育児放棄は離婚理由になる?認められる要件とネグレクトする配偶者とスムーズに離婚する方法

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  • 「育児放棄する妻と離婚したい…」
  • 「育児放棄を理由で離婚する場合の慰謝料請求は可能?」

妻が子どもの面倒を見ない、夫が育児を協力してくれない、これって育児放棄では?という方はいませんか?では育児放棄を理由に離婚することはできるのでしょうか。こちらの記事では育児放棄を理由に離婚ができるかについてや、スムーズに離婚するための手順について解説していきます。

裁判で慰謝料を請求したり離婚を認めてもらうには、育児放棄を客観的に証明する証拠が必須です。必要な証拠の種類や確保のポイントも紹介していきます。子どもと自分の安全を最優先に考えながら、育児放棄する相手とはスムーズに離婚できるよう準備を進めていきましょう。

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育児放棄とは

育児放棄で離婚を考えている場合、夫や妻が子どもに対してしていることが離婚が認められるほどの行為かについて判断する必要があります。そのためにもまずは育児放棄の定義やその内容につい詳しく見ていきましょう。

児童虐待の一種

育児放棄とは子どもにとって必要な世話や養育、保護などを怠って放棄することをいい、児童虐待の一種と考えられています。英語表現では「ネグレクト(neglect)」となり、元々は「無視する」「怠る」「おろそかにする」といった意味を持つ言葉です。ネグレクトは子どもに対してだけでなく、高齢者や障害者などの弱者への虐待の一つでもあります。

厚生労働省によると、児童虐待には次のような4つの種類があります。

  • 身体的虐待
  • ネグレクト(育児放棄)
  • 性的虐待
  • 心理的虐待

ネグレクトだけが単体で行われるケースは少なく、ほとんどはこれら複数の児童虐待が複合的に存在している可能性が高いです。

参考:第1章 1. 子ども虐待とは|厚生労働省

児童虐待の相談件数

ネグレクトを含む児童虐待の相談件数は、特にここ15年で増加傾向にあります。こちらは児童相談所における児童虐待相談の対応件数の推移です。

平成6年度 平成11年度 平成16年度 平成21年度 平成26年度 令和元年度 令和6年度
1,961件 11,631件 33,408件 44,211件 88,931件 193,780件 223,691件

参考:令和6年度児童相談所における児童虐待相談対応件数|子ども家庭庁

ネグレクトだけを見ても、10年前の平成26年度の相談件数が25,842件だったものが、令和6年度になると35,612件と約1万件増えていることが分かります。

育児放棄(ネグレクト)の種類

育児放棄(ネグレクト)には、以下のような種類があります。

身体的ネグレクト 親や養育者が、子どもの生活の基礎となる「衣食住」を適切に与えないことや監護を行わないこと
情緒的ネグレクト 親や養育者が子どもに愛情や関心を示さないこと

子どもが関わろうとしても、拒絶されたり無視されたりする

医療ネグレクト 子どもの健康のために医療ケアや健康ケアが必要であるにもかかわらず、適切なケアを怠り心身の障害につながる(可能性がある)もの

病気やけがの際に病院に行かせない、必要な看病をしないなど

教育的ネグレクト 子どもが学校に行くことや教育を受けることを望んでいるにもかかわらず、学校に入学させない、出席させない、在宅教育を行わないこと

他にも、保護者以外の同居人による虐待行為を放置することもネグレクトに該当します。ネグレクトによって子どもの生命や身体に危険を及ぼした場合、「保護責任者遺棄罪(刑法第218条)」に問われる可能性があります。また子どもの世話をせず放置することは、「児童虐待防止法」違反に当たることがあります。

