- 「夫が生活費を渡してくれない…」
- 「経済的dvする配偶者に仕返しする方法は?」
専業主婦の自分に対し、夫が経済的dvをしてくるとお悩みの方はいませんか?必要な生活費を渡してくれないが、これって経済的dvなの?という方もいるかもしれません。こちらの記事では経済的dvとはどのような行為なのかや配偶者が経済的dvをする理由、それに対する有効な仕返し方法について解説していきます。
さらに間違った仕返し方法や、経済的dvで離婚できるかについても紹介。経済的dvを含むdvする相手やモラハラな配偶者と離婚するのは並大抵なことではありません。決して感情のまま動いたりせず、しっかり準備をしたうえで場合によっては専門家の力を借りることも考えましょう。
なぜ経済的dvをするのか?
ではなぜ自分の妻や夫に経済的dvをするのでしょうか。こちらでは経済的dvに該当する行為や経済的dvをする理由について見ていきましょう。
経済的dvはドメスティックバイオレンスの一種
経済的dvは、ドメスティックバイオレンス(DV)=家庭内暴力の一種です。様々な手段で金銭の自由を相手から奪い、経済的に追い詰める行為。DVというと、殴る・蹴るなど身体的なダメージを与える行為を考えがちですが、経済的・精神的にダメージを与える行為もDVに当たります。
一方で次に紹介するような行為が経済的dvとして認識されるようになったのは、ここ最近のことです。そのため、自分が経済的dvを受けているということに気が付いていない人も少なくありません。
経済的dvの件数
では一体どれくらいの人が経済的dvを受けているのでしょうか。内閣府男女共同参画局が行った調査によると26.2%、およそ4人に1人はDVの被害を受けた経験があるとしています。女性に限定すると、DV被害の経験は31.3%に上ります。
男女別 | 女性 | 男性 |
---|---|---|
配偶者からの被害経験があった | 31.3% | 19.8% |
身体的暴行 | 19.8% | 14.5% |
心理的攻撃 | 16.8% | 10.0% |
経済的圧迫 | 10.0% | 2.9% |
性的強要 | 9.7% | 1.5% |
配偶者からのDVのうち経済的圧迫を受けているのは、女性で10.0%、男性で9.2%の割合です。
収入が低い側が受けやすい
経済的dvの被害を受けやすいのは、専業主婦(夫)をはじめとする収入が低い側です。とくに男性の中には、「働いて稼いでくる方が偉い」という考えを持っている人が少なからずいて、専業主婦やパートで働いている配偶者を見下す行動や態度を取る人も。
そういった考えを持っている人は、配偶者に生活費としてお金を渡さなかったりお金の使い方に細かく口を出したりするケースがあります。
経済的dvは民法上の義務違反
経済的dvを法的に言うと「民法上の義務違反」となります。民法第752条には「夫婦の同居、協力および扶助の義務」があり、夫婦は同居して共同生活を営むために互いに協力や扶助をしなければならないとしています。
一方が経済的に協力しないということは、夫婦に課せられた義務に違反した状態です。この程度がひどく長期間に及ぶと民法上の離婚理由の一つ「悪意の遺棄」とみなされて、相手に離婚や慰謝料を請求できる可能性があります。
経済的dvに当たる行為
では具体的に、どのような行為が経済的dvに該当するのか詳しく見ていきましょう。
生活費を渡さない
妻が専業主婦だったりパートで、夫よりも明らかに収入が低いにもかかわらず、家計のための生活費を渡さない行為は経済的dvに該当します。また生活費を渡していたとしても、明らかに少ない金額しか渡していない場合も同様です。
実は「夫が生活費を渡してくれない」と悩んでいる女性は多く、実際の離婚理由でも性格の不一致の次に多い理由となっています。
家計を厳しく管理する
生活費を渡してくれるものの、家計を厳しく管理するのも経済的dvの一種です。家計簿や購入したレシートを必要以上に細かくチェックしたり、レシートと引き換えにしかお金をくれないといった行為も経済的dvです。
さらに家計簿を見て「もっと節約できるはずだ」「この出費は本当に必要なのか?」などと過度の節約を強制する行為も該当します。このような場合に多いのが、自分のためには惜しみなくお金を使うが、家族には使わせないというケースです。
