- 「モラハラ夫の母親ってどんな共通点がある?」
- 「モラハラ夫の母親(義母)との付き合い方が知りたい」
モラハラ夫にお悩みの方の中には、「どんな育ち方をしたらこんな性格になるのだろう」という疑問を持つ人がいるかもしれません。さらに「親からの遺伝では?」と考える人もいるでしょう。そこでこちらの記事では、モラハラ夫の母親には共通する特徴があるのかという点や、母親の影響が大きいケースについて解説していきます。
そしてモラハラ夫だけでなく、母親である義母との関係に苦労している方も少なくありません。夫のことを相談したいけど相談しても大丈夫か分からないという方のために、義母との上手な付き合い方についてのポイントがあります。無理をしない範囲で、モラハラ夫やその母親である義母と付き合っていきましょう。
モラハラの母親に共通する特徴は?
モラハラの母親に共通する特徴は?
モラハラをする夫の母親には、共通する性格や性質があるのでしょうか。こちらではモラハラ夫の母親に共通する特徴や母親の影響が大きいケースについて解説していきます。
モラハラとは
モラハラ(モラルハラスメントの略)とは、モラル(道徳・倫理)とハラスメント(嫌がらせ)が組み合わさってできた言葉です。精神的暴力の一種で、直接相手に暴力を振るうのではなく道徳や倫理に反した態度で、相手を精神的に追い詰めるのが特徴です。言葉の暴力とも言われます。
夫婦間のモラハラでは、次のような行為が問題になりやすいです。
- 「お前はバカだ」「何をやってもダメだ」など妻の人格を否定する
- 「誰のおかげで生活できているんだ」など収入のない・少ない妻に高圧的な態度を取る
- 妻に生活費を渡さない
- 妻が経済的に自立しようとすると阻止する
- 妻の言動が少しでも自分の意に反すると激怒する
- 極度に嫉妬して妻を束縛する
- 妻が友人や実家と交流を持つことを阻止する
- 子どもに妻の悪口を吹き込んで洗脳しようとする
- 気に入らないことがあると無視する
- 妻に細かいルールを押し付ける
モラハラ夫の性格・特徴
モラハラ夫には次のような特徴や性格が見られます。自分の夫に当てはまるかチェックしてみましょう。
- 自己中心的な性格
- 他人を気遣えない
- プライドが高く自分のミスを認められない
- 行き過ぎた心配性
- 日常的な上から目線
- 発達障害(ASD)
- 人格障害(自己愛性パーソナリティー障害)
- 育った家庭や家族の影響
モラハラ夫にはモラハラ(嫌がらせ)しているとの自覚がないことも多く、「妻のためを思っていってやっているんだ」と本心から思っているケースも少なくありません。モラハラは夫の性格そのものだったり、発達障害、人格障害だったりする場合も。そのため本人が自覚し改善しようとする強い意志がない限り、そう簡単に改善するとは考えられません。
育て方だけが原因という根拠はない
夫がモラハラになる原因は、夫自身の性格や発達障害等であることが少なくないため、母親の育て方だけが原因でモラハラになるとは限りません。一般的に人の価値観というのは、家庭環境(父母の育て方・両親の関係性・兄弟姉妹の有無・居住状況など)だけでなく父母以外の身近な大人の言動、学校の友人、経験したことだけでなく、社会や文化など様々なものによって形成されていきます。
仮に夫が母親からモラハラする人の考え方や行動を学んだとしても、別のところで他の人の考え方を身に着けて母親の言動に批判的になった場合は、モラハラ夫になる可能性は低いです。このように母親の育て方もその一因になるものの、必ずしも決定的な影響を及ぼしている訳ではありません。
母親を見るだけでモラハラしそうか判断できない
また夫の母親を見ただけで、夫が将来モラハラしそうか判断するのは難しいです。母親の育て方や家庭環境に問題があった場合でも、息子である夫がモラハラしない場合があります。逆に母親以外の要因によって、夫がモラハラするようになった可能性も。夫がモラハラしそうか判断するためには夫自身の態度や言動を確認した方がいいでしょう。
モラハラ夫の母親に共通する特徴
一方で母親の影響によって、モラハラ夫が形成されるケースもあります。夫の母親に次のような特徴がある場合には、夫がモラハラになる可能性があります。
- 息子を叱らない・間違いを指摘しない
