- 「夫や妻に興味がなくなった、これって問題?」
- 「相手に再び興味を持ってもらうための対処法が知りたい」
パートナーとしての愛情がなくなると、興味がなくなり会話をしようとしなくなります。ではどのような理由から興味を失ってしまうのでしょうか。こちらの記事では、パートナーに興味がなくなる理由や原因について、夫と妻それぞれの立場から紹介していきます。
恋愛や結婚当初のように相手から興味を持ってもらいたいと思う方は、こちらで紹介する対処法を実践してください。離婚が頭にちらついたときには、本当に離婚すべきかの適切な判断が必要です。離婚の可否や離婚条件についての知識を知るためにも、法律の専門家に相談しましょう。
パートナーに興味がない状態とは?
まずは「パートナーに興味がない」とはどのような状態なのかについてや、夫・妻それぞれの相手への興味がなくなった理由を紹介していきます。
「一緒に暮らしているだけの人」になる状態
パートナーに興味がない状態とは、相手への興味や関心が薄れて一緒に暮らしているだけの人になるという状態です。相手がどこで何をしていても何も思わず、一緒に生活していてストレスは特に感じないが、好きという感情もないということ。当然、相手と性交渉を持ちたいとも全く思わなくなります。
だからといって、とくに夫婦関係が悪いという訳でもなく、喧嘩が絶えないという訳でもありません。第三者の視点で見ると、むしろ夫婦仲が良いと感じるケースも少なくありません。
危機感を抱えていることも
一見すると仲が良い夫婦に思われがちですが、中にはこの状態に危機感を抱えている人もいます。自分自身、パートナーへの興味が薄れていることを薄々感じていながらも、「このままの関係で大丈夫かな?」「自分たちってつまらない夫婦関係なのかも」といった感情を抱く場合です。
こちらの記事を読んでいる方の中にも、相手に興味がない状態に危機感を覚えるという人がいるのではないでしょうか。
夫への興味がなくなった理由
では妻は、どうして夫への興味を失ってしまうのでしょうか。
日々の積み重ねから
夫への興味を失う理由として多いのが、毎日の積み重ねによってです。妻の態度がいつの間にかそっけないものに気づいた夫が「どうかした?自分が何かしたの?」と妻に尋ねたとしても、日々の様々なことが積み重なって今の状態となっているため、説明のしようがありません。
具体的には次のような夫の言動から、妻は興味を失ってしまいます。
- 妻の話をつまらなそうに聞く
- 妻が話していても、夫はテレビやスマホの画面を見ている
- 仕事を理由にして家事や育児に積極的でない
- 妻と交わした約束を守らない
- 自分が悪くても言い訳ばかりで謝らない
- 夫が家にいない方が家事や育児が楽に回る
上記のような原因が積み重なり、いつの間にか「夫に期待しても無駄」という心境に。夫に頼るよりも自分で何とかした方がいいと思うようになり、結果として妻の中では「夫の存在って?」と夫への興味や関心を失ってしまうという訳です。
妻が話しかけてこなくなって心配な方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「妻が話しかけてこなくなった…考えられる理由と関係を良好に保つコツを知り、最悪の事態を回避しよう」
単に疲れているだけ
妻が夫に関心がないように見えるのは、単に疲れているだけという場合があります。家事や育児にプラスして仕事もしているとなると、「夫に構っている暇はない」となってもおかしくありません。とくに子どもが生まれると、当然のことながら子ども中心の生活になります。
共働きとなれば、そこに更に仕事が加わります。毎日忙しそうに動いている妻に対して「もう自分に興味がないのでは?」と感じたとしても、それは単にやることが目一杯で疲れていて、夫に関心を寄せる暇がないだけの可能性が多いです。
子どもが第一になった
子どもが生まれたことをきっかけに、夫への興味や関心がなくなってしまう人も少なくありません。子どもが生まれると、当然ながら24時間体制で子どものことを最優先に考えて行動するようになります。もちろん子育ては妻だけの役割ではありませんが、何かしらの理由をつけて子育てに積極的に関わらないようにする夫もいるでしょう。