勝手に借金や浪費をする
勝手な理由で借金や浪費を繰り返す行為は、経済的dvに該当する可能性が高いでしょう。配偶者に相談もせずに高額な車を購入する、妻に無理やり借金をさせる、ギャンブルや浪費のための借金を繰り返すなど様々。相手に節約を強いているにもかかわらず、自分は自由に浪費したり借金する状況は経済的dvと判断されるはずで。
貯金の使い込みで離婚したいと考えている方は、こちらの記事を参考にしてください。
「夫や妻の貯金使い込みで離婚できる?別居時に気を付けたいこと&財産分与で損しない方法」
仕事に出ることを認めない
生活費を十分に渡してくれないなら働きたいと思っても、仕事に出ることを認めないというケースも経済的dvに当たる可能性が高いです。とくに専業主婦になることを強要したり、仕事を辞めさせたりして妻に自由に使えるお金が得られないような状況を作り出そうとする場合は、金銭面で相手を支配したい行為と考えられます。
ただし単に生活費が足りないと思い込んでいるだけだったり、何となく暇だから働きに出たいと思っているだけで仕事をさせてもらえない場合は、経済的dvになりにくいかもしれません。
お金の使い方に極端に制限をかける
配偶者がお金の管理をしていて、お金の使い方に極端に制限される行為は、経済的dvに当たります。いくら相手が働いて得たお金でも、婚姻期間中に築いた財産は夫婦共有のものです。本来、お金の使い方は夫婦で話し合って決めるのが当然。
しかし理由もなくお小遣いをもらえなかったり、お金の使い道についていちいち確認される行為は、経済的dvに該当する可能性が高いでしょう。
自分の収入や預貯金額を教えない
相手にはお金の使い道について細かく確認する一方で、自分の収入や預貯金の金額を教えないという場合も、経済的dvに該当する可能性が高いでしょう。本当はもっとゆとりのある生活ができるかもしれないのに本当の収入や貯蓄額を教えてもらえず、仕方なく自分の蓄えを切り崩して生活費に充てている人がいるかもしれません。
共働きで夫婦の財布が別という場合、収入を教えるかどうかは相手の自由です。また家計がうまく回っているから、貯蓄額を知らなくても問題ないという人もいるかもしれません。しかし家計管理を相手に任せているのに、毎月の生活が苦しいと訴えているのに、かたくなに自分の収入や貯蓄額を教えない人は、経済的dvに該当する可能性が高いでしょう。
お金に関する暴言がある
生活費を渡さないなど直接的な行動だけでなく、「誰の金で生活できていると思っているんだ」「俺が稼いだのだから俺が自由につかう」など、お金に関する暴言もまた経済的dvに当たります。
配偶者が経済的dvをする理由
ではなぜ相手は経済的dvをしてくるのでしょうか。
モラハラ
経済的dvはモラハラ(モラルハラスメント)と密接な関係があります。モラハラとは、言葉や態度によって相手の人格を傷つけ、その恐怖や苦痛により相手を支配し、思い通りに操ろうとする精神的な暴力のことを指します。モラハラな人が理不尽なことで相手を責め立てたり無視をする、舌打ちしたりするのは、自分の方が優位に立ち相手を精神的にコントロールするためと考えましょう。
つまり経済的dvもモラハラの手段の一つという訳です。モラハラする配偶者は、高い確率で経済的dvも行います。
自分から離れるのを恐れている
家に縛り付けて仕事をさせない、仕事に過度な条件や制限を設けるなどの経済的dvをする人は、相手の経済的自立を奪うことで自分から離れるのを恐れているという一面があります。お金に関する暴言を吐くケースも見受けられるので、被害者は強い精神的苦痛を受ける場合も。
とくにこのような場合、社会的に孤立することで正常な判断ができなくなります。強いメンタルをもって対処する必要があるでしょう。
相手の自尊心を傷つける目的がある
モラハラと似たような理由ですが、相手の自尊心をあえて傷つける目的で経済的dvを行う人がいます。日常生活に必要なものを購入する自由さえ奪うことで、個人の自尊心や自立心は著しく損なわれます。そして制限されたお金だけで生活を送ることは、結果的に自分で決断する能力さえも奪うことに。
