デキ婚したけど離婚したい…因果関係と離婚を回避するための7つのポイントとは

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  • 「デキ婚は離婚になりやすいってホント?」
  • 「デキ婚から離婚するときの注意点が知りたい」

妊娠したのをきっかけにした結婚のことをデキ婚といいますが、デキ婚は離婚しやすいという噂を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。はたしてこの噂は本当で、どのような理由から離婚に至るのでしょうか?こちらの記事ではデキ婚と離婚との関係や離婚の原因、離婚回避の方法について詳しく解説していきます。

この記事をお読みの方の中には、実際にデキ婚したものの離婚を考えているという人がいるかもしれません。そこで離婚する場合のポイントや、離婚で不利にならないための離婚条件についても紹介していくので、今後の参考にしましょう。

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デキ婚と離婚の関係

デキ婚だと離婚しやすいのでは?と心配する人も多いでしょう。まずはデキ婚と離婚との関係について、様々な統計をもとに解説していきます。

【年代別】デキ婚の割合

厚生労働省がまとめた平成22年度の「出生動向の多面的分析」によると、結婚期間が妊娠期間より短い出生の嫡出第一子(いわゆるデキ婚)の割合は、平成7年で22.5%、平成14年の27.9%をピークに平成21年では25.3%と緩やかに減少傾向にあります。とはいえ、結婚したカップルのうち1/4はデキ婚という結果に。

平成21年の結婚前に妊娠していた母親の割合は、年齢別に次のようになります。

年齢 15~19歳 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35歳以上
割合 82% 64% 26% 12% 11%

ここから分かる通り、10代の結婚では8割以上、20代前半の結婚でも6割以上がデキ婚となっていて、年齢が低いほどデキ婚率が高いという結果に。逆に20代後半から30代以上では、デキ婚率が減少しています。

参考:出生動向の多面的分析|厚生労働省

デキ婚を後悔している人の割合

ではデキ婚を後悔している人は多いのでしょうか。株式会社Clamppyが行った、全国約970人のデキ婚をした男女を対象とした調査によると、970人中875人が「デキ婚を後悔していない」と回答しています。実際に後悔しているのは10%で、実際に離婚した人も多くはでき婚したことを後悔している訳でないということが分かります。

参考:実際、どうだった?デキ婚経験者970人に「デキ婚のリアル」徹底調査してみた。|CanCan.jp

デキ婚のメリット

マイナスな面ばかりクローズアップされがちなデキ婚ですが、デキ婚には次のようなメリットもあります。

  • 結婚までの道のりが早い(踏ん切りがつきやすい)
  • 親になる実感がわきやすい
  • 両親に孫の顔を見せられる
  • 不妊に悩む心配がない
  • 親から結婚を反対されにくい
  • 子どもがいることで離婚を踏みとどまれる

長く付き合っているカップルの中には「彼(彼女)が結婚を考えてくれない」などの悩みを抱えている人が多くいます。しかし子どもができてしまうと嫌でも結婚を意識せざるをえません。また親が結婚を反対するようなケースでも「子どもができたから」と説得しやすくなるのもメリット。

また結婚後に「子どもができない」と不妊に悩む必要がなく、万が一離婚の危機に陥っても、子どもがいることで離婚を踏みとどまれる場合もあるでしょう。

デキ婚から離婚する割合

では実際にデキ婚から離婚に至る人の割合はどのくらいなのでしょうか。上で紹介した調査によると、デキ婚から実際に離婚した割合は、970人中161人という結果に。割合にすると16.6%となっています。ちなみに日本国内における特殊離婚率(年間の婚姻件数のうち離婚件数の割合)は、36.8%です。このことから、デキ婚した人の離婚率はむしろ低いということが分かります。

また結婚から離婚までの平均婚姻年数を見ると、デキ婚は4.8年、一般的な夫婦では4.9年とそれほど大きな違いがありません。つまりデキ婚したからといって、必ずしも離婚しやすいという訳でないことが分かるのではないでしょうか。