ワンオペ育児をしている妻の負担は大きくなる一方で、もちろんかわいい子どものために自分を犠牲にしても頑張りますが、子育てに積極的でない夫への不満が増えてきます。自分が生んだわけでない男性はどうしても自分事としてとらえられないのは仕方がないのかもしれません。しかしだからこそ妻を支える気持ちを持っていないと、夫への関心が余計に薄まるのは、ある意味当然といえます。
ホルモンバランスの崩れ
夫に興味や関心が持てないのは、ホルモンバランスの崩れの可能性があります。産前産後の女性の身体は、大きく変化します。とくに女性ホルモンの分泌は妊娠中に急激に増加した後、出産を機にほぼゼロになります。これによって睡眠障害や情緒不安定、産後うつなどを引き起こすといわれています。いわゆる「産後クライシス」と呼ばれる状態です。
ホルモンバランスの崩れによって精神状態が不安定になるところに、以前と生活スタイルが変わらない夫や育児を手伝ってくれない夫を目の当たりにするとイライラしてしまうという訳です。またホルモンバランスの変化が原因で、夫に嫌悪感を感じたり性欲が減退するということも。産前産後のホルモンバランスの崩れから、夫に興味や関心を失ってしまう人が少なくありません。
産後クライシスが原因で離婚が認められるかについては、こちらの記事を参考にしてください。
「産後クライシスで離婚はできる?離婚につながりやすい理由と回避法を知って夫婦仲を改善!」
信頼できなくなった
夫のことが信頼できなくなり、結果として興味や関心を失ってしまう場合もあります。もし夫がお金や女性関係、金銭問題などで妻からの信頼を失ってしまっているのであれば、夫婦関係そのものに溝や亀裂が生じている可能性が高いでしょう。
「そういえば妻は自分と一緒に過ごすことを避けている」と感じているのであれば、妻からの信頼を失った理由を探してみてください。ちなみに強い信頼関係があれば、少しの裏切りや失敗で揺らぐことは考えにくいです。簡単に揺らぐのであれば、妻にとってあなたは「ただの同居人」としてしか見られていない可能性があります。
セックスレス状態になっている
妻が求めているのに夫が拒否している状態のセックスレスだと、夫への興味や関心が失われても仕方ありません。結婚生活が長くなるにつれ、セックスレスで悩んでいる夫婦は増えるとされています。夫婦のどちらも性交渉を持ちたくないと考えているならいいのですが、夫が一方的に拒否している状態では、次第に夫に興味がなくなってしまいます。
「夫婦のセックスレスに関する実態調査」の第1報(2023年調査)によると、68.2%がセックスレス傾向にあるという結果に。セックスレスでも夫婦仲が良いケースもありますが、相手に興味がない状態では、性交渉を持とうという気もなくなるのはある意味当然です。
妻への興味がなくなった理由
では夫は、どのような理由から妻への興味を失ってしまうのでしょうか。
妻に不満がある
妻に興味がない夫の中には、妻への不満がたまっている可能性があります。不満の原因は様々で、双方の考え方や価値観の違いのこともあれば、日ごろの妻の言動にイライラしているのかもしれません。妻に注意しようとしても、何か言うと喧嘩になってしまうため、妻に極力話しかけないという夫もいます。
不満がたまっていくと、それに比例して妻への愛情も冷めていくことが少なくありません。話しかけても夫が反応してくれなくなった、自分を避けるようになったと感じたら、夫は自分に不満を感じているのではと考え、自分の今までの言動と夫の反応とを振り返ってみてください。
何をしても感謝されない
何をしても妻に感謝されないと感じると、妻に対する興味を失ってしまう人もいます。妻や子どもを養うために、毎日大変な仕事を頑張っている人もいるでしょう。仕事でどんな辛いことがあっても、家族のために我慢していることもあるはず。
そんな夫の努力や苦労をねぎらうこともなく、当然だと思って生活をしている妻がいると、「自分はこんなに頑張っているのに感謝すらされない」と、愛情もなくなってしまう可能性があります。