あなたを苦しめる目的で故意的に行われていたり、あなたが苦しんでいることに気づいていながら改善する意志がないのなら、相手の意識を変えられる可能性は低いといえます。というのも、経済的dvを行う目的があなたを苦しめることで、それにより一定の優越感を得ているからです。
経済的dvかどうかのチェックリスト
経済的dv受けているかどうかは、次に紹介するチェックリストで判断できます。
- 生活費を渡そうとしない / 全くくれない
- 妻のお金の使い道を厳しく管理しようとする
- 過度の節約を強要する
- 働いてくれない
- 外で働くことを嫌がる
- 勝手に自分の預貯金を使われる
- 無理やり借金を負わされる
- 感情の起伏が激しい
- 収入や貯蓄額を隠そうとする
経済的dvをする人には特徴があり、共通点が多いです。「もしかして自分は経済的dvを受けているのでは?」と思ったら、相手の言動に注意して観察してみましょう。
DV夫と早く安全に離婚する時の注意点については、こちらの記事を参考にしてください。
「DV夫と離婚したい…早く安全に離婚するための手順・相談先・気になるポイントを徹底解説」
経済的dvに対する仕返しの方法
経済的dvをする配偶者には、次のような仕返しの方法があります。
証拠を集める
仕返しの準備として、まずは次のような証拠を集めておきましょう。
- 預金通帳
- 生活費の領収書やコピー
- 配偶者の給与明細
- クレジットカードの利用明細
- お金に関するやり取りや会話の録音、メールでのやり取り
その中でも次のような証拠を確保できれば、経済的dvがあったことを客観的に証明できるでしょう。
- 少ない生活費の中でやりくりしていることが分かる家計簿
- 生活費の振り込みがなくなった事が分かる預金通帳
- 「払うつもりはない」など生活費の支払いを拒否しているメールでのやり取りや発言の録音
- 浪費していることが分かるクレジットカードの明細
- 配偶者の借金内容が分かる借用書や金銭賃貸借契約書、督促状
- 経済的dvの被害内容や毎日のやりくりについて記した日記
相手の言動に反応しない
モラハラの一環として経済的dvをしている相手には、いちいち相手の言動に反応しないことが仕返しになります。というのもモラハラする人は、相手が悲しんだり困っている様子を見たいがゆえに、わざと文句や嫌味を言う傾向にあるからです。こちらを挑発するような発言があっても、あえて無視したり受け流していると、相手をがっかりさせられるでしょう。
例えば相手が「お金が足りないなんて要領悪いんじゃない?」と挑発してきても、「そうだね」などと軽く返事をして取り合わないのがポイント。「出費が多くて大変だったの」など困惑した返事が返ってくると予想した相手は、感情が読めない返事に調子を乱されてしまうでしょう。
やがて何を言っても期待した反応が返ってこないと気が付いた相手は、モラハラ自体を止めるかもしれません。モラハラしてくる相手には、極力ダメージを受けた姿を見せないのが重要です。
経済的に自立する
経済的に自立するのも、経済的dvをしてくる相手への仕返しとして有効です。「誰のおかげで生活できていると思っているんだ」といった言葉をぶつけられるのであれば、妻が経済的に自立するのが最も近道。妻子を養っているという優位性が見いだせなくなり「誰のおかげで」という文句を封じられた夫はがっかりするでしょう。
子どもが小さいうちは外に働きに行くのが難しいですが、在宅でできる仕事を見つけたり、就職に備えて資格を取るのもいいでしょう。保育園に入園したタイミングなど子どもの手が離れたら、正社員で働き始めてみませんか?今まで妻に暴言を吐いていたモラハラ夫ですが、妻が経済的に自立したことで文句が言えなくなります。
別居して婚姻費用を請求
生活費を入れてくれない相手には、別居して婚姻費用を請求するのがおすすめ。婚姻費用とは、婚姻生活を営む上で最低限必要な生活費(食費・住居費・消耗品費・医療費・交際費等)のこと。民法上の夫婦の相互扶助義務に基づいて、別居後は収入の多い側が少ない側の婚姻費用を負担しなければなりません。
