、婚姻費用の金額となります。
請求方法
旦那が婚姻費用の支払いに応じない場合は、家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を申し立てられます。夫婦関係調整調停と同様、裁判官と調停委員が夫婦の間に入って支払うよう説得してもらえます。調停まですると支払いに応じるケースがほとんどですが、それでも応じない場合は審判に進みます。
審判で婚姻費用の支払いを命じられると、たとえ相手が拒んでも強制的に給料や預貯金などの財産を差し押さえて、婚姻費用の支払に回されます。まずは弁護士に相談して、確実に婚姻費用をもらえるような手続きを進めてください。
婚姻費用をできるだけ長くもらい続けたいという方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「婚姻費用をもらい続ける方法は?損しないための対抗策とよくある質問に答えます!」
親権が欲しい方は子どもを連れて出る
離婚時に子どもの親権が欲しい場合は、別居するとき必ず子どもを連れて出てください。そうしないと、旦那に親権を取られる可能性が高くなるからです。連れて出れば必ず親権が取れるという訳ではありませんが、離婚の話し合いがこじれて調停や裁判になったときに、現在子どもを養育している側の親を親権者と認めるケースが多いため。
ただし子どもを黙って連れ出すと、旦那に「この引き渡し請求」を家庭裁判所に訴えられる可能性があります。相手がごねそうだと思ったら、別居する前に弁護士に相談することをおすすめします。
別居前にやるべきこと
別居は突発的にすることではありません。有利に離婚の話し合いを進めるためには、入念な準備が欠かせません。最低限次のようなことを準備してから別居に踏み切りましょう。
- 旦那に別居の原因があるときは、その証拠を確保する
- 離婚時の財産分与で揉めないように旦那の財産(不動産・預貯金・株など)を把握する
- 生活費必要な最低限のものをまとめておく
- 子どもの写真や思い出の品など取っておきたいものをまとめる
別居後はいくら夫婦といえども、相手の承諾なしに勝手に元の家に入ることができなくなります。後から「あれがなかった」「これを持ってくるんだった」とならないよう、大切な身分証明書や印鑑通帳はもちろん、いつも飲んでいる薬や衣類、子どもの学習用品などは忘れずに持っていきましょう。
主な別居の手順
別居するときは数カ月単位で準備して、計画的に実行しましょう。具体的に次のような手順で進めると、トラブルが少なくて済むでしょう。
- 引っ越しや新生活に必要な費用を準備
- 引っ越し先の決定
- 生活費の確保(婚姻費用・仕事)
- 引っ越し業者の選定・依頼・引っ越し
- 住民票の異動
離婚前でも、住民票を新しい住所に移しておいた方が便利です。とくに金融機関の手続きには住民票の写しが必要になるケースが多いため、早めに移しておきましょう。また子どもの幼稚園や学校が変わる場合も、住民票の異動は必須です。
ただDVやモラハラなど、旦那に引っ越し先を知られたくない場合は、あいて住民票をそのままにする場合もあります。住民票を移す場合でも、役所の窓口で「DV案件です」と伝えると閲覧制限をかけられます。相手に現住所を明かさないように手続きできるので何かと安心です。
別居に必要な準備について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「別居に必要な準備をシチュエーション別に解説!別居に関する注意点とは?」
離婚したい場合に気になるポイント
別居を経てもやり直す気持ちが持てないときは、離婚したい気持ちになっても仕方ありません。いざ離婚するときに困らないよう、気になるポイントをまとめました。
別居から離婚までにかかる期間はどのくらい?
離婚原因が双方に特にない場合でも、別居の事実だけで夫婦関係が破綻したとして「その他婚姻を継続し難い重大な事由」と認められて離婚できる可能性があります。ただし別居期間は、最低でも3年~5年必要です。夫婦の状況によっては、それ以上に長くかかる場合が。
ただしこの別居期間には、離婚調停や離婚訴訟を行っている時間も含まれます。離婚調停は平均して半年前後、離婚裁判は半年~2年前後かかります。そのため別居半年たった頃に、離婚調停を申し立て、その後離婚裁判へと進むとちょうど3年経った頃に裁判の結果が出るようにすれば、最短で離婚が可能な計算です。
別居期間を最短で離婚するためには、こちらの記事を参考にしましょう。
「別居期間1年で離婚できる?長引く・認められないケースと早く離婚するポイント」
旦那がストレスという理由で離婚できる?
では「旦那がストレス」という理由だけで離婚できるのでしょうか?残念ながら裁判では、そのような理由で離婚は認められません。
裁判で離婚が認められるためには、民法第770条で定めた「法定離婚事由」が必要だからです。法定離婚事由は全部で5項目あり、離婚理由がどれかに該当しないと裁判を起こすことすらできません。
一 配偶者に不貞な行為があったとき
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
参照:民法|e-GOV法令検索
ただし夫婦の話し合いのみで離婚できる協議離婚や家庭裁判所での調停離婚では、法定離婚事由に該当しなくても双方が合意すれば離婚が可能です。また離婚裁判になった場合でも、長期間別居していることで離婚が認められるケースがあります。どうすれば離婚が可能かについては、弁護士に相談することをおすすめします。
仮面夫婦がしんどくて離婚したいという方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「仮面夫婦がしんどいと感じたら…対処方法や離婚方法を知って後悔しない選択を」
ストレスを理由として慰謝料請求できる?
