- 「価値観の違いで離婚を考えている…」
- 「価値観の違いで離婚するときの方法とは?」
「この人こそは!」と思い結婚した相手でも、一緒に暮らしているうちに生じてしまうのが「価値観の違い」。育ってきた環境が違うのだから仕方ない部分はあるにしろ、どうしても折り合わないときや、相手の価値観を許容できないときには離婚の二文字がちらつく人もいるでしょう。
こちらの記事では離婚を考えがちな価値観の違いについてや離婚の可否を詳しく解説。離婚を迷っている人はどのような対処をすれば離婚を回避できるかが分かり、離婚を決めている人にとっては注意すべきポイントが分かります。いずれの選択をするにしろ、よく考えたうえで後悔しない道を選びましょう。
価値観の違いとは?
離婚や男女の別れの原因として一般的に使われることの多い「価値観の違い」ですが、夫婦間ではなぜ問題になりやすく、実際の離婚件数ではどのくらいの人が価値観の違いで離婚しているのでしょうか。
物事に対する考え方や重要度の違い
価値観とは、あえていうなら物事に対する考え方や重要性の程度という表現となります。自分は人生や生活においてどんなことに価値があると認め、その価値(善悪・好ましいことや好ましくないこと)を判断するときに基準とすること。
価値観は社会や文化によって構築されるのですが、そこで重要視されるのが「10歳までの生活環境」です。つまりどのような価値観を持つようになるかは、どのような文化圏や家庭環境、社会環境の中で、何を見・聴き・触れて育ったかということに大きなかかわりを持つということが分かっています。
大なり小なり価値観の違いは存在する
夫婦といえども全く別の人格で、育ってきた生活環境や家庭環境、今までの人生経験が違っているのは当然のこと。つまり価値観が全く同じ夫婦というのは存在しません。そのためどんな夫婦でも大なり小なり価値観の違いはあるといえます。
結婚して共同生活を送り、年を重ね、子どもが生まれるなどさまざまな生活環境の変化によって、それぞれの「価値観の違い」に直面します。しかし夫婦の多くは、価値観の違いがあったからといって、離婚問題に発展することはありません。お互いの「価値観の違い」を話し合い、受け入れ、認め合って妥協点を探り、乗り越える努力をしながら共同生活が円満にいくよう努力を継続しています。
どうしても受け入れられないと離婚に発展しやすい
しかしどうしても相手の価値観が受け入れられない、妥協点が見いだせないときには離婚問題に発展する可能性があります。価値観は簡単に変えられるものではありません。どうしても受け入れられないような価値観の違いに直面すると、わだかまりや違和感を抱え、それを乗り越えることができない状況となり、夫婦関係を悪化させる原因に。
やがてこのような価値観の違いは、もはや夫婦間を埋めることができないほどの大きな溝となり、その結果として夫婦関係が破綻し離婚に至るでしょう。離婚にまで発展しがちなのは、価値観の違いにプラスして、次のような認識や無意識の遠慮があるからと考えられます。
別人と認識しないとトラブルの元
夫婦が互いに価値観の違う他人だと認識していないと、夫婦関係にヒビが入る原因となります。夫婦とはいえ、それぞれが違う環境で生まれ育っています。相手が価値観が違って当然の別人だということを認められないと、相手の言動にイライラしがち。
相手が自分とは違う人間で、違う価値観を持っているのは当然と分かったうえで、それでもどうしても相手の言動が理解できないのなら、話し合い妥協点を見出さなければならないでしょう。それでもダメなら、そこで初めて離婚を考えるべきと考えます。
相手が合わせるのが当然と考える
双方あるいはどちらか一方が、相手の価値観を尊重しようという意思がないと、夫婦関係が成り立たなくなってしまうでしょう。とくに「相手が自分に合わせるのが当然」という考えがある人とは、歩み寄って歩幅を合わせて生きていくのが難しくなります。
相手への思いやりがないのと意思が強いこととは別です。どうしても双方の価値観が反発しあうときには、折り合いの付く地点を見つけていくことが重要です。
本音を言えないと不満がたまりやすい
夫婦の一方またはその両方が本音を言えず我慢し続けていると、価値観の違いで離婚へと進む可能性が高まります。どうしても受け入れられないことを無理といえず我慢を続けていると、その我慢は相手への不満となります。そしてその不満がたまり限界が来ると爆発し、修復が不可能になると破綻につながるという訳です。
本音を言えなかったり我慢してしまう理由は様々ありますが、どちらかの我慢で成り立つ夫婦関係は健全なものといえません。一緒に居て良い相乗効果を見いだせないなら、離婚してしまった方がお互いのためとなります。
