- 「夫のせいで子供ができない。不妊治療も辛いので離婚したい」
- 「夫が男性不妊を隠していたので慰謝料請求をしたい!」
不妊治療は経済的な負担がかかるだけでなく、精神的・肉体的にも大変つらいものです。不妊治療を通し絆を深める夫婦がいる一方、不妊が原因で離婚に至る夫婦もいます。
不妊の原因は半分が男性側にあるといわれています。夫に不妊の原因があった場合、女性側の心身的な負担、夫の非協力的な姿勢などが原因で離婚を考える妻は少なくありません。
この記事では不妊の原因が男性側にある場合に離婚が認められるか、そして慰謝料を請求できるかを解説します。また不妊を原因に離婚を切り出された夫側が離婚を回避する方法についても説明していますので、ぜひ参考にしてください。
男性不妊を理由に離婚を考えるきっかけ
不妊治療は夫婦が子を持ちたいという共通の目標のもと行っていく治療です。ではなぜ不妊治療が原因で離婚に至るのでしょうか?具体的な理由を紹介していきます。
不妊治療に対し夫婦で温度差がある
不妊の原因は半分が男性によるものです。そのため子供ができにくいと感じた際は夫婦で病院を受診し、二人同時に検査をスタートさせることが理想的です。
しかし女性に不妊の原因があると思い検査を拒否する男性や「協力する」と言いつつ口だけで何も実行しない男性は少なくありません。女性が先に検査を受け、男性側に不妊の原因がある可能性を指摘された場合でも「自分が不妊なわけがない」と頑なに治療に協力しない方もいます。
女性は歳を重ねるごとに妊娠が成立しにくくなるため、不妊治療においては年齢を強く意識せざるを得ません。それにも関わらず夫が「そのうち妊娠できる」「治療はまだ早い」等と楽観的に考え不妊治療を先延ばしにしていると、女性側からは相手が非協力的に見え、愛情が尽きていく可能性があります。
不妊治療が肉体的・精神的に辛い
男性が原因の不妊であれば、女性には負担がかからないと思っていませんか。しかし体外受精や顕微鏡受精の治療を行うことになった場合、女性側の負担は非常に大きくなります。
女性は不妊治療を開始する前から、膣内に器具を入れる内診を強いられます。治療の過程によっては痛みを伴うもの、麻酔が必要な処置もあり、肉体的な負担は男性側の比ではありません。
また精神的な負担も非常に大きいものです。治療そのものに対するストレスはもちろんのこと、治療のために仕事を休まざるを得ないストレス、辛い思いをしたにも関わらず妊娠が成立しなかった際のストレスは避けられません。
夫の不妊が原因で自分だけがこれらの負担を強いられ、尚且つ夫が自分の辛さを理解してくれなかった場合、離婚を選択することはやむを得ないかもしれません。
不妊治療が家計を圧迫している
令和4年4月より不妊治療が保険適用になり、3割のみの支払で治療を受けられるようになりました。しかし不妊治療が保険適用になるには、治療開始時の女性の年齢が43歳未満であるという条件があります。
また体外受精・顕微授精の回数にも以下のような上限が定められています。
治療開始時の女性の年齢 | 回数の上限 |
---|---|
40歳未満 | 6回まで |
40歳以上43歳未満 | 3回まで |
ベネッセのひよこクラブ編集部の調査によると、体外受精の場合は3割負担で1回あたり合計15万~20万の費用がかかります。保険適用になったとしても気軽に受けられる治療とは言えません。
参考:Benesse|2022年4月から不妊治療が保険適用に。適用範囲はどこまで?いくらかかる?回数や年齢に制限も
さらに妻側が不妊治療を理由に仕事を休み有給休暇が使えなくなった場合、休んだ分は欠勤となり給与が減額されます。不妊治療による肉体的な負担、仕事を休むことによるストレスに耐えられず仕事を辞める女性も少なくなりません。そうすると世帯収入は大きく減額することに。
そのように家計が圧迫されることで心に余裕が持てなくなり、夫婦仲に亀裂が入る引き金になる恐れがあります。
子を産まないことに対し、義両親が嫁を責める
夫が男性不妊に理解があり協力的な態度であっても、義両親も同じとは限りません。子どもがなかなか産まれないことに対し義両親が嫁を責めたり離婚を迫ったりする場合があります。昔は不妊は女性側に原因があると思い込む人が多かったため、嫁だけが矢面に立たされてしまいます。
夫が妻の味方になればよいのですが、夫が男性不妊であることを自分の親に黙っている、もしくは義両親の味方をしている場合、離婚することで相手の家族ごと縁を切ろうと考えるのも仕方がないことです。
「他の男性となら子ができる」と感じたとき
繰り返しになりますが不妊治療に伴う女性側の負担は非常に大きいものです。不妊治療による通院が職場に理解されず、仕事を諦めざるを得ない女性もいます。
不妊治療は「相手との子供がほしい」という気持ちで乗り越えていくものです。しかし精神的に追い詰められ「他の男性とならこんな辛い思いをしなくて済む」という気持ちが上回ってしまった場合、離婚して新しい人生を歩もうと考えるようになります。
男性不妊を理由に離婚はできる?
