- 「夫の不倫相手に何としてでも復讐したい…」
- 「不倫相手に慰謝料請求する場合の注意点は?」
夫や妻に不倫されたとき、不倫相手に復讐や報復をしたいと考える人は少なくありません。しかしその方法を考えないと、逆に自分が慰謝料請求される側に回ってしまうことも。そこでこちらの記事では、いくら憎い不倫相手にでも、やってはいけないNG復讐と、合法的な復讐方法について詳しく解説していきます。
不倫の最中でお花畑の中にいる不倫相手には、慰謝料請求が最も効果的です。自分で交渉するケースはもちろんダブル不倫の場合など、状況別に異なるポイントに気を付けて、冷静かつ着実に請求手続きを進めていきましょう。
いくら相手が憎くても…やってはいけないNG復讐
不倫相手に復讐したいと思ったとき、「どんな手を使ってでも…」と考える人は少なくありません。しかし手段を間違えると、被害者のはずが加害者とみなされて警察に逮捕されたり、逆に慰謝料を請求されてしまう場合も。次に紹介する行為は、絶対にやらないようにしましょう。
相手の勤め先にバラす・怒鳴り込む
不倫相手が勤務する会社に押しかけたり、勤務先に怒鳴り込むのは止めましょう。とくに社内不倫の場合、相手に辞めてもらいたい・異動して欲しいと考える人もいるでしょう。しかし勤務先に不倫のことをバラしたとしても、処分されない可能性があります。
逆にあなたの方が、不倫相手に脅迫罪や名誉棄損罪で訴えられる恐れが出てきます。さらにバラしたことで会社を解雇された場合には、慰謝料とそれにプラスして半年程度の給与相当額の損害賠償請求をされることもあります。いくら相手が憎くても、会社にバラす行為は控えましょう。
不倫相手に警告するときの注意点は、こちらの記事を参考にしましょう。
「不倫相手に忠告・警告するときの注意点とは?ケース別・直接対決するときのポイントとNG行為」
暴言や暴力を振るう
不倫相手に暴言や暴力を振るう行為は、絶対に止めてください。危害を加えることをほのめかすような言葉を言うと「脅迫罪」に当たり、実際に蹴ったり殴ったりすると「暴行罪」や「傷害罪」とみなされます。物を投げつける、引っ掻く、ビンタするといった行為で相手が怪我をしてしまうと、傷害罪となるので気を付けてください。
頻繁な無言電話やメッセージの送り付け
不倫相手の自宅や勤務先に無言電話やメッセージの送り付け、差出人が分からないようにして文書を送る行為は刑法の「偽計業務妨害罪」に該当する可能性が高いでしょう。また短時間のうちに頻繁に電話をかけたり、メッセージを送るような行為は、ストーカー規制法違反に当たる場合があります。
ストーカー行為というと「異性間では?」と考えがちですが、同性間でもストーカー行為とみなされる可能性があります。電話をかけても相手が応じない場合や、内証証明を送っても返事がない場合でも、トラブルを避けるために弁護士を通して対処してもらうのがベストです。
社内不倫がバレたらどうなるかについて詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「社内不倫バレたらどうなる…?社内不倫の顛末とバレる理由、バレた後の対応を徹底解説」
相手の家族や配偶者に不倫の事実をバラす
相手の家族や配偶者に「あなたの子ども(親・夫・妻)は不倫していますよ」と告げるのは慎重にすべきです。とくに不倫相手の配偶者にバラす行為は、相手配偶者が不倫の事実を知らないと、後の慰謝料請求に不利になる可能性があるからです。
ダブル不倫の場合、双方の夫婦が離婚する・しないで請求できる慰謝料の相場が変わってきます。こちらが離婚せず相手夫婦が離婚する場合、自分が受け取る慰謝料よりも、相手に支払う慰謝料の方が高額になり、結果的に損をしてしまうケースがあります。感情に任せて相手家族にバラすことは控えましょう。
浮気相手に制裁する場合のNG行為については、こちらの記事を参考にしてください。
「浮気相手に制裁したい!された側ができる事とNG行為を知って納得できる合法的な制裁を」