女性として見られなくなった
妻を女性として見られなくなると、異性としての興味や関心を失ってしまう男性がいます。結婚当初は身だしなみに気を使っていた妻でも、結婚生活が長くなるにつれてメイクや服装に気を使わなくなってしまうこともあります。また子どもが生まれて自分の事に構っている暇がないという場合もあるかもしれません。しかし妻を女性として見られなくなると、愛情が醒めてしまう夫もいます。
他に好きな人ができた
妻の他に好きな女性ができても、妻への興味は失われてきます。とくに男性は女性と違って、同時進行が苦手な傾向があります。そのため新しく興味を向ける対象ができてしまうと、それ以外のことに興味を失ってしまうのです。妻に興味がないだけでなく、何かに夢中になっている様子であれば、夫の浮気を疑った方がいいのかもしれません。
興味がないように見えるだけのことも
興味がないように見えるだけで、妻の思い過ごしであるという場合もあります。妻が同じ空間にいるのが当然で、信頼しきっている状態だと、妻が何をしていても気に留めなくなる男性がいます。それを「私に興味がなくなった」と感じてしまうという訳です。
しかし普段は関心や興味がないように見えても、心の中では大切に思って愛情を持っています。全幅の信頼を置いている相手だからこそ、妻が一人で外出しても「浮気しているのかも」と疑うことはありません。
離婚を考えている
妻に興味がない夫の中には、離婚を考えている人もいます。異性としての愛情はもちろん、家族としての愛情も失い、妻と極力距離をとろうと考えているのであれば、当然ながら妻への興味も失われます。妻と一緒にいるのを苦痛と感じている夫もいるでしょう。
とくに他に好きな人が出来たり浮気をしている場合には、その相手に関心が向き、妻への興味は失われます。離婚を考えているほど深刻だと、妻への興味や関心を取り戻すのは簡単ではありません。
妻に興味がない夫とは離婚すべきかお悩みの方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「妻に興味がない夫と離婚すべき?やりがち行動とその原因、妻が取れる対処方法とは?」
夫婦関係が危ない⁉終わっている夫婦かどうかのチェックリスト
パートナーに興味がないだけでなく、夫婦仲が終わってしまうと事態は深刻です。夫婦関係が危ないかどうか、下のリストを参考にしてチェックしてみましょう。
- 夫婦の会話がほとんどない
- 相手と目を合わせない
- 相手の予定が気にならない
- パートナーの他に好きな異性がいる
- 何かトラブルがあると相手のせいにする
- パートナーに言わない秘密が増える
- 助け合おうという気持ちがなくなる
- 長期間のセックスレス
- できる限り別の部屋で過ごしている
- 同じ空間にいても違うことをする
- パートナーのために食事や洗濯などをしない・したくない
- パートナーの親族との交流がなくなる
- 一緒の空間にいるのがストレスになる
- 夫婦喧嘩が絶えない
- 子どもを介してパートナーとコミュニケーションをとる
- 相手の不幸を望むようになる
- 将来的な計画にパートナーが含まれない
当てはまる項目が多ければ多いほど、夫婦関係は危機的です。離婚したくないのであれば、何か知らの対処が必要になります。
パートナーに興味を持ってもらうための対処法
パートナーからの愛情が感じられなくなったときには、再び興味を持ってもらうためにすべきことがあります。離婚を避けたいと思っている人も、こちらを参考にして夫婦関係を改善する努力をしましょう。
思いやりを持って接する
パートナーに興味を持ってもらうには、思いやりを持って接するのが鉄則です。結婚生活が長くなり、相手がそばにいるのが当然になってくると、お互いに遠慮がなくなります。いつの間にか相手への思いやりの気持ちも薄れてきているのではないでしょうか。
しかし夫婦関係を良好に保つには、相手への思いやりが大切です。相手の気持ちを察して、気遣いの言葉やちょっとした心配りをしましょう。相手が穏やかな気持ちで、毎日を心地よく過ごせるよう、できることから実践していきましょう。