最近は子どもを作らない選択をする夫婦も増えつつありますが、それでも男性不妊を理由に離婚を考える人は少なくありません。では実際に男性不妊だけを理由に離婚を受け入れてもらえるかどうかを解説します。
合意があれば離婚はできる
夫婦が離婚する場合、原因が何であれ相手の合意が得られれば離婚ができます。相手の同意のもと離婚届を作成し、それを役所に提出すればそれだけで離婚は成立するということです。
ただ実際には自分が離婚したいと思っていても、相手も同じとは限りません。相手が離婚に反対した場合、家庭裁判所へ離婚調停を申し立て、調停委員の仲介のもと話し合いを行うことになります。調停を経ても離婚の同意が得られなかった場合は離婚裁判で法的に離婚を認めてもらう手続きを取ることになります。
離婚裁判では他の理由があれば離婚できる
離婚裁判において離婚を認めてもらうためには法的離婚事由に該当する理由が必要です。以下のいずれかの理由に当てはまれば、相手が離婚に反対していても法的に離婚を認めてもらえます。
- 不貞行為があった
- 悪意の遺棄があった
- 3年以上生死不明である
- 強度の精神病を患い、回復の見込みがない
- その他婚姻を継続し難い重大な事由がある
5番目の「婚姻を継続し難い重大な事由」は、DVやモラハラ、セックスレス、長期間の別居など第三者から見て離婚せざるを得ないと判断される理由だけが該当します。男性不妊は当てはまらないため、それだけを理由に離婚は認めてもらえません。
逆に言えば、男性不妊以外にDVやモラハラ、セックスレスなどがあればそれを理由に離婚を認めてもらえる可能性があるということです。具体的な事例については、この後の「男性不妊を理由に慰謝料を請求できるケース」の項目で解説を行います。
不妊だけを理由に離婚する方法
不妊は法的離婚事由に該当しません。そのため離婚裁判となっても離婚を認めてもらえない可能性が高いです。しかしそれでも離婚したい、と考える方もいるでしょう。そこで不妊だけを理由に離婚するにはどうすればよいかを解説していきます。
夫婦で話し合いをする
不妊治療がうまくいかない場合、精神的に追い詰められた状態になりやすいです。自分の体に問題がないのであれば尚更でしょう。一度夫と向き合い、なぜ離婚をしたいのか、どうすれば自分の気持ちが楽になるのかを改めて考えましょう。
子供を持たなくても夫婦生活を送っている人はたくさんいます。あくまでも離婚は最終手段と考え、まずは夫婦関係を改善できるかどうかをお互いに考えて話し合ってください。
離婚は相手の同意が得られれば成立します。また離婚に際しては財産分与、離婚後の住居などの話し合いが必要です。離婚をしたいと考えているのであれば、理由に関係なく相手との話し合いは不可欠といえるでしょう。
弁護士に相談をする
離婚したいという意志が揺らがない場合、そして相手が離婚に同意しない場合は離婚裁判による離婚成立を模索することになります。先にお伝えした通り不妊だけを理由に離婚を認めてもらうことはできません。しかし法的離婚事由の一つである婚姻を継続し難い重大な事由に該当する事柄があれば、裁判で離婚が成立する可能性があります。
専門家である弁護士に相談することにより離婚裁判が成功するかどうか、そのための有効な証拠は何か等、個々の状況に合った助言をもらえます。自分では「離婚を認めてもらえない」と思っていても、実際には離婚が可能である事例に該当するかもしれません。話し合いによる離婚が難しいと感じた時点で弁護士へ相談することをお勧めします。
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別居をする