【年代別】デキ婚→離婚の割合

では年代別のデキ婚から離婚に至る割合はどうなっているのでしょうか。厚生労働省による「平成21年度離婚に関する統計の概要」によると、夫婦の同居をやめたときの年齢別に見た女性の有配偶離婚率では、19歳未満で約75%、20歳~24歳で約48%、25歳~29歳で約23%と、年齢が低いほど離婚率が高くなっています。

前出の10代で結婚した人の8割以上、20代前半では6割以上がデキ婚というデータと比較するといっそう、デキ婚は離婚率が高いと言われてしまうのかもしれません。

参考:離婚の年次推移|厚生労働省

デキ婚から離婚に至る6つの理由

ではなぜデキ婚から離婚に至ってしまうのでしょうか。こちらでは主な6つの理由について紹介していきます。

お互いをよく知らにままに結婚した

デキ婚から離婚に至る理由の一つに、お互いをよく知らないままに結婚してしまったという点が挙げられます。実際にデキ婚した人の中には交際期間が短い状態で子どもが授かり、結婚したというケースが多くあります。結婚して一緒に暮らしてみてはじめて「こんなに怒りっぽい人だったの?」「家事が全くできないなんて知らなかった」といったことに気づく場合も。

もちろん長年付き合った上でデキ婚に至るケースもありますが、交際期間が短ければ短いほどお互いに相手に見せていない部分も多く、価値観や生活習慣の違い、相手の性格などをよく知らないまま結婚することになります。その結果、結婚後や子どもが生まれた後で「こんな人だと思わなかった「相手をよく知ってから結婚すれば(しなければ)よかった」などと後悔し、離婚を考えるようになります。

結婚・出産・育児の覚悟がないまま結婚した

結婚してから妊娠する場合、家庭を持つことや親になることなどについて心の準備や覚悟を持ったうえで結婚や出産を迎えるでしょう。しかしデキ婚の場合は、育児どころか結婚して家庭を持つことや出産して親になる覚悟や自覚を持てないまま妊娠を知ることになります。

また妊娠したのだから結婚するのは当然という周りの雰囲気に流されて、深く考えずに結婚してしまう人もいるでしょう。このようにデキ婚では、男性も女性も家庭を持つことや出産、育児に対する覚悟がないままに結婚するケースがほとんど。

結婚や育児に対する覚悟がなければ、「他の同級生のように遊びたい」「まだやりたいことがあったのに」とデキ婚を後悔するのもある意味当然でしょう。子どものことを第一に考えて行動するのは素晴らしいことですが、夫婦が認め合い愛し合って結婚生活を継続させていかなければ、結局のところ家族は幸せになれないということです。

女性側の負担が大きくなりがち

自覚がないままに結婚出産、育児となると、女性側の負担が大きくなるのは想像に難くありません。とくにデキ婚は妊娠したところから結婚生活がスタートするため、出産から慣れない育児へと目まぐるしく生活が変わります。そのような過程では、とくに女性側の負担が大きくなってしまうでしょう。

実際、女性の負担が大きすぎでデキ婚から離婚したという人の割合は、女性で37.2%、男性で22.7%という結果に。さらに男女差の家事や育児に対する認識の違いがきっかけで、離婚につながってしまうことも大いに考えられます。

デキ婚では、男性側に親になる覚悟ができていないケースが少なくありません。というのも女性は妊娠中の10カ月間で徐々に母性が出てくるのに対して、男性は子どもが生まれて初めて親としての自覚が出ることも。さらにデキ婚となると、子どもが生まれた後でさえ親になる覚悟ができていない場合も珍しくありません。

