ラブホテルの領収書は証拠になる?不貞行為を証明できる証拠の種類と法的に有効な確保の方法

NO IMAGE
  • 「夫のカバンからラブホテルの領収書が見つかった…これって不倫の証拠になる?」
  • 「妻の不倫で離婚を考えているので、法的に有利な証拠を確保したい」

ラブホテルの領収書やカードの利用明細など、不倫を疑われる証拠を見つけて「どうしよう」と思われている方はいませんか?またかねてから配偶者の不倫を疑って持ち物を探っていたら、ラブホテルの領収書を見つけたという人もいるかもしれません。

こちらの記事では「ラブホテルの領収書は証拠として認められるか」という点にスポットを当てながら、法的に有効な証拠の種類や確保の方法、証拠とならないものなどについて詳しく解説していきます。今後相手に慰謝料請求したいと思っている方や、離婚を考えているという方は参考にしましょう。

離婚の無料相談ができる弁護士を多数掲載中
お住まいの地域から弁護士を探す
北海道・東北 北海道青森岩手宮城秋田山形福島
関東 東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木
北陸・甲信越 山梨新潟長野富山石川福井
東海 愛知岐阜静岡三重
関西 大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山
中国・四国 鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知
九州・沖縄 福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄

目次

ラブホテルの領収書は不貞行為の証拠になる?

配偶者の持ち物や洋服、車の中からラブホテルの領収書を見つけたとき「絶対不倫している」と確信を持つ人も多いはずです。ではラブホテルの領収書は不貞行為の証拠となり得るのでしょうか。

単体では決定的な証拠にならない

結論からいうと、ラブホテルの領収書だけでは決定的な証拠にはなりません。というのも誰といったのかが分からず、その相手が友人や仕事関係の人の可能性もゼロではないため。相手に「飲み会で酔い過ぎて帰れないから友達と利用した」「急な出張で複数名の仕事仲間と泊まった」などと言い訳されてしまうと、それを嘘だと決めつけることはできません。

とはいえラブホテルは、カップルが性交渉を目的として利用するのが一般的です。十分浮気や不倫を疑うきっかけになります。単体では決定的な証拠になりにくい一方で、調査を本格的に行った方がいいというサインとして見た方がいいでしょう。

ラブホテルのポイントカード・会員証は証拠になる?

ラブホテルの領収書ではなく、ポイントカードや会員証を見つけたという人もいるかもしれません。これはラブホテルを継続的に利用している証拠になるのでは?と考えがちですが、領収書と同様に単体では決定的な証拠にはなりません。

相手に「友達からもらった」「昔のものを入れっぱなしで忘れていただけ」などと言い訳されると、それだけで不倫していたと決めつけるのは難しいでしょう。またそこに誰とどのくらいの時間一緒にいたのかが証明できないため、性的関係の有無までは確定しにくいと考えます。

ラブホテルの領収書の活用法

ラブホテルの領収書を見つけて怪しいと思ったら、まずは領収書から情報を得ましょう。具体的には次のような客観的情報について整理していきます。

  • ラブホテルの名称
  • ラブホテルの所在地
  • 領収書・レシートの発行時刻
  • 滞在時間
  • 同行者の有無(2名利用など)

証拠価値を高めるポイント

ラブホテルの領収書だけでは決定的な証拠にはならないものの、証拠能力を高められれば証拠として使えます。

他の証拠と組み合わせる

ラブホテルの領収書単体では決定的な証拠になりませんが、他の証拠と組み合わせることで、証拠としての価値を高められます。例えば次のような証拠です。

  • チェックイン・チェックアウトを2人でともにしていることが分かる写真や動画
  • カーナビやドライブレコーダーの履歴
  • 領収書の日付と同じ日に特定の異性と会っていたことが分かるSNSの投稿など

その他に飲食店のレシートやガソリンの給油履歴などがあると、当日の移動ルートを推測できます。今後本格的な調査をする場合でも、重要な手がかりとなります。

複数枚の領収書からヒントを得る

ラブホテルの領収書が複数枚見つけたときには、習慣的にラブホテルを利用していることを証明できるので不倫の可能性がより高まります。また領収書から相手の行動パターンを読み解くヒントにもなります。例えば特定のホテルしか利用していないときには、そこを定宿にしている可能性が高いです。

