離婚を切り出すのに適したタイミングは?切り出す前の注意点とケース別対処法

離婚を切り出すのに適したタイミングは?切り出す前の注意点とケース別対処法
離婚を切り出すのに適したタイミングは?切り出す前の注意点とケース別対処法
  • 「離婚したいことを相手に伝えたいが、伝え方やタイミングを迷っている」
  • 「夫に離婚を切り出すと逆上しそうで怖い。どうすればいい?」

配偶者と離婚したいと思っていても、実際に離婚話を相手に切り出すとなるとなかなか勇気が出ない、タイミングが分からないと悩む方は多いです。離婚はできるだけ円満に進めていきたいものですが、伝え方によっては相手が逆上する、もしくは話し合いがこじれることも。

この記事では配偶者への離婚の切り出し方やタイミングについて解説。円満に離婚手続きを進めるための事前準備実際に相手に離婚話をする際の注意点についても紹介しています。配偶者に離婚話を切り出すことを考えている方はぜひ参考にしてください。

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目次

【ケース別】離婚の切り出し方

離婚の理由は夫婦によって異なり、離婚を切り出す際の注意点も状況によって変わります。まずは離婚理由を大きく以下の3つに分け、離婚を切り出すタイミングや注意点について解説します。

  • 明らかに相手に原因がある場合
  • 性格や価値観の違いが理由の場合
  • 自分に好きな人ができた場合

明らかに相手に原因がある場合

まずは相手側にはっきりとした離婚原因がある場合です。離婚裁判において法的に離婚ができる理由、いわゆる法的離婚事由に含まれるものが該当します。具体的には以下の通りです。

  • 配偶者の不貞行為
  • 配偶者からDV・モラハラ行為を受けている
  • 婚姻生活の協力を拒む(悪意の遺棄)

配偶者の不貞行為

相手が配偶者以外の異性と肉体関係を持っている、不貞行為があるパターンです。法的知識がない方でも不倫は慰謝料請求の対象であることを知っている方は多いです。そのため不倫の事実を指摘すると大半の人が言い逃れをしたり、ごまかそうとしたりします。

そのため離婚を切り出す前にまず不貞行為の証拠を確保してください。不貞行為の証拠は慰謝料請求や離婚裁判でも有力な証拠になります。証拠として有効な物の例は以下の通りです。

  • 二人でホテルに出入りする写真
  • ホテルを利用した領収書
  • 肉体関係を匂わせるLINEなどのやりとり、音声
  • 本人や不倫相手による証言

証拠を用意する場合は偽装と疑われないような工夫も必要です。音声や録画は切り取ったものや編集したものではなく、ひと続きになったデータを用意します。LINEやメールのやりとりは偽装が安易ですので、相手のスマホに表示されたトーク画面を、相手のスマホ本体が入るように撮影をすると証拠として強力なものになります。

配偶者からDV・モラハラ行為を受けている

配偶者からDVやモラハラを受けている場合は離婚を切り出すより先にあなたの身を守ることを優先してください。これ以上被害に遭わないよう配偶者と別居し、距離を取りましょう。

別居先がすぐに確保できない場合は警察もしくは配偶者暴力支援センター、福祉事務所に相談してください。相談の結果保護が必要だと判断された場合、シェルターで一時保護を受けられます。

DVを行う配偶者に直接離婚を切り出すと逆上し、暴力が悪化する恐れがありますので直接会って離婚を告げることは避けてください。手紙やメールなどで伝えるか、弁護士に依頼をし弁護士から相手に伝えてもらいましょう。

婚姻生活の協力を拒む(悪意の遺棄)

民法において夫婦は同居し、お互いに協力、扶助し合う義務が定められています。

(同居、協力及び扶助の義務)
第七百五十二条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。
引用:e-Gov法令検索|民法