相手の気持ちに共感する
相手の気持ちを取り戻すには、相手の話をきちんと聞いて共感の姿勢を示すことがポイントです。たとえ話が愚痴ばかりであっても、途中で席を立ったり上の空で相槌したりせず、最後まできちんと話を聞きましょう。そのときに聞かれてもいないアドバイスをしたり、相手の考えを頭ごなしに否定するのはNG。
「あなたに何が分かるの?」と相手の怒りが自分に向いてしまいます。そうするよりも相手の気持ちをそのまま受け止め、「それはつらかったね」といった言葉をかけるようにしましょう。相手も共感を得られたことに満足するでしょう。愚痴を話してスッキリすると、やがて夫婦の会話の大切さに気が付き、愚痴以外の話題で会話が弾むはずです。
挨拶や感謝の気持ちを伝える
パートナーのことを気にかけている態度を、あいさつや感謝の気持ちで伝えるという方法もあります。「おはよう」「行ってらっしゃい」「おかえり」などの挨拶を欠かさず、相手に何かしてもらったら「ありがとう」という感謝の言葉を口にしてください。
相手も「自分の事を気にかけてくれている」と感じれば、あなたへの興味や愛情が戻ってくるかもしれません。会話をしたがらない相手だと、「急にどうして?」と思われることもあるでしょう。しかしめげずに積極的に挨拶をしたり、感謝の言葉を伝えていると、次第に心を開くようになるかもしれません。
一緒に過ごす時間を増やす
パートナーと自然な会話ができるようになったら、次第に一緒に過ごす時間を増やしていきましょう。相手が家事や育児に追われている場合には、自分が積極的に動いて一息入れられる時間を作ってあげてください。
一緒に過ごすといっても無理にデートに誘う必要はありません。最初は一緒に買い物に行ったり、料理を作るということで十分。初めのうちは沈黙の時間が多くなるかもしれませんが、様々なシチュエーションを一緒に過ごすことで会話が増え、互いの理解が進むと再び自分に関心を持ってもらえるようになるでしょう。
本音で話し合う
興味や関心を持たれなくなった現状について、本音で話し合うことも必要です。相手の本当の気持ちが分からないと、適切な対応も立てられません。実際に話し合うことで、相手の本心が知れるだけでなく自分への不満が聞けるかもしれません。互いの気持ちを知って、2人で解決方法を見出すことが、夫婦関係修復の第一歩です。
離婚を回避するためのケース別対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚を回避したい…【ケース別】離婚を切り出されたときにすべきことと状況別対処法とは?」
身だしなみに気を付ける
異性としての愛情がなくなったのでは?と感じる場合には、身だしなみに気を付けるようにしましょう。夫と過ごす時間が長くなり、家事や育児に追われるようになると、夫の前で無防備な姿を見せてしまう時間が増えます。
しかしそんな妻の姿を見て、異性としての愛情が薄れてしまう男性は少なくありません。家族としての愛情はあっても、恋愛感情を抱くことは減っていきます。そうした事態を打破するには、身だしなみに気を付けて女性としてきれいな姿を見せることも大切。身ぎれいにするだけでなく、日ごろの振る舞いやしぐさも上品になるよう心がけると、夫も見直してくれるはずです。
カップルカウンセリングを受ける
2人だけで話し合っても対処法が見つからないときには、カップルカウンセリングを受けるという方法があります。カウンセリングとは、夫婦やカップルが抱える問題や悩みについて、専門のカウンセラーの協力を得ながら、問題の解決や関係改善を目指すもの。
カウンセリングやセラピーを通じて互いの気持ちを理解することで、その夫婦に適した効果的な対処法をアドバイスしてもらえます。夫婦二人で受ける他に、どちらかが一人でカウンセリングを受けることも可能です。
夫婦カウンセリングを意味あるものにするためには、こちらの記事を参考にしましょう。
「夫婦カウンセリングは意味ない?カウンセリングに向かない人と意味あるものにするためのポイントとは」
興味がないパートナーとは離婚を考えた方がいい?