そうなると女性の負担はますます大きくなり、家事や育児に協力でき出ない夫に不満が溜まり夫婦仲が悪化。最終的には離婚を考えるようになってしまうという訳です。

産後クライシスがひどいという方は、こちらの記事を参考にしてください。

「産後クライシスで離婚はできる?離婚につながりやすい理由と回避法を知って夫婦仲を改善!」

年齢が若すぎた

結婚した年齢が若すぎるのも、デキ婚から離婚に至る一因です。前出の通り、デキ婚する人の多くは10代などの若年層となります。年齢が若いほど精神的に未熟な面が多く、学生や就職してすぐなど経済的に苦しい人も少なくありません。

また年齢が若いほどやりたいことも多くあるでしょう。同級生など周りの友だちがやりたいことをしている中で、自分だけが結婚や出産でやりたいことを諦めなければならないと、結婚自体に後悔してしまうことに。幼い夫婦の間にさらに幼い子どもが生まれてくるわけなので、様々なトラブルが発生することは想像に難くありません。

そのようなトラブルの度に喧嘩が増え、お互いがお互いに我慢できなくなり、離婚に至るということが考えられます。

経済的理由から

デキ婚は若年層に多いため、経済的な理由から離婚に至るケースもあります。デキ婚では心の準備だけでなく、経済的な準備もないままに結婚することが少なくないからです。若くしてデキ婚した人の多くは、学生だったり就職して間もない時期で収入が少なかったりします。

しかし結婚生活を送り子どもを育てるためには、お金が必要です。収入が低ければ生活が苦しくなり、生活が苦しくなると些細なことでも夫婦げんかに発展しやすくなります。

貯金ナシで子連れ離婚できるかについては、こちらの記事を参考にしましょう。

「貯金なしでも子連れ離婚できる?必要な離婚準備と手順、ひとり親家庭向け公的支援制度とは」

妻にだまされた

夫からのデキ婚→離婚相談で多いのが、「妻が計画的にデキ婚を狙っていたことが結婚後に発覚した」というケースです。積極的に避妊していなかった夫側にも責任はあるものの、妻が「うっかり」を装い「計画的に」妊娠したことが分かった場合、多くは「妻にだまされた」という怒りの感情が沸き上がってきます。

そして過去の自分に対して後悔するだけでなく、「こんなはずじゃなかった」という気持ちがいつまでも残ってしまいます。今の結婚生活が順調でなければないだけ、妻に対する怒りの感情が収まらず、妻に冷たい態度を取ったりモラハラ的な発言が出たりという事態に陥ってしまいます。

デキ婚からの離婚を回避するポイント

ではデキ婚からの離婚を回避するには、どのような点に気を付ければいいのでしょうか。こちらでは7つのポイントについて紹介していきます。

育児は夫婦で協力する

デキ婚からの離婚を回避するには、育児は夫婦で協力して行うのが原則です。これはデキ婚でなくても大切なことではないでしょうか。夫婦が協力して育児することで、女性側の負担が軽減されるだけでなく、男性側も育児を通じて父性や親としての自覚が芽生えやすくなります。

また夫婦が協力して子育てすることで、子どもの成長の喜びを分かち合ったり、達成感や団結力も生まれます。お互いを理解し合うきっかけになり、結果的に夫婦仲を深めることにもつながるでしょう。また夫が忙しく子育てすることで、家族としての役割を見つけ、浮気の抑止力にもなります。

ワンオペ育児が原因で離婚が頭をよぎるという方は、こちらの記事を参考にしてください。

「ワンオペ育児で離婚危機⁉しんどいと感じる理由や離婚の回避法、離婚の可否を解説」

2人で過ごせる時間を大切に

子育てが忙しい合間でも、2人で過ごせる時間を大切にしましょう。デキ婚はお互いのことをほどんど知らないまま結婚するケースも少なくありません。その上結婚後は子育てに追われ、夫婦2人だけで過ごし時間を十分に楽しめない毎日が続いてしまいます。

しかしなんとかして夫婦2人で過ごせる時間を作り、お互いへの理解を深められると、夫婦としての信頼関係を深められ、それが子育てにも生きてきます。「もっと2人だけでいたかった」という気持ちは双方が持っているはずです。その後悔が不満につながらないよう、忙しい時間を何とかやりくりしてでも、夫婦2人だけで過ごせる時間を作るようにしましょう。