さらに養育者の状況から見た育児放棄の種類には次の2つがあります。

消極的ネグレクト 親の精神疾患・知的障害・経済的困窮・育児知識の不足などにより、意図せず子どもの養育ができないもしくは放置されること

育児放棄の明確な意図がなく、機能不全家族に多く見られる深刻な育児放棄の状態

積極的ネグレクト 適切な育児を行う能力や経済力、時間があるにもかかわらず、意図的・自発的に必要な養育を放棄する行為

育児放棄(ネグレクト)の具体例

厚生労働省がまとめた児童虐待防止対策によると、育児放棄(ネグレクト)の具体例は以下の通りです。

子どもの健康や安全への配慮を怠る
  • 家に閉じ込めて外に出さない
  • 子どもの意思に反して学校に行かせない
  • 重大な病気になっても病院に連れていかない
  • 乳幼児を家に残したまま度々外出する
  • 乳幼児を車の中に放置する
  • 子どもにとって必要な愛情欲求に答えない
食事・衣類・住居などが極端に不適切
  • 適切な食事を十分に与えない
  • 下着など長期間かえない・風呂に入れないなど不潔なままにする
  • 極端に不潔な環境で生活させる
子どもが生活する環境を与えない
  • 子どもを遺棄する
  • 同居人が子どもに対して精神的虐待・身体的虐待・性的虐待などを行っているにもかかわらず放置する

参考:第1章 子ども虐待の援助に関する基本事項|厚生労働省

育児放棄(ネグレクト)は、子どもが生きていくためや成長するために最低限必要な物・環境を与えない重大な行為です。

子どもへの影響

育児放棄(ネグレクト)が与える子どもへの影響は少なくありません。適切な食事を与えないと、栄養失調や脱水症につながるだけでなく、身体が適切に成長できない原因に。最悪の場合は死に至る可能性もあります。また充分な愛情を与えない行為は、子どもの好奇心や学習意欲の低下の元となり、情緒不安定や愛着障害につながります。

教育的ネグレクトを行えば、言語発達の遅れや学力が低下しない可能性があります。さらに医療ケアを受けさせなかったり養育者の監護が不十分だと、病気やケガをしやすくなり事故に巻き込まれる恐れも。このような児童虐待によって、年間50人以上の尊い子どもの命が失われています。

加えて、大人になってからも虐待や育児放棄(ネグレクト)の経験がトラウマになり、生きづらさや対人関係の困難、自尊心の低下や安心感の欠如といった影響を及ぼします。

「しつけ」との違い

育児放棄をとがめると「これはしつけだから」という人がいます。しかししつけと育児放棄には、次のような明確な違いがあります。

項目 しつけ 育児放棄
目的 社会性や自律のための教育・サポート 養育の拒否・怠慢
判断の基準 子どもの成長のため、感情的にならずに諭す 親の都合や感情のままに行われる
子どもへの影響 心や体が傷つかず、人格を尊重して行われる 子どもの安全や健康を脅かし、最悪の場合は命の危険にさらされる

「しつけ」を理由に子どもへの体罰を正当化する親もいますが、どのような理由であれ体罰は原則として許されない行為です。

尚、改正前の民法ではしつけのために行われる体罰などを容認する「懲戒権」が認められていました。しかし令和4年12月施行の改正民法からは、この懲戒権の規定は削除されています。それに伴い、子どもの心身の発達に悪影響を与えるしつけと称した体罰や暴言が、明確に禁止されるようになりました。

育児放棄は離婚理由になる?

では育児放棄は離婚理由になるのでしょうか。こちらでは育児放棄が理由で離婚ができるのかについて解説していきます。

双方が合意すれば離婚が可能

育児放棄などの理由がある場合でも、特に理由がなくても、夫婦双方が合意すれば離婚ができます。日本には夫婦の協議のみで離婚する「協議離婚」という方法があります。また夫婦の話し合いを家庭裁判所の調停で行う場合は、調停でお互いが離婚に合意すれば「調停離婚」が可能です。

いずれの方法もとくに法律の規定がないため、双方の合意さえあればどのような理由であっても離婚できます。

離婚裁判では法定離婚事由が必要

夫婦のどちらかが離婚を拒否している場合、離婚調停で合意できなければ調停は不成立(不調)に終わり、離婚することはできません。通常はその後、離婚裁判に移行するのですが、離婚裁判では民法で定められている「法定離婚事由」が必要です。

