離婚後の戸籍はどうなる?チャート式選択肢と子どもの戸籍・名字について徹底解説

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  • 「離婚後自分の戸籍がどうなるか知りたい」
  • 「離婚で子どもの姓や戸籍についてどのような選択肢がある?」

結婚によって入籍して一つの戸籍になった夫婦ですが、離婚すると戸籍が別になることは多くの人がご存じでしょう。では具体的に戸籍や名字(姓)についてどのような選択肢があるか知っていますか?こちらの記事では離婚後の戸籍を中心に、子どもの戸籍や名字についても詳しく解説。

具体的に戸籍を作成する手順や、子どもを自分の戸籍に入れる方法についても紹介していきます。離婚を考えているが戸籍や名字がどうなるか心配という方や、子どもへの離婚の影響を最小限にしたいと考えている方は参考にしましょう。

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目次

離婚後の戸籍について

まずは一番の疑問点である、離婚後の戸籍がどうなるかについて解説していきます。

戸籍とは

前提として戸籍とは、本籍地を管轄している役所が、その住民の身分行為等に関する情報を管理し、住民が必要とした場合にその情報を証明するために発行する公文書のこと。身分行為とは結婚や離婚、養子縁組など法律上の身分関係に関する法律効果を発生・変更・消滅させる法律行為のことを指します。

基本的に戸籍は、夫婦と未婚の子どもの二世代で構成されています。結婚している人なら、夫または妻が筆頭者ということに。戸籍は相続手続きやパスポートの発行などの必要書類として指定されているだけでなく、日本国民について作られ、日本国籍であることを証明する唯一の制度。重要な場面においても有効な身分証明書と言えるでしょう。

結婚により夫婦の戸籍が一つになる

結婚をするとほとんどのケースで、妻が実家の戸籍を抜けて夫が筆頭者になっている戸籍に入ることになります。もちろん妻が筆頭者になっている戸籍に夫が入籍する、いわゆる「婿入り」というケースもありますが、全体の5.5%とごく少数です。

そのためこちらの記事では、妻が夫の戸籍に入籍した場合の離婚について解説していきます。婿入りのケースでは夫と妻を入れ替えて読み進めてください。

参照:婿入り婚ってアリ!? 当事者の本音と実情|マイナビウーマン

戸籍に「×(バツ)」が付くわけでない

離婚歴のある人を「×(バツ)イチ」「×(バツ)ニ」などとよくいいますが、かつての戸籍では、離婚などの理由で戸籍から外れる「除籍」といわれる手続きが完了すると、除籍した人の名前の欄に「×」印がつけられたことが由来です。昔の戸籍はすべて手書きによる紙の書類だったため、一目で分かるように×を付けていました。

しかし現在の戸籍は電子化された書類となっているので、戸籍にバツが付くことはありません。バツが付く代わりに「除籍」という文言が追加されることになります。

戸籍の筆頭者かどうかでどうなるかが変わる

戸籍の筆頭者かどうかで、離婚後に戸籍がどうなるかが変わってきます。戸籍の筆頭者とは、戸籍の最初に記載されている人のことで、婚姻により夫婦どちらの氏(名字)を名乗ることにしたかによって変わってきます。婚姻により夫の氏を名乗ることにした場合は夫が筆頭者、妻の氏を名乗ることにした場合は妻が筆頭者となります。

戸籍の筆頭者の場合

自分が戸籍の筆頭者の場合、離婚によって戸籍に特に変化は生じません。離婚してもあなた自身の戸籍はそのまま継続することとなり、元配偶者の欄には戸籍の移動先が記され、名前の欄に「除籍」と記載されます。また筆頭者の欄に「〇年△月×日 妻(夫)○○と協議(調停・審判)離婚」と追記されます。

戸籍の筆頭者でない場合

戸籍の筆頭者でない場合、離婚によってその戸籍から抜けることになります。そもそも結婚前は別々の戸籍だったわけで、単に結婚前の状態に戻すといえばそれまでです。ただし夫婦の戸籍から抜けた側は、自動的に結婚前の戸籍に戻る訳ではありません。次の2つの選択を、自分の意思で決めることができます。

1.元の戸籍に戻る

離婚して夫婦の戸籍を抜けた後は、元の戸籍に戻るという選択肢があります。ここでいう元の戸籍とは、結婚前に属していた親の戸籍のことを指します。つまり元の戸籍に戻ることを選択した場合は、離婚後の本籍地は親と同一になります。