個人情報や不倫についてSNSに投稿する
不倫相手の個人情報や不倫の詳細をSNS等に投稿すると、「名誉棄損罪」や「侮辱罪」に当たる可能性が高いでしょう。最近は、制裁のためにとSNSに不倫相手の詳細を投稿するケースがよく見られます。しかしSNSは不特定多数の人に見られ、一度投稿してしまうとすぐに拡散して削除しても投稿した情報は永遠に残ってしまいます。
氏名などを伏せていても、背景の状況から誰の事を言っているのか推測できる場合には、罪に問われる恐れがあります。不倫相手への復讐心から、「ネット上で晒してやる」と考える人もいますが、絶対に止めましょう。
浮気相手をSNSで特定する方法については、こちらの記事を参考にしましょう。
「浮気相手をSNSで特定する方法|調査時の注意点と慰謝料請求の注意点とは」
その他犯罪になり得る行為
上記以外でも次のような行為をすると、犯罪になる可能性が高いです。懲役や罰金刑という思い刑罰を科されてしまいます。不倫相手に復讐したいと考える方は、合法的な方法で行うようにしましょう。
| 相手の生命、身体、自由、財産、名誉等に危害を加えると告知する行為
「浮気したことを職場の人にばらす」と脅す 「痛い目にあわせてやる」「殺してやる」と脅す |
脅迫罪(刑法第222条1項)
2年以下の懲役または30万円以下の罰金 |
| 人を脅して本来義務のないことを相手に行わさせたり、権利の行使を妨害するような行為
「家族に浮気のことをバラす」と脅して、不倫を認める内容の示談書や慰謝料支払いに関する合意書に無理やりサインさせる 「土下座して謝れ」といい、頭を掴んで無理やり下げさせる 「退職しないと職場にバラしてやる」といい、退職するようにしつこく要求したあげく退職追い込む |
強要罪(刑法第223条1項)
3年以下の懲役 |
| 人を脅して金品を要求する行為
「言われた金額を支払わないと周囲に浮気のことをバラす」といい、慰謝料を支払わせる |
恐喝罪(刑法第249条1項)
10年以下の懲役 |
| 上記のような行為を行い、実際に金品を受け取らなくても脅した時点で成立する | 恐喝未遂罪(刑法第249条1項)
10年以下の懲役 |
不倫相手にできる合法的な復讐方法
不倫相手に復讐したいと思ったとき、合法的な手段にはどのようなものがあるのでしょうか。こちらでは5つの方法について解説していきます。
慰謝料を請求する
一番スタンダードなのが、不倫相手に慰謝料を請求するという方法です。慰謝料請求は社会的制裁を与えるのにベストな方法で、相手に不倫行為を認めさせ、心理的プレッシャーを与えるのに有効です。そして不倫関係にのめり込み、いまだお花畑の中に居るような相手に冷や水を浴びせられるという効果もあります。
不倫による慰謝料の相場は、50万~300万円ほどです。次項でくわしく慰謝料の金額や請求方法について解説するので、参考にしてください。
誓約書・合意書を書いてもらう
不倫相手に慰謝料を請求したタイミングで、誓約書や合意書を書いてもらうという制裁方法もあります。これらの書面には、通常次のような内容を盛り込みます。
- 不貞行為の事実(いつ・どこで・誰と不倫したかという具体的な事実を認めさせる)
- 慰謝料の支払いについて(金額・支払期限・支払い方法など)
- 不倫相手との関係解消について(今後一切あらゆる手段で連絡を取らない・会わないことを誓約させる)
- 違反時のペナルティ(制約を破った場合、追加の慰謝料を支払うなどのペナルティを定める)
上記内容を記したうえで、書面を2部作成します。作成日を記入、双方の署名捺印をして双方が保管するのが原則です。違反時のペナルティは、あまりにも高額過ぎると無効とみなされる場合があるので、金額を設定するときには気を付けてください。
SNSに家族写真をアップする
不倫相手がいまだ本気で配偶者のことを好きになっているときには、配偶者や自分のSNSにあえて夫婦の写真や家族で楽しく過ごしている様子を投稿するといいでしょう。このような投稿を見せることで「いつか離婚してくれるのでは」「自分の方が愛されているに違いない」といった期待を打ち砕けます。
