- 「夫の浮気調査をしたが証拠がなかった…」
- 「自分で浮気調査するにはどうしたらいい?」
夫や妻、付き合っている相手が浮気しているかも…というとき、浮気調査をしようと思われる方が多いのではないでしょうか。しかし実際に浮気調査で証拠が出なかったとき、どのような対処をすべきか分からないという人がいるかもしれません。
こちらでは浮気調査で証拠が出なかったときの対処法を中心に、その後どうすべきかや自分で証拠集めをするときのポイントを解説していきます。自分で証拠を集めようとする場合、もっと確実な証拠がないかと躍起になりがち。相手に気づかれてしまっては元も子もありません。注意点を参考にしながら、安全かつ確実に証拠を手に入れましょう。
浮気調査で証拠が出ないことはある?
浮気調査をした場合、浮気の証拠が出ないケースはよくあるのでしょうか。
自分で調査した場合は証拠がつかめないことも
自分で浮気調査した場合、証拠がつかめないことがあります。浮気の確実な証拠といえるのは、パートナー以外の異性と性的関係もしくはそれに類する行為があることが分かるもの。探偵事務所や興信所に依頼すれば、次のような証拠を調査報告書として受け取ることができます。
- ラブホテルに2人で出入りした瞬間を移した写真や動画
- 対象者の顔がはっきりと確認できるもの
- 撮影時刻や滞在時間の分かるもの
- 詳細な内容の報告書
このような浮気の証拠を、張り込みや尾行の経験がない素人がつかむことは至難の業。メールの内容やホテルの領収書だけで相手に問い詰めても、「単にメールのやり取りをしていただけ」「会社の出張で泊まっただけ」などと言い逃れされてしまいがち。
また証拠を集めなきゃというストレスなどで、相手に浮気調査していることを悟られる場合も。相手に悟られてしまっては、証拠の隠蔽や慎重な行動により、証拠集めがより難しくなってしまうでしょう。
探偵事務所に依頼すれば証拠が出るケースが多い
探偵事務所や興信所などに浮気調査を依頼すると、9割以上の確率で浮気の証拠を押さえられるといわれています。証拠を押さえられないのは、相手のことが好きすぎるあまり心配で勘ぐってしまったというケースです。また稀に家に帰りたくないばかりに、仕事が終わっても深夜まで家に帰らなかったり、休日も一人で目的もなく出歩いているというケースもあります。
というのも相手の性格や行動パターンをよく知っているパートナーが、「行動が怪しい」と思い相手をよく観察したうえで「もしかして浮気しているかも」という結論に至り、探偵に調査を依頼しているため、証拠が出るのはある意味では当然なのかもしれません。
参照:配偶者の浮気・調査会社に頼むと証拠は必ず出る?|NIKKEI STYLE
たまたま証拠が出ないときも
探偵事務所や興信所に依頼すれば、ほぼ100%の割合で証拠を得ることができます。しかし稀に証拠が出ないときも。そのほとんどは「この日だけ調査して」など、期間を区切ってスポットで調査するケース。結論が出るまで調査を継続しないと、当然のことながら浮気の証拠が出ない可能性があります。
つまり調査した日は「シロ」だったとしても、その日にたまたま浮気していなかっただけで、パートナーの潔白が証明されたわけではありません。
証拠は離婚・慰謝料請求に必要
浮気の証拠は離婚請求するときや、慰謝料を請求しようと思ったときに必須なもの。浮気の証拠を集めることで、相手が不貞行為をしていたことを証明できます。不貞行為とは法的には「配偶者以外の人と、自由意思のもとに性的関係を結ぶこと」と定義されています。
不貞と似た意味で浮気や不倫という言葉がよく使われますが、不貞は法律用語であるのに対して浮気や不倫は法律用語ではありません。どこまでの関係を浮気や不倫というのかは、個々の価値観やそのときの状況によって異なります。ここでは「浮気」とは「不貞(行為)」と同じ意味を持つ言葉として解説してきます。
不貞行為はどこからの行為かについて詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「『不貞行為』はどこからの行為?不倫・浮気との違いや当てはまるケース、法的に有効な証拠を解説!」
慰謝料請求に必要な理由
浮気の証拠は、パートナーや浮気相手への慰謝料請求に必要です。そもそも浮気の慰謝料請求が認められるパターンには、示談交渉で解決する方法と裁判で解決する方法の2つがあります。示談交渉する場合には慰謝料請求する相手や代理人である弁護士に、裁判で解決する場合には裁判官に、不貞行為があったこととそれにより自分が精神的苦痛を受けたことを証明しなければなりません。
証拠がないと加害者やその代理人弁護士に「不貞行為がなかった」「慰謝料の支払い義務がない」と言われて慰謝料の支払いを拒否されてしまいます。また裁判では裁判官に不貞があったことを客観的に証明できないため、裁判に負ける可能性も。
