昔の不倫を追及できる?慰謝料請求が認められる要件と時効援用・時効の更新について徹底解説

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  • 「昔の夫の不倫で慰謝料請求したい」
  • 「10年前の不倫で慰謝料請求された、これって支払う義務があるの?」

配偶者の昔の不倫を今初めて知って、慰謝料請求したいと思っている方はいませんか?または昔の不倫が原因で自分が慰謝料を請求されているという人もいるかもしれません。昔の不倫を追及するときにポイントになるのが「時効」の問題です。

そこでこちらの記事では、昔の不倫での慰謝料請求の時効について、そのカウント方法や時効を延長する手続き、時効を主張する方法について詳しく解説していきます。昔の不倫は時間が経てばたつほど、追及するのが難しくなります。ときには専門家の力を借りながら、納得のいく方法で追及していきましょう。

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目次

昔の不倫で慰謝料請求ができるかについて

まずは昔の不倫で慰謝料請求ができるかについて解説していきます。

慰謝料請求が可能な場合がある

すでに関係が終わった昔の不倫でも、慰謝料請求が可能なケースがあります。つい最近まで関係が続いていたという場合はもちろんですが、1年~2年前に相手と別れた場合でも慰謝料問題に発展する可能性が少なくありません。

下で詳しく説明しますが、不倫慰謝料の請求権には時効があり、いくら昔の不倫だとしても時効になる前の事であれば慰謝料請求が認められているからです。

不倫慰謝料の相場

昔の不倫で慰謝料請求された場合、今現在も継続中の不倫と比べても、基本的に相場の金額に差は出ません。支払う慰謝料の金額の相場は、過去の裁判例から算出すると50万~300万円程度です。この金額を大きく左右するのは、「不倫発覚後の婚姻関係がどう変化したか」という要素です。

発覚後の夫婦関係に応じて、次のように相場金額が変わってきます。

婚姻関係を続ける場合 50万~100万円
不倫が原因で別居した場合 100万~200万円
不倫が原因で離婚した場合 200万~300万円

不倫慰謝料は、夫婦の平穏な婚姻生活を送る権利を侵害したことによる精神的苦痛に対する損害賠償です。不倫発覚後も婚姻生活を継続するケース・別居したケース・離婚したケースで精神的苦痛の大きさが変わるため、上記のような相場になるのが一般的です。

離婚慰謝料で1000万円もらえるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「離婚慰謝料で1000万もらえる?高額慰謝料を手にする方法と減額するコツとは」

金額を左右する要素

不倫発覚後の夫婦関係以外にも、次のような要素で金額が変動します。こちらでは、不倫慰謝料の相場が高くなるケースと低くなるケースに分けて解説していきます。

相場が高くなるケース 相場が低くなるケース
  • 婚姻期間が長い
  • 不倫の期間が長い・回数が多い
  • 夫婦の間に小さな子どもがいる
  • 慰謝料を請求される側の年齢・年収・社会的地位が高い
  • 不倫が原因で精神疾患を発症した
  • 不倫発覚前の夫婦関係が円満だった
  • 反省や謝罪の態度がない
  • 発覚後も不倫関係を続けた
  • 婚姻期間が短い
  • 不倫期間が短い・回数が少ない
  • 不倫が発覚する以前から夫婦関係が悪化していた
  • 不倫された側にも一定の責任がある
  • すでに社会的制裁を受けている
  • 真摯な謝罪の態度があった

すでに別れている過去の不倫であっても、不倫期間が数年にも及ぶ場合には慰謝料が高額になりやすいでしょう。逆に一度きりの不倫やすでに会社にバレて社会的制裁を受けているケースでは、慰謝料相場は低額になりやすいです。

不倫慰謝料の相場が変動する要素については、こちらの記事を参考にしましょう。

「不倫がバレたらどうなる?トラブルを防ぐ対処法や慰謝料の相場・変動する要素を解説」

慰謝料金額の決め方

不倫慰謝料の金額の決め方は、当事者同士で交渉をして決めるのが一般的。最初に相手から請求された金額は、相場よりも高額なことが多いので、提示された金額をそのまま支払う必要はありません。自分のケースでは相場がどのくらいか確認した上で、減額交渉も可能です。