また日時や場所、利用頻度から不倫相手と会う日程を推測できるかもしれません。とくに不貞行為を証明する上では、行為の「継続性」や「反復性」がポイントに。複数枚の領収書によって、それらを証明できる可能性が高まります。

証拠のおさえ方

ラブホテルの領収書を証拠としておさえるときには、改ざんや紛失に備えて原本とコピー(写真)での二重管理が基本です。まず領収書を自分のスマホなどで撮影したりコピーを取ります。原本の領収書は封筒に入れ、表に見つけた日時や場所をメモしておくと証拠能力を維持できます。

「そんなものは知らない」「自分が利用したものではない」との言い訳を封じるために、領収書がどこに入っていたか分かる写真も撮影しておきましょう。スーツのポケットやカバンに入っていたときには服や所持品に入っていたことが分かるように写真を撮ります。車のダッシュボードやゴミ箱に入っていたときも同様です。

配偶者が複数人と不倫していた場合の慰謝料請求方法について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「夫や妻が複数人と不倫してた…全員に慰謝料請求できる?請求パターンと有利に離婚する方法を解説」

離婚や慰謝料請求では不貞行為の証拠が必須

離婚や慰謝料請求をするには、法的に「不貞行為があった」と証明できる証拠が必要です。というのも離婚請求や慰謝料請求がまとまらず最終的に裁判になった場合には、裁判所に提出した書類だけをもとにして不貞行為の有無を判断するため。

裁判所では、社会通念上不貞行為が行われてと推察できる証拠があるかを重視します。誰がいつどのようにラブホテルを利用したか分からないあいまいな証拠だけでは、証拠不十分として「不貞行為はあったとはいえない」と判断される可能性が高いです。

不貞行為とは

上で紹介した「不貞行為」とは、具体的にどのような行為を指すのでしょうか。不貞行為とは法律用語で「配偶者以外の相手と、自由な意思に基づいて性的関係を持つこと」としています。ここでいう「自由な意思」とは暴行や脅迫などによらない行為のことで、暴力や暴言などで脅されて無理やり関係を持たされた場合は不貞行為とみなされません。

そして性的関係には、性行為そのものの他にオーラルセックスなどの性交類似行為も含まれます。そのため、性交渉のないプラトニックな関係や、ハグ・キス・手をつなぐといった行為も法的には不貞行為とみなされません。

日本の民法では、離婚を法的に認める「法定離婚事由」の一番目に「配偶者に不貞な行為があったとき」と定めています。裁判で不貞行為があったとみなされれば、相手が離婚を拒否していた場合でも同意なく離婚が可能です。そのような意味で、不貞行為の有無は法的判断の焦点になります。

不貞行為の定義と不倫や浮気との違いについては、こちらの記事を参考にしてください。

「『不貞行為』はどこからの行為?不倫・浮気との違いや当てはまるケース、法的に有効な証拠を解説!」

裁判外でもポイントになる理由

裁判までいかずに示談や調停で交渉する場合でも、法的に有効な証拠は必要です。というのも証拠を相手に提示する・しないにかかわらず、法的に有効な不貞行為の証拠は有利な条件を引き出す材料になるため。最悪裁判になっても構わないという姿勢を示せられれば、相手が裁判を避けようとして相場以上の慰謝料支払いに応じたり、こちらに有利な離婚条件を受け入れたりする可能性が高まります。

心の浮気はどこからか、慰謝料請求ができるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「心の浮気はどこから?身体の浮気とは違う対処法と離婚・慰謝料請求の可否を徹底解説」

不貞行為の証拠となるもの・ならないもの

ではラブホテルの領収書以外にどのようなものが不貞行為の証拠となるのでしょうか。

不貞行為があったと推認できる証拠と確保のポイント

不貞行為があったと推認できる証拠は次のようなものです。こちらでは証拠の種類と確保のポイントについて解説していきます。

ラブホテルや相手の家に出入りする写真・動画

不貞行為の証拠として有効なのは、ラブホテルや相手の自宅に2人で出入りする写真や動画です。これは不貞行為を推認させるために非常に有力な証拠となります。このような写真や動画を撮るときには、次のような点に注意してください。