前出の対処法を試してみても、どうしても相手に興味が持てない、興味を持ってもらえないというときには、離婚を考えた方がいいのでしょうか?こちらでは離婚に対する考え方や、離婚を決意した場合の相手への伝え方について解説していきます。
パートナーへの愛情があるか考える
自分に興味がないパートナーとの離婚を考える前に、まずは自分が相手をどう思っているか自分自身に問いかけてみましょう。相手への愛情が残っているのであれば、離婚を選択しない方がいいでしょう。とくに自分への興味がないという状況にショックを感じるのであれば、相手への愛情はしっかりと残っています。
これから関係改善のために行動していくと、相手の気持ちが変化していくかもしれません。
別居してみる
パートナーに興味がないために離婚を考えたときには、離婚を決意する前に別居してみるのも一つの手です。一度物理的に相手と離れることで、自分の気持ちを整理できます。また別居することで、相手の気持ちに変化が生じる可能性もあります。
とくに多くの男性は興味がない妻とでも、他に好きな人がいない限りは妻との離婚を望む人は少ないです。離婚目前に感じるようになれば、状況を改善できるように努力したり、再度妻に興味を示す可能性も出てきます。
万が一離婚となった場合でも、別居状態にある夫婦は「夫婦関係が破綻している」とみなされるので、同居中よりもスムーズに離婚できる可能性が高まります。
離婚したい人向けの別居前の準備マニュアルは、こちらの記事を参考にしましょう。
「【離婚したい人向け】別居前にやること・準備マニュアル|知っておくべきポイント・注意点とは」
子どもへの影響を考える
興味がないパートナーとの離婚を考えたときには、子どもへの影響についても考えてください。パートナーへの興味がないだけで、夫婦仲が良好だったり家族としての愛情がある場合には、子どものために離婚は避けた方がいいでしょう。
一方で夫婦の会話が全くない状態や、家庭内別居の状態だと、子どもの心身の発育に悪い影響を与えます。子どものためにも、離婚を決意した方がいいかもしれません。会話のない夫婦の元で育った子どもには、次のような影響があるとされています。
- コミュニケーション能力が育たない
- 情緒不安定になる
- 感情表現が苦手になる
- 家族のいい思い出がない
- 結婚や異性との交際へのあこがれがなくなる
- 何かしらの依存症になりやすい
- 成長すると精神疾患を発症しやすい
子どもは親の不和やストレスを敏感に感じ、子ども自身の心理的な安定に影響を与えます。そのため夫婦仲が悪いと、子どもに大きな影響を及ぼします。夫婦の不和が過程全体の雰囲気を悪くし、それがさらに関係回復を難しくするという悪循環に陥りがちです。
どうしても離婚しかないと思ったら…
子どものため、自分のためにどうしても離婚しかないと決意したら、どのようなことをしていけばいいのでしょうか。
離婚理由があるか確認
まずは「相手に興味が持てない」「価値観や性格が合わない」といったあいまいな離婚理由を、明確にする必要があります。具体的に相手のどんなところが嫌いなのか、自分と合わないのかを紙に書きだしてみてください。信頼できる人に相談して、やり取りしていくうちに自分の本心に気づけることもあります。
この作業は自分の気持ちをはっきりさせるだけでなく、相手に離婚の意思を伝える場合にも役立ちます。離婚したい理由があいまいでは、相手も納得できる訳がありません。具体的に相手のどのような態度や言動が嫌なのかを説明できれば、態度を改めてくれるかもしれません。また離婚したい意思を尊重して、離婚に同意してくれる場合もあるでしょう。相手に離婚を切り出す前に、もう一度自分の気持ちと向き合ってみましょう。
相手に離婚の意思を伝える
離婚したい理由を明確にできたら、相手に離婚の意思を伝えてください。そのとき重要なのは、相手の人格を否定しないことと、感情的にならないことです。相手の存在そのものや生き方、結婚生活自体を否定してしまうのはよくありません。
価値観や性格が合わないだけで何も落ち度もないのに、一方的に離婚を切り出されて人格まで否定されてしまっては、どんな人でも深く傷ついてしまいます。それだけでなく相手に恨まれて、離婚をさらに拒否されてしまうかもしれません。離婚を切り出すときには本音はともかくとして、表面上は相手に対する感謝や尊敬の気持ちを強調することが重要です。
離婚を切り出すのに適したタイミングは、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚を切り出すのに適したタイミングは?切り出す前の注意点とケース別対処法」
パートナーに興味がない人の離婚の可否・条件とは
パートナーに興味がないという理由で離婚したいとき、離婚は可能なのでしょうか?同様の理由で離婚するときの条件についても見ていきます。
性格が合わない・価値観の不一致による離婚
性格が合わないという理由や価値観が合わないといったことから、パートナーに興味が持てずに離婚したいと考える人は少なくありません。
裁判所が公表している令和2年度司法統計「婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別」によると、「性格が合わない」という理由で離婚を申し立てた数は、夫側の申立て総数15,500件のうちで9,240件、妻側の総数43,469件のうち16,304件と、全ての動機の中で最も高い割合です。