同様に配偶者のSNSのアイコンを、家族写真に変えるという方法もおすすめです。
不倫の制裁をしたいとお考えの方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「不倫の制裁をしたい!相手にダメージを与える方法とは?合法・違法なやり方と確実に制裁するためのポイント」
相手の親に謝罪してもらう
不倫相手と対面するときには、相手の親同席で謝罪してもらうという方法も有効です。とくに家族間のつながりが強い場合には、親に謝罪させることで精神的プレッシャーを与えられます。
ただしこの方法は、相手の親が協力的であるのが前提。無理やり同席させたり騙して連れてくるようなことをすると、「強要罪」に当たる可能性があるので注意しましょう。
退職・引っ越しをしてもらう
不倫相手が了承すれば、退職や引っ越しをしてもらうという方法があります。社内不倫だったり相手が近所に住んでいる場合には、不倫関係解消を約束してもらったとしても心配です。何かのきっかけで関係が復活する可能性もあるでしょう。
これを防ぐには、物理的な距離を取らせる方法が有効。とはいえ、不倫相手を強制的に退職させたり引っ越しさせることはできません。相手を脅して実行させようとすると、こちらが「強要罪」とみなされる可能性も。あくまで本人の了承の下で実行しましょう。
一番効果的な復讐は「慰謝料請求」
不倫相手への復讐で、最も安全で効果的な方法は慰謝料請求です。こちらでは慰謝料請求に関する詳細について解説していきます。
不倫慰謝料の相場
不倫慰謝料の相場は、前出の通り50万~300万円です。こちらは過去の判例に基づいた金額なので、双方が合意すればそれ以上の金額を支払ってもらうこともできます。慰謝料の金額は、離婚する・しないで大きく異なり、離婚しない場合は50万~200万円、離婚する場合で100万~300万円です。また次のような要素でも金額が変動します。
- 婚姻期間の長さ
- 子どもの有無・人数・年齢
- 離婚・別居の有無
- 不倫が行われた期間・回数・有責度
- 不倫の悪質度
- 不倫相手の妊娠・出産の有無
- 不倫に至った経緯
- 夫婦の年齢
- 請求される側の職業・年収・資産
- 離婚原因を作った側の反省の度合い
- 精神的苦痛の大きさ
不倫期間が長いほど、不倫の回数が多いほど慰謝料は高額になります。また不倫相手が妊娠した、発覚後も関係が続いたなど悪質度が高いとみなされると、精神的苦痛が大きいと判断されるため、金額が高額になりがちです。不貞行為についての要素にプラスして、婚姻期間の長さや子どもの有無などでも相場は変動します。
離婚慰謝料の相場について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚慰謝料の相場が知りたい!離婚理由や婚姻期間による相場・金額をアップさせるポイントを解説」
請求可能な要件
不倫相手に慰謝料を請求するには、次に紹介する6つの要件が必須です。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
不貞行為があった
不倫の慰謝料を請求するには、不貞行為があることが前提です。不貞行為とは法律用語で、「結婚している人が配偶者以外の人と自由な意思の元で性的関係を持つこと」をいいます。性的関係には性交渉だけでなく、性交類似行為(口淫・手淫・裸で抱き合うなど)も含まれます。
自由な意思の元とは、双方合意の上でと言い換えられます。そのため強姦など脅迫や暴力を伴う性行為は不貞行為とみなされません。不貞行為の有無は、客観的な証拠をもとにして証明していきます。
プラトニック不倫で慰謝料請求できるのか知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「プラトニック不倫で慰謝料は発生する?不貞行為との違いと慰謝料相場、請求する・されたときの対処法」