この場合には名字は必ず旧姓に戻ります。婚姻時の名字を離婚後も名乗る場合、いわゆる「婚姻続称」を希望する人は元の戸籍に戻ることはできません。離婚届には「婚姻前の氏にもどる者の本籍」という欄があり、この欄に記載されている「もとの戸籍に戻る」を選択知れば、自動的に戸籍が結婚前に戻って変更されます。

2.新しい戸籍を作成して入る

離婚後自分だけの新しい戸籍を作成して、その戸籍に入るという選択肢があります。この場合は全く新しい戸籍が編成されるため、戸籍上からは過去に離婚したかどうかが分かりにくいという特徴があります。

2-1.本籍地をどこにする

新しい戸籍を作る場合、本籍地をどこにするかという選択肢が生じます。本籍地の場所については、基本的にどこにするかは自由です。新たに生活を始めた場所にしてもいいでしょうし、人によっては皇居にしたり有名観光地にする人も。

家制度があった当時は「本籍地を実家にすべき」という考えもありましたが、現在では単に「戸籍を保管している場所」というだけという見方も。ただ現実的には戸籍謄本等が必要になった場合、請求しやすい場所にするのが便利なので、本籍地をどこにするかは慎重に検討してください。

2-2.姓をどうするか

離婚によって新しい戸籍を作る場合、名字(姓)をどうするかという選択肢が生じます。結婚時に夫の戸籍に入籍する場合は、当然のことながら夫の名字に変更しています。一方で離婚時に新しい戸籍を作成した場合には、旧姓に戻すか引き続き婚姻時の名字を名乗るか選ぶことができます。

2-2-1.旧姓で新しい戸籍を作る

婚姻時の名字を名乗りたくない、旧姓に戻りたいという方は、旧姓で新しい戸籍を作ることができます。離婚で姓が変わる場合、婚姻前の旧姓に戻るのが原則となっています(復氏)。妻が結婚して夫の姓になっていたケースでは、離婚をすると妻の姓は元の実家の旧姓に戻るということに。

ただ旧姓に戻るとなると、周囲に離婚したことが知られる、通帳やクレジットカード、運転免許証やパスポートなどの名義をすべて変更しなければなりません。これらの煩雑な手続きが生じるのも、復氏のデメリットと言えるでしょう。

2-2-2.婚姻時の姓で戸籍を作る

復氏によるデメリットや名字が変わることによるマイナスの影響をなくしたいという方は、「婚姻俗称」という制度を利用して、婚姻時の姓で新たに戸籍を作成することができます。婚姻俗称の制度を利用するには、離婚時に「離婚の際に称していた氏を称する届出」を離婚届と一緒に提出してください。

離婚時に提出し忘れた場合でも、離婚から3カ月以内であれば上記届の提出が受理されます。提出先は居住している自治体の役場です。「離婚の際に称していた氏を称する届出」の提出期限は、離婚から3カ月以内。これは期限を設けないと、いつまでたっても離婚後の姓が安定しないためです。

3カ月過ぎた場合は?

もしも期限の3カ月が過ぎてしまった場合でも、家庭裁判所で手続きすれば婚姻時の姓を名乗り続けることができます。家庭裁判所に「氏の変更許可申立」を行い、裁判所で変更が認められると、次のような書類を役所に提出します。

  • 家庭裁判所の許可証
  • 元夫の戸籍謄本
  • 自分の戸籍謄本

ただし家庭裁判所に氏の変更許可申立を認めてもらうには、きちんとした理由が必要です。先に紹介した「離婚の際に称していた氏を称する届出」は理由がなくても変更が許可されますが、「氏の変更許可申立」は特別な理由がない限り許可されないので注意しましょう。

新しい戸籍を作らなければならない3のケース

ちなみに以下の3つのケースに当てはまる場合は、必ず自分が筆頭者の新しい戸籍を作らなければなりません。

婚姻前の戸籍が除籍になっている

婚姻前の戸籍が除籍になっていると、離婚後は自分が筆頭者の戸籍を新たに作成する必要があります。例えばすでに実家の両親が亡くなっているケースや、元々自分一人の戸籍を持っていたが先の結婚により除籍してしまったケースなどです。すでに戻るべき戸籍がない方は、新たに戸籍を作らなければなりません。

婚姻中の名字を使い続けたい

婚姻中の名字を離婚後も使い続けたいと考えている方は、新たに戸籍を作る必要があるでしょう。というのも同一の戸籍に入るためには、同じ氏であることが条件となっているからです。婚姻続称を選択すると、実家の親とは姓が異なります。たとえ実の親子でも氏が違うと同じ戸籍に入ることはできません。

婚姻前の名字に戻して子どもを同じ戸籍に入れたい

婚姻前の名字に戻し、なおかつ子どもを自分と同じ戸籍に入れたいと考えている方は、新たに戸籍を作っておかなければなりません。というのも一つの戸籍には、親と子の2代しか入ることができないからです。実家の戸籍に自分と子どもを入れようとすると、1つの戸籍に3代が入ることとなり、戸籍法第6条「三代戸籍禁止の原則」に反します。

従って、婚姻前の名字に戻しなおかつ自分の子どもを同じ戸籍に入れたい場合は、自分を筆頭者にした戸籍を新たに作り、そこに子どもを入れるという形になります。

離婚後、子どもの戸籍・名字はどうなる?