パートナーの浮気で慰謝料請求するには、加害者やその弁護士、裁判官などに慰謝料請求を認めさせるために、不貞があったことを客観的に示すための証拠が必要という訳です。
プラトニック不倫で慰謝料を請求できるかについては、こちらの記事を参考にしてください。
「プラトニック不倫で慰謝料は発生する?不貞行為との違いと慰謝料相場、請求する・されたときの対処法」
離婚請求に必要な理由
相手の浮気が理由で離婚しようと思ったとき、証拠があるとあなたに有利になります。離婚はいつ誰でも簡単にできるというものではなく、相手が離婚を拒否したり、離婚条件が折り合わない場合は最終的に離婚裁判となります。離婚裁判になったときに相手の浮気が原因で夫婦関係が破綻したということを証明できると、離婚請求が通りやすくなります。
そもそも離婚裁判を起こすには、民法で定められている「法定離婚事由」が必要です。「相手のことが嫌いになったから」や「価値観が合わないと分かったから」という理由だけで離婚裁判を申立てることはできません。法定離婚事由の第一番目に「配偶者に不貞な行為があったとき」とあることから、性的関係を伴う浮気の証拠があると、裁判で離婚が認められるという訳です。
裁判にまで至らななくても、浮気の証拠を持っていると分かれば、相手も離婚に応じてくれやすくなります。また離婚をしたくない場合でも、原則として離婚原因を作った「有責配偶者」からの離婚は認められないため、浮気の証拠を集めておくことに意味はあります。
弁護士に交渉を依頼すると応じることも
慰謝料請求や離婚請求をする場合、確たる浮気の証拠がなくても、弁護士に交渉を依頼すれば相手が応じる可能性があります。というのも慰謝料・離婚を請求する場合、一般的には話し合いから始まります。そこでパートナーや浮気相手が性的関係があったことを自白すれば、慰謝料請求や離婚ができる可能性が十分にあります。
さらにそこで弁護士から「法的に責任を追及します」などと連絡すれば、慰謝料の支払いや離婚に合意することがあります。実際には浮気の証拠が一切ない場合に、加害者がそれを認めて請求に応じるとは考えにくいですが、何かしら不貞に結びつく証拠があれば、それを元に請求に応じるということは十分にあり得るでしょう。
浮気調査で証拠がなかったときの対処法
浮気調査で証拠が得られなかった場合、次のような対処法が取れます。
もう一度自分で調べてみる
浮気調査で証拠がなかった場合、もう一度自分で調べてみるという方法があります。こちらでは浮気の証拠となるものを具体的に紹介するとともに、証拠の集め方や証拠を見つけやすい場所についても解説していきます。
写真・録音・動画
写真・録音・動画については、次のようなものが浮気の証拠となり得ます。
浮気の証拠となるもの | 証拠の集め方 | 見つけやすい場所 |
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集めるときのポイントは、一緒に居ることや日常会話があるだけでなく、不貞行為の事実が分かるものであること。また著しく反社会的・法律に違反した方法で集められたものでないもの。一方で食事やデートをしているだけの証拠や、性的関係があるとは分からないものは証拠として弱くなります。
ホテルのクレジットカード明細書・領収書
ラブホテルの領収書やクレジットカードの明細書は、不貞行為があったことをうがかわせるので、浮気の証拠といえるでしょう。
浮気の証拠となるもの | 証拠の集め方 | 見つけやすい場所 |
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これらの証拠のポイントは、繰り返し使われていること。繰り返し使われていることで、単発の不貞ではなく継続的に浮気が続いていることが分かります。また一緒に不貞行為があったと認められやすい異性の下着や避妊具、性行為に使うグッズの購入履歴などがあれば、証拠となります。
相手とのメール・手紙・SNSでのやりとり
性行為があったことが分かるメールのやり取りや2人で泊まったことが分かる内容であれば、浮気の証拠として有効となります。
浮気の証拠となるもの | 証拠の集め方 | 見つけやすい場所 |
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一方で次のようなやり取りだけでは、不貞行為の証拠として弱い場合があります。
- 「デート楽しかった」
- 「昨日のレストラン美味しかったです」
- 「愛している」・「大好き」
- 「早くあいたい」
- 「この前の夜は最高だった」
- 「昨日は激しかった」
不貞行為を疑わせるやり取りがあっても、それだけで明らかに性行為があったとまでは判断されない可能性も。このような証拠を集めるポイントは、複数回のやり取りがあることや、メールの場合は送受信の日時が明確に分かるのもです。