客観的な証拠がある
慰謝料を請求するには、不貞行為の客観的な証拠が必要です。証拠がないと「そんなことはしていない」相手に言い逃れされてしまうでしょう。また話し合いがまとまらず、調停や裁判に進んだときには、慰謝料を請求する側が不貞行為があったことを証明しなければなりません。このような理由から、客観的な証拠が必要になります。
具体的な不倫の証拠は次の通りです。
| 証拠の確度 | 証拠の内容 |
|---|---|
| 裁判で有効な確実性の高い証拠 |
|
| 複数を組み合わせることにより不倫が類推できる証拠 |
|
裁判で有効な証拠を確保できなくても、複数の証拠を組み合わせることで、不倫を証明できる場合があります。どんな些細な物でも、証拠として取っておくようにしましょう。
LINEで浮気の証拠を見つける13の方法は、こちらの記事を参考にしてください。
「LINEで浮気の証拠を見つける13の方法|見つけた後にすべきことや注意点とは?」
相手の住所氏名が分かる
不倫相手に慰謝料を請求するには、相手の住所や氏名を把握していなければなりません。どこの誰かもわからない相手には慰謝料請求の交渉が困難で、内容証明郵便を送ることもできません。配偶者から聞き出せない場合には、独自に調べる必要があります。
それでもどうしても身元が分からないときには、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士は23条照会(弁護士会照会)などの手段が使え、相手の携帯番号から契約者情報を入手したり、車のナンバーから所有者の身元を調べることができるためです。自分で無理に調べようとすると、知らずに違法な行為をしてしまう可能性もあるため、できれば弁護士に調査を依頼してください。
キャバ嬢に慰謝料請求できるのかについては、こちらの記事を参考にしてください。
「キャバクラ通いは離婚理由になる?不倫・浮気との境界線と慰謝料請求の可否を解説」
時効が成立していない
慰謝料の請求権には時効があり、時効を過ぎると不倫相手に慰謝料を請求できなくなります。不倫に伴う慰謝料請求の時効は、「不貞行為があったこともしくは不貞の相手を知ったときから3年」不貞行為があったことを知らない場合でも「不貞関係が始まったときから20年」経過すると時効が成立します。
そして不倫が原因で離婚した場合の、配偶者に請求する慰謝料の時効は「離婚が成立した時点から3年」で時効を迎えます。不倫相手もしくは配偶者に慰謝料を請求する場合には、これらの時効が到来していないことが条件となります。
不倫発覚時点で夫婦関係が破綻していない
不倫が発覚した時点で夫婦関係が破綻していないことも、慰謝料請求の要件です。というのも慰謝料には不倫や離婚による精神的苦痛に対する損害賠償という意味合いがあるためです。不倫が発覚する以前から家庭内別居や長期間の別居などがあり夫婦関係が破綻していた場合、配偶者が不貞行為を行ったとしても精神的苦痛を与えられたとみなされず、慰謝料を請求できるような権利侵害に当たるとは判断されません。
ただし破綻した原因が配偶者からのDVやモラハラだった場合、それ自体があなたの心身や人格を侵害する行為となるため、離婚慰謝料を請求できる可能性があります。
不倫相手に故意または過失がある
不倫相手に慰謝料を請求するためには、故意または過失があることが条件です。ここでいう「故意」とは、不倫の相手(あなたの配偶者)が既婚者であることを知りながら性的関係を持っていたという状況です。もしくは知らなかったことに過失がある次のような場合です。
- 職場で知り合って相手が結婚しているか知り得る状況だった
- 交際期間が長く、既婚者だと疑いつつも確かめようとしなかった
- 既婚者だと知っていたが相手に婚姻関係は破綻していると聞かされ、注意を払っていれば破綻していないことに気付ける状況だった