- 息子のすべてを肯定する・言いなりになる
- 他人に息子を否定されると怒る
- 息子を過剰評価する・自慢ばかりする
- 息子に以上に気を遣う
- 夫婦のことに必要以上に干渉しようとする
- 息子のすべてを知りたがる
- 嫁に対して嫉妬心を示す
- 嫁に当たりが強い・厳しい
- 嫁を仲間外れにしようとする
- 息子以外の子どもとの折り合いが悪い
- 全てにおいて息子は嫁よりも優先すると思っている
- 息子夫婦とかかわりを持ちたがらない
- 息子に興味がない
- 嫁に頼り依存している
この中でも、特にモラハラ夫の母親に顕著に見られる特徴を解説していきます。
息子を叱らない
モラハラ夫の母親は、息子に注意しない・できないことが多いです。息子を甘やかすタイプや過保護タイプの母親は息子を本気でしかるつもりがないため、やんわりとした物言いにとどまります。過干渉タイプの母親だと、息子は母親の前では従順な態度でいるので、特に注意するタイミングがないことも。また逆に息子に無関心な母親は、叱る程息子に興味がないので結果的に叱ることはありません。
息子の言いなりになる
母親自身も夫のモラハラに耐えてきた場合、息子のモラハラにも違和感がなく、息子の言いなりになるケースがあります。家庭では夫や息子の言いなりとなり、召使のように言われたことをやるだけの存在になっている人も少なくありません。
息子の自慢ばかりする・息子を否定されると怒る
過保護タイプの母親は、息子のことが大好きで話す内容といったら息子の自慢ばかり。そしてどんなときでも息子の味方でいます。嫁が息子のモラハラを相談しても「息子は悪くない」「嫁なら我慢すべきでは」と、怒りの感情を表すケースも少なくありません。
嫁に依存する
問題行動が多く扱いにくさを感じる息子と距離を保つため、母親が嫁に依存するケースもあります。母親は息子から自分自身の安全な生活を守るため、嫁や孫を利用します。
共依存関係から抜け出す方法については、こちらの記事を参考にしてください。
「共依存夫婦の特徴|主な原因と陥りやすい危険性、共依存関係から抜け出す方法とは」
夫婦の話に口をはさむ・必要以上に干渉しようとする
過干渉の母親は、自分と他人(息子夫婦)のそれぞれの問題を割り切って考えるのが苦手です。息子夫婦は自分の一部と思っている母親もいるため、夫婦間のセンシティブな問題に干渉してきたり、自分の価値観を押し付けてくることがあります。
息子に興味がない
母親に異常なほど気遣いを見せたり、言う通りに行動したりするモラハラ夫の場合、母親が息子に全く興味がないという可能性があります。母親のために頑張っているにもかかわらず、母親からの感謝の姿勢が見えないときには、息子に無関心なタイプの可能性が高いです。
母親の影響が大きいケース
こちらでは成長過程において、母親の影響が大きくモラハラになったケースを解説していきます。夫から昔の話を聞いて当てはまる場合には、モラハラ夫になった原因が母親の影響にあると考えていいかもしれません。
母親が父親からモラハラ・DVを受けていた
夫の母親自身が夫(義父)からモラハラやDVを受けていた場合、夫自身もモラハラになる恐れがあります。そのような家庭で育つと、夫は「家庭では父親の意見がすべて通るんだ」「母親は父親に逆らえないんだ」など、モラハラを肯定するような考え方を身に着けてしまっている可能性があるからです。
またこのような家庭環境だと、夫の母親への接し方にもある特徴が出ます。父親に侮辱されているのに何も言い返さない姿を見たり、父親のいうことに何でも従っている母親の姿を見て、母親を軽視するようになります。さらに夫が母親に対しても抑圧するような態度を取っていたり、母親が息子にビクビクしているような様子があるときにはモラハラやDVが身近にあった家庭環境で育っている可能性が高いです。
DV夫と離婚するための方法や相談先は、こちらの記事を参考にしてください。
「DV夫と離婚したい…早く安全に離婚するための手順・相談先・気になるポイントを徹底解説」
母親自身にモラハラ・感情的になりやすい傾向がある
母親自身にモラハラ気質があったり、感情的になりやすい傾向があるときには、夫が母親の価値観を正しいものとしてモラハラ気質を受け継ぐ可能性があります。とくに母親が息子夫婦のことやその子ども(母親にとっての孫)の育て方などにいちいち干渉してきたり、自分の言う通りにしないと不機嫌になり悪態をついてくる場合に、は母親自身がモラハラ気質の可能性が。