ストレス発散法を見つける

夫婦それぞれに自分なりのストレス発散法を見つけるのも、離婚を回避するポイントです。一般的に妊娠中・出産後の女性は、ホルモンバランスが大きく変わることから精神的に不安定になりやすいです。とくにデキ婚の場合は、出産や育児への覚悟ができていないため、一層強くストレスを感じるはず。

また男性側も今後の生活や育児、経済的な不安などからストレスを感じやすくなります。お互いがストレスを抱えていると、些細なことで喧嘩に発展しやすくなります。そのため自分なりのストレス発散法を見つけて乗り越えていくことが重要になります。

共稼ぎする

もし夫の収入では生活が苦しいと感じるなら、育児が落ち着いた後で女性も働くことをおすすめします。子どもと一緒に居たい(いるべき)と思うあまりに専業主婦になる選択がベストだと思っている人もいるでしょうが、子どもに満足な生活を与えられなかったり夫婦仲が険悪になってしまっては元も子もありません。

夫だけの収入で経済的な不安がある場合には、共稼ぎして家計を支え、ストレスを発散しながら上手に家庭生活を回していきましょう。今は保育環境が充実していて、共働き世帯も少なくありません。自分の働きで家計を支えるんだという気持ちで、夫と協力しあいながら仕事と育児の両立を目指しましょう。

身近に相談相手を見つける

ママ友など身近に相談できる相手を見つけるのも、デキ婚からの離婚を防ぐ方法です。デキ婚した女性は若くして結婚したケースが多く、家事や育児で分からないことも多くあるはずです。そのようなときにママ友や先輩主夫がいれば、家事と育児の両立法などをアドバイスしてもらえるかもしれません。

また子どもの年齢が近いなど同じ境遇のママ友なら、話しやすく悩みや愚痴を聞いてもらいやすいでしょう。とかくデキ婚では周囲のママ友との年齢差があるケースが多く、周囲と孤立しがちです。保育園や幼稚園でママ友を作るのが難しい場合は、子育て支援センターに行ったり、子育てサークルに参加するのもおすすめです。

親や親族に協力してもらう

子育てや慣れない家事で大変だと感じる方は、親や親族など周囲に協力してもらってください。「結婚したら自分たちだけでどうにかしなければ」と考えがちですが、ときには周囲の人に頼ることも大切。とくに親は子育てや人生の先輩として、夫婦だけで解決できなかったことでも解決できるかもしれません。

当初は結婚に反対していた親でも、子どもが生まれたりきちんと育児をしている姿を見せていれば、その態度は軟化するはず。遠慮せずに親や親族に育児を手伝ってもらってください。両親も子どもが立派に親になっている姿を見て、喜んでいるはずです。

マザコン夫との離婚をお考えの方は、こちらの記事を参考にしてください。

「マザコン夫と離婚したい方必見!離婚方法や注意点、離婚を迷ったときの考え方とは」

周りと比較しない

デキ婚からの離婚を防ぐには、周りと比較しないことも大切。周囲の独身の友だちが楽しそうに遊んでいる姿や自由にお金を使っている様子を見ると、うらやましく感じる人も少なくありません。そんな友だちと自分とを比較してデキ婚を後悔してしまう場合もあるでしょうが、周りと比べても良いことは何もありません。

それよりは自分の子どもが健康に生まれてきてくれたことや、若いうちに出産・育児を経験できるメリットについて目を向けましょう。将来「若くてきれいなママ」と褒められることもあるかもしれません。周りと比べず、自分だけが持てる幸せや良いところを探すようにしましょう。

デキ婚から離婚する場合のポイント

デキ婚からの離婚を回避するための行動をとっても、どうしても離婚するしかないと考えたら、実際に離婚できるかについてや離婚条件について考えていきましょう。

離婚する方法は?