逆にあなたの配偶者が徹底的に嘘をついていた場合や、独身と偽って出会い系アプリで知り合って間もない場合には、故意や過失がないと判断されて慰謝料を請求できない場合があります。
自分で請求も可能
不倫相手に慰謝料を請求する場合、専門家に依頼しなくても自分で交渉できます。
対面で交渉
不倫相手の身元や連絡先が分かったら、相手に連絡して話し合いの場を設けましょう。具体的な証拠を持参したうえで、相手が不倫を認めない場合はすぐに提示できるようにします。不倫を認め慰謝料の支払いに応じた場合は、示談書や合意書などを作成しましょう。
直接対面する場合は冷静な対応を心がけ、感情的にならないよう注意しましょう。かといってへりくだり下手に出る必要もありません。笑顔を見せず能面のように淡々とクールな態度で挑むのがポイントです。
不倫相手と直接対決する場合のポイントについては、こちらの記事を参考にしてください。
「不倫相手に忠告・警告するときの注意点とは?ケース別・直接対決するときのポイントとNG行為」
内容証明郵便で請求
相手が話し合いの場に来ない場合や、交渉がまとまらないときには、相手の自宅に内容証明郵便を送付して慰謝料を請求します。内容証明郵便とは、書面の内容・発送日・差出人・受取人・受け取った日付けなどを郵便局が証明してくれるサービスのこと。後に裁判になった場合でも記録として提出でき、相手には心理的プレッシャーを与えられます。
内容証明郵便には細かい規定があるので、実際に送付するときには郵便局に行きアドバイスを受けましょう。
調停・裁判で請求する
内容証明郵便を送っても相手が応じないときには、家庭裁判所に申し立てて調停に進みます。調停では調停委員を間に入れて双方の言い分を主張します。最終的に合意に至らないときには、調停が不調に終わり慰謝料請求が認められません。
最終的には裁判で決着をつけることになりますが、裁判をするには法的に有効な書面の作成や、的確な主張反論をするための専門知識が欠かせません。素人が一人で裁判するのは難しいため、事前に弁護士に相談してください。
弁護士に依頼するのがベスト
不倫相手への慰謝料請求は自分一人でも可能ですが、弁護士に依頼するのがベストです。弁護士は法律の専門家なので、法的に有効な証拠についてのアドバイスが受けられるほか、慰謝料の相場や請求方法についても教えてもらえます。
また弁護士は交渉のプロでもあります。不倫相手との交渉を任せられると、あなたの精神的負担を軽減できます。調停や裁判になった場合でも、弁護士があなたの代理人としてサポートしてくれます。とくに不倫相手との直接の連絡や交渉は大きなストレスです。それらすべてを弁護士に任せられれば、あなたは配偶者との再構築や離婚準備にウエイトを置けます。
不倫相手に慰謝料請求するときの注意点
不倫相手に慰謝料を請求する場合、次のような点に注意してください。
示談交渉のポイント
自分で直接相手と交渉する場合は、交渉の内容をボイスレコーダーやスマホで録音しておくことをおすすめします。言った言わないのトラブルを防げ、相手からの「脅された」「無理やり示談書にサインさせられた」という言いがかりに備えられます。
会話内容を録音する場合には、相手に事前に断りを入れるようにしてください。無断で録音しても違法になる訳ではありませんが、「人格権の侵害になり得る」という過去の判例が出ているため、逆に相手に慰謝料を請求されるリスクがあるためです。
違法な復讐は減額要素になる
冒頭で紹介したような違法な復讐をしてしまうと、そのことを理由に請求した慰謝料が減額される可能性があります。例えばあなたが勤務先に押しかけたために不倫相手が会社を辞めることになったり、相手配偶者に不倫の事実をばらして相手の夫婦が離婚したなどです。
あなたが行った行為によって一定の制裁を受けたとみなされると、それを理由に不倫の慰謝料を減額される場合があります。できるだけ高い慰謝料を取りたいと考えているのであれば、慰謝料請求以外の違法な報復は控えるようにしましょう。
「求償権」に注意する