このような言動は、息子夫婦や孫を自分の「もの」として思い通りにできると考えている表れです。
母親が過度に甘やかして育てた
母親が息子である夫を過度に甘やかして育てると、モラハラ夫になる可能性があります。いわゆる過保護タイプの母親です。具体的には次のような育て方です。
- 息子のわがままをすべて許す
- 息子の希望をすべて叶えようとする
- 問題のある言動をしても叱らない
- 息子の非を認めず悪いのは周囲の人間で、息子は被害者であるかのように振舞う
このような育て方をされた夫は、「他人は自分のために思い通りに動くのは当然である」「自分は何をやっても許される」といった価値観を持つようになります。これはまさにモラハラをする人の典型的な考え方です。そしてモラハラする人は、悪いのはすべて環境や他人のせいにする癖が付いてしまうという訳です。
息子と母親の共依存関係
過保護タイプの母親とその息子は、共依存関係に陥りやすい傾向があります。共依存関係とは、互いが互いに依存しあっている関係で、その自覚がないことがほとんど。親子の間にある心理的な境界線があいまいで、自立の妨げになります。
結果的に息子は自分の意思決定に責任が取れない大人になり、モラハラするようになってしまいます。
嫁に嫉妬心を抱きがち
そして過保護タイプの母親は、嫁に嫉妬心を抱きがちです。心の奥底に「息子のことを一番理解しているのは自分だ」という考えがあるので、息子と一緒にいる時間が多い嫁に対して過去のエピソードなどでマウントを取ってくる場合も。
嫁を排除して様々な物事を決めようとしたり、嫁なしで家族イベントを強行しようとする可能性があります。このような行為は、息子が命よりも大切という過保護タイプの母親の性質が原因といえます。
思い通りに子どもを支配したい過干渉
子どもを自分の思い通りに支配したいという過干渉タイプの母親も、夫のモラハラに少なくない影響を与えます。このようなタイプの母親は、自分の価値観を他人に押し付けてきたり、他人の意見を尊重しようとしたりしません。息子を一人前の大人として尊重する姿勢が欠けているのも特徴です。
親から人格的に肯定されずに育った息子は、妻に対して母親にされたのと同じように、自分の価値観を押し付け妻の意見や考えを尊重しなくなります。そして「自分の指示に従うのが妻のため」と思い込んでいるところがまた、モラハラならではの特徴といえます。
子どもに愛情がなく無関心
息子に愛情がなく無関心な母親もまた、息子の人格形成に悪い影響を与えます。いわゆる無関心タイプの母親です。母親からの愛情を十分に受けずに育った子どもは、愛情に飢えていることから「認められたい」「褒められたい」という承認欲求が人一倍強くなる傾向にあります。
承認欲求が強い人は完璧主義や結果至上主義に陥る可能性が高く、「良い結果がすべてである」「失敗は許されない」などと考えるようになります。他人と協力したり努力の過程に目を向けることを軽視しがちで、他人に負けないようにむやみに他人を貶めたり攻撃したりして、モラハラ行為を日常的にするようになる恐れがあります。
息子と関係が悪く嫁に依存する
モラハラを行う息子と関係が悪く、距離を取るために嫁に依存しようとする母親もいます。このようなタイプの母親は根本的な親子問題に向き合おうとせず、息子の問題行動をとがめたりすることはできません。そうなるとますます息子である夫のモラハラは加速します。
母親が息子を恐れているケースでは、夫の兄弟姉妹と夫との関係や他の親族と母親が夫の言動について、裏で批判していないかなども判断のポイントになります。
完璧主義
完璧主義の母親もまた、夫がモラハラになった原因かもしれません。息子が何か少しでもミスをすると激しく叱責したり、落胆したりして育てられ方をすると、結婚した妻に対しても母親と同じような態度を取りがち。あなたが少しでもミスをすると暴言を吐かれたり、わざとらしくため息をついたりするその夫の行為にルーツは母親ということです。
モラハラ夫の母親(義母)との上手な付き合い方
夫のモラハラには、母親の育て方や母親自身の性格が関係していることが分かりました。では今後モラハラ夫の母親とはどのような付き合い方をしていったらいいのでしょうか。