離婚後は、子どもの戸籍や名字がどうなるかも気になります。こちらでは子どもの戸籍・名字について解説していきます。

何も手続きしないと元の戸籍のまま

離婚後とくに何も手続きしなければ、子どもの戸籍は氏を変更しない方の親の戸籍つまり、婚姻時の戸籍に残ったままとなります。子どもがいる場合の離婚では、筆頭者でない方の配偶者が婚姻時の戸籍から抜けるだけで、子どもの戸籍には変更がありません。

離婚に伴って自動的に子どもも戸籍からぬけるわけでなく、筆頭者の戸籍には筆頭者とその子どもが記載されたままとなります。

子どもの親権と戸籍とは無関係

子どもの戸籍に関する誤解でよくあるのは、「子どもの親権者になると自動的に子どもと同じ戸籍になれる」という誤解です。しかし子どもの親権がどちらであるかと、子どもの戸籍とは一切関係がありません。たとえ母親が親権者となり子どもを引き取って一緒に暮らしていても、何もしないままだと子どもは父親の戸籍に残ったまま。

母親が婚姻前の戸籍に戻った場合は、母親とひとつ屋根の下で暮らしていても子どもの戸籍が母親と異なる状況が発生してしまいます。

名字も離婚前のまま

では子どもの名字は離婚後どうなるのでしょうか?子どもの名字についても戸籍と同じような問題が生じます。つまり子どもの名字もまた、何もしないと離婚前のままということになります。母親も婚姻続称により、元夫の名字を名乗っている場合は、子どもと母親の名字が同じなので、戸籍が違ってもさほど不都合を感じないかもしれません。

しかし母親が旧姓に戻ったケースでは、子どもの名字は父親の姓のままなので、一緒に暮らす母親と子どもの名字が異なる状態に。周囲から見ても違和感があり離婚したことが明らかになるため、人によっては不快に感じたり避けたいと思う人もいるでしょう。

離婚後に子どもと同じ戸籍・名字にするためには?

前出の通り、離婚後の子どもの戸籍・名字は元夫と同じままです。このような場合でも、子どもの戸籍・名字を除籍した母親と同じにそろえることができます。離婚後に子どもと同じ戸籍・名字にするには、次のような手順で手続きをしていきましょう。

①離婚後に新しい戸籍を作成

離婚後に子どもと同じ戸籍・名字にするには、まず離婚後に母親である自分が筆頭者の新しい戸籍を作成しなければなりません。母親が実家の戸籍に戻っていると、「三代戸籍禁止の原則」に反して子どもを実家の戸籍に入れることができないからです。

子どもと同じ戸籍にするには、自分を筆頭者とする新しい戸籍が必要になります。この場合名字は旧姓でも婚姻時のままでもどちらでも構いません。

②家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立」を申請

自分が筆頭者の新しい戸籍を作成したら、子の住所地を管轄する家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立」を行います。この手続きが必要なのは、子どもの名字を母親と同じ苗字に変更するためです。

子どもが15歳未満の場合は、親権者である親が法定代理人として子どもの代わりに手続きができます。15歳以上の子どもは子ども本人が申立人となります。「氏の変更許可申立」には先に説明した通り正当な理由が必要ですが、この場合は「離婚後に親権者となった母親と同じ姓を名乗りたい」と書けばほとんどのケースで認められるでしょう。

「子の氏の変更許可申立」に必要な書類は以下の通りです。

  • 子の氏の変更許可申立書
  • 子どもの戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 自分を筆頭者として作った新しい戸籍の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 元夫の戸籍謄本(全部事項証明書)(離婚の場合は離婚の記載があるもの)

子の氏の変更許可申立書は、裁判所のホームページからダウンロードできます。子どもの年齢が15歳以上かどうかで記入方法が変わってくるので気を付けましょう。申立てに必要な書類は、子ども1人につき収入印紙800円分です。このほかに連絡用の郵便切手が必要です。切手の枚数や種類は申立て先の家庭裁判所によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

婚姻時の名字を名乗る場合も必要?

