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夫に若い愛人がいることが分かり、慰謝料請求を検討している方はいませんか?最近では「パパ活」にハマっている男性も増え、妻としては頭を悩ませる問題です。そこでこちらの記事では、愛人への慰謝料請求にスポットを当て、請求する側とされる側のポイント、対処法を紹介していきます。
さらには不倫や浮気との違い、愛人に関するよくあるトラブルについても解説。夫や愛人に報復するには、慰謝料請求が有効です。自分のケースでは請求できるのかよく確認し、ときには専門家の力を借りながら、淡々と手続きを進めていきましょう。
愛人とは?不倫・浮気との違いとよくあるトラブル
まずは「愛人」という言葉の定義と不倫、浮気などとの違い、よくあるトラブルについて解説していきます。
不倫とは
不倫とは、既婚者が配偶者以外の人と親密な関係を持つこと。加えて、性的関係を伴うケースが多いです。日本ではドラマがきっかけで、1980年代前半から一般的にも使われるようになりました。元々は「倫理にあらず」という意味でしたが、いつしか既婚者との道徳的に許されない関係を示すように。
不倫と似たような意味に「浮気」がありますが、浮気は未婚者同士の関係でも使われる点で異なります。また浮気よりも重く、道徳的・法的な意味合いを持つのも「不倫」の方です。
婚外恋愛と不倫との違いは、こちらの記事を参考にしましょう。
「婚外恋愛と不倫との違い|婚外恋愛のリスクや影響を認識しトラブルを防ぐ対処法を知ろう」
浮気とは
浮気とは既婚・未婚問わず、パートナー以外の人と交際することを指します。軽い遊び心というニュアンスが強い言葉で、性的関係が伴わない場合も多いです。デートしただけや手をつないだだけ、キスだけの関係でも、浮気というケースがあります。
また一時的な気の迷い、心の移り変わりによる短期間の交際や、一度きりの関係でも浮気と表現します。さらにお金が関わらないケースも多く、愛人と比較しても軽い関係を指す言葉として認識されています。
風俗通いで慰謝料を請求できるかについては、こちらの記事を参考にしましょう。
「風俗通いによる離婚の可否|発覚した後の対処法と慰謝料請求する場合のポイントとは」
愛人とは
愛人とは不倫と同様に、既婚者が配偶者以外の人と性的関係を持つ場合をいいます。元々は「愛する人」という言葉通りの意味を持っていましたが、太宰治の「斜陽」という小説をきっかけにして、不倫相手のことを指すようになりました。時代と共に言葉の意味が大きく変わった典型と言えます。
しかし不倫と大きく異なるのは、愛人に対して経済的援助を行うケースが多いという点です。毎月決まった金額を渡したり、住居費を負担してそこに住まわせる、ブランド品や豪華な食事をプレゼントするなど、相手のために少なくないお金を使っているときには、愛人関係と言えるでしょう。
パパ活とは
最近では「パパ活」という言葉が主流になりつつあります。元々は「援助交際」と言われていましたが、言葉の持つイメージを変えるために、交際クラブを経営している会社によって2015年頃から使われるようになりました。さらにパパ活専用のマッチングアプリの登場で、より手軽に利用されるようにもなりました。
援助交際には売春という意味合いが強いですが、パパ活はよりライトでカジュアルな響きがあるのが特徴です。必ずしも性的関係を持つ訳ではなく、若い女性とデートや食事をする対価として金銭やプレゼントをするというケースが一般的。
金銭が絡むという点で愛人関係と似ていますが、愛人は長期的かつ継続的で、ある程度の愛情(もしくは疑似的なもの)を伴うケースが多いです。対してパパ活は短期的かつ非継続的で、複数人と同時進行する場合も少なくありません。
不倫相手が妊娠したときの対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「不倫相手が妊娠したらどうすべき?夫・妻別の対処法とやってはいけないNG行為とは」
不貞行為とは
浮気や不倫、愛人関係を表すものとして「不貞行為」という言葉があります。「不貞をはたらく」や単に「不貞」と表現されることもあります。浮気や不倫という言葉との大きな違いとして、不貞行為は「法令用語」であるという点です。法令用語とは、法律にも記載される専門用語で、契約においても使われる正確性かつ厳密性がある言葉です。
貞操義務に反する行為
元々夫婦には、互いに相手以外の異性と性的関係を持たないという「貞操義務」があります。この義務に違反する行為が「不貞行為」です。日本の一夫一婦制の維持という観点から、夫婦には貞操義務があるという訳です。
法定離婚事由になる