夫のことを相談するかは慎重に判断
夫のモラハラについて母親に相談するかどうかは、慎重に判断すべきでしょう。というのも次のような理由が考えられるからです。
味方をしてくれるとは限らない
夫のモラハラを母親に相談しても、あなたの味方になってくれるとは限りません。母親自身がモラハラ気質だったり過保護タイプだったりした場合や、自分の育て方を非難されるのではと思っている場合には、「息子がそんなことするはずがない」「そのくらいどこの夫婦でも同じ」などといわれる可能性が高いです。
普段から仲が良く、夫婦喧嘩をしたときもあなたの味方をしてくれるような母親なら、息子である夫に意見を言ってくれるかもしれませんが、そうでなければ相談しないほうが賢明です。
自分のせいにされる可能性
過保護タイプの母親の場合、息子が加害者になることが受け入れられずに夫の肩を持ち、あなたのせいにされる可能性が高いでしょう。また無関心タイプの母親も、面倒ごとに巻き込まれたくないという想いから、まともに取り合ってくれない場合があります。勇気を出して相談しても、逆に自分のせいにされたり我慢を強要されてしまっては相談する意味がありません。
相談するときは具体例を挙げて
夫の母親が信頼できる人であると仮定して、モラハラについて相談するときには、どのような行為や発言があるかといった具体例を挙げて伝えるといいでしょう。「モラハラを受けている」という相談だけでは、どのような状態なのか理解してもらえない可能性が高いです。
とくにモラハラは身体的暴力と比べて証拠が乏しく、一つ一つの言動を切り取ってみると、日常の些細なことと捉えられがちです。そのため全体での出来事を伝えないと、単なる夫婦喧嘩なのではと思われる可能性があります。夫からのLINEの内容や暴言の録音など、客観的に分かる証拠を見せるようにしましょう。
母親からもモラハラを受ける可能性
母親の気質や性格を見定めずに相談すると、母親からもモラハラ攻撃を受ける可能性があります。とくに母親にもモラハラ気質がある場合です。モラハラする人は、自分は正しく他人が間違っているという思考になりがちです。あなたが「夫からモラハラを受けた」と訴えても、自分の子育てが否定されたように受け止めてしまうという訳です。
そしてモラハラ気質の母親は、過保護や過干渉の傾向もあります。このようなタイプは大切に育てた自慢の息子を否定されたと感じて、嫁への風当たりが強くなる可能性が高いでしょう。夫とその母親の両方からのモラハラを防ぐためには、相談相手は慎重に選びましょう。
2人がかりのモラハラを防ぐためにも、モラハラに関する相談相手に姑を選ぶのは得策とは言えません。
夫のモラハラが加速する可能性
夫の母親があなたの言い分に耳を傾けたとしても、母親から夫に注意が行くと、妻を逆恨みした夫からのモラハラがエスカレートする恐れがあります。モラハラする人はいつも自分が正しいと思っているので、妻が母親に自分の悪口を吹き込んだと思い込んでしまうためです。
狡猾なモラハラ夫の場合、母親の前では神妙に振舞っておきながら、夫婦2人になったときにより陰湿なモラハラ行為をしてくる可能性があります。相談したところで、夫のモラハラが改善されるどころか悪化してしまっては逆効果です。
すぐキレる旦那と離婚する方法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「すぐキレる旦那と離婚する方法|モラハラか?離婚すべきか?の判断基準と有利に離婚するためのポイント」
過度に敵対しない
モラハラ夫の母親とは、過度に敵対しないように心がけましょう。「モラハラ夫を育てた母親だから、きっと問題があるに違いない」という先入観を持って接すると、その雰囲気が相手に伝わって関係が悪くなる可能性も。過剰に反応するよりは、夫の母親として普通に接する方が波風が立たないでしょう。
そのように接し続けることで、良好な関係を構築でき、夫のモラハラの相談を親身になって乗ってくれる可能性もあります。仮に別居や離婚となったときでも、母親が干渉して事態を大きくするような状況に陥らずに済むかもしれません。
嫁姑問題で離婚や慰謝料請求が可能かについては、こちらの記事を参考にしてください。