第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

引用元:民法|e-GOV 法令検索

配偶者の育児放棄を理由に離婚したいときには、相手の行為が法定離婚事由のどれに当てはまるか確認が必要です。

「悪意の遺棄」による離婚請求

育児放棄の様態が「悪意の遺棄」と認められれば、裁判で離婚ができます。悪意の遺棄とは正当な理由なく夫婦の同居・協力・扶助義務を放棄する行為。子どもがいる夫婦にとって、ともに子育てすることは夫婦の協力義務の一つです。

従って、「仕事をしていないのに家事や育児をしない」「配偶者や子どもが困窮することが分かっているのに意図的に放置する」という場合には、悪意の遺棄による離婚が認められる可能性があります。

悪意の遺棄で離婚が認められるケースについて詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

「悪意の遺棄での離婚|認められる条件と必要な証拠、スムーズに離婚するためのポイントとは」

「その他婚姻を継続し難い重大な事由」による離婚請求

家事・育児への非協力および育児放棄が原因で夫婦関係が悪化し、修復困難なほど破綻してしまった場合には、法定離婚事由の5番目「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性があります。夫婦の破綻を証明するには、育児放棄の証拠の他に長期間の別居の事実や離婚協議の記録、調停の記録が有効です。

また配偶者が不倫していて夢中になっているなど、育児放棄する事情が隠されている場合には、関連する事実について調査してその証拠が見つかれば、他の法定離婚事由があると主張できるかもしれません。

育児放棄の証拠を確保する

育児放棄で離婚するには、まずその証拠を確保してください。たとえネグレクトの事実があったとしても、それを立証できる証拠がない限り、裁判で離婚が認められないため。具体的には次のような証拠をもとに、配偶者の育児放棄を主張していきます。

育児日記
  • いつどこでどのようなことが行われたのかを記録する
  • 毎日記録することで、どの位の頻度で育児放棄が行われたのかの証拠となる
  • 行われた行為は具体的にかつ、起こった事実だけを書くのがポイント
写真
  • 食事を作らないことが分かるものや少なすぎる食事の写真、掃除をしない不衛生な部屋の写真など
  • 癇癪を起して相手が壁を殴ったことが分かる穴が開いた壁の写真など
  • このとき地上波のテレビ画面が入るように撮影すると、時間的証拠にもなる
動画・音声
  • 配偶者が育児放棄していると分かる様子を撮影する
  • 子育てするように促したのに応じない会話の録音
公的機関・第三者への相談履歴
  • 上記のような証拠が不十分な場合でも、公的機関や第三者への相談は有力な証拠となる
  • 児童相談所や役所の福祉課に相談することで、どのような育児放棄が行われていたかや何回相談があったかの記録を残せる

上記のような証拠の他にも、次のようなものが育児放棄の証拠になります。

  • 幼稚園・保育園・学校の連絡帳
  • 子どもや配偶者と交わしたメール・LINEでのやり取り
  • 配偶者のSNSのスクリーンショット
  • 親族の証言

ここでポイントになるのは、育児日記です。虐待が原因で子どもが怪我をしたとしても、ケガの写真だけでは「別の機会にケガをした」と言い逃れされる恐れがあります。しかし毎日育児日記を付けることで、「このような状況で子供がケガをした」と証拠を裏付けることができます。

確保した証拠は時系列で整理して、日時や場所、状況などが分かるように記録してください。

「ワンオペ育児」程度では離婚が認められない

「旦那が育児を手伝ってくれない、これって育児放棄では?」と思っていても、いわゆる「ワンオペ育児」程度では、裁判で離婚が認められる可能性は低いでしょう。ワンオペ育児とは「ワンオペレーション育児」を省略した造語で、育児の負担が一方の親(主に母親)に偏っている状態のこと。

ワンオペ育児が長期にわたると、1人で育児している親がもう一方に「二人の子どもなのに」と不満を募らせる原因に。やがて離婚を考えるようになることも少なくありません。しかし現実的には、ワンオペ育児だけを理由に離婚裁判をしても、離婚は認められないので注意しましょう。