  • 誰が写っているか分かるように、配偶者と不倫相手の顔がはっきり認識できるように撮影する
  • いつ撮影されたか分かるように、正確な撮影日時が記録されていること
  • どこで撮影されたか分かるように、ラブホテルの名前が分かる看板や外観を一緒に撮影する
  • どのくらいの時間利用していたか分かるように、入った時間と出た時間の両方撮影する
  • 継続的な関係を証明するために、複数回の出入りをおさえる

車で直接ホテルに出入りする場合は、車種やナンバープレートを一緒に撮影すると特定力が高まります。また不貞行為があったと推認できるためには、最低でも2時間程度の滞在時間が必要です。滞在時間が数十分から1時間程度の場合は、「ホテルの入ったが話をしただけ」「何もしていない」と反論される余地があり、証拠としての効力が弱くなる可能性があります。

同じ部屋に宿泊していることが分かるもの

ラブホテルや相手の自宅への出入りでなくても、同室に宿泊していることが分かる証拠が得られれば、不貞行為があったと認められる可能性が高いでしょう。例えば次のようなものです。

  • ホテルや旅館の宿泊料金を支払ったクレジットカードの利用明細
  • 宿泊予約サイトの履歴
  • 宿泊予約サイトや宿泊先からの予約確認メール
  • ビジネスホテルの利用明細(2名1室など)

クレジットカードの利用明細や予約サイトの履歴からは、利用日時や宿泊プラン、宿泊人数や金額等が記載されているので、宿泊利用の客観的な証拠となります。一方で2室の利用があった場合は、一方の部屋に出入りする証拠がない限り、不貞行為の証拠と認められない可能性があります。

性交渉中や裸で抱き合っている写真・動画

配偶者のスマホやパソコンの中に、不倫相手と裸で抱き合っている写真や性交渉中に撮影した動画があれば、それらが不貞行為の証拠となります。しかし双方の顔がはっきり写っていない、画像がぼやけている場合には個人の特定が難しいため、証拠として認められない恐れがあります。

写真や動画を証拠として残すときには、撮影した日時や場所が特定できるようにしてください。また相手のスマホだと分かるように、スマホ本体や撮影日時も一緒に自分のスマホで撮影するといいでしょう。

性的関係があったことを推認させる会話・メールのやり取り

性的関係を疑わせるLINEやメールのやり取りも証拠となります。例えば「今日のホテルは良かったね」や「奥さんにバレないようにしないとね」といったやり取りです。一方で単に好意を伝えるだけのものやデートの約束をしている内容の場合は、証拠としての能力は低いです。

メッセージのやり取りを証拠として確保する場合は、日時や送受信者が分かるように画面全体を撮影し、前後のやり取りも分かるように動画で撮影するといいでしょう。可能であれば自分のスマホ・パソコンに転送し、バックアップデータも別で保存するのがおすすめです。

浮気相手をSNSで特定する方法について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「浮気相手をSNSで特定する方法|調査時の注意点と慰謝料請求の注意点とは」

不貞行為を認めた音声や書面

配偶者や不倫相手が、不貞行為を認めた音声・書面も証拠となります。単に「不倫しました」だけでは証拠として弱いので、次のような内容を含めるようにしてください。

  • 発言者の氏名・住所・電話番号
  • 初めて不倫をした日時と場所
  • その後に不倫をした日時と場所を分かる限り
  • 相手が既婚者だと知っていたこと(不倫相手の場合)
  • 不倫していた回数・期間
  • どちらがより不倫に積極的だったか

録音や録画データを証拠としたい場合は、話し合いの様子をボイスレコーダーやスマホなどで録音・録画するといいでしょう。書面に残す場合は自白した内容をまとめて本人に自筆で署名・捺印してもらってください。内容が具体的であるほど、後から言い逃れするのが難しくなります。

ただし強瀬的に自白させたり脅したりするのはNGです。違法な手段で確保した証拠は、証拠として認められない可能性が高いです。

第三者の証言

友人や知り合い、勤務先の関係者などの証言も、不倫の証拠となります。とくに当事者と利害関係のない第三者の証言は、裁判でも証拠として認められる傾向にあります。近所の人やたまたま目撃した人などが、不倫相手の家に出入りしたことを証言してもらえれば、不貞行為を示す証拠となります。

証言を証拠としてとるときには、具体的な日時や場所、状況を正確に言えるかや、証言者の身元・連絡先が確認できるか、裁判での証言の意思があるかがポイントになります。

不倫の証拠の残し方について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「不倫の証拠の残し方|具体例ごとの集め方と残すときのポイント・注意点を知って証拠を効果的に使用しよう」