「嫁姑問題を理由に離婚や慰謝料請求をしたい!離婚を決断する前にすべきことは」
適度な距離を保つ
母親自身がモラハラ気質だったり、プレッシャーをかけてきてストレスになっているようなときには、適度な距離を保って付き合うようにしましょう。息子のモラハラを相談するのはもってのほかで、母親とコミュニケーションを取るときには当たり障りのない会話を心がけてください。
とくにモラハラ気質の母親とは、物理的にはもちろんのこと精神的にも距離を保つことが大切。必要以上の接触を避け、かかわりを最小限にしましょう。接触が少ないことに対する小言を言ってきたとしても真に受けず、聞き流すことをおすすめします。
同居しているときは別居を検討
夫の母親と同居しているときには、別居を検討した方がいいケースもあります。夫婦に干渉し過ぎたり息子を溺愛するような母親と一緒に暮らしていると、夫と母親の両方からモラハラを受けてしまう恐れが。夫も母親がいつも味方になってくれるということで、さらに強気に出てくる可能性が高いでしょう。
そのようなときは別居に踏み切り、夫と母親を物理的に切りはなすと、夫との力関係を変えられる可能性も。何かしらの事情があって別居ができないときには、仕事をする時間を延ばしたり、用事を見つけて家を空ける時間を作るなどして、自宅にいる時間を極力減らすようにしましょう。
モラハラ夫から解放されるためにすべきこと
夫からのモラハラを受けている人の中には、これ以上夫婦として一緒にやっていけないと考える方も少なくありません。そこでこちらでは、モラハラ夫から解放されるためにすべきことについて解説していきます。
モラハラは離婚原因の上位
実はモラハラは、夫婦の離婚原因の上位にランクインする要因の一つです。令和5年(2023年)の司法統計によると、性別離婚申立ての動機別割合では、モラハラに該当する離婚動機「精神的に虐待する」を選んだ人が全体の2割に当たります。
これは様々ある離婚動機の中でも、男性側で2番目、女性側では3番目に多い離婚原因です。件数に目を向けると、妻側の理由をモラハラにした申立件数は10,000件を超えていて、申立てに至らないケースも含めれば、妻側のモラハラ被害の深刻さは相当なものと予想できます。
参考:性別離婚申立ての動機別割合の推移(1975-2023)|女性情報ポータルWinet
子どもへの影響は少なくないと認識する
夫婦の間に子供がいる場合、子どもへの影響は少なくないと考えましょう。父母間のモラハラやDVを目撃することで脳の萎縮やうつ、不登校や適応障害など、子どもへの影響は計り知れません。またモラハラ夫の母親の特徴から見ても、モラハラは親子間で連鎖する可能性が高いです。父親と同じように将来の配偶者に対してモラハラになる可能性もあるでしょう。
父親が母親を日常的に罵ったり人格を否定していると、子どもはモラハラが当たり前だと思ってしまいます。すでに母親のことを卑下するような言動を子どもがしている場合には、モラハラの悪影響が出始めている状態です。取り返しのつかない事態になる前に、モラハラ夫とは物理的な距離をおくことをおすすめします。
DVから自分と子どもの身を守る「接近禁止命令」の出し方は、こちらの記事を参考にしてください。
「DVから身を守る『接近禁止命令』を出すには?手続き方法・注意点・離婚の方法を詳しく解説」
第三者機関に相談する
夫のモラハラに気が付いたり、夫との関係性に疑問を抱いたときには、第三者機関に相談してはいかがでしょうか。モラハラ被害者の中には、誰にも相談できずに一人で悩んでしまう人も少なくありません。しかしこの状態が続くと、モラハラ被害が加速する恐れがあります。
自分の感情を押し殺して生活し続けることで、精神的に大きなダメージを追ってしまう人も。そうなる前に次のような第三者機関に相談してみましょう。
物理的な距離を取る
モラハラ夫から解放されるためには、別居するなどして物理的な距離を取るのが一番の方法です。モラハラは性格や人格、成育歴と深く結びついているため、モラハラ行為がなくなることは基本的に期待できません。またモラハラ夫は妻を支配すること自体に依存しているため、その依存対象である妻が近くにいる状態では、モラハラを止めるのが非常に難しい状態に。