さらに不貞行為は民法第770条に定められている「法定離婚事由」の一つです。不貞行為とは「配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を持つこと」を指します。法定離婚事由とは、法律で認められた離婚理由のこと。つまり証拠をもとに裁判で認められれば、相手が拒否していても離婚できます。
不貞行為の詳しい内容については、以下の通りです。
| 「自由な意思に基づいて」 | 脅迫されたり暴行を受けたりして強制定期に性交渉に至っていない
相手方の意思は問わないが、既婚者が強制された場合は不貞行為とならない |
| 「性的関係を持つこと」 | 挿入を伴う性交渉もしくは性交類似行為(口腔性交・裸で抱き合う・体を触り合うなど)があること |
不貞行為は一度きりでも回数には関係なく成立します。
慰謝料請求の要件になる
不貞行為は、慰謝料請求の要件にもなります。配偶者の不貞行為が原因でそれまで円満だった夫婦関係が悪化して、別居や離婚に至った場合には、少なくない精神的苦痛を受けます。その損害を賠償してもらうために請求する金銭が慰謝料(損害賠償金)です。
慰謝料は自分の配偶者と不貞の相手の両方に請求可能です。慰謝料を請求する場合には、不貞行為があったという証拠が必須となります。また慰謝料請求権には時効があるので、時効が到来する前に請求する必要があります。
愛人関係でよくあるトラブル
こちらでは、愛人関係でよくあるトラブルとその対処法について解説していきます。すでに愛人とトラブルになっているという方は、参考にしましょう。
契約違反で訴えると言われた
愛人関係でトラブルになりやすいのが、愛人から「契約違反で訴える」と責められるケースです。関係を始める前に当事者同士で約束事を交わしていた場合、その約束が履行されないときに愛人に同様のことを言われます。そのようなときには、契約自体が無効であることを主張するといいでしょう。
一般的に愛人契約では、婚姻関係にない相手と愛人関係や肉体関係を維持する目的で金銭(プレゼント・住居)を支払う契約になっています。しかし肉体関係の対価として金銭を払う行為は、民法の公序良俗違反になります。つまり、契約自体が無効という訳です。
(公序良俗)
第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。
また肉体関係を持つ代わりに金銭給付を受ける約束をした場合には、「売春防止法」違反の可能性が高いです。売春防止法に違反すると、懲役刑や罰金刑などの刑事罰の対象となります。そのため、相手が訴えるといってきたとしても、契約自体が無効であることを理由に金銭の支払いを拒否できます。
ただし相手の言動がエスカレートして脅迫まがいのことを言ってきた場合には、警察に相談することも検討しましょう。
もらったお金を返せと言われた
愛人契約の解消を持ち掛けたときに金銭を支払っていた側から、「今まで渡したお金を返して欲しい」と言われるトラブルもあります。そのように言われた場合には、民法の「不法原因給付」を理由に返還を拒否できます。
(不法原因給付)
第七百八条 不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
前出の通り、そもそも愛人契約自体が法律上無効な契約です。そのため、契約を理由に金銭を支払う行為は、不法原因給付に当たります。そのためすでに受け取った金銭を、相手に返す義務はないという訳です。
ただし請求を無視し続けていると、相手から「お金を返さないと周囲の人に愛人のことをバラす」「家に住めなくしてやるぞ」などと脅されるケースも少なくありません。そのような場合には、警察や弁護士に相談することをおすすめします。
関係の解消を切り出したらストーカー化した・暴力を振るわれた
愛人関係の解消を切り出したら、相手に暴力を振るわれたりストーカー化して付きまとわれたという人もいます。ストーカー被害を放置していると、相手はどんどんエスカレートして凶悪犯罪に発展する可能性があります。まずは身の安全を第一に考え、自宅を知られている場合は引っ越したり、職場に押しかけられる恐れがある時には転職を検討しましょう。
その上でなるべく早めに警察に相談してください。最近ではストーカー被害への対策も行っており、ストーカー規制法に基づく警告や保護措置などが可能です。悪質な場合は逮捕や罰則の対象にもなるため、躊躇せず相談することをおすすめします。
相手の配偶者から慰謝料を請求される可能性
愛人関係の相手が既婚者の場合は、相手の配偶者から慰謝料を請求される可能性があります。結婚していることが分かっている相手と、金銭のやり取りはあるものの自らの意思で性的関係を持つことは「不貞行為」に当たります。そして上で解説した通り、不貞行為は慰謝料請求の対象となる行為となります。
愛人に慰謝料請求できる?