結婚相手に求める条件の一位
結婚相手に求める条件の第一位は、ズバリ「価値観が近いこと」です。2014年に内閣府が行った「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書によると、20代~30代の男女の結婚相手に求めるもので一番多いのが「価値観に近いこと」です、男性では72.2%、女性では78.5%の人が重視していると回答。つまり価値観が近い人と結婚した夫婦が多いということが言えます。
性格の不一致は離婚理由の上位
一方で離婚理由として最も多いのが、価値観の違いにも通じる「性格の不一致」です。裁判所による「婚姻関係事件数―申立ての動機別申立人別」の司法統計によると、離婚したい夫の59.6%、離婚したい妻の37.5%が性格が合わないことを理由としています。
また全国の既婚者と離婚経験者に行った離婚実態についての調査「離婚に関する調査2016」によると、最も多い離婚理由の上位は、次の通りとなっています。
- 価値観の違い
- 人生観の違い
- 性格の不一致
- 金銭感覚の違い
- 夫婦の会話がない
ここでも、いわゆる「価値観の違い」が離婚理由の上位を占めていることが分かります。
性格の不一致で離婚する方法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「性格の不一致で離婚する方法|気になる離婚条件や有利に離婚するポイントを解説」
離婚を考えやすい価値観の違いの例
では実際、どのような価値観の違いが生じると離婚を考えやすいのでしょうか。
金銭的な価値観
金銭的な価値観が合わないと、離婚を考えやすいです。お金の問題は、いつの時代でも夫婦喧嘩の原因になりやすいです。「金の切れ目が縁の切れ目」ということわざがあるように、お金はときに愛情よりも夫婦仲に影響するでしょう。
とくに夫婦間に顕著な金銭感覚の違いがあると、信頼関係を損なう原因に。妻が生活費をやりくりして貯金や子どもの教育費をコツコツと貯めている一方で、夫が頻繁に飲み会に行ったり相談もなく高価なブランド品や車を買うなどを繰り返していると、「この人とは一緒にやっていけない」と感じてしまうことも。
反対に妻に浪費癖があり、夫がそのしりぬぐいをすることに不満を感じるケースもあるでしょう。金銭感覚の違いは家族としての生活に直接影響を及ぼします。それだけに許容範囲を超えた金銭感覚の違いが明らかになることで、夫婦としての限界を迎えることがあります。
衛生面での価値観
衛生面での価値観も、離婚問題になりやすいです。身の回りの清潔さはもちろんのこと、健康維持や病気の予防のための生活習慣にも関係するのでトラブルになりやすいといえます。また衛生観念は人によってかなり違いがあるため、次のような「キレイ」「汚い」の基準をめぐって喧嘩になりがちです。
- 家に帰って手を洗う・うがいをするか
- 歯磨きの頻度やタイミング
- お風呂の頻度(入らないで寝てしまうなど)
- リネン類の交換頻度
- 掃除の仕方
- トイレや風呂の使い方
また「義実家が不潔すぎて子どもを連れていけない」「トイレ・お風呂・キッチンが汚い」など、義理家との衛生観念の違いから絶縁状態・離婚になることも。
宗教的な価値観
宗教的な価値観の違いも、離婚原因となります。どのような宗教を信仰するかは、夫婦であっても個人の自由と考えられています。そのため特定の宗教を信仰しているからといって、それだけが理由で裁判所で離婚が認められるわけではありません。
ただし自分が信仰している宗教を配偶者にも押し付ける、配偶者の宗教を否定するということがある場合には、離婚に発展する恐れが。程度によっては裁判で離婚が認められる可能性もあります。
性的な価値観
性的な価値観の違いも、離婚理由になり得ます。結婚生活における性交渉の重要性や意義にズレがあり、そのズレを解消することができないと、やがて夫婦生活の破たんにつながることも。夫婦であっても性交渉を強要することは許されません。本人が望んでいない性交渉はすべて「性的DV」となり、離婚・慰謝料請求が認められます。
夫婦関係や性別に対する価値観
夫婦関係や男女といった性別に関する価値観が違うと、夫婦関係にヒビが入る原因となります。以前の日本では、結婚したら女性は男性の家に入り、夫や夫の家のやり方に従って生きていくことが当然だという夫婦観やジェンダー観がありました。
しかし現代では、夫婦は完全に平等で、互いに尊重しあい同じ視点を持って共同生活を送るのは当然のこと。にもかかわらず夫の方が、従来の古い夫婦観やジェンダー観を持っていると、トラブルになりやすいでしょう。
- 女性は男性を立てるべき