とはいえ慰謝料の適正な金額は個々のケースによって異なります。不倫の様態や夫婦の状況も、一つとして同じものはありません。不倫慰謝料の適正な相場が知りたい方は、不倫問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

昔の不倫で慰謝料請求が認められる要件

昔の不倫の場合、どのようなケースで慰謝料請求が認められるのでしょうか。こちらでは5つのケースについて、解説していきます。

不貞行為があった

昔の既婚者との交際で、不貞行為があったとみなされると慰謝料請求が認められます。不貞行為とは、配偶者以外の人と自由な意思の元で性的関係を持つことをいい、民法で認められた離婚理由になるだけでなく、慰謝料請求が認められる要件にもなります。

(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。

(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

引用:民法|e-gov法令検索

自分の配偶者が過去の不倫で不貞行為があったと認められれば、配偶者やその不倫相手に慰謝料を請求できます。

浮気と不倫の違い、不貞行為の定義について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「浮気と不倫の違いはある?法律上の不貞行為の定義や『不倫しているかも』と思ったときの対処法」

不貞行為の証拠がある

慰謝料請求の問題が裁判にまで発展した場合、客観的に不貞行為があったと認められる証拠が必須です。具体的には次のようなものが不貞行為の証拠となります。

昔の不倫の場合、ラブホテルへの出入りや第三者の証言といった証拠を取るのは難しいかもしれません。しかし現在も不倫相手と連絡を取っている場合には、その連絡自体を証拠として確保できます。また本人が不倫を認めているときには、その証言を理由に慰謝料を請求できます。

メールだけの浮気で慰謝料請求できるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「メールだけの浮気で慰謝料請求できる?できるケースとできないケース、注意点を解説」

相手が既婚者だと知っていた

かつての不倫相手に慰謝料を請求するためには、相手が既婚者だと認識していたという事実が必要です。相手が既婚者だと知らなかった、または知らなかったことについて過失がない限り、慰謝料請求は認められないからです。

自分の配偶者が独身だと嘘をついて交際していた場合や、不倫相手の両親に会うなど不倫相手との結婚話を進めていた事実がない限り、慰謝料請求は可能です。このとき問題になりやすいのは「はっきりと確認したことはないが、様々な状況から既婚者だということを想定できる」ケースです。

いずれにしろ、既婚者だと知らなかったことを証明するのは、慰謝料を請求されたかつての不倫相手の側だということを覚えておきましょう。

略奪婚で慰謝料を請求されるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「略奪婚で慰謝料を請求される?略奪婚を考えている人が知っておきたいリスクや法的知識」

不倫発覚前まで夫婦関係が破綻していない

昔の不倫で慰謝料を請求するためには、不倫が明らかになる前までは夫婦関係が破綻していないことが条件です。一方で不倫が始まる以前から別居していたなど、夫婦関係が破綻していたと判断できるときには、慰謝料請求が認められない可能性があります。

というのも不倫慰謝料は、離婚による精神的苦痛を慰謝するためというだけでなく、夫婦の幸せを壊したという法益侵害も対象になるため。不倫開始時点ですでに夫婦関係が破綻していた場合には、守るべき法益がないため、慰謝料請求も認められないか、もしくは認められても減額されるのが実情です。

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

引用:民法|e-gov法令検索

別居から離婚が成立するまでの期間がどのくらいか知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「別居からの離婚が成立する期間はどれくらい?必要な期間や別居する際の注意点」

自分の意思で不倫していた

不倫をしていた人が自分の意思で性的関係を持っていた場合に、慰謝料請求が認められます。よくあるケースに「相手に泣きつかれたから」「相手に迫られて仕方なく」と言い訳する人がいますが、それでも自分の意思で断ることができたはずなので、慰謝料請求から逃れることはできないでしょう。

民法でも不貞行為を「配偶者のある者が自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」と規定しています。ここでは相手方の自由意思に基づくものであるかどうかは問わないとしています。

ただし性的関係を持った相手が上司や取引先など、自分の意思で誘いを断るのが難しかった場合には、慰謝料請求が認められない可能性があります。また脅迫や暴行を用いた「不同意わいせつ罪」や「強制わいせつ罪」などの犯罪行為も同様です。