婚外恋愛と不倫との違いについて詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「婚外恋愛と不倫との違い|婚外恋愛のリスクや影響を認識しトラブルを防ぐ対処法を知ろう」
ブログやSNSの内容
最近では、ブログやSNSを利用している人も多いので、不貞行為があったことが分かるものであれば、こちらも証拠として認められる可能性があります。具体的には次のようなものです。
- ブログにアップされた二人の写真や二人でいることが分かる記事
- SNSに投稿されたツーショット写真
- SNSのDMでやり取りしている文面のコピーや画面を撮影したもの
SNSを証拠とする場合は、本人のアカウントであることが明らかでなければなりません。このような証拠は撮影場所や日時が明らかであれば、証拠として認められる可能性が。実際ブログに投稿された写真(パートナーの裸に近い姿が浮気相手によって撮影されたもの)や「愛する人に」といった文章などが不貞の証拠として認められた事例があります。
LINEで浮気の証拠を見つける方法について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「LINEで浮気の証拠を見つける13の方法|見つけた後にすべきことや注意点とは?」
行動履歴が分かるもの
パートナーの過去の行動履歴が分かるものも、浮気の証拠となり得ます。具体的には次のようなものが該当します。
浮気の証拠となるもの | 証拠の集め方 | 見つけやすい場所 |
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頻繁にラブホテルに行っている、相手の家に行っていることが分かるような行動履歴は、浮気の証拠として有効。一方でカーナビの履歴やドライブレコーダーは、走行履歴を残すものなので、単独では証拠として使えません。またGPSを相手に無断で使用すると、プライバシーを侵害するものとして証拠として認められない可能性があります。
住民票の写し
すでにパートナーと別居している場合、浮気相手と同棲している可能性もあります。そのためパートナーと浮気相手の住民票が同一の場合、同棲していることが明らかになるので、不貞行為があったと認められやすくなります。ポイントは住民票が同じというだけでなく、同居していることが分かる証拠も必要です。
第三者の証言
友人や同じ職場の人など、第三者の証言も浮気の証拠として使えます。とくに不貞行為の当事者と利害関係のない第三者の証言は、裁判でも重視される傾向があります。裁判では証人尋問という形で証人に出廷してもらい、不貞があったことを証言してもらうのがベストです。
浮気について記録したメモや日記
自分で集めた証拠だけでは不安な場合、相手の浮気の記録を日記やメモという形で残しておくと、証拠として認められる可能性があります。ただしこのような証拠だけでは不貞行為があったとは言い切れ、証拠として弱いため、他の証拠と併せて提示するようにしましょう。メモや日記に書くべきなのは、次のような内容です。
- パートナーの怪しい行動
- 見つけた証拠
- 相手の生活記録
- 自分が受けた精神的苦痛
必ず日時や場所を明らかにして、不貞があったことが推測できる内容が望ましいです。怪しい行動があった特定の日のことだけを書くのではなく、毎日継続的に記録するのがポイント。特定の日だけの記録だと不自然となり、証拠として認められない可能性が高いからです。
妻の浮気を見破る方法については、こちらの記事を参考にしましょう。
「妻の浮気を見破る8つのポイント|夫の場合と違う浮気の特徴や分かったときの対処方法とは?」
証拠として認められにくいもの
頑張って自分で証拠集めをしても、不貞の証拠として認められにくいものがあります。次のようなものは、浮気の証拠として認められる可能性が低いでしょう。
証拠の種類 | 内容 |
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日常のメール
業務メール SNSの投稿 |
不貞行為が確認できないもの |
デジカメの写真
スマホのスクリーンショット |
改ざんや偽装されやすいデジタルデータ |
電話の履歴 | 話の内容が分からないもの |
領収書・カード明細・行動履歴 | 不貞行為があったことを確認できないもの |
盗撮カメラでの写真
他人の携帯から盗み取ったSDカード 他人の敷地に侵入して盗聴器を仕掛けて得た音声 |
違法に得た可能性が高い情報 |
自分で撮影する場合は、なるべく動画を撮ることをおすすめします。写真を撮る場合は、連続写真を複数枚撮り、信ぴょう性を高めるようにしましょう。