探偵事務所の調査報告書

探偵事務所の調査報告書も、不貞行為を示す有効な証拠となり得ます。自分で証拠を探すのが難しいという場合には、専門家に依頼するのも一つの手です。調査報告書では、証拠となる写真や動画と共に調査対象者の氏名や日時、詳細な行動記録が時系列で示されます。また調査員の所見などもあるため、対象者の行動を客観的に示せます。

専門家に調査を依頼するときには、信頼できる事務所を選ぶようにしましょう。事前に契約内容や料金を確認したうえで、公安委員会に探偵業届けが出されているかもチェックしてください。そして違法な調査をしないことや過去の実績も確認できると安心です。

不倫について記録した日記・メモ

集めた証拠だけでは不安という方は、配偶者の生活記録や怪しい言動など、不倫の記録を残しておくといいでしょう。他にも見つけた証拠についてや不倫を知ったときに感じた気持ち、精神的苦痛の大きさなどを併せて書き記してください。

日記はなるべく毎日書き、改ざんを疑われないように製本されたノートなどに消せないボールペンなどで書いてください。誰でも読めるように丁寧な字で書き、できるだけ日時や場所を具体的に記載しましょう。訂正する場合は修正液で消したりせず、横線を引いて訂正してください。感情的な殴り書きはNGで、第三者が見ても理解できるような表現で書くといいでしょう。

その他性的関係があったことを推認させるもの

不倫で使ったであろう避妊具やピル、性交渉で使うグッズや衣装が出てきたときも、不倫の証拠となるかもしれません。夫婦で使った覚えのない避妊具・グッズが相手の持ち物から出てきたときには、発見場所・日時を記録し、現物の写真を角度を変えて複数枚撮影してください。

避妊具が減ったことが分かるように使用前後で撮影したり、パッケージや購入日が分かるレシートも撮るといいでしょう。決して感情的になって捨てたり壊したりしないよう、撮影した後は元の場所に戻しておいてください。

不貞行為の証拠と認められないもの

一方で次のようなものは不貞行為の証拠として認められない可能性があります。

  • ビジネスホテルに出入りする写真・動画
  • 性的関係に言及がないメール・LINE・DMでのやり取り
  • ラブホテル以外の店舗や飲食店の領収書
  • 相手からもらったであろうプレゼントや手紙
  • 相手の顔が認識できないSNSの投稿写真
  • 不倫相手との通話履歴
  • GPSの位置情報や交通系ICカードの履歴

これら単独では不貞行為の証拠として認められないですが、他の証拠と組み合わせることで証拠能力を高められる可能性があります。どんな些細なものであっても、すべて取っておくようにしましょう。

不貞行為の確実な証拠を確保するポイント

こちらでは確実な不貞行為の証拠にするため、押さえておくべきポイントについて解説していきます。

違法な手段で取得していない

法的に有効な証拠にするためには、違法な手段で取得しないようにしましょう。次のように違法な手段で集められた証拠は、裁判で無効とみなされる可能性があるためです。

違法な調査手段 罪状
不倫相手の自宅敷地内に立ち入る

私有地に立ち入って張り込みをする

マンションや駐車場内に侵入する

住居侵入罪・建造物侵入罪(刑法第130条)
GPS機器を無断で仕掛ける

GPS機器を用いて相手の位置情報を取得する

不倫現場を抑えようとしての尾行・待ち伏せ行為

ストーカー規制法違反
ストーカー規制法の「付きまとい等」と同様の行為

「見張り」などに該当する行為

迷惑防止条例違反
立ち入り禁止場所に無断で立ち入る 軽犯罪法違反
GPS機器を取り付けるために車の一部を破損させる行為 器物破損罪(刑法第261条
パスワードを盗用してスマホのロックを解除する

ID・パスワードを盗用してLINEなどのSNSにアクセスする

不正アクセス禁止法違反
浮気調査アプリ・位置情報アプリなどを相手のスマホに勝手にインストールする 不正指令電磁的記録供用罪(刑法第168条)

証拠として認められないばかりか、相手から逆に訴えられてあなたの状況が不利になる可能性も。場合によっては慰謝料を請求されてしまう恐れもあるため、証拠を確保するときには違法行為は行わないようにしましょう。