これに反する行為、すなわち同居義務違反・協力義務違反・扶助義務違反を悪意の遺棄と呼び、法的離婚事由にも該当します。それぞれの違反の具体例は以下の通りです。

同居義務違反
正当な理由なしに勝手に別居する・配偶者を家から追い出す
協力義務違反
故意に迷惑をかける・家事や育児に協力しない
扶助義務違反
生活費を支払わない

正当な理由なしに別居している、生活費を渡さないといった行為は悪意の遺棄に該当し、相手の非を原因に離婚ができます。しかし不貞行為と同様に悪意の遺棄を根拠に離婚を認めてもらうためには証拠が必要です。

同居義務違反

同居義務違反に該当するケースは、無断で家を出て行く、別居の理由を何も言わないなど理由なしに別居をしている場合です。理由を聞いているにも関わらず返事がない、もしくは答えようとしないという通話記録、LINEやメールの記録は同居義務違反の証拠になります。

なお別居の際に相手が「しばらく頭を冷やしたい」「距離を置きたい」等のような理由を告げ、あなたがそれに対し「分かった」と返事をした場合は合意のもと別居しているとみなされ、同居義務違反には該当しません。

協力義務違反

協力義務違反はわざと相手に協力しない行為が該当しますが協力義務違反は他の二つの違反と比較すると基準が曖昧です。

例えば家事や育児を手伝わないことは相手に協力をしない行為です。しかし自分の仕事が極めて多忙な場合、協力したいと思っていても協力しにくいのが現状でしょう。逆に育児休暇を取得しているにも関わらず家事や育児を放棄している、遊んでばかりで家庭を省みない行為は協力義務違反に該当します。

自分の配偶者の行為が協力義務違反に該当するか否か、どう証拠を固めるべきかは個々の状況によって異なります。離婚問題に詳しい弁護士などの専門家の意見を聞くことをお勧めします。

扶助義務違反

扶助義務とはお互いに助け合い、同じレベルで生活ができるようにする義務を指します。家計を支える側が家庭に生活費を入れず、もう一方のパートナーの生活に支障が出ている場合は扶養義務違反に該当します。

相手の預金通帳や源泉徴収票など収入が分かるもの、相手が自分だけ浪費していることが分かるレシートやカード明細が証拠として有効です。

性格や価値観の違いが理由の場合

性格や価値観の違い、いわゆる「性格の不一致」は法的離婚事由に該当しませんので、話し合いもしくは調停で相手の同意を得ないと離婚ができません。そのため相手との離婚話は慎重に進めていく必要があります。感情的にならず冷静な対応を心がけ、相手とじっくり向き合うことを心がけましょう。

性格の不一致を理由に離婚する方法については、以下の記事で詳しくまとめています。離婚が認められるケース、性格の不一致で離婚する際の注意点について知りたい方はぜひお読みください。

性格の不一致で離婚する方法|気になる離婚条件や有利に離婚するポイントを解説

自分に好きな人ができた場合

他に好きな人ができたことを理由に離婚したい場合、正直に伝えたほうがすんなり離婚できるのではないかと考える方もいるはずです。しかし円満離婚を目指す場合は別の理由を伝えることをお勧めします。

好きな人のことを相手に伝えると、配偶者が嫉妬心から頑なに離婚を拒む可能性が高いです。相手が慰謝料請求をする可能性もあり離婚成立までに時間がかかる恐れがあります。

配偶者以外に好きな人ができ、離婚を考えている方は以下の記事もぜひお読みください。離婚をすべきかどうかの判断基準、離婚を切り出す前にできることを詳しくまとめています。
好きな人ができた…離婚できるか知りたい人必見!判断のポイント&やるべき7つのこと

離婚を切り出す手段は何がベスト?