「性格が合わない」という動機の中には、趣味や価値観が合わない、恋愛感情が持てなくなったなどの理由が含まれます。このような理由で結婚生活を継続させることに限界や苦痛を感じている人が、とても多いということが分かります。
性格の不一致で離婚する方法は、こちらの記事を参考にしてください。
「性格の不一致で離婚する方法|気になる離婚条件や有利に離婚するポイントを解説」
セックスレスによる離婚
パートナーに興味がなくなった結果、セックスレスになった場合にも離婚理由になります。前出の司法統計でも「性的不調和」という理由があります。夫側の申立てでは全体の11.3%、妻側からの申立てでは6.5%の割合です。
6割以上の夫婦がセックスレス状態であるという現状を見ると、他の人に言わないだけで、セックスレスで離婚を考えている人は少なくないのかもしれません。
セックスレスが原因で離婚が認められるかについては、こちらの記事を参考にしましょう。
「セックスレスで離婚する方法|認められる条件や有利に離婚する4つのポイントとは」
合意できれば離婚できる
パートナーに興味が持てないために離婚を考えた場合、相手の合意が得られれば離婚が可能です。日本では9割以上の夫婦が、双方の合意のみで離婚が成立する「協議離婚」を選択しています。協議がもつれて家庭裁判所での調停になった場合でも、双方が合意できれば離婚が成立します。
離婚の仕方と手続き方法について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚の仕方と手続き方法|後悔しないための離婚条件とを切り出す前にすべき離婚準備を徹底解説」
合意がないときには法定離婚事由が必要
協議や調停で合意が得られないときには、最終的に離婚裁判という方法があります。ただし離婚裁判を申し立てるには、民法第770条で定められている「法定離婚事由」が必要です。5つある法定離婚事由の内容は以下の通りです。
1.配偶者に不貞な行為があったとき | 配偶者以外の異性と性的関係を持ったとき |
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき | 働いているのに生活費を払わない、理由もなく無断で家を出ていった、不倫相手と生活するために家出したなど |
3.配偶者の生死が三年以上明らかでないとき | 3年以上行方不明で連絡が全く取れない、遭難して生死が分からないなど |
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき | 統合失調症や偏執病、認知症や失外套症候群などを発病し回復の見込みがないとき |
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき | DV、モラハラ、セックスレス、性的異常、過度の浪費や借金、親族との不和、長期の別居、犯罪による服役など |
相手が不倫したことで興味を持てなくなった場合には、法定離婚事由の「不貞な行為」に該当する可能性が高いでしょう。また相手のモラハラやDV、セックスレスによって愛情が醒めてしまったときには、5番目の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」と認められる可能性があります。
上記に当てはまる理由がないときには、相手をどれだけ説得できるかがポイントになります。相手に何も落ち度がない場合には、離婚を希望する側が譲歩(妥協)する点が増えるということに注意すべきでしょう。
離婚裁判で負ける理由とその対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚裁判で負ける理由|統計からみる裁判結果と裁判を進めるコツ&負けたときの対処法とは」
長期間の別居があれば離婚事由になることも
民法第770条の「法定離婚事由」に該当する離婚理由がない場合でも、長期間の別居があれば裁判で離婚が認められる可能性があります。というのも長期間の別居それ自体で、夫婦関係が破綻していると認められる可能性があるためです。
客観的に夫婦関係が破綻していると判断するためには、家庭内別居や単身赴任ではなく夫婦が完全に別居していることが条件です。別居期間の目安はケースバイケースですが、通常は3~5年程度で離婚が認められる傾向にあります。
ただし相手に何も告げずに黙って別居してしまうと、後のトラブルに発展する可能性があります。夫婦には民法で定められた同居義務があり、正当な理由なく別居するとこの義務に違反しているとみなされるため。相手に落ち度があった場合でも、法定離婚事由の5番目「悪意の遺棄」と判断される可能性があるので気を付けましょう。
別居1年で離婚が認められるかについては、こちらの記事を参考にしましょう。
「別居期間1年で離婚できる?長引く・認められないケースと早く離婚するポイント」
「興味がない」だけで離婚した場合の離婚条件
パートナーに興味がないというだけで離婚した場合、離婚を切り出した側の離婚条件は不利になってしまうのでしょうか?