こちらでは、配偶者の愛人に慰謝料請求できるかについてや慰謝料請求が認められる要件、金額の相場について紹介していきます。
慰謝料請求できる可能性が高い
愛人契約に基づいて配偶者と性的関係を持っている愛人に対しては、慰謝料請求が認められる可能性が高いです。証拠に基づいて不貞関係があると判断されると、共同不法行為を行った配偶者と愛人の双方に対して、裁判でも慰謝料請求が認められます。
夫が複数人と不倫していたときの慰謝料問題については、こちらの記事を参考にしましょう。
「夫や妻が複数人と不倫してた…全員に慰謝料請求できる?請求パターンと有利に離婚する方法を解説」
慰謝料請求できる要件
ではどのような要件を満たせば、慰謝料請求が認められるのでしょうか。こちらでは4つのポイントから解説していきます。
不貞行為の証拠がある
まずは不貞行為があったことを客観的に証明できる証拠があることです。具体的には次のような証拠を確保するといいでしょう。
| 証拠の種類 | 内容 |
|---|---|
| 写真・動画 | 2人でラブホテルに出入りしたことが分かるもの
旅館や相手の自宅に泊まったことが分かるもの |
| 音声データ・撮影データ | 性行為もしくは性行為があったことを予測させる会話等の録音、動画 |
| 誓約書・音声データ | 配偶者や愛人が関係を認めた音声データや誓約書 |
| クレジットカードの利用明細・レシート | ラブホテルや旅行先で使用したと思われるもの
避妊具等の購入の明細やレシート |
| 交通系ICカードの利用履歴 | 愛人の家の最寄り駅等で使ったSuica、PASMOなどの利用履歴 |
| メール・手紙・LINE | 愛人とのやり取りが分かるもの
性交渉があることが分かるもの、密会の予定など |
| ブログ・SNS | 愛人との交際や性行為について書かれたもの |
| 日記・メモ | 配偶者との会話や目撃した行為、日常の行動などを継続的に記した手書きの記録 |
| GPS・位置情報サービス | ラブホテルや愛人の家に滞在したことが分かる記録 |
| 住民票の写し | 配偶者と愛人が同棲している場合、同棲を示す住民票 |
| 第三者の証言 | 2人でラブホテルや相手の自宅に出入りしていた様子を見かけたという証言
当事者と利害関係のない第三者の証言が有効 |
| 妊娠や堕胎を証明できる書類 | 愛人を妊娠させた場合にそれを示す証拠 |
| 探偵事務所や興信所の調査報告書 | 調査を依頼した場合 |
最も有効なのは、性交渉の様子が分かる写真や動画です。それ以外にもラブホテルや相手の自宅に2人が出入りしている様子が分かるものが複数回分確保できれば証拠になります。もし愛人契約の内容を記した書面を見つけたら、それも証拠となります。
不倫の証拠の残し方については、こちらの記事を参考にしてください。
「不倫の証拠の残し方|具体例ごとの集め方と残すときのポイント・注意点を知って証拠を効果的に使用しよう」
不法行為があった
愛人に慰謝料を請求するには、あなたの配偶者が既婚者だと知っていたことを証明する必要があります。そもそも不貞行為の慰謝料を請求できるのは、不法行為を行った相手に対してのみです。つまり既婚者と知りながら性的関係を持った場合に限られます。
愛人が独身だと信じてもおかしくない状況の場合や、配偶者が独身と偽って交際していた場合には、愛人に夫婦の貞操権侵害の故意や過失がないことになるので、共同不法行為とみなされずに原則として慰謝料請求は認められません。
既婚者だと知っていたかどうかを証明するには、メッセージのやり取りや出会ったきっかけなどで判断します。「奥さんにバレてない?」などのやり取りがあった場合には、既婚者だと知っていたという理由から慰謝料を請求できる可能性が高いです。
心の浮気はどこからか知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「心の浮気はどこから?身体の浮気とは違う対処法と離婚・慰謝料請求の可否を徹底解説」
愛人の存在によって婚姻関係が破綻した