離婚を切り出す際の言葉は個々の状況によって異なります。しかしそれ以前にどの手段で伝えるべきか迷っている方、直接伝えることに抵抗があり踏み出せない方もいるはずです。そこで離婚を伝える際に適した手段について、方法ごとにメリットやデメリットを解説をしていきます。

口頭で伝える

普段の生活においてはメールやLINEでのやりとりが当たり前になりつつあります。しかし重要な事については「直接口頭で伝えたほうがよい」と考えている人も多いでしょう。

お互いに冷静に話し合いができる状況であれば、まずは直接合って話すことを考えてください。一方的に話をするのではなく、相手の意見も確認する、あくまでも話し合いをするという姿勢を心がけてください。

電話で伝える

相手が暴力を振るうなどの理由で直接会うのが危険な状況である、もしくは別居していて直接会うのが難しい場合は電話で伝えるのがお勧めです。電話ならあらかじめ話すことをメモにまとめておき、それを見ながら話すこともできます。

メールやLINE、手紙で伝える

口頭で伝えるのが難しい方はメールやLINE、手紙で伝えるのもよいでしょう。文章を書いた後見直しや訂正を行い、伝える内容をじっくり吟味できます。ただ相手に伝わる情報が文章だけのためあなたの気持ちや真意が伝わりにくいことがあります。相手に直接伝える場合と同様、相手の意見も聞きたいという姿勢を大切にしましょう。

弁護士など第三者を介する

離婚は夫婦間の問題ですので、本来ならば二人で今後のことを話し合うのが一番です。しかし以下に該当する場合は弁護士に依頼し、弁護士から配偶者に伝えてもらうことも視野に入れてはどうでしょうか。

  • 話し合いをしたが結論が出ず、これ以上対話をしても意味がない
  • 相手が逆上する等、話し合いができない状況である
  • 明確な離婚原因があり、裁判による離婚も考えている

弁護士に依頼をすることで相手とのやりとりを一任できます。離婚裁判に発展した際の手続きも任せられるため、離婚の意思が固い場合は早い段階で相談する事務所を検討するのもよいでしょう。

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親族に伝えてもらうのは避ける

離婚をしたいと思っていてもなかなか伝えられず、親など親族に間に入ってもらおうとする人も実際にいます。もしくは離婚相談を受けた親が子を心配し、自分から子の離婚問題に介入する親もいます。

親族は第三者ですが、自分の身内を優先してしまうため中立とは言えません。自分以上に感情的になったり、離婚協議の内容に納得せず抗議したりなど、無用のトラブルを招く恐れもあります。親族への相談は慎重に判断してください。

離婚を切り出すタイミングを決める目安

では次に離婚を切り出すタイミングの決め方についても解説をしていきます。子どもがいる場合はできる限り子どもに影響が出ない時期を考えましょう。配偶者の退職も離婚を切り出すよいタイミングです。

離婚を切り出してから離婚成立までは、円満に話し合いが進んだ場合それほど期間がかかりません。しかし離婚ができる時期は自分だけは決められません。相手がなかなか離婚に応じない場合に備え余裕を持って時期を決めてください。

子どもの年齢

夫婦間に子どもがいる場合は子どもにも離婚の影響が及ぶため、できるだけ影響が少ない時期に離婚できるようにします。一番よいのは学校が変わるタイミングです。在学中に突然子どもの苗字が変わった場合、どうしても目立ちます。悪気なく苗字が変わった理由を聞いてくる友達もいるかもしれません。進学で学校が変わるタイミングであれば苗字が変わっても目立ちにくいです。

子が受験生の場合、環境が大きく変化することで勉強に支障が出る恐れがあります。DVなど緊急の場合を除き受験が終わった後に離婚したほうがよいでしゅおう。

配偶者の退職

配偶者の退職など、ライフスタイルが変わる時期は離婚を切り出しやすいです。実際に夫の定年退職をきっかけに離婚を決める女性は珍しくありません。ただ相手が離婚を拒みそうな場合は退職前に離婚を切り出しましょう。

相手が離婚に反対し、離婚より先に別居することになった場合は配偶者に婚姻費用を請求できます。婚姻費用とは、夫婦が別居する際に収入が多い方から少ない方へ支払をする生活費のことで、金額はその時の収入を基準に決められます。もし相手が退職していた場合、受け取れる婚姻費用が少なくなる恐れがあります。