離婚を希望しているにも関わらず決定的な理由がない場合、別居を視野に入れることをお勧めします。長期間の別居は夫婦関係が既に修復困難であるとみなされ、法的離婚事由の婚姻を継続し難い重大な事由に該当するためです。
ただし相手に黙って別居に踏み切る事は禁物です。同意のない別居は法的離婚事由の悪意の遺棄に該当するため、あなたが有責配偶者となり離婚裁判に不利な立場に立たされる恐れがあります。
悪意の放棄とは、配偶者を正当な理由なく放置すること。夫婦は同居しお互いに協力することが義務付けられているため一方的な別居は違法とみなされます。離婚を理由に別居をするのであれば、必ず相手に理由を話し、同意を得てから実行に移してください。
離婚を前提にした別居の注意点、具体的にどれくらい別居すれば離婚が認められるかどうかについては以下の記事で詳しくまとめています。離婚のために別居を考えている方は併せてお読みください。
別居からの離婚が成立する期間はどれくらい?必要な期間や別居する際の注意点
男性不妊を理由に慰謝料を請求できるケース
不妊は本人が意図しないものであり、夫婦いずれかに責任があるわけでもありません。したがって不妊を理由に慰謝料を請求することは難しいです。しかし本人が不妊であることを分かっていたにも関わらず隠して結婚した場合、不妊以外に離婚する原因があった場合は慰謝料が請求できます。
不妊症であることを隠したまま結婚した
不妊症であることを自分で知っていたにも関わらず、配偶者に隠したまま結婚したケースです。特に結婚前に「子供がほしい」と伝えていたにも関わらず不妊症を明かさなかった場合、意図的に相手を欺く行為であるとみなされ、慰謝料が発生する可能性が高いです。
男性不妊以外に離婚する原因がある
男性不妊以外に法的離婚事由があり、相手が有責配偶者(離婚の原因を作った側)に該当するケースです。以下の事柄に当てはまった場合は離婚裁判で離婚が認められ、慰謝料が発生する可能性が高いとされます。
- セックスレス
- DV・モラハラ
- 一方的な別居
- 不妊を原因とした精神疾患
上記のそれぞれの項目について詳しく解説をしていきます。
セックスレス
不妊治療によって性行為そのものに義務感を抱くようになる、不妊のプレッシャーでモチベーションが下がるなどの理由でセックスレスに陥る夫婦は少なくありません。セックスレスは婚姻を継続し難い理由としてみなされ、離婚や慰謝料請求が認められる可能性があります。
ただセックスレスの期間が1~2カ月の間だけの場合、その後に相手が性交渉に応じる可能性があるため離婚はできません。逆に期間が長すぎる場合も「性交渉がなくても夫婦関係を継続できる」と判断され離婚が認められない可能性があるため要注意。離婚が認められるセックスレスの期間は1年程度を目安に考えましょう。
具体的にどのような状況がセックスレスとみなされるか、離婚を認めてもらえるかについては以下の記事にまとめましたので、セックスレスを理由にした離婚裁判を考えている方はぜひお読みください。
セックスレスで離婚する方法|認められる条件や有利に離婚する4つのポイントとは
DV・モラハラ
不妊治療をきっかけにDVやモラハラを働くようになる男性もいます。例えば妻がなかなか妊娠しないことに対して相手を否定するような言葉を投げかける、男性不妊であることが判明し妻に八つ当たりをする、物を壊すようになるといったケースです。
相手に暴力を振るったり物を壊したりするDV、相手を否定するような言動を行うモラハラは離婚の原因として認められ、慰謝料の請求もできます。またDVやモラハラが原因で精神疾患に罹った場合も同様です。
以下のような有効な証拠を集めることにより、離婚裁判をスムーズに進めることができます。
- 暴力を受けた傷の写真
- 医者による診断書
- 暴言や暴力の動画や音声データ