離婚時、離婚原因を作った側に慰謝料請求ができることは知られていますが、旦那に対するストレスを理由に慰謝料請求することは難しいでしょう。そもそも慰謝料は不法行為によって生じた精神的苦痛を賠償するための金銭です。
慰謝料を請求するには相手が不法行為を行ったという証拠が必要になりますが、「夫がストレス」というだけでは不法行為と認められないためです。ただしストレスになった原因が、旦那の浮気やモラハラ、DVなどの場合は不法行為に該当するので、証拠を集められれば慰謝料請求が可能です。
具体的な慰謝料の金額や必要な証拠の集め方、請求方法について分からないことは弁護士にご相談ください。
協議離婚の慰謝料相場や増額の秘訣については、こちらの記事を参考にしてください。
「協議離婚の慰謝料相場が知りたい!増額・減額できる秘訣や慰謝料の決め方を解説」
離婚を後悔しないために大切なことは?
離婚を後悔しないために大切なことは主に二つ。本当に離婚しか方法がないか冷静に考えることと、離婚後の生活の準備を念入りにすることです。とくに子どもがいる場合、離婚は夫婦二人だけの問題ではありません。離婚は最終手段だと考えて、話し合いや離婚回避の対応を続けましょう。
それでもダメなら、離婚後の生活を成り立たせるための準備をしてください。別居中は婚姻費用がありますが、離婚後は生活費を一人で稼がなければなりません。働いていない方は仕事を探す必要があるでしょう。離婚で転居する場合は、転居先の住居や子どもの学校、子どもへの影響についても考えていきましょう。
自分一人で働きながら子供を育てる上では、周囲の協力が大きな支えになります。周囲に頼れる人がいない場合は、公的な福祉サービスや援助制度を調べておくといいでしょう。何より心身共に健康でないと一人で家計と家庭を支えることができません。現在体調が思わしくない方は、回復させることを最優先にしてください。
離婚を後悔しないためのポイントについては、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚に踏み切るきっかけとは?統計からみる理由と決め手、後悔しないためのチェックポイントを解説」
相手が離婚を拒否しているときはどうする?
旦那が離婚を拒否した場合、無理に話し合おうとするのは逆効果です。とくにモラハラをしたり暴力をふるったりする旦那は、基本的に妻の話を聞きません。無理に話し合おうとすると逆上して危険が及ぶ場合があるのでくれぐれも無理せず、交渉は専門家の弁護士に依頼することをおすすめします。
暴力や暴言がないまでも話を聞いてくれそうもない旦那の場合は、順序だてて離婚したい気持ちが本気だということを分からせる必要があります。
- 離婚したいことを告げる
- 旦那の名前以外記入してある離婚届けを渡す
- 離婚前提の別居だということを告げて家を出る
- 弁護士に依頼する
- 離婚調停を申し立てる
別居までは本気にしていなかった旦那でも、弁護士から連絡が来ると焦って離婚に応じる場合があります。
離婚で子どもに悪影響はない?
「やっぱり子どもにとって両親が揃っていた方がいいのでは?」「子どもから父親を引き離すのはよくないのでは?」という気持ちから離婚に踏み切れない人もいるでしょう。しかし子どもにとって父親の存在が、悪影響になる場合もあります。
- 子どもに暴力をふるう
- 物に当たったり大声で怒鳴る
- 酒やギャンブルで借金する
- 子どもや母親のことをバカにする
- 母親の悪口を子どもに吹き込む
- 子どもの前での喧嘩が絶えない
- 子どもに無関心
- 家庭内別居・仮面夫婦状態
このような状況なら、一刻も早く別れることをおすすめします。また子ども自身が、両親の離婚を望んでいる場合もあります。「両親がいること=(イコール)子どもの幸せ」という訳ではありません。そのような思い込みは捨てて、一日でも早く離婚することを考えるべきでしょう。
まとめ
旦那へストレスを放置していると、夫源病などの体調不良や子供への悪影響が心配されます。さらには家庭内別居状態から離婚を考えるようにも。旦那にイライラしたときは思っていることを論理的に伝えたり、役割を与えて褒めるなどの工夫が大切です。またカウンセリングや夫婦関係調整調停を利用するのもいいでしょう。
それでもダメならまずは別居してみては?別居前の準備は念入りに、「悪意の遺棄」にならないよう子どもを連れて別居することを伝えてから家を出ましょう。別居中の生活費として婚姻費用を請求できます。離婚を念頭に置いている人も、予行演習だと思って別居することをおすすめします。
どうしても離婚したい場合は、弁護士に相談するのがベスト。弁護士なら最短で離婚する方法をアドバイスしてくれ、旦那との交渉や婚姻費用の請求も任せられます。その他慰謝料や養育費、財産分与などの離婚条件についても有利に進められるので、まずは無料相談を利用して不安な点を相談してみてはいかがでしょうか。