離婚し家を出る準備が整った時

子どもの年齢などを考慮して離婚のタイミングを考えることは大切ですが離婚で一番優先すべきなのはあなたの気持ちです。「子どもが小さいから」「高校生になったら」「成人したら」等の理由で離婚したい気持ちを抑えこんでいるといつまでも離婚はできません。

一度結婚した夫婦ですので、関係が修復できれば本来はそれが一番です。しかし修復ができず相手と一緒にいることが苦痛になっている場合、その気持ちを押し殺したまま夫婦生活を送ることは大変なストレスであり、自由な生活へ踏み出す機会を逃し続けていることになります。

既に離婚したい気持ちが固まっていて、家を出て行く準備もできているのであれば、それがあなたの離婚を切り出すタイミングです。

離婚を切り出す前にやっておくこと

離婚は離婚届を提出できた時点で成立しますが、離婚に際しては考えるべきことや準備すべきことがたくさんあります。離婚の手続きが円満に進められるよう、あらかじめ充分に準備をしておきましょう。

自分の気持ちを整理する

離婚を切り出す前にまずは自分の気持ちを整理しましょう。離婚を切り出せずにいる方の多くは、本当に離婚すべきか迷っている方です。まずはなぜ離婚をしたいのかを書いてまとめてみてください。そしてその理由に改善の余地がないかを確認します。

例えば、相手が育児や家事をしないことを理由に離婚したいケースです。家事や育児を手伝わない男性の中には「何をしたらよいか分からない」「自分が手を出すとかえって迷惑になる」と考えている人も実際にいます。そのような配偶者にはまず自分の要望を伝えるのが先です。

離婚は人生を大きく変える決断であり、デメリットもありますので離婚はあくまでも最終手段と考えるべきです。手を尽くしても夫婦関係が改善せず、パートナーと別の道を歩む決心がついたのであれば離婚を選択しましょう。

相手が有責配偶者の場合は証拠を集める

相手に不倫やDVなどがある場合、離婚話が浮上した時点で自分が不利になると考え、証拠を隠す恐れがあります。相手が離婚に反対し裁判へ進むことも考え離婚を切り出す前に充分な証拠を集めてください。

離婚後の生活をどうするか考える

離婚後は配偶者と離れ、新しい生活を開始することになります。あなたが家を出ていく場合は離婚後の住居をどうするかについても考えておいてください。働いていない方は離婚後の生活を支えるための仕事も探しておきましょう。

自治体ではひとり親向けの支援も行っています。自分が利用できる支援制度を確認し、離婚後にすぐ申請できるよう準備をしておいてください。

相手の反応を予想し対処法を考えておく

離婚を切り出した後の相手の反応を予想し、あらかじめ対処法を考えておくことも重要です。既に別居をしている場合、不倫がバレている場合は相手もすでに離婚を意識していることが多く、離婚話を切り出しても動じない方が多いでしょう。

しかし実際には、パートナーからの離婚話は多くの人にとって非常に衝撃の大きい出来事です。大半の方がすぐに返事はできません。返事の期限、なかなか返事がない場合の対処法をあらかじめ考えておきましょう。相手が離婚に強固な姿勢を見せそうな場合、弁護士を通して話し合うことも検討してください。

離婚を切り出す際の注意点

離婚話を切り出す準備ができたらいよいよ相手と話をする時です。まずは離婚を切り出す時間や場所、状況を考える際の注意点について解説をします。あらかじめ確認をしておき、万全の姿勢で対話に挑んでください。

  • 離婚を先に切り出すことで不利にはならない
  • お互いの気持ちが落ち着いている時に伝える
  • 感情的にならないよう心掛ける
  • 相手を非難しないようにする
  • 子どもがいない時に伝える
  • 密室を避ける
  • 返事に期限を設ける