昔の不倫で慰謝料を支払う必要がないケース

前項では昔の不倫で慰謝料を請求できるケースについて紹介しましたが、以下のようなケースが認められれば慰謝料を支払う必要がない場合があります。

既婚者だと知らずに性的関係を持った

既婚者だと知らずに性的関係を持った場合、故意や過失がないと判断されると慰謝料を支払う必要がないか、支払う場合でも減額できる可能性があります。具体的には次のようなケースです。

  • 知り合ったきっかけが独身限定のマッチングアプリ
  • お見合いパーティーや結婚相談所で知り合った
  • お互いのことをよく知らないまま1回だけ関係を持った
  • 既婚者だと知ってすぐに別れた
  • 相手が独身・バツイチだと嘘をついていた

ただし既婚者だと知らなかったとしても、長く交際していた場合には既婚者だと気が付けたはずだとして、慰謝料請求を拒否できない可能性があります。また相手が同じ会社だったり、共通の知り合いがいる場合には、既婚者だと知らなかったことや知ろうとしなかったことに落ち度(過失)があるとして、慰謝料請求が認められるでしょう。

彼氏が既婚者だと知らずに慰謝料を請求されたときの対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。

「彼氏が既婚者だと知らなかった…慰謝料請求されたときの対処法や減額方法を解説」

デートしていたが性的関係はない

不倫慰謝料が認められるのは、配偶者以外の人との性的関係がある場合です。性的関係とは挿入を伴う性行為や前戯・手淫・口淫などの性交類似行為をいいます。既婚者とデートや食事をするだけの関係の場合は、不貞行為がないとして基本的に慰謝料請求が認められません。

ただし例外として、性的関係がなくても頻繁にデートを繰り返していたり、キスや抱き合うなどの行為を何度も行っていたときには、社会通念上許されない行為として、慰謝料を請求できる場合があります。

プラトニック不倫で慰謝料の問題が生じるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「プラトニック不倫で慰謝料は発生する?不貞行為との違いと慰謝料相場、請求する・されたときの対処法」

すでに時効が到来している

過去の不倫の場合、すでに時効が到来していると慰謝料を請求できなくなります。慰謝料請求権にはその権利が消滅する期限があり、その期限のことを(消滅)時効といいます。その時効を過ぎてしまうと、過去の不倫に対して慰謝料を請求できません。

不倫慰謝料の時効については次項で詳しく説明しますが、すでに時効になっているケースでは、請求者に「時効のため慰謝料を支払う義務はありません」と伝えれば支払いを拒否できます。

不倫慰謝料の「時効」とは

こちらでは不倫慰謝料の時効について、詳しく解説していきます。そもそも時効は、権利を行使しない(慰謝料を請求しない)状態が一定期間経過した場合に、その権利を消滅させる制度です。時効があるのは次の二つの理由からです。

法的安定性の確保 加害者がいつ慰謝料を請求されるかもしれないという不安を抱え続けなければならない状況を避け、期限を設けて権利関係を確定させることで社会生活の安定を図る
立証責任の負担軽減・公平性 時間が経つにつれ不倫の証拠が失われたり、記憶があいまいになったりして事実関係の立証が困難になりがちだが、この状況で慰謝料を請求し続けることを防ぐ目的がある

時効の期限は2つある

不倫をはじめとする「不法行為による損害賠償請求権の消滅時効」が規定されているのは「民法」です。民法では、時効の期限を次のように定めています。

(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)

第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。

二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

こちらでは「3年」と「20年」の消滅時効について、詳しく見ていきましょう。

「3年」の消滅時効

不倫の慰謝料請求権は、損害(不倫行為)または加害者(不倫した配偶者もしくは不倫相手)を知ったときから3年で時効を迎えます。つまり夫が過去に不倫していたことを知った時点から3年間は、妻は夫に対して慰謝料を請求できます。また夫の不倫相手が誰かを知った場合、その時点から3年間、その不倫相手に対して慰謝料を請求できます。