- 女性が家事や育児をメインで行うべき
- 妻は夫の意見に口を出すべきでない
- 夫は仕事をして家族を養うべき
このような価値観の違いは容易に変えることができず、夫婦で価値観の違いを乗り越えることができず違和感やわだかまりが蓄積すると、離婚問題につながりやすいでしょう。
ワンオペ育児で離婚を考える理由や回避方法については、こちらの記事を参考にしましょう。
「ワンオペ育児で離婚危機⁉しんどいと感じる理由や離婚の回避法、離婚の可否を解説」
人生設計に対する価値観
人生設計に対する価値観の違いも、離婚問題に発展しがち。例えば妻は子どもを欲しいと思っているのに、夫が子どもを一切望んでいないという場合です。結婚前は子どもに対する価値観に相違がなかったのに、結婚してから「実は子どもを持ちたくない」と告白されたというケースもあります。
また子どもが生まれた後の家族とのかかわり方や仕事の仕方でも、価値観の違いが生じやすいです。人生設計や家族観に関する価値観の違いは、結婚する意味そのものといえます。相手に対するわだかまりが生じやすく、離婚問題につながることも少なくありません。
子育てに対する価値観
子どもの習い事や教育に関する考えが違うと、夫婦関係にヒビが入る原因になるでしょう。一方が子どもの成績を重視するのに対し、他方が子どもの好きにさせればいいといった価値観の違いは、お互いが育った環境によって変わります。子どもの進学や受験といった節目のタイミングで、夫婦の価値観の違いが露になることもあります。
価値観の違いで離婚するには?
価値観の違いで離婚したいと思ったとき、どのような離婚方法があるのでしょうか。こちらでは手続き順に解説していきます。
話し合いで協議離婚する
まずは夫婦間の話し合いで「協議離婚」を目指します。相手も離婚に合意した場合は、理由を問わず離婚することができます。とくにあなたが離婚を切り出すほどに価値観の違いを感じている場合、相手もそれに気が付いている場合あります。そのため相手も離婚することに応じる可能性が高く、時間をかけずに離婚を成立させることができます。
第三者を入れて調停離婚
相手が離婚に応じないときや、離婚そのものは合意しているが離婚条件で折り合いがつかないときには、「離婚調停」を裁判所に申し立てて、調停員の仲介の元で話し合いをすすめます。離婚調停では双方の主張を聞き、離婚そのものや離婚条件についての合意を目指します。
相手が離婚を拒否しているときには、離婚に合意するよう説得してくれることも。実際、離婚調停を申し立てた半数近くで離婚が成立(離婚調停中に協議離婚した場合も含む)しています。とくに弁護士が離婚調停に関与している場合は、離婚に合意する確率がさらに高まります。
離婚調停にかかる費用は、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚調停にかかる費用とは?裁判所・弁護士費用の詳細や一括で払えないときの対処法も」
最終手段の裁判離婚を目指す
離婚調停を経ても離婚が成立しない場合は、最終的に離婚裁判を提起して判決を得る必要があります。平成25年~令和4年までの離婚裁判を提起した場合の離婚(判決離婚・和解離婚)の成立率は、以下のようになっています。
離婚の種類/年 | 平成25 | 平成26 | 平成27 | 平成28 | 平成29 | 平成30 | 令和元 | 令和2 | 令和3 | 令和4 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
判決 | 44.1 | 43.2 | 40.6 | 37.6 | 39.1 | 37.2 | 39.3 | 37.3 | 37.4 | 37.3 |
和解 | 45.0 | 45.0 | 47.6 | 49.4 | 47.9 | 48.6 | 44.6 | 41.9 | 39.0 | 37.4 |
判決離婚・和解離婚を合計すると8割近いケースで離婚が成立していることが分かります。裁判離婚は協議離婚や調停離婚と違い、唯一相手が離婚に合意しなくても強制的に離婚が認められる手続きです。
離婚裁判の期間について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚裁判の期間を手続きの流れごとに解説!長引くケース・期間を短縮する秘訣とは?」
裁判離婚には法定離婚事由が必要
裁判離婚で裁判所に離婚を認めてもらうためには、民法第770条に規定されている「法定離婚事由」が必要です。法律で認められた次のような離婚原因がないと、そもそも離婚裁判を起こすことができず離婚できません。
- 配偶者に不貞な行為があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