離婚を先に切り出すことで不利にはならない

先に離婚を切り出すと、相手が「親権を譲るなら離婚する」「財産は一切渡さない」など、離婚への同意と引き替えにあなたに不利な条件を提示することがあります。

しかし法律上では先に離婚を切り出したほうが不利ということは一切ありません。あなたに非がない場合は相手の条件を受け入れる必要はないため、毅然とした態度で挑みましょう。

お互いの気持ちが落ち着いている時に伝える

離婚を切り出すタイミングはお互いの気持ちが落ち着いていて、冷静に話し合いができる時を選びましょう。例えば夫婦喧嘩をしている最中に離婚話になった場合は気持ちがヒートアップし、お互いに思ってもいないことを口走る恐れがあります。相手が落ち込んでいる時、不機嫌な時も避けるようにしてください。

感情的にならないよう心掛ける

離婚を切り出された側は大きく動揺し、正常な判断ができなくなります。逆上してあなたを非難する可能性もあります。そこで二人とも感情的になると夫婦喧嘩へ発展し、離婚に向けた話し合いが進まなくなります。できる限り冷静さを保ち、落ち着いた対話を心がけましょう。

相手を非難しないようにする

離婚の理由にはどうしても相手の悪い部分が含まれます。そのため離婚理由を聞く相手側は自分だけが責められている感覚に陥ります。

夫婦生活を送る中で、相手もあなたに何らかの不満を抱えていたかもしれません。それにも関わらず自分だけが責められた場合、自分だけが悪者にされるのは納得ができないと感じ離婚を拒む可能性があります。

離婚理由を伝える際には、以下のように相手ではなく自分を主語にした文章を心がけることにより、相手への攻撃性を軽減できます。

離婚原因の例 訂正前 訂正後
相手の不倫 「あなたが不倫したから離婚したい」 「私は不倫が我慢できないから離婚したい」
相手のDV 「あなたが暴力を振るうから離婚したい」 「私は暴力に耐えられないから離婚したい」

子どもがいない時に伝える

夫婦間に子どもがいる場合は必ず子どもがいない時に話をしてください。両親の離婚は子どもの人生にも影響を与える出来事ですので、離婚の話し合いに立ち合わせることは子どもにとって大きなトラウマになる恐れがあります。

またパートナー側が子どもを巻き込み、子どもに「離婚してほしくない」と言わせるケースもあります。そうなるとあなたも離婚への決心が鈍り、身動きが取れなくなるはずです。

密室を避ける

離婚は伝える場所にも注意が必要です。自宅で離婚話を切り出した場合、相手が部屋に閉じこもり話が進まなくなる恐れがあります。また密室で話をすると、逆上した相手が万が一暴力を振るった場合に周りに助けを求められませんので密室で話をするのは避けましょう。

敢えて家の外で話をすることで、お互いに感情的になることを避けられます。仕切りなどである程度のプライバシーが確保でき、距離を置いたところに第三者がいるレストラン、カフェなどのボックス席がお勧めです。

返事に期限を設ける

突然離婚を切り出されすぐに返事ができる人は稀です。繰り返しになりますが、離婚話をされると大半の人が大きく動揺し、正常な判断ができなくなります。相手に「少し考えさせてほしい」と言われても責めないようにしてください。

考える時間を設ける場合、必ず期限を決めるようにしてください。ただ期限を設けただけでは相手が動かないこともありますので、期限を過ぎて返事がない場合はどうするかについても伝えてください。具体的には、以下のように「離婚手続きに向けて行動する」という意思を伝えるとよいでしょう。

  • 〇日までに返事がなければ別居する
  • 〇日までに返事がなければ離婚調停を申し立てる

離婚を切り出した後の対話の流れ

離婚したいことを伝えた後は、相手から離婚の同意を得るために話し合いを進めていくことになります。相手の同意が得られたら離婚後のことについても相談し、書類を作成します。離婚を切り出してから相手の同意を得るまで具体的にどのように話を進めていくかについて、順を追って解説します。