愛人に慰謝料を請求するためには、愛人の存在によって婚姻関係が破綻したという要件が必要になります。離婚した場合はもちろん婚姻関係が破綻したと判断されますが、離婚しない場合は家庭内の状況や別居期間の長さなど様々な要素を考慮して行われます。
前出の通り、慰謝料は精神的苦痛に対する損害賠償です。愛人の存在以前にすでに夫婦関係が破綻して別居している状況では、愛人に対して基本的に慰謝料請求ができません。また破綻までには至らないものの夫婦仲が悪くなったという程度では、慰謝料の金額は低額になる傾向が高いです。
浮気と不倫との違い、不貞行為の定義に関しては、こちらの記事を参考にしましょう。
「浮気と不倫の違いはある?法律上の不貞行為の定義や『不倫しているかも』と思ったときの対処法」
時効が到来していない
愛人に慰謝料を請求できるのは、消滅時効が到来していない期間です。不貞行為による慰謝料請求権には時効があり、不貞の事実と相手方を知ってから3年または不貞行為が行われたときから20年のいずれか短い期間が時効期間となります。
しかし愛人関係は1回限りのものではなく、ある程度の期間継続するのが通常です。このような場合、いつの時点から時効のカウントを始めればいいのでしょうか。平成6年1月に最高裁判所で出た判決によると、「一方の配偶者が関係を知った時から、それまでの間の慰謝料請求権の消滅時効が進行するとするのが相当である」という判断を出しています。
つまり継続的に不法行為が行われているケースでは、裁判を提起するなどの請求時点から、「さかのぼって3年分にのみ」慰謝料請求が認められるということになります。
参考:不貞行為の相手方への慰謝料請求|東北大学機関リポジトリTOUR
ダブル不倫の慰謝料問題に関しては、こちらの記事を参考にしましょう。
「ダブル不倫の慰謝料問題|ケース別慰謝料の相場と注意すべきポイント、弁護士に依頼するメリットとは」
愛人の住所氏名が分かる
ダブル不倫の慰謝料問題に関しては、こちらの記事を参考にしましょう。
「ダブル不倫の慰謝料問題|ケース別慰謝料の相場と注意すべきポイント、弁護士に依頼するメリットとは」
慰謝料の相場金額
不貞行為に基づく慰謝料請求の相場は、50万~300万円程度です。離婚や別居の有無によって、次のように変動します。
| 別居なし・離婚なし(婚姻関係の継続) | 50万~100万円 |
| 別居あり・離婚なし | 50万~200万円 |
| 離婚あり | 100万~300万円 |
他にも次のような要素で、慰謝料の金額が増減します。
- 婚姻期間の長さ
- 愛人関係の期間や回数
- 発覚以前の夫婦関係
- 子どもの有無・人数・年齢
- 子どもへの影響の大きさ
- 夫婦の年齢
- 請求相手の収入・社会的地位
- どちらがより主導的・積極的だったか
- 不貞行為の悪質度合い
- 愛人の妊娠・出産・堕胎の有無
- 被害者の精神的苦痛の度合い
このように慰謝料の金額は、個々のケースによって大きく異なります。具体的な請求金額が知りたい方は、不倫問題に詳しい弁護士に相談しましょう。
離婚慰謝料の相場について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚慰謝料の相場が知りたい!離婚理由や婚姻期間による相場・金額をアップさせるポイントを解説」
愛人に慰謝料を請求したときによくあるトラブル
愛人に慰謝料を請求すると、次のようなトラブルが発生する場合があります。具体的な対処法を示すので、参考にしましょう。
お金がないから支払えないと言われた
愛人に慰謝料を請求しても、「お金がないから払えない」と言われるケースがあります。確かに愛人に支払い能力がない場合でも請求自体は可能です。しかし実際問題として、無いところからお金は取れません。制裁したいから最悪取れなくてもいいと考えるのであればいいのですが、金銭の回収を目的とするのであれば以下のような事前の対策が必要です。
| 事前の財産・収入調査 | 支払い能力の有無や預貯金・不動産などの財産がないかを調査
確実に回収したいのならば、相手が支払える範囲で慰謝料を請求する |
| 親族等からの協力 | 相手の親や親族に事情を伝え、慰謝料を一時的に立て替えてもらえないか相談する |