証拠の信頼性を確保する

証拠の信頼性を確保することも重要です。証拠が改ざんされていないことを示すために、データとして保存するだけでなくできれば原本(オリジナル)も保存できるといいでしょう。

特にデジタルデータで保存する場合、正しく保存しないと証拠として認められない可能性があります。またデータの紛失というリスクもあるため注意が必要です。具体的には次のような工夫をしてください。

証拠の種類 信頼性確保の方法
スマホの写真・動画
  • 日時情報が正確に記録されるようにする(スマホの自動日時設定をオンにする)
  • 位置情報サービスをオンにする
  • クラウドストレージサービス(iCloud・Googleドライブなど)の自動同期設定をオンにしてバックアップを取る
  • 撮影直後にタイムスタンプアプリを利用して日時情報を画像に埋め込む
  • ハッシュ値を記録しておく
  • 状況が分かるように広角で撮影する
  • 対象者の顔や服装などがはっきりと分かるように撮る
  • 暗い場所ではフラッシュの使用を避け、夜間モードや好感度設定を活用する
メッセージやLINEでのやり取り
  • 前後のやり取りも含めてスクロールスクリーンショットを撮る
  • 専用のバックアップアプリやバックアップ機能を利用する
  • テキストファイルとして書き起こし、日付を付けて保存する
  • PDFファイルとして保存する

他の証拠との矛盾がないか

証拠をより有効なものとするためには、他の証拠との矛盾がないかもポイントです。ラブホテルの領収書や利用明細を証拠とする場合、そこに記載されている日時や場所が他の証拠(調査報告書・LINEのやり取り・写真など)と一致しているかを確認してください。

継続性や反復性が証明できる

法的に有効な不倫の証拠とするためには、継続性や反復性が認められなければなりません。一度だけのラブホテルの利用だけでは、「酔った上での行動だった」「魔がさしてしまった」と主張される場合があるため。少なくとも2回以上のラブホテルの出入りが証明できないと、不貞行為の証拠とは認められない可能性があります。

慰謝料を請求する場合でも、不倫の期間が長く回数が多いほど、悪質度合いが高いとみなされて金額が高額になる傾向が。ただし1度限りの不貞行為であっても、状況次第では慰謝料請求や離婚請求が認められるケースもあります。

複数の証拠をおさえる

より証拠を確実なものにするためには、複数の証拠を組み合わせることでより真実に近づけます。また証拠を確認した裁判所の心証も変わります。たとえ1回分の証拠しか確保できなかった場合でも、様々な証拠を組み合わせることで裁判で不貞と認定された判例もあります。

「こんなものは証拠にならないのでは…」と自分で判断せず、些細なものでも確保しておきましょう。

専門家に依頼する

不倫の証拠と思われるものを確保したら、なるべく早めに弁護士などの専門家に相談しましょう。単独では法的に有効だと認められない場合には、有効な証拠の種類や確保方法をアドバイスしてもらえます。

また弁護士事務所には、探偵事務所と提携しているところもあります。素早く探偵事務所との連携が取れれば、証拠の確保も容易になります。自分で確保したものよりもはるかに法的に有効な証拠を取れる可能性が高まるので、早い段階での専門家への相談はおすすめです。

浮気調査で証拠が出なかったときの対処法や自分で集めるポイントは、こちらの記事を参考にしましょう。

「浮気調査で証拠なかった…どうしたら?自分で証拠を集めるときのポイントと注意点とは?」

証拠を確保するとき・確保した後の注意点

自分で証拠を確保するときや確保した後は、次のような注意点があります。

ホテルへの情報開示請求は難しい

ホテルの領収書が見つかった場合に、ホテルに「誰が宿泊したか教えて欲しい」などの宿泊者情報の開示を求めても、基本的に第三者からの開示請求には応じてもらえません。宿泊者情報は個人情報であり、ホテルは顧客のプライバシーに対して守秘義務があるためです。

ただし弁護士に依頼した場合に限り、宿泊者情報を教えてもらえる可能性があります。弁護士には弁護士法23条の2に基づいた照会(23条照会)が認められているためです。受任した事件の解決に必要だと認められると、照会を受けた団体には回答する義務が生じます。可能性として宿泊者や同行者の氏名、チェックイン・チェックアウトの日時といった情報が得られるかもしれません。