旦那が育児を手伝ってくれないことで育児ノイローゼになった場合には、こちらの記事を参考にしましょう。

「育児ノイローゼが原因で離婚はできる?苦しい理由や対処法を知り後悔しない選択を」

育児放棄を理由に離婚する手順

相手の育児放棄を理由に離婚を考えたときには、次のような順序で準備・手続きを進めていきましょう。

子どもの安全を最優先に

育児放棄を理由に離婚を考えたとき、まずは子どもの安全を最優先にしてください。配偶者が育児放棄をしている場合、子どもを守れるのはもう一人の親であるあなただけです。配偶者から子どもを守る手段として有効なのが、自治体やNPO法人が運営しているシェルターの存在です。

父親が子どもを連れて家を出る場合、子どもと一緒に暮らせるシェルターの数はまだ少ないのが現状ですが、それでもあきらめずに広くSOSを発信し続けてください。

別居を検討する

離婚問題がこじれると、場合によっては離婚まで何年もかかってしまうことは珍しくありません。しかし離婚が成立するまで同じ家に暮らしていると、育児放棄ばかりか虐待やあなたへのDVに発展する恐れがあります。自分と子どもの命を守るためにも、自宅を出て別居することをおすすめします。

学校や会社近くの賃貸を借りるという方法や実家を頼る、友人宅に身を寄せる方法もあります。別居する場合は、DVなどやむを得ない事情があるとき以外は、なるべく相手に別居することを伝えたうえで家を出るようにしましょう。子どもと一緒に黙って家を出ると「連れ去り別居」とみなされて、親権獲得に不利になる可能性があります。

連れ去り別居の違法性と親権への影響は、こちらの記事を参考にしましょう。

「連れ去り別居は違法?合法?親権獲得への影響と子どもを連れ去られたときの対処法とは」

場合によっては保護命令の申立てをする

別居しても配偶者が別居先に来るかもしれない、顔を合わせたら自分も暴力を振るわれるかもしれないというときには、裁判所に保護命令の申立てをすることをおすすめします。保護命令とは、裁判所がDV防止法に基づいて、配偶者からの身体的暴力を防ぐ目的で次のような決定を下せる制度です。

  • 被害者への接近禁止命令
  • 被害者への電話等禁止命令
  • 被害者の同居の子への接近禁止命令
  • 被害者の同居の子への電話等禁止命令
  • 被害者の親族等への接近禁止命令、
  • 退去等命令

保護命令の申立てをすると、DV被害者であるあなたへの接近禁止命令や電話等禁止命令の他に、子どもへの接近禁止命令や電話等禁止命令も出せます。申立手数料は1,000円+切手代だけで、申立てから7日以内に決定が下されます。この保護命令に配偶者が違反した場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金刑が科せられます。

「DVから身を守る『接近禁止命令』を出すには?手続き方法・注意点・離婚の方法を詳しく解説」

離婚条件を検討する

育児放棄を理由に離婚したいと思ったときには、相手に切り出す前に離婚条件を検討してください。離婚条件とは、次のような内容です。

慰謝料請求

配偶者から直接的なDVやモラハラを受けていたときには、離婚時に慰謝料を請求できます。また育児放棄の原因が相手の不倫だった場合には、不倫慰謝料も請求可能です。それとは別に子どもに対する虐待や育児放棄による精神的苦痛についても慰謝料請求かできます。

子どもが未成年であれば、親が法定代理人という形で請求します。子どもの虐待に対する慰謝料の相場は50万~300万円程度。子どもへの虐待の他に、あなたへのDVや不倫があったときには、増額要素になります。慰謝料を請求するためには、育児放棄を証明する証拠が必須です。育児日記や写真、公的機関への相談履歴などの証拠をしっかり確保したうえで、慰謝料請求しましょう。

慰謝料請求しない方がいいケースについて詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「慰謝料請求しない方がいい? 控えた方がいい11のケースと【離婚理由別】取るべき対策とは」

財産分与

結婚期間中に夫婦が協力して築いた共有財産は、離婚時に折半するのが原則です。これを財産分与と言います。財産分与の対象になるのは不動産や預貯金、年金や有価証券などです。共有財産をリストアップしたうえで、どちらがどのように分けるか検討する必要があります。

子どもがいる場合は、子ども名義の預貯金や学資保険も共有財産になる可能性があります。夫婦が働いて得たお金で貯めたり積み立てたりしたものであれば、名義にかかわらず財産分与の対象です。