婚姻費用の支払い義務は請求した時点から発生します。そのため別居前から準備しておき、別居したと同時に婚姻費用を請求するのがいいでしょう。具体的な準備としては、自分と配偶者の収入を正確に把握する、子どもがいる場合は自分と子どもにかかる生活費や養育費など支出をまとめておくなどしてください。
内容証明郵便の送付
婚姻費用の請求方法として、内容証明郵便による請求があります。モラハラ夫に対しては、交渉で婚姻費用を支払ってもらおうと思ってもうまくいかない可能性が高いので、別居後すぐに内容証明郵便を送付する方法がおすすめです。
内容証明郵便は文書の内容や送り主、送り先などを郵便局が証明してくれるサービス。法的拘束力はないものの、調停や裁判で証拠として提出できます。内容証明郵便は郵便局の窓口やインターネットで申し込み可能。書式等細かいルールがあるので、書き方をよく確認する必要があります。
婚姻費用分担請求調停
内容証明郵便で請求しても婚姻費用を支払ってもらえないときには、家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を申立てる手続きに移行してください。申立てが受理されると、調停委員が間に入って夫婦双方の意見を聞きながら、合意できるような話し合いを進めます。
とくに相手がお金に対して強い執着心を持っていたり、モラハラ傾向がある場合には、第三者に入ってもらうことで説得できる可能性が高まります。婚姻費用の金額は、裁判所が公表している「婚姻費用算定表」に基づいて決めるのが一般的。あらかじめチェックしておき、申立て内容に反映させると話し合いがスムーズ進められます。
婚姻費用をもらい続ける方法があるかについては、こちらの記事を参考にしてください。
「婚姻費用をもらい続ける方法は?損しないための対抗策とよくある質問に答えます!」
審判
婚姻費用分担請求調停でも双方の意見が食い違い、調停が不成立になったときには、審判手続きが開始されます。審判では裁判官が必要な心理を行った上で、婚姻費用の金額が決定されます。この審判には法的拘束力があるので、相手が婚姻費用の支払いを拒否した場合でも、強制執行が可能です。
強制的に給与や預貯金の差し押さえができ、そこから婚姻費用が支払われるので、生活費を受け取れないという事態から逃れられるはずです。
審判離婚の条件や手続きの流れは、こちらの記事を参考にしましょう。
「審判離婚とは?審判離婚になる条件や離婚までの流れを知ろう」
離婚を突き付ける
経済的dvする相手とはこれ以上やっていけないと思ったら、離婚を突き付けるという仕返し方法があります。ただしこの仕返しは、本当に離婚の気持ちが固まったときにのみ行ってください。脅しのつもりで離婚を口にした場合、「相手は本当は離婚する気がない」と気が付いてしまうと、再び自分の思い通りに支配しようとしてモラハラ行為を繰り返すようになるでしょう。
口で言っただけで本気にしない相手には、別居をして物理的に距離を取るのが有効。「妻は本気で離婚するつもりなんだ」と気が付いたモラハラ夫は、急に優しくなったりしおらしくなるケースがあります。ここで離婚を撤回してしまうのは相手の思うつぼ。一度離婚を突き付けたら、絶対にその姿勢を貫きましょう。
専業主婦だけど離婚したいとお考えの方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「専業主婦だけど離婚したい!離婚後に成功するための準備と注意点」
慰謝料請求する
経済的dvで離婚する場合、慰謝料を請求できる可能性があります。前出の通り、経済的dvは法律に定められた夫婦の扶養義務違反に当たる行為だからです。また経済的dv以外に、身体的なDVがある場合やモラハラ行為がある場合もまた、離婚時に慰謝料請求が可能です。
慰謝料の金額の相場は50万~300万円程度で、次のような要素によって総合的に判断されます。
- DVの回数・頻度・期間
- DVによるケガの程度や症状
- 婚姻期間の長さ
- 養育が必要な子どもの有無・年齢・人数
- 被害者側の落ち度の有無
- DVが原因で後遺症や精神疾患(うつ病・パニック障害など)になった