とはいえ弁護士による23条照会に応じられるのは、ビジネスホテルや旅館などに限られます。不倫などでよく利用されるラブホテルでは宿泊者の氏名などは管理していないため、自力で出入りをおさえるなどする必要があります。

すぐに相手を問い詰めない

ラブホテルの領収書が見つかって「不倫しているに違いない」と思っても、すぐに相手を問い詰めないようにしましょう。問い詰めたことで警戒され、他の証拠を隠滅する恐れがあるためです。また怒りに任せて問い詰めると、お互いに冷静さを失って話し合いが泥沼化する可能性が高いです。

相手に確認するときには、確実な証拠を確保したうえで気持ちが落ち着いたタイミングで切り出すのがベストです。

言い訳を見破るポイントと必要な証拠

ラブホテルの領収書をもとに問い詰める場合には、相手が言いそうな言い訳に対する別の証拠も必要になります。具体的には次のようなものです。

「仕事・運転で疲れて仮眠していただけ」
  • 業務実態を会社のスケジュール表やETC履歴などで確認
  • 近隣のビジネスホテルの空き状況など客観的証拠と突き合わせる
  • 宿泊費を会社清算にしていたか、ベッドを利用した形跡が写真から見て取れるかで判断可能
「利用したのは友人(同僚)複数と」
  • パーティ―ルームの有無やメゾネットタイプなど、複数利用を想定した施設かチェック
  • 同僚と名乗る人物の話に食い違いがないか、事前打ち合わせの有無
  • 駐車場の車両台数、防犯カメラ映像、支払名義が誰になっているかを確認

事前に物的証拠と時系列を突き合わせて、整合性を確認してください。相手の言い分けに矛盾点が見つかったら、具体的な質問をして相手に詳細を話させることで、虚偽の説明が破綻しやすくなるでしょう。

離婚・慰謝料請求をするときのポイント

不貞行為の証拠が見つかり夫婦関係が破綻の危機に陥った場合、離婚すべきかどうか考えるはずです。また再構築を選んだ方でも、不倫相手に慰謝料請求したいと思う場合もあるでしょう。こちらでは離婚や慰謝料請求をする場合のポイントについて解説していきます。

慰謝料請求の条件を満たすかチェック

配偶者や不倫相手に慰謝料請求をしようと思ったら、まずは請求が認められる条件を満たしているか確認してください。具体的には次のような条件をクリアする必要があります。

不貞の事実があること 不貞行為の事実もしくはそれを類推させる証拠が必要
婚姻関係が破綻していなかったこと 慰謝料を請求するには、不貞行為が始まった(発覚した)時点で、夫婦関係が修復不可能能なほど破綻していなかったことが必要

すでに家庭内別居状態だったりして夫婦関係が破綻していると慰謝料請求が認められない可能性がある

不貞行為に故意・過失があること 不貞行為をした側に故意や過失があることが必要
既婚者だと知っていた・知らなかったことに過失がない(不倫相手に請求する場合) 不倫相手に慰謝料請求する場合には、既婚者だと知っていた事実や知らなかったことに過失がない事実が必要

自分の配偶者が独身だと嘘をついていて、相手がそれを信じてもおかしくない状況の場合は慰謝料請求が認められない可能性がある

浮気相手にどうしても制裁してやりたいとお考えの方は、こちらの記事を参考にしてください。

「浮気相手に制裁したい!された側ができる事とNG行為を知って納得できる合法的な制裁を」

増額要素があるか確認

慰謝料を請求する場合には、増額要素があるのかの確認もしてください。通常離婚する場合の慰謝料相場は50万円~300万円といわれています。これはあくまで目安で、次のような増額要素があると、相場よりも高い慰謝料請求が認められる可能性があります。

  • 不貞行為の期間が長い・回数が多い
  • 婚姻期間が長い
  • 不貞行為の様態が悪質である
  • 精神的苦痛の度合いが大きい
  • 夫婦の間に未成熟の子どもがいる
  • 不貞行為が原因で別居・離婚に至った
  • 不貞行為以前は夫婦関係が円満だった
  • 不倫相手が妊娠・出産した
  • 慰謝料を支払う側の収入・社会的地位が高い