民法が定める法定離婚事由には「価値観の違い」が含まれていません。そのため、夫婦間に埋められない価値観の違いがあること自体は認められたとしても、それにより直ちに離婚が認められるということになりません。
婚姻を継続し難い重大な事由が必要
価値観の違いで離婚するためには、「婚姻を継続し難い重大な事由」が存在していることを証明する必要があるでしょう。夫婦の価値観の違いによって、具体的に次のような問題が発生していると、「婚姻を継続し難い重大な事由」をはじめとする理由で離婚が認められる可能性があります。
金銭的な価値観
単なる金銭的な価値観の違いにとどまらず、次のような事情がある場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」や「悪意の遺棄」に該当するとして、離婚が認められる可能性が高いです。
- 収入があるにもかかわらず生活費を一切渡さない
- ギャンブルによる浪費や散財
- 異常なまでに厳しく金銭管理をする
夫婦には荘厳協力して扶助する義務があります。しかし収入があるのに正当な理由がなく生活費を一切渡さないと法定離婚事由の「悪意の遺棄」に該当する可能性が。またギャンブルそのものは法定離婚事由に該当しないものの、ギャンブルにより家計に深刻な影響を与えていたり、ギャンブルのために繰り返し借金をするような場合には「婚姻を継続し難い重大な事由」と認められる場合があります。
また配偶者が異常なまでに厳しく金銭管理をし、自由に使えるお金が全くないというケースでは「悪意の遺棄」に該当する可能性や、モラハラとして「婚姻を継続し難い重大な事由」に当たる場合があります。
宗教的な価値観
宗教的な価値観の違いでも、深刻な場合は「婚姻を継続し難い重大な事由」と認められる場合があります。例えば次のようなケースで、宗教活動が婚姻生活に重大な影響を与えた結果、正常な結婚生活を送ることが困難になったと認められると、離婚が認められる可能性が高いでしょう。
- 宗教活動にのめり込んだ挙句、仕事や家事を全くしなくなった
- 宗教活動に多額のお金を寄付し、生活に支障を及ぼした
- 宗教活動のために子どもの世話を放棄し、勝手に家を飛び出した
- 結婚時、信仰していた宗教のことを隠し、宗教が結婚の決断に影響を及ぼしていた
性的な価値観
性的な価値観では、とくに性交渉の内容や頻度に関する価値観の違いによって離婚が認められる可能性があります。夫婦双方の年齢が若く、健康で性交渉をすることに支障がないのにもかかわらず、一方的に性交渉を拒絶するという状態が長い期間続くと、正常な婚姻関係を維持することが困難と認められ、離婚請求が認められるでしょう。
精神的苦痛が生じている場合
夫婦の価値観の違いが原因で精神的苦痛が生じている場合には「婚姻を継続し難い重大な事由」と判断誰、離婚が認められる可能性があります。価値観の違いは、その内容によって夫婦間に深刻な対立を生じさせます。一つの事情だけでは法定離婚事由に該当しないケースでも、さまざまな理由を積み上げていくことで、婚姻継続が困難な状況と裁判所に認められる可能性があります。
長期間の別居
価値観の違いで夫婦観に決定的な亀裂が入り、「もう一緒に暮らせない」と長期の別居状態となると、離婚裁判で離婚が認められる場合があります。これは長期の別居そのものが「婚姻を継続し難い重大な事由」とみなされるため。
価値観の違いのようなどちらに原因があるとも言えないケースでは、別居期間が5年程度あると離婚が認められやすくなります。また別居前に激しく争っていたなどの事情があると、婚姻関係の破たんが認められやすいので、3年程度の別居でも離婚が認められる場合があります。
別居から離婚が成立する期間について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「別居からの離婚が成立する期間はどれくらい?必要な期間や別居する際の注意点」
基本的に慰謝料は発生しない
夫婦それぞれの価値観の違いで離婚する場合、どちらかに離婚原因がある訳でないので、基本的に離婚時の慰謝料は発生しません。もし離婚原因が相手側にあると思うのであれば、離婚原因の所在について夫婦間で協議することをおすすめします。
価値観の違いで離婚時の慰謝料は発生しませんが、「解決金」という形で金銭を支払ったり受け取ることが可能です。慰謝料は不貞行為やDVなど、相手が行った不法行為による精神的慰謝料に対する損害賠償のことを言います。価値観の違いは双方に離婚原因がなく、どちらが悪いとも言い切れないため、次のようなときに解決金としてお金を受け渡しすることがあります。