モラハラで慰謝料請求するときのポイントについて詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「夫婦や恋人間のモラハラで慰謝料請求できる?相場や方法を知って有効な証拠を確保しよう」
やってはいけないNG仕返し
いくら経済的dvの仕返しとはいえ、次のような言動は控えましょう。相手の態度がさらにエスカレートする可能性があり、離婚時にこちらが不利になる恐れがあるためです。
周囲に言いふらす
経済的dvの仕返しとして、周囲に言いふらすのは止めましょう。モラハラ夫の場合、外交的で「そとづら」がいいタイプが多いため、家庭内でひどい言動をするという一面を誰かに知ってほしいという気持ちになることもあるでしょう。
しかしそのような行為は、逆効果になってしまう可能性が高いです。社交性の高い夫の姿しか知らない人は、あなたの主張を信じてくれないことが少なくありません。また家庭内のトラブルにより配偶者を貶めようとしているあなたの姿勢が、周囲の反感を買う可能性も。
そして何より周囲に言いふらしたことが配偶者の耳に入ってしまうと、モラハラやDVがさらにエスカレートする恐れが生じます。最悪のケースでは、家庭内のトラブルを暴露されたとしてプライバシー侵害や名誉棄損を主張されて、離婚手続きが進められなくなります。
説得しようとする
冷静に反論して相手を説得しようとするのもNGです。モラハラ被害を受けている側は、きちんとした証拠を出して説得できれば生活費をもらえるのでは?と考えてしまいがち。
しかしモラハラをする側は、思い込みや間違ったデータに基づいて経済的dvをしているというよりは、自分の思い通りに相手を支配したいという欲求に基づいて行動している可能性が高いです。どんなに正確なデータを見せて現状を説明し説得しようとしても、「言い訳をするな」など聞く耳を持たないでしょう。
結局モラハラする人は、自分の思い通りにやれと言っているだけです。説得しようと試みるのは、無駄な努力で終わる可能性が高いでしょう。
黙って別居する
経済的dvをしている相手に黙って家を出ることも、おすすめできません。というのも民法上の離婚理由となる「悪意の遺棄」とみなされる可能性があるため。悪意の遺棄とは夫婦間の義務を意図的に破たんさせる行為のことで、相手に無断で家を出る行為も該当します。
悪意の遺棄とみなされると、離婚したいと思ってもこちらが有責配偶者となってしまい、希望通りに離婚するのが難しくなります。別居をするときには経済的dvによりこれ以上一緒に暮らせないということや、離婚を前提とした別居であることを相手に伝えてください。直接伝えるのが難しいときには、LINEやメールでも構いません。
ただし身体的DVがあり、別居を伝えるとこちらの心身に危害を加えられる恐れがあるときには、相手に黙って家を出ても悪意の遺棄に該当しません。
別居後の離婚話が進まないときの対処法は、こちらの記事を参考にしてください。
「別居後の離婚話が進まない…原因と対処法、スムーズに離婚するためのポイントを解説!」
勢いだけで離婚する
相手が生活費を払ってくれないからと、勢いだけで離婚するのもおすすめできません。とくに子どもが小さくあなたが専業主婦などでフルタイムの仕事ができない場合には、別居して婚姻費用や養育費をもらい続ける方が生活が楽な可能性が高いためです。
離婚後、元夫には子どもの養育費を支払う義務がありますが、元妻の生活費である婚姻費用まで支払う義務はありません。カッとなって勢いで離婚してしまうと、離婚後の生活に苦労して後悔する可能性が。離婚するかどうかはその後をよく考えたうえで、離婚する場合も一人で子との生活の目途が立ってからにしましょう。
スピード離婚のデメリットについて詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「スピード離婚のよくある理由とメリット・デメリットとは?離婚に迷う人の判断基準も解説」
経済的dvする相手と離婚する方法
もうこれ以上夫婦としてやっていけないと思ったら、離婚を具体的に検討しましょう。経済的dvする相手との離婚では、次のような方法を取るといいでしょう。
夫婦間の話し合いでは合意できない可能性