  • 離婚の理由を伝える
  • 離婚後の生活に問題がないことを伝える
  • 離婚意思の強さを理解してもらう
  • 財産や親権、養育費について話し合う
  • 第三者を介し話し合う

離婚の理由を伝える

相手が離婚を意識していない場合、離婚したい理由を伝えないと話を進められません。まずは離婚理由を丁寧に伝えます。先に解説した通り相手を責める表現をできるだけ避け、具体的なエピソードも踏まえながら話しましょう。

離婚後の生活に問題がないことを伝える

離婚後の生活についての目途が立たないまま離婚を切り出した場合、離婚の気持ち強さが伝わらず、本気と受け取ってもらえない恐れがあります。離婚後の生活についても具体的に伝えてください。

現在あなたの収入がない、もしくは少ない場合

現在相手の収入を主に生計を立てている場合、相手は「離婚後に一人で生活できるわけがない」と金銭面を理由に反論するケースが多いです。離婚後の収入の目途が立っている場合はそれを相手に伝え配偶者なしでも生活ができるということを堂々と主張しましょう。

相手が離婚後に困窮する可能性がある場合

現在あなたの収入を主に家計が成り立っている場合、相手側は離婚後の生活に大きな不安を抱きます。相手が離婚後も生活ができるよう、養育費や財産分与などの具体的な条件を提示し、相手の不安を少しでも軽減することも重要です。

離婚意思の強さを理解してもらう

離婚を切り出された側は、悪い部分は改善すると主張し、関係修復を求めてくる可能性があります。あなたに夫婦関係を修復する意思がないのであれば、離婚の意思が固まっていて揺るぎないこと、そして悪い部分を今から改善しても意味がないことをきっぱりと伝えましょう。

財産や親権、養育費について話し合う

離婚の同意が得られたら夫婦間の財産分与、親権や養育費について話し合います。話し合いの内容がまとまったら、その内容を記した離婚協議書を作成してください。離婚協議書は法的拘束力がある公正証書で作成することを強くお勧めします。公正証書を作成しておくことにより、相手が養育費の支払を怠った際に財産の差し押さえができます。

公正証書は全国各地の公正役場で作成手続きができますが、離婚当事者二人が公正役場で面談する必要があり、非常に手間がかかります。代理権のある弁護士に依頼することにより公正証書作成の手続きを委任できます。

第三者を介し話し合う

離婚に向けて時間をとって話し合うことは大切ですが、話し合いが長引くことで精神的に疲弊し、新しい生活に向けたスタートを切ることができません。話し合いがまとまらず平行線になっていると感じた場合は見切りをつけ離婚調停に踏み切ることも大切です。

離婚調停については以下の記事でまとめています。離婚調停を短く有利に進めるためのポイントが中心ですが、具体的な流れについても詳しく解説していますので、離婚調停を検討している方はぜひお読みください。
離婚調停の期間を短く有利にするには?長引く原因や疑問を解決して新たな一歩を

まとめ

離婚を切り出す最良のタイミングに決まりはありません。子どもがいる場合は進学時に離婚のタイミングを合わせると子どもへの影響を軽減できます。離婚後は別々に生活を送ることになるため、仕事や住宅をどうするかよく考えてから離婚を切り出しましょう。離婚理由が法的離婚事由に該当する場合はあらかじめ証拠を集めておくことも重要です。

既に別居をしている、不倫がバレてお互いに離婚を意識している等のケースを除き、離婚を切り出された側は大きく動揺します。普段は温厚な方でも感情的になる可能性があります。円満な離婚のためにはできるだけ冷静に、落ち着いて話をすることを心がけましょう。どうしても話ができない場合、話し合いで解決しそうにない場合は弁護士など第三者を頼ることも視野に入れるようにしてください。

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  • 離婚したいけど相手が応じてくれない。
  • 離婚後の生活に不安を抱えている。
  • 親権の獲得や養育費をきっちり払ってもらいたい。
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