母親が婚姻続称により婚姻時の名字を継続して名乗る場合、「子どもと名字が同じなのだから子の氏の変更許可申立が不要なのでは?」と思う人がいるかもしれません。しかし離婚してから名乗る「結婚時の名字」は戸籍が変わっているため、法律上は別の名字とみなされます。

また旧姓と婚姻時の名字が偶然同じだった場合では、離婚時に婚姻俗称の手続きをしなくても名字が変わりません。それならば子の氏の変更許可の手続きも必要ないと思うかもしれませんが、妻の名字と夫の名字は法律上は違うという扱いになるため、こちらも子の氏の変更許可申立が必要です。

つまり離婚後に旧姓に戻した場合でも、婚姻時の名字を使い続ける場合でも、旧姓と婚姻時の名字が偶然同じだった場合でも、子の氏の変更許可申立の手続きは必須となります。

③役所に入籍届を提出

子の氏の変更が許可されたら、家庭裁判所から氏の変更を許可する「許可審判書」が送付されます。この書類を市区町村役場に持って行って、子どもが新しい戸籍に入るための「入籍届」と一緒に提出すれば手続きは完了です。入籍の届出を行った日から効力が生じますが、実際に戸籍に記載されるまでには届け出後1~2週間前後かかります。

離婚後の子どもの公的手当の手続きに関しては、こちらの記事を参考にしてください。

「離婚後の児童手当・児童扶養手当の手続きについて|ケース別の変更方法と基礎知識」

子どもが生まれた戸籍に戻りたい場合は?

氏の変更をした子どもが未成年の場合、成人後1年以内なら子ども自身が入籍届を提出し、生まれた時の戸籍に戻ることが可能です。この場合は家庭裁判所での手続きが不要で、役所に入籍届を提出するだけで、出生時に戸籍に戻れます。

離婚後の戸籍に関するポイント・注意点

離婚後の戸籍に関して、次のような注意点やポイントがあります。

どのような選択肢があるかよく考える

離婚時の戸籍や姓をどうするかについては、どのような選択肢があるか確認し、自分がどうしたいかよく考える必要があります。あまりよく考えず安易に離婚届にチェックした場合「こんな不都合があるなんて…」と後悔する可能性も。

子どもがいる場合は子どもの戸籍・名字についてもよく考えなければなりません。将来的に自分と同じ戸籍・名字にしたいと思っている場合には、どのような選択肢を選ぶべきか真剣に考えましょう。

40代で離婚をお考えの方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「40代の離婚準備と注意点 | 離婚を切り出す前に確認すべきポイント」

離婚歴を分かりにくくするには

離婚をした人の中には、自分の離婚歴を隠したいと思う人もいるでしょう。正確にいうと全く消去することはできませんが、分かりにくくすることは可能です。どうしても離婚歴を隠したい場合は、新しい戸籍を作成する「転籍」を行うという方法があります。

本籍地を移動させると、除籍された人に関する記載が引き継がれることはありません。つまり実家の戸籍にあった結婚前の自分の記載や婚姻時の配偶者の名前、離婚方法や離婚によって除籍した記載は自分の戸籍に掲載されないという訳です。転籍は戸籍の筆頭者であれば簡単にできるため、どうしても離婚歴を隠したい人がとれる現実的な方法です。

ただし前の戸籍を調べれば離婚歴は判明してしまいます。また「除籍謄本」や「原戸籍謄本」を取れば、そのまま離婚歴が記載されています。

通称を使用するという方法も

離婚によって名字が変わると次のようなデメリットが発生します。

  • 離婚したことが周囲に知られる
  • 子どもの名字が変わったら可哀想
  • 仕事関係に影響がある
  • 名義変更の手続きが煩雑
  • 自分のアイデンティティがなくなりそうに感じる

このような問題を避けるために、婚姻続称の他に「通称」という手段があります。通称とは戸籍上は旧姓に戻りながらも社会的には婚姻時の名字を使い続けるという方法です。多くの会社や学校では、通称の使用が認められつつあります。しかし公的な書類では旧姓に戻るので、管理が複雑になるなどの問題も。

会社によっては通称の使用を認めていないところがあるので、自分の会社では通称が使えるのかや、どのような社内手続きが必要になるかよく確認しましょう。

子どもの手続きは親権者が代行

上で説明した通り、15歳未満の子どもの氏の変更許可申立は親権者が代行します。しかし母親が親権者でない場合、母親側から申立てができないため、親権者である父親に申立てをしてもらわなければなりません。父親が子の氏の変更にどうしていないケースでは、まず親権者変更の審判申立てをしてからとなります。