では妻が夫の不倫もしくはその相手を知らずにいた場合は、どうなるのでしょうか。

「20年」の消滅時効

民法では不倫の事実を知らなかったとしても、実際に不倫が行われた時点から20年が経つと、慰謝料の請求権が消滅すると規定しています。これが2番目の「不法行為の時から二十年間行使しないとき」です。つまり不倫行為が行われてから20年が経過した後で昔の不倫について知った場合、配偶者やその不倫相手に慰謝料を請求できないという訳です。

2020年4月の民法改正以前は、20年の時効を「除斥期間」としていましたが、現在では3年・20年どちらも時効と明記されるようになりました。3年もしくは20年の時効のうち、いずれか早く到来した方が慰謝料請求権の時効となります。

(元)配偶者への慰謝料請求の時効

(元)配偶者に対して慰謝料請求をする場合の時効は、離婚した場合としない場合で変わってきます。

離婚した場合 離婚成立時から3年(離婚慰謝料)

不倫の事実もしくは不倫相手を知ったときから3年(不倫慰謝料)

離婚しない場合 不倫の事実もしくは不倫相手を知ったときから3年、不倫行為が行われたときから20年のいずれか早い方

離婚した場合、離婚に対する慰謝料と不倫に対する慰謝料の二種類があります。それぞれで精神的苦痛を受けた原因が異なるため、時効のカウントの起算点が変わってきます。

離婚しない場合は不倫慰謝料を配偶者に請求できますが、ここでいう「不倫を知ったとき」というのは疑いを持った段階でなく、あくまでも不倫の事実が確定した時点となります。例えば不倫が確定的になった証拠を入手した日や配偶者が不倫の事実を認めた日から時効のカウントを開始します。

不倫相手への慰謝料請求の時効

不倫相手への慰謝料請求の時効は、不倫相手がどこのだれか特定し、かつ不倫の事実を知った時点から3年です。相手の素性が分からない状態では、不倫相手を特定したとはいえません。慰謝料請求のために最低限必要な、相手の住所や氏名を知ってから3年が不倫慰謝料の時効となります。

時効のカウント方法

慰謝料請求の時効は次のような方法でカウントしていきます。

慰謝料請求事由の発生 時効の起算点 時効の到来日
不倫があった(2020年1月1日) 2020年1月2日 2023年1月1日・2040年1月1日
不倫の事実が発覚した(2021年1月1日) 2021年1月2日 2024年1月1日
不倫相手が発覚した(2023年1月1日) 2023年1月2日 2026年1月1日
夫婦が離婚した(2024年1月1日) 2024年1月2日 2027年1月1日

慰謝料請求の消滅時効のカウント起算日は、請求事由発生日の翌日からです。これは民法第140条の「初日不算入の原則」に基づいた、「日・週・月・年で期間を定めた場合、その期間の初日はカウントに含めず、翌日からカウントを開始する」という決まりからです。

時効の期限は「時効の更新」で延ばすことができる

上で解説した時効の期限は「時効の更新」という手続きを取ることで延長できます。2020年の民法改正前までは「時効の中断」と呼ばれていましたが、現在は「時効の更新」という名称に変更されています。時効の更新をすることで、それまでの時効のカウントがリセットされ、新しい時効のカウントがスタートします。

「時効の更新」の手続き方法

時効を更新するには、次のような方法があります。

  • 内容証明等で慰謝料を請求する
  • 慰謝料の支払い義務を承認させる
  • 協議を行う旨の合意をする
  • 調停や裁判の申立てをする

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

慰謝料を請求する

元配偶者や不倫相手に対して内容証明郵便等を使って慰謝料を請求することで、請求時から6カ月時効のカウントを止めることができます。慰謝料の請求のことを法律では「催告」と表現し、時効のカウントを止めることを「猶予」といいます。これは時効の期限が近付いているときに、とても効果的な方法です。

催告の方法は口頭でもいいのですが、「言った・言わない」等のトラブルを避けるため、また法的に有効な証拠とするために内容証明郵便で請求するのが一般的です。

慰謝料の支払い義務の承認をさせる

加害者が慰謝料の支払い義務があることを認めることで、時効の期限がリセットされます。上で説明した「猶予」と違い、時効のカウントがまたゼロからスタートするイメージです。支払い義務を認めさせることの他にも、慰謝料の一部を支払ってもらうことでも債務の承認とみなされます。