| 分割払い交渉 | 相手の支払い能力に応じて、慰謝料の分割払いを提案する |
愛人に請求したのに夫が払うと言った
愛人に慰謝料を請求したはずなのに、夫が「代わりに支払う」と言ってきたというケースもあるでしょう。「本当は愛人を困らせるはずだったのに…」と納得できない方がいるかもしれません。しかし感情論はさておき、法律では夫と愛人は共同不法行為者なので、どちらか一方が支払っても両方がそれぞれ支払っても構わないことになっています。ここは割り切って、夫から支払ってもらうという方法もあります。
一方で夫には、自分の責任の範囲を超えて支払った部分に対して、愛人に請求できる権利(求償権)があります。求償権を行使するかどうかは夫次第ですが、被害者が共同不法行為者に対して、金銭のやり取りを禁止することまでは認められていません。
どうしても愛人に制裁を加えたいのであれば、慰謝料の一部を負担する代わりに慰謝料請求裁判を提起しないなどの条件を提示する必要があります。
不倫相手に忠告・警告する場合の注意点は、こちらの記事を参考にしましょう。
「不倫相手に忠告・警告するときの注意点とは?ケース別・直接対決するときのポイントとNG行為」
愛人である自分が慰謝料請求されたときの対処法
愛人をしていた自分が、相手の妻から慰謝料請求されるという場合もあります。こちらでは請求される側の立場から、対処法を解説していきます。
金額や請求内容を確認する
まずは慰謝料を請求してきた相手が、どの程度愛人関係について把握しているか確認してください。送られてきた書面の内容などから、確実な証拠を持っている場合や事実に間違いがないと判断できる場合には、慰謝料を支払う方向で話を進めた方がいいでしょう。
一方で事実と異なる点がある場合には、確実な証拠を持っていない可能性があります。場合によっては、慰謝料の支払いを拒否できるかもしれません。同時に慰謝料の金額が妥当なのかも確認してください。金額が高すぎる場合には、減額交渉できる余地があります。
不法行為に当たるか確認する
次に愛人関係が不法行為に当たるかも確認してください。次のような場合には、不法行為とはいえないために基本的に慰謝料を支払う義務がありません。
- 性的関係がなかった
- 愛人関係以前から夫婦関係が破綻していた
- 相手が既婚者だと全く知らなかった
- 無理やり脅されて関係を強要されていた
性的関係がなく、単にデートや食事を一緒にしていただけの関係であれば、慰謝料を支払う義務がありません。また自分が愛人になる前から、別居していた場合や離婚話が出ていた場合にも、慰謝料を支払う必要がないと考えます。
慰謝料を支払う義務があるかどうかを判断するためには、これまでの相手との関係や行為を振り返って思い出しておきましょう。
弁護士に依頼する
慰謝料を請求されてどうしたらいいか分からない場合には、不倫問題や男女トラブルに強い弁護士に相談してください。弁護士に相談することで、あなたに慰謝料を支払う義務があるかどうかが分かります。義務がある場合でも、減額交渉に向けてのアドバイスが得られるでしょう。
また弁護士に依頼すれば、相手方との交渉や法的手続きを任せられます。手間や精神的ストレスを軽減できる点も大きなメリットです。
まとめ
愛人への慰謝料請求の可否は、不貞行為の有無や相手が既婚者だと知っていたかで判断します。愛人契約を結んでいた場合には、慰謝料を請求できる可能性が高いでしょう。不貞行為を証明できる証拠や精神的苦痛を受けたことが分かる証拠を確保したうえで、請求の手続きに進みます。
慰謝料の金額は、離婚など婚姻関係の破綻の度合いで変わります。他にも婚姻期間や愛人関係の期間、悪質度合いによっても変動します。しかしながら愛人の住所氏名が分からない、愛人発覚以前から夫婦関係が破綻していた場合には、慰謝料を請求できません。
自分が慰謝料を請求される側の方は、請求内容や金額、不法行為に当たるかなどをよく確認してください。自分で判断ができない場合には、弁護士に相談するのがベストです。支払う義務があるのかについてだけでなく、減額交渉の余地、実際の交渉や法的手続きなどをすべて専門家に任せられます。