ダブル不倫の慰謝料問題について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「ダブル不倫の慰謝料問題|ケース別慰謝料の相場と周囲すべきポイント、弁護士に依頼するメリットとは」

離婚条件について

夫婦の話し合いの結果、離婚が避けられない状況になった場合、次のような離婚条件について決めていく段階に入ります。

  • 財産分与
  • 子どもの親権
  • 養育費
  • 面会交流
  • 別居時の婚姻費用

相手と離婚条件についての話し合いをする前には、自分なりに譲れない条件を決めておくといいでしょう。すべての条件を希望通りで合意できるケースは少なく、スムーズに離婚するためにはある程度の妥協も必要です。そのような場合には、妥協できるラインについても事前に決めておきましょう。

上記以外にも、離婚時には様々なことを決める必要があります。

  • 別居後に住む場所
  • 引っ越し費用や当面の生活費の確保
  • 離婚後の仕事
  • 子どもを連れて出る場合は預け先や世話をしてくれる人の有無
  • 子どもの氏(名字)戸籍をどうするか

男性が離婚を有利に進める方法については、こちらの記事を参考にしましょう。

「男性が離婚を有利に進める方法|離婚方法・離婚条件別ポイントといざというときの対処法とは」

有責配偶者からの離婚請求

自分の不倫が原因で夫婦仲が悪化した場合、有責配偶者からの離婚請求は認められるのでしょうか。かつては有責配偶者からの離婚請求は認められていませんでした。しかし昭和62年9月に出た最高裁判所判決によって、次のような条件を満たしている場合には、有責配偶者からの離婚請求を認めるとしています。

  1. 別居期間が両当事者の年齢及び同居期間の対比において相当の長期間におよぶこと
  2. 夫婦の間に未成熟子が存在しないこと
  3. 相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態に置かれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情が認められないこと

参考:離婚認容基準の変化と解決の視点|新日本法規

つまり夫婦の同居期間や年齢に比例して相当長期間の別居状態にある場合で、未成熟の子どもがいないこと、離婚によって夫婦片方が精神的・社会的・経済的に過酷な状況に置かれないケースに限り、有責配偶者からの離婚請求が認められます。

浮気した側で離婚をお考えの方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「自分が浮気したけど離婚したい…離婚の可否と認められる3つの条件&スムーズに離婚するポイント」

弁護士に相談する

不倫による離婚や慰謝料請求を考えたときには、離婚問題に詳しい弁護士に相談するといいでしょう。確保した証拠の有効性を確認してもらえるだけでなく、他の証拠の確保方法や組み合わせ方で、効果的に不貞行為を立証するのに役立ちます。さらに相手との示談交渉や調停、裁判になったときの適切な対抗も期待できます。

とくに慰謝料請求や離婚請求では、法的な専門知識や交渉のスキルが欠かせません。その点、法律のプロである弁護士なら今の状況に応じたアドバイスが貰えるでしょう。離婚を迷っている段階なら、第三者の視点から離婚した方がいいかの助言をくれるでしょう。まずは近くに弁護士事務所がないか探して、無料相談に行ってみてください。

お住いの地域で、不倫問題に強い弁護士を見つける>>

まとめ

ラブホテルの領収書はそれだけで、法的に有効な不貞行為の証拠とはなりません。しかし他の証拠と組み合わせることで証拠能力を高められ、調査のための情報を得るのに役立ちます。複数の領収書があると、不貞行為の継続性や反復性を証明できます。

法的に有効な不貞行為の証拠には、ホテルや自宅に出入りしている写真・動画、行為の様子を撮影したもの、当事者の自白、探偵事務所の調査報告書などがあります。違法な手段で取得しないように気を付けて、証拠能力を高める工夫が必要に。

不貞行為が原因で離婚や慰謝料請求を検討している方は、弁護士に相談したうえでアドバイスを得てください。弁護士に依頼できれば、相手との交渉や法的手続きを任せられます。同時に離婚条件や離婚後の生活についても検討してください。

離婚・不倫の慰謝料の相談は専門家にお任せください!

  • 離婚したいけど相手が応じてくれない。
  • 離婚後の生活に不安を抱えている。
  • 親権の獲得や養育費をきっちり払ってもらいたい。
男女問題でお困りの方は専門家に相談してご自身の人生を取り戻しましょう。

離婚の基礎知識カテゴリの最新記事

PAGE TOP