加害者が承認した上で減額交渉を希望するときには、承認した旨を書面に残しておくのがおすすめです。しかしながら不倫の事実について争いがあるときには、債務の承認が難しくなります。

協議を行う旨の合意をする

加害者と慰謝料請求について話し合うことを書面等で合意ができると、以下の期間が経過するまで時効は成立しません。

  • 合意したときから1年
  • 1年未満の協議期間を定めたときはその期間
  • 教義の続行を拒否する旨の書面を通知したときは、その時点から6カ月

相手が不倫の事実を認めているのであれば、後のトラブルを防ぐためにも書面を交わしておきましょう。

調停や裁判の申立てをする

不倫慰謝料請求の調停や裁判の申立てをした場合、その手続きが終了するまでの間時効が完成しません。なおこれらの手続きによって慰謝料請求権が確定したときには、その確定した権利の時効は手続き終了時からカウントが開始されます。

昔の不倫を追及するときのポイント

昔の不倫を追及する場合、次のような点に注意が必要です。

確実な不倫の証拠を確保する

昔の不倫で慰謝料を請求しようと思ったら、確実な不倫の証拠を確保することから始めてください。不倫から時間が経てばたつほど、証拠がなくなっていく可能性が高まります。もしくは証拠隠滅のために、加害者がLINEやメールでのやり取り、不倫相手との写真や動画を消去するケースもあるでしょう。

不倫していたかもと思ったら、相手に問い詰める前にできるだけ早めに証拠集めをすることをおすすめします。

メールだけの浮気で慰謝料請求できるのかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「メールだけの浮気で慰謝料請求できる?できるケースとできないケース、注意点を解説」

慰謝料請求は早めに

昔の不倫について慰謝料を請求しようと思ったら、早めに動く必要があるでしょう。慰謝料の請求権は早いと3年で時効を迎えてしまいます。「落ち着いたら請求しよう」と思ったら、すでに時効期間を過ぎていたというケースも少なくありません。

自分だけでどう動いたらいいか分からないという場合は、まずは不倫問題に詳しい弁護士に相談してみましょう。慰謝料請求に向けてどのような証拠を確保し、どのような手続きを取っていけばいいかアドバイスを受けられます。

請求相手を検討する

不倫慰謝料を請求しようと思ったら、請求相手を検討することも忘れずに。不倫慰謝料は(元)配偶者と不倫相手のどちらにも請求可能です。しかし不倫相手に請求する場合、相手の氏名や住所が分からないと内容証明郵便を送付したり裁判所に調停を申し立てることができません。

また不倫相手が分かっていても離婚するかどうか迷っているうちに3年の時効が経過すると、結局離婚することになっても不倫相手には慰謝料を請求できないことに。時効の期間なども考えながら、誰に慰謝料を請求するのがベストな方法か検討しましょう。

離婚しない場合は「求償権」に注意する

離婚せずに不倫相手にのみ慰謝料を請求する場合には、「求償権」に注意しましょう。不倫の慰謝料は、不倫を行った配偶者とその不倫相手に請求することができます。しかし慰謝料の二重取りはできず、双方の不倫についての責任の割合に応じて負担割合が決められます。

このとき一方が自分の負担割合以上の慰謝料を支払った場合、もう片方の加害者に対してその負担した分を請求する権利があります。これを「求償権」といいます。

例えば夫と不倫相手の女性Aが不倫し、不倫慰謝料の総額が150万円、加害者双方の責任割合が50:50だったとします。あなたはAに対して100万円の慰謝料を請求し、満額支払いを受けたとしましょう。このときAは自分の負担分を超えて支払った25万円を、あなたの夫に対して請求できます。

夫と離婚しないときには、家計からこの25万円が出ていくことに。このように離婚せず不倫相手にのみ慰謝料を請求する場合には、求償権にも注意しながら慰謝料金額を決める必要があります。

不倫問題に詳しい弁護士に相談

昔の不倫を追及して慰謝料を請求したいと思ったら、不倫問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。時効のカウントや起算点、更新の方法は複雑で法的な知識が欠かせません。また時間が経ち過ぎて証拠を確保できないといった問題が生じることも。