財産分与
財産分与は離婚理由がどうであれ、夫婦で1/2ずつ分配するのが原則です。対象となる財産は結婚期間中に夫婦が協力して築いた預貯金や不動産、自動車や有価証券などで、結婚前からある預貯金や贈与・相続によって取得した財産は含まれません。夫婦の職業や収入に関係なく、等分に分け合うことになります。
ただし相手が離婚を拒否している場合には、金銭面で譲歩しなければならないケースがあります。相手に離婚を受け入れてもらう代わりに財産分与の取り分を多くするなどの工夫が必要になる場合もゼロではありません。
離婚時の財産分与で不動産をどうするかについては、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚時の財産分与で不動産どうする?【ケース別】財産分与の方法と事前の確認ポイントとは
慰謝料
離婚理由が不貞行為やDVなど、民法上の「不法行為」に該当しない場合には、離婚時の慰謝料は発生しません。そもそも離婚時の慰謝料とは、離婚の原因が相手の有責行為(不法行為)であるときに、受けた制止的苦痛に対して支払われる損害賠償金のこと。
性格が合わない、異性として愛情が持てなくなったという理由では、不法行為とみなされないため、離婚慰謝料の請求が認められません。一方で相手の不貞行為などで離婚を決意したときには、慰謝料請求が可能です。不貞の証拠を確保したうえで、相手と交渉しましょう。
協議離婚の慰謝料相場については、こちらの記事を参考にしましょう。
「協議離婚の慰謝料相場が知りたい!増額・減額できる秘訣や慰謝料の決め方を解説」
離婚解決金
相手に非がない離婚で相手が拒否しているときには、離婚解決金の支払いが必要になる可能性があります。相手に離婚を納得してもらうための材料として、金銭面でこちらが譲歩する必要があるためです。このような金銭のことを「離婚解決金」と呼ぶこともあります。
慰謝料のようにまとまった金銭を支払うケースもあれば、相手の引っ越し費用などを負担する方法や、財産分与を多くするという方法もあります。とくに相手が専業主婦やパート勤めで離婚後の生活に不安が生じる場合には、離婚を拒否する可能性が高いです。生活が安定するまで継続的に支援するなど、離婚を受け入れてもらう工夫が必要になります。
相手に離婚を拒否されたときの対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「相手に離婚を拒否されたら?拒否する理由とその後の対処方法、やってはいけないNG行為とは?」
親権・養育費・面会交流
子どもの親権をどちらが持つかは、離婚理由がどうであれ子どもにとっての利益や福祉が最も重視されます。離婚届を提出するときには、親権を父母のどちらにするか決めて記入していないと、受理されません。そのため離婚の話し合いのときに、子どもの親権についても話し合ってください。
養育費は親権を持たない側の親が、親権を持つ側の親に支払う費用のこと。子どもの教育費や生活費などに使われます。養育費の支払いは、離婚後であっても親としての義務です。時間が経つにつれ支払われなくなることが多いですが、子どものためにしっかりと支払うようにしてください。
親権を持たない側の親は、子どもと定期的に会う面会交流権があります。離婚時にどのくらいの頻度で実施するかや連絡方法について、あらかじめ決めておきましょう。
男性が離婚を決めたときにすべきことと親権をとる方法については、こちらの記事を参考にしてください。
「子持ち男が離婚を決めるとき|離婚を決めた後にすべきこと&親権を取るための方法とは?」
どうしても離婚したいと思ったら…弁護士に相談
相手に非がなく興味が持てなくなったという理由で離婚したいときには、弁護士に相談してください。相手との交渉を任せられて、協議や調停で離婚できる可能性が高まります。また相手に非がないと思い込んでいても、弁護士から見ると法定離婚事由に該当していたという場合も。
慰謝料請求する場合や離婚裁判では、離婚理由に関する証拠の確保が必須です。弁護士は法的に有効な証拠の集め方についてもアドバイスできるので、1人で悩まずに早めに弁護士に相談してください。
まとめ
パートナーに興味がなくなる理由は様々ですが、最も気を付けたいのはコミュニケーション不足や価値観の違いから起こる夫婦間の気持ちのすれ違いです。ちょっとした挨拶や感謝の気持ちの伝え方、身だしなみに気を付けるといったことで夫婦仲が改善する可能性があります。
離婚するかどうか真剣に悩んだときには、相手への愛情がまだ残っているか自分に問いかけ、子どもへの影響を考えましょう。別居してみるのも一つの方法です。相手に離婚を切り出す前には、離婚理由を自分なりに明らかにして感情的にならずに話をしてください。
相手に非がなく離婚を拒否しているときには、金銭面で譲歩が必要な場面も。なんとしてでも離婚をしたいときには、早めに弁護士に相談したうえで、スムーズに離婚できる方法をアドバイスしてもらってください。