親権争いで母親が負ける理由が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「親権争いで母親が負ける理由とは?親権争いを勝ち取る6つの対策も解説」

離婚後に選んだ名字は簡単に変更できない

離婚後に選んだ名字は、その後簡単には変更できないので気を付けましょう。離婚時に安易に婚姻俗称を選んでしまうと、簡単に旧姓に戻れなくなります。離婚後3カ月以上経った場合には家庭裁判所に氏の変更許可申立を行うという方法もありますが、申立てしたからといって必ず認められる訳でないからです。

申立てが認められるためには「やむを得ない理由」が必要になります。「子の氏と同じにする必要が亡くなった」などの理由は裁判所で認められるケースがありますが、次のような軽率な理由ではまず認められないでしょう。

  • 身内や親に勧められたから
  • 元夫の名字に嫌悪感が出てきた
  • 気分転換のため

このような理由では変更はほぼ許可されません。離婚後3カ月間は、名字をどちらにすべきかよく検討するようにしましょう。

離婚後の戸籍謄本の取得方法

相続手続きなどで、亡くなった人の離婚後の戸籍謄本が必要になるケースがあります。戸籍の情報を集める方法としては、亡くなった時点の戸籍をもとにさかのぼって取得していくこととなります。亡くなった人の戸籍の「身分事項」に「離婚」と記載されている場合には、「婚姻」の欄を見ます。

婚姻日が記載されているところに「従前本籍」の記載があるので、本籍地を管轄する役所に請求をすることで戸籍情報を取得できます。請求できるのは、以下の3つの種類の書類です。

書類の種類 内容
戸籍謄本 戸籍に記載されている全員の身分を証明する書類

現在も有効なものの戸籍のこと

除籍謄本 戸籍に記載されている人が結婚・離婚・死亡などで誰もいなくなった戸籍の写しのこと

相続手続きで必要となることが多い

改製原戸籍 戸籍法改正などで戸籍の記載様式変更の際に、新しい戸籍が作られる元となった戸籍のこと

「かいせいげんこせき」「かいせいはらこせき」などと読む

相続で戸籍が必要になった場合は、亡くなった人の本籍地を管轄する役所に次のような書類を提出して請求します。ちなみに窓口で請求する以外にも、郵送で請求することもできます。

  • 戸籍の請求用紙
  • 請求する人の顔つきの身分証明書
  • 請求する人の戸籍謄本
  • 亡くなったことが分かる書類(死亡の事実が書かれた戸籍謄本など)
  • 手数料(郵送で請求する場合は定額小為替)
  • 返信用封筒(郵送で請求する場合)

死後離婚ってできる?という疑問をお持ちの方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「死後離婚をするには?配偶者と死別後の手続きや注意点をすべて解説」

疑問や不安な点がある場合は専門家に相談

離婚後の自分や子どもの戸籍、名字について疑問点や不安なことがある方は、法律の専門家に相談することをおすすめします。どのような選択肢があるかあいまいなままだったり、分からないまま間違った選択をしてしまうと後悔の元です。とくに子どもがいる場合は、子どもの将来にも重大な影響を及ぼします。

いきなり弁護士事務所などに行くのはちょっと…という方は、自治体が行っている無料の法律相談や弁護士会が設置している法律相談センターに相談してみてはいかがでしょうか。弁護士会の相談センターは場所によっては有料となりますが、知り合いの弁護士がいない方でも気軽に利用可能です。

離婚問題を弁護士に依頼したいという方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「離婚時に依頼したい弁護士の選び方|相談前・相談時のポイントと費用に関する注意点を解説」

まとめ

離婚後の戸籍がどうなるかは、婚姻時の戸籍の筆頭者かどうかで変わってきます。筆頭者でない場合は、婚姻時の戸籍から抜けて実家の戸籍に入るか、新しく戸籍を作成することになります。それに伴い本籍地や名字をどうするかという選択肢が出てきます。

離婚しても何も手続きしないと、子どもの戸籍や名字が変わることはありません。親権者である自分と同じ戸籍・名字にしたい場合には、家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立」や役所への「入籍届」の提出が必須。子どもの年齢によって手続き方法が変わってくるのも注意点です。

離婚後3カ月以上経つと、やむを得ない理由もなしに名字を変更することができなくなります。そのため離婚前から、戸籍や名字をどうするのかよく考えておきましょう。離婚後の戸籍や名字で分からないことがあったら、法律の専門家に相談し、離婚までに疑問点をクリアにしておきましょう。

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