子どもの虐待で慰謝料を請求する方法については、こちらの記事を参考にしてください。

「子どもが虐待されたから慰謝料請求したい!配偶者ヘの請求方法を詳しく解説」

親権

配偶者の育児放棄が原因で離婚する場合、相手に子どもの親権を奪われてしまっては元も子もありません。一般的には育児放棄した側が親権を失いますが、こちらの経済力や生活能力に問題があると判断されると、相手側に親権が渡ってしまう可能性も。確実に自分が親権を取れるように、育児の実績を積み重ね、証拠を確保して親権を主張しましょう。

子どもの親権の判断では「子の利益と福祉」が最優先されます。簡単にいうと、子どもの健やかな成長、発達、幸せな生活を送るために最も良いことは何かを考えるということです。そのため、裁判所では次のような要素を重要視します。

  • これまでの監護実績
  • 別居後の監護状況
  • 子どもの年齢
  • きょうだいの有無
  • 非親権者との面会交流の内容・頻度
  • 周囲のサポートの有無
  • 親権者の心身の健康状況
  • 子ども自身の意見

父親が育児放棄する母親から子どもの親権を取ろうと考えたときには、次のような事情があったことを証拠をもとに証明していきます。

  • 子どもの食事や風呂、着替えや寝かしつけはすべて父親がしていた
  • 子どもの送迎や連絡帳の作成は父親がしていた
  • 休日の外出や子どもとの遊びの相手は父親だった
  • 母親は自宅にいてもゲームやテレビに夢中で子どもの面倒を見ない
  • 母親が頻繁に外出・外泊していて、家にほとんどいない
  • 母親が水商売のアルバイトをしていて、日中は寝てることが多く、子どもは放置されていた
  • 子どもが小さいころから父親が積極的に育児に参加していて、子どもの信頼が厚く、離婚後も父親と暮らすことを希望していた

父親が親権を取るポイントについては、こちらの記事を参考にしてください。

「男性でも親権を取りたい…!重視される9のポイントと父親が親権をとるために必要なこととは?」

養育費

子どもの親権を持たない親は子どもと一緒に暮らす方の親に、生活費や教育費として子どもが自立するまでの間、養育費を支払う義務があります。離婚時には子どもの養育費の金額や支払い方法についてあらかじめ決めておくといいでしょう。

養育費の金額は、子どもの年齢や人数、夫婦の収入によって自動的に算出できます。詳しくは裁判所の「養育費算定表」を参考にしてください。ただ離婚時に取り決めをしていたとしても、育児放棄するような親の場合、養育費の支払いを途中でやめてしまう可能性があります。

いざというときにすぐに相手の給与を差し押さえできるよう、離婚協議書を作成したうえで「認諾文言付き公正証書」にすることをおすすめします。

養育費の支払い期間について知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「養育費は何歳まで支払う?支払期間の考え方や変更・減額方法を解説」

面会交流

離婚後も離れて暮らす親と子が定期的に交流することは、親にとってだけでなく子どもにとっても望ましいという考えが一般的です。そのため特別な事情がない限りは、面会交流を実施する方向で離婚時に取り決めをします。しかし育児放棄する親の場合には、面会交流の実施は慎重に考えた方がいいでしょう。

安易に面会交流を実施すると、子どもに危害が及ぶ可能性があるためです。直接的な身体への虐待がないにしろ、過去のトラウマがよみがえって、かえって子どもが辛い思いをしてしまう可能性も。場合によっては直接会う面会交流を断り、電話での交流や写真を送るなどの間接的な交流にとどめることを検討しましょう。

面会交流の第三者機関を利用したいとお考えの方は、こちらの記事を参考にしてください。

「面会交流の第三者機関とは|組織の種類と支援内容・費用相場を知り利用するかどうか検討しよう」

配偶者に離婚を切り出す

離婚条件を精査し、自分と子どもの安全を確保したら、相手に直接離婚を切り出します。まずは協議離婚を目指して、どうして自分が離婚したいと思ったのかや、離婚したい気持ちが揺るがないことなどを冷静に説明してください。そのうえで自分たち夫婦にとって、離婚がベストな選択だということを伝えましょう。

離婚協議で話し合った内容は、離婚協議書にまとめると後のトラブルを予防できます。決めた約束がきちんと守られるよう、公正証書にしておくことも忘れないようにしてください。

子持ち男性が離婚を決めた後にすべきことや親権をとるための方法は、こちらの記事を参考にしましょう。

子持ち男が離婚を決めるとき|離婚を決めた後にすべきこと&親権を取るための方法とは?