- メールやLINEの履歴
一方的な別居
不妊をきっかけに相手が勝手に家を出て行ってしまったケースです。相手の同意のない一方的な別居は、法的離婚事由の悪意の遺棄に該当します。悪意の遺棄とは民法で定められている互いに協力して生活していく義務(協力・扶助義務)に反する違法行為ですので、慰謝料が発生します。
離婚時に慰謝料を請求する手順
では実際に慰謝料を請求する手順を紹介します。慰謝料の請求は裁判を申し立てないと考えている方もいるかもしれませんが、実際には自分で慰謝料を請求することもできます。慰謝料の値段についても法律で明示されていないため、相手が同意さえすればいくらでも慰謝料を受け取れるということです。
夫婦で話し合いを行い慰謝料についての条件がまとまった場合、示談書にその旨を明記し、期日までに指定の金額を振込で受け取ります。
内容証明郵便を送付する
慰謝料を支払うよう直接伝えても応じるとは限らないため請求内容を明記し内容証明郵便で送付する手段も有効です。内容証明郵便は送付した内容を郵便局が証明してくれる特殊な郵便で、余程のことがないと使用されることはありませんので、送付するだけで相手に圧力をかけることができます。
弁護士に交渉を依頼する
内容証明郵便を送付しても必ず支払に応じてもらえるとは限りません。本人同士が直接交渉を行うとお互いに感情的になったり、相場よりも低い金額しか支払をしてもらえなかったりします。
確実に慰謝料を受け取りたいのであれば弁護士に相談をすることをお勧めします。弁護士に依頼をすると相手との連絡は弁護士が全て行ってくれますので、相手と直接連絡を取り合わずに手続きを進められます。また弁護士は相場に合った慰謝料を把握したうえで依頼者に有利になるよう交渉を進めるため、なるべく慰謝料を高額にしたい方、確実に慰謝料を受けとりたい方は弁護士を頼るとよいでしょう。
慰謝料の相場や金額をアップするためのポイント、慰謝料を請求する具体的な手順については以下で詳しく解説をしています。
離婚慰謝料の相場が知りたい!離婚理由や婚姻期間による相場・金額をアップさせるポイントを解説
男性不妊を理由に妻から離婚を切り出されたときの対処法
ここまでは男性不妊の夫を持つ妻の視点で解説を行いました。しかしこの記事を読んでいる方の中には、自分の不妊が原因で妻から離婚を求められている方、もしくは離婚を切り出されそうで不安な方もいるかもしれません。最後に男性不妊を理由に離婚を求められた時の対処法について解説をしていきます。
夫の同意なしに離婚されることはない
どれほど離婚に反対しても、離婚裁判になれば一方的に離婚させられてしまうのでは…と考える人は少なくありません。実際に離婚裁判で離婚が認められるのは法的離婚事由に該当する場合のみであり、不妊は該当しません。
したがって離婚の理由が不妊だけの場合、離婚裁判に至っても離婚が認められる可能性は極めて低いです。あなたが同意しない限りは離婚は成立しませんので、離婚したくないのであれば絶対に拒否しましょう。
突然配偶者に離婚したいと言われたときの対処方法については、以下の記事で詳しくまとめていますので併せてお読みください。
離婚したいと言われたら…離婚の可否や直後の対処方法、NG行動を知ろう
男性不妊を理由とした離婚を回避するには
離婚を拒否したとしても相手の気持ちが変わらない限り、夫婦関係の修復は困難です。離婚を回避するためには自分から関係の修復に動く姿勢が重要です。また離婚の原因が不妊以外にないかどうかも確認しましょう。
離婚届の不受理申出書を提出する
不受理申出書とは、自分が知らない間に自分の意思に基づかない届出をされるのを防止する制度のこと。婚姻届、離婚届、養子縁組届,養子離縁届,認知届の5つが対象です。