このようなときに弁護士に相談できれば、慰謝料請求の可否や時効の問題、証拠の集め方や相手との交渉についてアドバイスが受けられます。実際に弁護士に対応を依頼できれば、時効の更新や調停、裁判など法的な手続きのサポートを受けられます。

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昔の不倫で慰謝料を請求された側のポイント

昔の不倫で慰謝料を請求された場合には、どのような対応を取るべきでしょうか。こちらでは請求された側の立場から、具体的な対処法を解説していきます。

無視はしない

「過去の事だから」「もう時効に違いない」と考えたとしても、無視はしないようにしましょう。とくに内容証明郵便などで慰謝料を請求された場合は、それにより時効の完成猶予が認められる可能性があるためです。無視し続けていると余計の相手の感情を逆なでするだけで、より強力な法定手続きに移行する恐れもあります。

とくに相手に弁護士が付いている場合には、慰謝料請求を諦めるということはまずありません。どのような証拠をもとに請求してきたか確認した上で、こちらも弁護士に依頼する等の対処が必要になります。

不倫慰謝料を払いたくない、減額できないか知りたいという方は、こちらの記事を参考にしてください。

「不倫・浮気の慰謝料を払いたくない!請求の拒否や減額ができるケースとは?」

時効を主張するには「援用」の手続きが必要

慰謝料請求に対して時効を主張するには、「時効援用(じこうえんよう)」の手続きが必要です。時効援用とは、慰謝料を請求された側が「時効が成立したので支払いません」と主張すること。いくら時効が完成していても時効援用の手続きをしない限りは、慰謝料を請求され続ける可能性があります。

時効援用の方法

時効援用の方法は、請求者に対して「時効援用通知書」を内容証明郵便で送付するのが一般的です。時効援用通知書には次のような内容を記載します。

  • 相手方の住所・氏名
  • 自分の住所・氏名
  • 請求された慰謝料の金額・請求日
  • 不倫があった年月日や不倫の内容
  • 時効の完成期日「令和○年○月○日をもって3年が経過しました」
  • 「消滅時効を援用します」という意思表示

時効援用通知書は自分で作成することもできますが、時効の起算日や時効の完成猶予事由の有無でトラブルになる可能性も。できれば弁護士に依頼した上で、時効援用ができるのかの確認や、実際の時効援用の手続きを依頼しましょう。

時効援用の効力は人ごと

時効援用の効力はその人ごとに生じます。例えば離婚した元妻が時効の完成後に昔の不倫相手に慰謝料を請求したとします。不倫相手が時効の援用をしたとしても、その効力は元夫のあなたには及びません。あなたも時効による権利の消滅を希望する場合は、自分で時効援用の手続きをする必要があるという訳です。

時効完成後の承認について

時効完成後に不倫の被害者から慰謝料請求された場合、完成していることに気が付かずに慰謝料の支払いを承認してしまうこともあるかもしれません。しかし承認した後で時効が完成していることに気が付いても、その時点ではすでに時効を援用することはできなくなります。

一度承認してしまえば、不倫の被害者は「もう時効援用されないに違いない」という期待を抱くためです。その後改めて時効援用をすることは、民法の「信義則」に反するとみなされます。昔の不倫で慰謝料を請求された場合、すぐに承認するのではなく時効が完成しているかどうか自分でチェックしてください。

まとめ

昔の不倫を追及して慰謝料請求をしたいと思った場合、不貞行為の有無がポイントになります。またそれを証明する証拠も必須です。それに対して性的関係がない場合や既婚者だと知らなかったことに故意や過失がない場合、すでに時効が完成しているケースでは慰謝料請求が認められません。

慰謝料請求権には、3年もしくは20年という時効があります。請求する相手、慰謝料の種類によって時効の起算日が変わってくるので注意してください。時効完成が近いという場合は、慰謝料請求や調停、裁判の申立てで時効の更新が可能です。

昔の不倫で慰謝料請求をお考えの方は、法律の専門家で交渉のプロでもある弁護士に相談することをおすすめします。過去の不倫であっても、今知ったことで精神的苦痛を受けているのに変わりはありません。妥当な金額の慰謝料を受け取るためにも、一度弁護士に相談してみましょう。

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