不倫相手にのみ慰謝料を請求する場合、「求償権」に注意が必要です。求償権とは不倫という共同不法行為を行った者の一方が、自分の責任の範囲を超えて慰謝料を支払った場合、その超えた部分に関してもい一方の共同不法行為者に請求できるという権利のこと。
不倫の慰謝料100万円で負担割合が5:5の場合、不倫相手が100万円支払ったとすると、不倫相手はあなたの配偶者に50万円を求償できるという訳です。とくに離婚せずに不倫相手にのみ慰謝料請求する場合には、求償関係を見越した対応が必要です。
【ケース別】慰謝料請求時の注意点
こちらでは、具体的なケース別に慰謝料請求時の注意点を紹介していきます。
すでに配偶者から慰謝料を受け取っていた場合
不倫相手に慰謝料を請求する前までに配偶者から十分な金額の慰謝料を受け取っている場合には、不倫相手に慰謝料を請求できない可能性があります。これは前出の求償権とは逆の考え方です。上記の例で言うと、配偶者からすでに100万円の慰謝料を受け取っているのであれば、そこからさらに不倫相手に慰謝料を請求することはできません。
慰謝料請求しない方がいいケースについては、こちらの記事を参考にしてください。
「慰謝料請求しない方がいい? 控えた方がいい11のケースと【離婚理由別】取るべき対策とは」
ダブル不倫の場合
ダブル不倫の場合は、双方の夫婦が離婚する・しない、不倫の事実を知っているかどうかで変わってきます。例えば双方の夫婦が不倫について知っていてどちらも離婚しない場合は、それぞれの夫婦間でお金が行ったり来たりするだけなので、双方慰謝料なしで示談を成立させるケースがあります。
また双方の夫婦が知っていて片方だけが離婚する場合には、離婚する側に支払う慰謝料が極端に高くなります。双方が知っていてどちらも離婚する場合には、不倫した側がそれぞれ相手の配偶者に対して慰謝料を支払うことになります。このようにダブル不倫の慰謝料問題は大変複雑です。可能であれば弁護士などに事前に相談してください。
ダブル不倫の慰謝料問題に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
「ダブル不倫の慰謝料問題|ケース別慰謝料の相場と注意すべきポイント、弁護士に依頼するメリットとは」
不倫相手が複数人いる場合
不倫相手が複数人いる場合もあるでしょう。このようなケースでは、自分の配偶者と不倫相手全員にそれぞれ請求可能です。ただしトータルで受け取る慰謝料の金額は決まっているので、不倫相手が複数いたとしても、単純に金額×人数分となる訳ではありません。
逆にそれぞれの不倫相手ごとに証拠を確保し、相手の素性を突き止め、個別に示談交渉をするという手間が生じます。場合によっては、証拠の有無や請求要件を満たしているか確認したうえで、誰に慰謝料を請求したらいいか検討してください。
配偶者が複数人と不倫していた場合の慰謝料請求方法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「夫や妻が複数人と不倫してた…全員に慰謝料請求できる?請求パターンと有利に離婚する方法を解説」
まとめ
不倫相手に復讐したいと思うのは、ある意味当然の感情といえます。しかし感情のまま行動に移し、相手の勤務先に怒鳴り込んだり、相手の家に押しかけたりすると、犯罪とみなされる可能性があります。逆にこちらが慰謝料を請求される場合もあるので、注意してください。
合法的に復讐するためには、慰謝料を請求するのがベストな選択です。法的に有効な証拠をそろえ、相場金額を把握した上で示談交渉に臨みましょう。ただし求償問題に注意して、ダブル不倫の場合や不倫相手が複数人いるときには戦略的に請求していきましょう。
慰謝料請求は自分でも可能ですが、弁護士に依頼するのがおすすめです。法律の知識と交渉のテクニックを持つ弁護士なら、適切な慰謝料金額を合法的な手段で確保できます。とくに離婚問題や不倫問題に強い弁護士なら、後の離婚手続きだけでなく夫婦再構築のアドバイスも受けられるでしょう。