経済的dvをする配偶者はモラハラやDVをする傾向が高いため、夫婦間の話し合いによる協議離婚は難しいでしょう。モラハラなどしていないと相手が主張し、モラハラの証拠を突き付けても「そんな卑怯なことをするのか」などと論点をずらしてこちらを非難するといった具合に、いつまで経っても離婚話が進展しません。
DVから身を守るための「接近禁止命令」の手続き方法は、こちらの記事を参考にしてください。
「DVから身を守る『接近禁止命令』を出すには?手続き方法・注意点・離婚の方法を詳しく解説」
専門家を入れての離婚協議
夫婦間の協議で別居や離婚の話し合いができないときには、専門家を入れての協議を検討しましょう。経済的dvやモラハラする相手の場合、こちらからの話し合いに応じない可能性が高いです。無理に協議しようとせず、話にならないと感じたらすぐに話し合いをストップし、弁護士などの専門家に協議を依頼するのがおすすめです。
離婚調停
当事者間の協議や第三者を入れた話し合いで決着がつかないときには、家庭裁判所に離婚調停を申し立てる方法があります。婚姻費用分担請求調停と同様に、調停委員を介した話し合いで合意を目指します。すでに別居している場合は、離婚調停と同時に婚姻費用分担請求調停を申し立て、離婚と婚姻費用について同じタイミングで話し合うこともできます。
離婚調停の期間を短くする方法については、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚調停の期間を短く有利にするには?長引く原因や疑問を解決して新たな一歩を」
離婚裁判
離婚調停で合意ができなかった場合、最終的な方法として離婚裁判があります。裁判で離婚が認められるには法定離婚事由が必要になりますが、経済的dvが悪意の遺棄に当たる可能性が高いでしょう。そのために第三者が見ても悪意の遺棄だと分かるような客観的な証拠が必要です。
経済的dv以外に不倫や身体的暴力などがあった場合には、それらの証拠も確保しましょう。悪質度合いが高く離婚により精神的苦痛が生じたと判断されると、慰謝料を請求できます。
離婚裁判に必要な費用に関しては、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚裁判の費用を徹底解説!金額の相場や払えないときの対処法、注意点とは?」
弁護士に相談
経済的dvの相手と離婚するためには、離婚問題に強い弁護士に相談しましょう。とくにモラハラや身体的暴力をする相手と直接離婚話をするのはおすすめできません。早い段階で弁護士に相談し、どのような手段で離婚を進めていくべきかアドバイスをもらってください。
さらに弁護士に離婚問題を相談することで、次のようなメリットがあります。
- モラハラ被害にあっていたことに気付ける
- 精神的な安定が得られる
- 証拠集めや立証方法をサポートしてもらえる
- 相手との交渉を依頼できる
- こちらに有利な条件で離婚できる可能性が高まる
- 調停や裁判などの離婚手続きを進めてもらえる
弁護士に依頼するとあなたの味方として離婚条件を有利にしたり、離婚に関係する様々な手続きを代行してもらえます。とくにモラハラやDVする相手との直接交渉はかなり難しいです。より有利な条件で離婚するには、法律や交渉の専門家である弁護士の助けが欠かせません。
まとめ
経済的dvはドメスティックバイオレンスの一種で、十分な生活費を渡さない、働きに出ることを制限する、過度の節約を強要する、お金の使い方を極端に制限するなどの行為が該当します。モラハラが原因のことが多く、相手の自尊心を傷つける目的や相手をコントロールするためにやっているケースも少なくありません。
経済的dvに対する仕返しをするには、まずは証拠を確保し相手の言動にいちいち反応しないのが有効。また経済的に自立する、別居して婚姻費用を請求する、離婚を突き付ける方法もあります。逆に周囲に言いふらす、説得しようとする、勢いで離婚するのはおすすめできません。
経済的dvをする相手との離婚は、簡単にできないのが通常。そのため、なるべく早い段階で弁護士に相談するのがベストです。弁護士に相談できれば、証拠集めのサポートや相手との交渉、離婚手続きを進めてもらえるメリットが。まずは初回の無料相談を利用して、安心して任せられる弁護士を探しましょう。