- 一方が離婚を拒否している
- 離婚に関するお金をまとめるため
- 財産分与の方法として
離婚時の解決金については、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚時の解決金の相場は?気になる税金や8つの注意点もくわしく解説」
価値観の違いで離婚を考えたときのポイント
価値観の違いで離婚しようか悩んだとき、次に紹介するポイントを考慮してみましょう。
相手の価値観の原因を知る
相手の価値観が形成された理由を知ることで、歩み寄れないと思っていた価値観が許容できるようになるかもしれません。上で紹介した通り、価値観は育ってきた生活環境や経験によって形成されていきます。夫がケチで節約の度を越えているという不満があるとき、夫がケチな理由が幼いころの家庭環境にあったかもしれません。
夫が小さいころに父親が失業して生活が苦しくなり、お金に苦労して育ったからこそお金の使い方にうるさくなったとすれば、夫の節約精神を少しは理解できるようになるかもしれません。まずは相手の価値観を否定するのではなく、なぜそう思うようになったのかをじっくりと話してもらうことから始めましょう。
我慢せず話し合う
価値観の違いで離婚しないようにするためには、我慢せずに話し合うことが重要です。互いの価値観を明らかにし合い、どこまで理解できるのかやどの程度までなら譲歩できるかをとにかく話し合うこと。どちらかが話し合いに消極的で、夫婦の明るい未来のために行動できないのなら、価値観の違いを乗り越えるのは困難でしょう。
とくに夫婦間で価値観の違いを感じているとき、我慢しているのは自分だけではないのがほとんど。それぞれが大切にしていることは何か、何をどうして譲れないかなど、心の内をしっかりと開示しあうことが大切です。
離婚するかで迷ったら専門家に相談
価値観の違いで離婚するかどうかで迷ったときには、専門家の力を借りるという方法があります。
夫婦関係を改善したい
離婚したい気持ちよりも、まだ夫婦関係を改善したいという気持ちの方が大きい場合は、夫婦問題を専門に扱うカウンセラーに相談することをおすすめします。価値観の違いで夫婦関係にヒビが入っても、離婚だけが解決方法ではありません。
冷静な第三者からのアドバイスをもらうことで、問題点が明らかになったり、解決の糸口が見つかる可能性も。また人に話すことで、自分の気持ちが整理できたりします。夫婦2人でカウンセリングを受ける必要がなく、まずは一人で相談することも可能です。
離婚カウンセリングのメリット、デメリットについては、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚カウンセリングは役に立つ?相談内容や注意点、メリット・デメリットを解説」
どうしても離婚したい
どうしても離婚したい、離婚に迷いがないという場合は、弁護士に相談してください。弁護士に相談することで、離婚条件や離婚の進め方などについて具体的なアドバイスが得られるでしょう。とくに離婚条件は、お金や子供のことなど様々あります。
- 親権
- 養育費
- 面会交流
- 養育費
- 財産分与
- 年金分割
これらのことについてしっかりと準備をしたうえで離婚協議に臨めれば、スムーズに離婚できる可能性が高まります。また価値観の違いで夫婦関係が深刻なものになっている場合には、当事者同士の話し合いは困難です。交渉のプロでもある弁護士に依頼すれば、相手との交渉をすべて任せられます。感情的になることなく、精神的なストレスを軽減できるでしょう。
離婚時の弁護士費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚時の弁護士費用を徹底解剖!費用をおさえるコツや注意点を紹介」
まとめ
価値観が近いことが結婚する理由のトップとなる一方で、性格の不一致を含む価値観の違いは離婚理由の上位を占めます。価値観の違いとは物事に対する考え方や重要性の程度のこと。衛生観念や金銭感覚、宗教観や家族観など多岐にわたります。
それだけに価値観が許容できなかったり、こちらばかりが我慢を強いられてしまうと離婚の原因に。協議離婚や調停離婚では双方が合意しないと離婚できず、離婚裁判では法定離婚事由が必要です。価値観の違いが「悪意の遺棄」に該当するケースや、「婚姻を継続し難い重大な事由」とみなされると離婚が可能です。
離婚するか迷っているときには相手の価値観を形成している原因を知り、しっかりと話し合いを持ちましょう。離婚への気持ちがゆるぎないものとなったら弁護士に相談するのがベスト。離婚条件や離婚の進め方をアドバイスしてもらえるのはもちろん、相手との交渉も任せられます。