デキ婚から離婚するには、次のような方法があります。

双方が合意すれば協議・調停で離婚が可能

デキ婚でもそうでなくても、夫婦双方が離婚に合意すれば「協議離婚」や「調停離婚」で離婚できます。協議離婚とは、言葉の通り夫婦の協議によってする離婚のこと。日本では9割以上が協議離婚を選択していて、離婚届を役所に提出すれば、離婚が成立します。

離婚そのものや離婚条件(親権・養育費・財産分与など)について夫婦で争いがあるときには、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。離婚調停では、男女それぞれ1名ずつの調停委員が夫婦の間に入り、離婚についてや離婚条件についての話し合いを行います。

話し合いがまとまれば調停が成立となり、その内容が「調停調書」として作成されます。その後調停調書の謄本と離婚届を役所に提出し、届が受理されれば離婚が成立します。このような離婚のことを調停離婚といいます。離婚調停では、月一回の調停期日が平均で2~4回で終了するケースが多く、期間でみると3カ月~半年程度となります。

離婚調停の期間については、こちらの記事を参考にしてください。

「離婚調停の期間を短く有利にするには?長引く原因や疑問を解決して新たな一歩を」

裁判で離婚するには法定離婚事由が必要

離婚調停でも合意できない場合には、最終的に離婚裁判となります。裁判で離婚するには、民法第770条にある「法定離婚事由」が必要です。法定離婚事由には、次の5つがあります。

1.不貞な行為 夫婦以外の異性と合意の元で性的な関係(性交渉やそれに類似する行為)を結ぶこと
2.悪意の遺棄 夫婦の同居・協力・扶助の義務に正当な理由なく反して、婚姻生活を破綻させる行為

  • 収入があるのに生活費を渡さない
  • 不倫相手と同棲して帰ってこない
  • 理由を告げずに一方的に家出する
  • 専業主婦なのに家事をしない
  • 健康で働けるのに働かない
  • 配偶者を家から追い出して帰宅を認めない
3.3年以上の生死不明 最後に消息を絶った日から3年以上、配偶者が生きているか死んでいるか分からない状態
4.回復の見込みがないほどの強度の精神病 配偶者が夫婦の協力義務を果たせないほどの重度の精神病にかかっているとき
5.その他婚姻を継続しがたい重大な事由 夫婦の婚姻関係が破たんして、回復の見込みがないこと

  • DV(家庭内暴力・虐待)
  • モラハラ
  • 長期間の別居
  • 多額の借金やギャンブルなどの金銭問題
  • 過度な宗教活動
  • 配偶者の親族との不和
  • 犯罪による服役
  • 性の不一致など

単に夫が育児を手伝ってくれない、妻にだまされて結婚したというだけでは、離婚裁判で離婚は認められません。離婚裁判で離婚を希望する場合は、法定離婚事由に該当するかどうかをよく検討するようにしましょう。

離婚裁判で負ける理由について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

「離婚裁判で負ける理由|統計からみる裁判結果と裁判を進めるコツ&負けたときの対処法とは」

親権はどちらになる?

未成熟の子どもがいる夫婦の離婚の場合、離婚後の親権をどちらにするか決めないと、離婚届が受理されません(2024年12月現在)。デキ婚後すぐに離婚するケースでは、子どもが乳幼児などの低年齢であるケースが多いので、親権者としては母親が優先されます(母性優先の原則)。

実際に子どもが小学校入学以前の年齢なら、ほとんどの場合は母親が親権者と認められるでしょう。子どもの年齢を問わない場合でも、母親が親権者となる割合は約9割と圧倒的です。とはいえ父親が全く親権者になれないという訳ではなく、次のような母親に問題行動があるケースでは父親が有利になる可能性があります。

  • 育児放棄している
  • 子供を虐待している
  • 家事を全くしない
  • 育児ができないほどの精神疾患・身体の病気や障害がある
  • 薬物依存などの犯罪歴がある
  • 育児より不倫相手との関係を優先している
  • 家出して行方不明になっている
  • 子ども自身が父親と暮らしたいといっている