モラハラ夫から解放されるためには、自分から別居して物理的な距離を取る必要があるという訳です。本来であれば別居する前には配偶者の了承を得る必要があるのですが、モラハラやDVを受けている場合には黙って家を出ても問題ありません。
離婚前提の別居をする必要はありませんが、まずはモラハラする夫の支配下から抜け出して、本来の自分を取り戻すことを優先しましょう。
別居1年で離婚ができるかについては、こちらの記事を参考にしてください。
「別居期間1年で離婚できる?長引く・認められないケースと早く離婚するポイント」
モラハラの証拠を集める
別居する前には、可能な限りモラハラの証拠を集めるようにしましょう。いざというとき(離婚)にあなたの有利になる可能性が高く、離婚条件を決める場合や慰謝料を請求したいときでもあなたの助けになるはずです。具体的には次のような証拠を確保してください。
- 自分に対する暴言の録音や録画データ
- 物に八つ当たりして壊す、大きな音を立てて戸を閉めたり歩く様子の録音や録画データ
- 夫からのモラハラ発言のあるメールやSNSの画面のスクショ
- 家族や友人など第三者の証言
- モラハラ被害を記録したメモや日記
モラハラやDVの証拠の残し方については、こちらの記事を参考にしてください。
「DVの証拠の残し方|離婚に有利になる10種類の証拠の取り方&証拠を集めるときの注意点とは」
離婚を視野に入れる
モラハラする夫と離れるための最終手段は離婚です。多くのモラハラ夫は自分が加害者になることを受け入れられず、モラハラを認めたとしてもそれを治すのは簡単ではありません。その上外面を気にするタイプで実は妻に依存しているので、離婚には激しく抵抗するでしょう。
離婚したくないからといってモラハラ夫が一時的に反省したとしても、簡単に離婚を撤回するのはおすすめできません。多くの場合しばらく時間が経つと、また元のモラハラ夫に戻ってしまうためです。夫に離婚を切り出した以上は覚悟を決め、強い気持ちで離婚交渉に臨みましょう。
拒否する相手と離婚をする方法や対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「相手に離婚を拒否されたら?拒否する理由とその後の対処方法、やってはいけないNG行為とは?」
弁護士に交渉を依頼する
モラハラ夫から解放されるためには、弁護士に相談して交渉を依頼するのが有効です。とくに離婚問題に詳しい弁護士に相談できれば、あなたの状況に応じて適切なサポートを受けられるはずです。別居や慰謝料を請求する場合でも、法律に基づいてあなたの不利にならないようなアドバイスが受けられます。
別居した後の離婚交渉は、全て弁護士に任せましょう。モラハラ夫は権威のある人や明らかに立場が上の人には強く出られない傾向があります。弁護士資格を持つ代理人であれば、夫からの理不尽な要求を避けられる可能性が。また弁護士に交渉を依頼することで、精神的・肉体的なストレスも大幅に軽減できます。
また夫に別居中の婚姻費用を請求する場合でも、弁護士から請求してもらうといいでしょう。このように弁護士を間に入れることで、夫との距離を保ちながら安心して生活することができます。以後は離婚協議や離婚調停など、離婚に向けてスムーズに手続きを進めていけるはずです。
まとめ
夫がモラハラする原因は元々の性格や発達障害、人格障害の他に子どものころの家庭環境があります。その中に父親と母親の関係や兄弟姉妹の有無の他、父母からの育て方なども含まれます。母親からの影響がすべてではないものの、過干渉タイプや過保護タイプの母親、逆に子どもに無関心だったり母親自身もモラハラ気質があったりすると、息子である夫に少なくない影響を与えます。
モラハラ夫の母親には、夫のモラハラについて相談するのは慎重に判断する必要があります。できれば過度に接触しようとせず適度な距離を保つようにするといいでしょう。同居しているときには、夫と母親の両方からモラハラを受ける可能性があります。別居も視野に入れるべきでしょう。
モラハラは治る可能性が低く、子どもへの悪影響が心配されるため、モラハラから解放されるには別居や離婚を検討してください。法律の専門家である弁護士に依頼すると、別居後の協議やその後の離婚交渉をスムーズに行えます。モラハラする相手とは、距離を取るのが最良の選択。自分と子どものために、早めに決断をしましょう。