離婚調停を申し立てる

相手が離婚を拒否しているときには、家庭裁判所に調停を申し立てて、調停の場で話し合いを継続します。調停は非公開で行われ、男女各1名ずつの調停委員が双方の間に入って話を聞いてくれます。夫婦が直接顔を合わせずに済むため、より冷静に話し合うことができるでしょう。

とはいえ、離婚調停も協議離婚の延長です。どちらかが離婚を拒否している、もしくは離婚条件で折り合わない限り、離婚が成立しません。尚、最初から離婚裁判を念頭に置いている場合も離婚調停を経る必要があります。

離婚調停に相手が来ないときはどうなるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

離婚調停に相手が来ない場合はどうなる?ケース別の対処法と調停が不成立になった後で離婚する方法とは

離婚審判を申し立てる

離婚することに関して合意ができているものの細かい離婚条件で折り合いがつかないときには、離婚調停が不成立に終わった後で審判を申し立てるという方法があります。審判では家庭裁判所の調査員の意見を聞いたうえで、最終的に裁判所が判断を下します。

審判書が送達されてから2週間以内に異議申し立てがなければ、裁判上の和解と同様の効力を持つ審判確定となります。審判確定後は10日以内に「確定証明書」や「審判書謄本」を添付した離婚届を役所することで離婚が成立するという流れです。

離婚裁判を提起する

相手の合意が得られずに調停が不成立になった場合には、最終的に裁判を起こすしか離婚する方法がありません。上で紹介したように、離婚裁判をするには「法定離婚事由」が必要で、それを証明する証拠も必須です。離婚裁判の申立先は、夫婦いずれかの住所地を管轄する家庭裁判所となっています。

裁判は原則として公開で進められ、口頭弁論の後、本人尋問や証人尋問が行われます。裁判では法的な知識や経験が不可欠で、精神的・時間的負担が大きくなります。自分一人で対応するのは不可能なため、専門家のサポートを検討してください。

離婚裁判で負ける理由が知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「離婚裁判で負ける理由|統計からみる裁判結果と裁判を進めるコツ&負けたときの対処法とは」

弁護士に相談

育児放棄を理由に離婚したいときには、離婚問題に詳しい弁護士に相談するのがおすすめです。離婚が認められるかどうかの判断が得られ、相手との交渉も任せられます。とくに育児放棄する妻には子どもの親権を絶対に渡したくないと考えるのなら、戦略的に親権獲得のために動かなければなりません。

早い段階で弁護士に依頼できれば、有利に離婚をすすめられる可能性が高まります。調停や裁判など法的手続きを自分だけで対応するのが不安という方も、弁護士にお願いするのがベストです。まずは初回の無料相談を利用して、有利な条件で離婚できそうかの相談をしてみましょう。

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まとめ

子どもに必要な世話や養育、保護を怠る「育児放棄(ネグレクト)」は児童虐待の一種で、子どもの身体や心の成長、生命にかかわる行為です。大切な子どもを守るためには、育児放棄する配偶者から離れた方がいいかもしれません。

育児放棄する相手とは、双方が合意すれば離婚できます。また離婚裁判では、育児放棄が悪意の遺棄に当たる場合や、不貞行為がある場合、その他婚姻を継続し難い重大な事由に該当する場合で離婚が認められます。相手に離婚を切り出す前に離婚条件を検討し、切り出した後は別居も考慮に入れましょう。

育児放棄する相手とは、そもそも離婚の話し合いができない可能性が高いです。離婚を切り出すとあなたや子どもに危害を加える恐れがあるかもしれません。そのようなときには早めに、離婚問題に詳しい弁護士に相談したうえで、正式に対応を依頼しましょう。

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