15歳以上の子どもの場合、子供自身が父親と暮らしたいと希望すれば、子どもの意思が尊重されて父親が親権者となれる可能性が高いでしょう。

父親が親権を取れる確率について知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「父親が親権を取れる確率は?重視されるポイント・親権獲得のためにすべきことを解説」

離婚後の面会交流について

親権者でない方の親には、離婚後も定期的に子どもと面会できる「面会交流権」があります。これは民法第766条にもある権利で、子の福祉を考慮したうえで親と子が交流することで子どもの健やかな成長を目的としている制度。

次のような面会交流の詳細は、離婚前に当事者同士の話し合いで決めるケースが多いです。話し合いで決まらないときには、家庭裁判所に調停を申し立てて希望をすり合わせていきます。

  • 面会の回数や頻度
  • 面会の日時や場所
  • 引き渡しの方法や場所
  • 親権者や第三者の立ち合いの有無
  • 宿泊を伴う交流の有無
  • 予定変更時の連絡方法
  • 学校情事やイベントへの参加の有無
  • 子どもへのプレゼントの頻度や価格

面会交流を拒否できるか知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「面会交流を拒否したい!子供に会わせないことの違法性と対処法を解説!」

養育費の支払い義務

子どもの親権者とならなかった親は、毎月養育費を親権者になった側に支払う必要があります。養育費とは子どもを育てるために必要な生活費(衣食住)や教育費、医療費や適度な娯楽費など。支払期間は離婚時から子どもが成人するまでです。場合によっては成人後でも大学を卒業するまでなど任意で決められます。

毎月の養育費の金額は、両親の収入と子どもの人数、子どもの年齢によって相場が決まっています。裁判所が公表している「養育費算定表」を見ると、おおよその相場が分かるでしょう。養育費の支払いは親としての義務です。デキ婚してすぐに離婚した場合は、子どもと一緒に暮らした期間がほとんどないという人もいるでしょうが、親としての義務はしっかりと果たすようにしましょう。

養育費に関する弁護士費用が知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「養育費に関する弁護士費用が知りたい!ケースごとの相場・払えないときの対処法とは?」

デキ婚からの離婚で困ったときは…弁護士に相談

デキ婚からの離婚で「相手が離婚に合意しない」「離婚条件が分からない」という方は、離婚問題に詳しい弁護士に相談してください。相手との交渉を任せられたり、離婚調停や離婚裁判についてのアドバイスが受けられます。また親権や養育費で揉めているときでも、こちらが有利になるような離婚条件を提示してくれ、具体的にどうすればいいかを指示してもらえるでしょう。

多くの弁護士事務所では、初回の相談を無料にしています。お住まいの地域で離婚問題に詳しい弁護士を探し、無料相談を利用して親身になって話を聞いてくれ、安心して任せられるような弁護士を見つけましょう。

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まとめ

デキ婚で離婚したいと思うのは、夫婦の年齢が若く収入が低かったり、お互いのことをよく知らないうちに結婚してしまうため。また出産や育児の覚悟がないままに結婚し、女性側の負担が大きくなりすぎるのも理由の一つです。実際に若年層でデキ婚から離婚する割合が高いため、デキ婚すると離婚しやすいと思われています。

デキ婚からの離婚を回避するには、夫婦2人で育児する姿勢を基本とし、2人だけの時間を作ったり、周囲に協力を求めることも大切。また相談できるママ友を作ったり、ストレス発散法を見つけるのもポイントです。夫の収入が低いときには、親や周囲に協力してもらいながら、共稼ぎすることも考えましょう。

それでもどうしても離婚を決意したときには、協議離婚や調停離婚を目指しましょう。法定離婚事由があるときには離婚裁判が可能です。同時に親権や養育費、面会交流などの条件についても話し合いが必要。相手ともめそうなときには、離婚問題に強い弁護士に相談するのがおすすめです。

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