浮気と不倫の違いや不倫しているかもと思ったときの対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「浮気と不倫の違いはある?法律上の不貞行為の定義や『不倫しているかも』と思ったときの対処法」
複数の証拠を組み合わせる
単独では不貞があったことを証明できなくても、複数の証拠を組み合わせてより有力な証拠とする方法もあります。「こんなの証拠にならないのでは?」などと思わず、どんな些細なものでも捨てずに保管しておきましょう。
本人に浮気を認めさせる
浮気の証拠が集められなくても、本人に認めさせればその録音データや動画、書面などが証拠となります。単に「浮気しました」という発言だけでは弱いので、「私は○月○日に○○(浮気相手の氏名)とラブホテルに滞在して肉体関係を持ちました」という発言をするか、謝罪文などとして書いてもらいましょう。
あとから「脅されて言わされた」と言われないよう、自白部分だけでなく前後の会話の内容も録音するのがポイント。浮気相手が浮気を自白した場合には、慰謝料の請求ができます。慰謝料の支払いに関しての合意ができたら、その内容を公正証書として残すといいでしょう。
証拠探しはいったんやめる
浮気調査で証拠がなかったら、証拠探しをいったんストップするのも一つの方法です。「せっかく証拠が取れるかもしれないなんて」とネガティブに思われがちですが、一時的に止めると相手を泳がせることで証拠を集めやすくなったり、自分がどうしたいのか気持ちの整理が付けられるというメリットも。
とくにパートナーの浮気を疑って証拠集めをしているときには、冷静さを欠いている可能性が高いです。浮気を疑うことで、かえって全ての言動が疑わしく感じてしまう人もいるでしょう。浮気を疑うような行動が一次的に有ったとしても、本当に浮気しているかどうかわかりません。
証拠探しをいったんやめることで精神的な苦痛が和らぎ、冷静になって改めてパートナーを見つめ直す気持ちになれるかもしれません。
最終的にどうしたいか考える
証拠集めをいったんやめたら、最終的に自分はどうしたいのか考えられるようになります。必死になって浮気の証拠集めをしているときには「絶対離婚してやる」「浮気相手に慰謝料請求するんだ」と考えているかもしれません。しかし本心では、パートナーと関係修復を望んでいる場合も。
人によってはこれ以上浮気調査をしない方が、自分の望んだ方向に向かえる可能性も。そのため浮気の証拠集めがスムーズに進まなかったりストレスを感じるような場合は、浮気調査をいったんやめて、自分の気持ちを整理することで自分がどうしたいのか見つめ直すきっかけになるでしょう。
探偵事務所や興信所に依頼する
自分で浮気調査ができないときには、探偵事務所や興信所に依頼することをおすすめします。浮気調査を専門としているところなら、効率的に裁判に提出できる証拠を取れる可能性が高いからです。
また個人で張り込みや尾行をすると、ストーカー行為規正法違反に問われる可能性があります。しかし依頼を受けて業務として尾行や張り込み調査を行う探偵は、ストーカー行為の定義には当てはまらず、このような調査は合法と認められています。
弁護士職権により証拠が得られることも
弁護士に離婚請求や慰謝料請求を依頼して、浮気の証拠を集めてもらうという方法があります。というのも弁護士は「弁護士照会制度」を利用して、公的機関や会社に証拠となるものの提出を求める権利を持っているため。弁護士はこの制度を利用して、次のような証拠集めが可能です。
- 電話番号の履歴から電話の相手がだれか(住所・氏名)分かる
- 携帯メールアドレスから、携帯電話番号が分かる
- 出入国の記録が調べられる
弁護士照会制度はどのようなケースでも利用できる訳でありませんが、弁護士に依頼すると利用できる場合があります。
浮気の無料相談ができるところや弁護士がベストな理由については、こちらの記事を参考にしましょう。
「浮気の無料相談どこでできる?身近な窓口と相談のポイント、弁護士がベストな理由」
自分で証拠を集めるときの注意点
自分で浮気の証拠を集める場合、次のような点に注意が必要です。
相手の警戒心を強める言動はNG
浮気の証拠を集めている最中は、相手の警戒心を強めるような言動は絶対にやめましょう。相手が浮気がバレることを警戒して、その後の調査がやりにくくなるため。例えば次のような言動は、相手の警戒心を強める恐れが高いでしょう。
- 「誰かほかに好きな人がいるんじゃないの?」とカマをかける
- 「浮気してるんでしょ!」と問い詰める
- 脅すような言葉遣いをする
- スマホのロックを外して中を勝手に見る
- 尾行して浮気相手宅の敷地に侵入する
- パートナーや浮気相手の職場に押し掛ける
- 浮気相手に直接電話・訪問する