勝手に離婚届を作成され、気づかないうちに離婚が成立していたというトラブルを防ぐことができます。届出を受け取る役所側は本当に本人が書いたものかどうかまでは確認ができませんので、離婚したい側が離婚届を偽造すること自体は不可能ではありません。
もちろん離婚届の偽造は立派な犯罪であり、本来はあってはならない事です。ですが万が一に備え、不受理申出書を提出しておくことをお勧めします。所在地もしくは本籍地の区市町村役場の窓口で申出が可能です。
不妊以外に離婚の理由がないかを考える
子供がほしい女性にとって、男性不妊は確かに離婚の理由に成り得ます。しかし実際には不妊ではなく、他の理由が隠れている場合があります。本当に相手が不妊を理由に離婚したいのかどうかを探りましょう。
相手が不倫しているケース
妻が別の男性との不倫を理由に離婚したいと思っているものの本当の理由を知られると自分や不倫相手に慰謝料が発生するため、あなたの不妊を離婚の理由にしようとしているケースです。
例えばお互いに子供を持たない選択をしたにも関わらず、突然不妊を理由に離婚したいと言ってきた場合は不妊以外に離婚したい理由が隠れている可能性があります。もし不倫の証拠を集められた場合、妻とその相手に慰謝料請求が可能です。さらに相手が有責配偶者になるため、あなたが離婚請求の場において有利になります。
男性不妊が直接的な理由ではないケース
あなたが不妊であること自体が原因というわけではなく、子どもがなかなかできないことに対する義両親からの圧迫、不妊治療に対する夫の姿勢などが理由になっているケースです。
不妊は原因がどちらにあるにしろ妻側が主導になりがちであり、義実家など親族からの批判の矢面に立たされやすいのも妻です。しかし不妊治療は夫婦の問題であり、片方が主導を握ることや片方が距離を置くことは本来あってはならないことです。もし心当たりがある場合は自分の振る舞いを見直し、妻と対話する時間を持つようにしてください。
なぜ離婚したくないのかを考え、相手に伝える
相手とどうしても離婚したくないと考えているのであれば、そのことを相手に伝えるようにしてください。なぜ離婚したくないのかを自分でじっくり考え、この先どうしていきたいかを話し合いましょう。
カウンセラーの力を借りる
カウンセラーは精神的な課題や心の負担に対して相談に応じ、解決への支援を提供する専門家です。不妊は精神的負担が大きく、夫婦だけではそのストレスを軽減するのが難しいことがあります。そのような場合には一緒にカウンセリングを受けることも一つの選択肢となります。
また夫婦問題を専門に扱う夫婦カウンセラーに相談するのも有効です。相手との離婚を阻止するにはどうすればいいのか、自分は何を改善すればよいのかを第三者視点で助言してもらえます。
まとめ
今回は男性不妊に焦点を当てて説明しました。不妊治療は精神的・体力的に負担が大きいものです。特に男性不妊の場合は男性側が自分に原因があることを認めなかったり、不妊治療に協力しなかったりする場合もあるため、夫婦仲に亀裂が入ってしまうこともあります。
しかし一度は結婚を決めた相手ですので離婚は最終手段と考えましょう。まずは本当に離婚をしたいのかどうかを考え、夫婦で先のことについて話し合う機会を設けてください。
男性不妊だけを理由にした離婚は、離婚裁判で認めてもらえない可能性が高いです。もし離婚を選択するのであれば、離婚問題に詳しい弁護士に相談をしましょう。弁護士は相手との交渉を代理で行えるため、個人間では難航しやすい話し合いもスムーズに進められる可能性があります。
慰謝料請求や離婚に向けた財産分与の交渉でも、依頼者に有利になるよう寄り添ってくれますので、あなたがよりよい未来を歩むための力になるはずです。