- SNSで浮気をしている可能性があることを暴露する
- パートナーの友人や親兄弟に相談する
- 関係者の職場や知人等への聞き込み
証拠がない状態で相手を追い込むような言動をすると、言い逃れされたりごまかされる可能性が高いでしょう。最悪の場合、パートナーとの関係にさらなる亀裂が入る恐れも。直接当事者に確認するときには、浮気の確実な証拠を手に入れてからにしましょう。
加工や捏造はしない
いくら浮気の証拠がないからといって、自分で証拠を加工・捏造してはいけません。デジカメで撮った写真データやLINEのトーク画面のスクリーンショット、メールのやり取りなどのデジタルデータは改ざんが容易です。そのため証拠力がやや弱くなりがち。
また自分で偽物の情報を作り出すのは、犯罪となる可能性があります。不正が発覚すると慰謝料請求や離婚請求が身と得られないばかりでなく、逆に訴えられる可能性が高いでしょう。デジタルデータを浮気の証拠としたいときには、次のような工夫が必要です。
- 写真は日付が印字されるインスタントカメラで撮影する
- メールなどは送信先・発信元のメールアドレスが表示されている部分とやり取りを画面に表示させ、別のカメラで撮影する
- LINEのトーク画面は自分のスマホで動画撮影し、撮影日時が分かる新聞やテレビ画面から一息でトーク画面を撮影する
不正アプリは使わない
浮気の証拠を得るときに、不正アプリは使わないようにしましょう。中にはパートナーの浮気を疑い、相手のスマホに「浮気発見アプリ」などを勝手にインストールし、位置情報やメールのやり取りなどを把握しようとする人がいるかもしれません。
しかし勝手に他人のスマホの中にアプリをインストールすることは、たとえ配偶者であっても「不正指示電磁的記録供用罪(刑法第168条)」という犯罪行為になります。この犯罪はたとえ未遂でも処罰の対象に。3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
違法な調査・犯罪行為はしない
上で少し触れましたが、違法な調査や犯罪行為を伴う調査は絶対にやめましょう。裁判で証拠として認められないばかりか、逆に訴えられる可能性があります。
違法な浮気調査 | 該当する犯罪(刑罰) |
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浮気相手を尾行して相手宅の敷地や住居に侵入した | 住居侵入罪(3年以下の懲役または10万円以下の罰金) |
浮気相手の車に手を加えてに盗聴器やGPSを仕掛けた | 器物破損罪(3年以下の懲役または30万円以下の罰金刑、もしくは科料) |
固定電話の回線に盗聴器を仕掛けた結果、通信に何らかの妨害を生じさせた | 有線電気通信法違反(5年以下の懲役または100万円以下の罰金) |
スマホや個人パソコンのパスワードを勝手に開錠した | 不正アクセス禁止法違反(3年以下の懲役または100万円以下の罰金) |
パートナー日記や手帳を盗み、証拠として勝手に提出した | 窃盗罪(10年以下の懲役または50万円以下の罰金)
横領罪(10年以下の懲役) (ただし夫婦間では刑が免除される) |
刑法上の規定はないものの、民法上のプライバシーの侵害につながる場合も。相手のスマホの中を見たいときには、相手に了承を得てからにしましょう。
風俗店の利用は証拠になりにくい
パートナーが風俗通いをしている場合、浮気による離婚請求や慰謝料請求が認められるかは難しいところです。過去の判例から見ても、1回限りの利用で離婚請求は認められにくく、風俗店を客として利用しただけなら相手の女性に慰謝料請求することはできません。このような場合、性的行為を行うことは業務の一環としているからです。
ただし相手がキャバクラ嬢やクラブのホステスの場合、性的行為を行うことを業務とはしていないため、不貞行為があった場合は相手の女性やパートナーに慰謝料請求できます。
まとめ
自分で浮気調査をした場合、思うような証拠が集められない可能性があります。不貞行為があったという証拠が集められないと、配偶者に離婚請求できなかったり、パートナーや浮気相手に慰謝料請求ができません。これらの請求を希望する場合は、何らかの対処が必要です。
自分で浮気の証拠を集める場合は、絶対に調査していることをバレないように気を付け、データの改ざんや違法行為を行わず、不正アプリは使わないようにしましょう。決定的な証拠が取れなくても、複数の証拠により不貞が証明できる場合も。
自分でどのような証拠を取ればいいか分からない、証拠の取り方が分からないという方は、男女問題に詳しい弁護士に相談しましょう。提携の探偵事務所を紹介してもらえたり、弁護士職権により証拠が得られるかもしれません。まずはこれまでの状況を分かりやすくまとめ、弁護士事務所の無料相談に行ってみてはいかがでしょうか。