- 「仮面夫婦でいるのがしんどい…」
- 「どんな仮面夫婦なら離婚すべきなの?」
家庭外では普通の夫婦を演じている仮面夫婦ですが、お互い納得している場合もあれば、離婚したいと思いながらもズルズルと夫婦を続けているというケースもあります。しかし「しんどい」と感じてまで、仮面夫婦を続けるべきなのでしょうか?こちらの記事では仮面夫婦がしんどいと感じたときの対処方法や、離婚を迷った方向けの思考・行動の指針を紹介。
仮面夫婦を続けることは、良い点もありますがデメリットもあります。自分達夫婦が「離婚した方がいい仮面夫婦」に当てはまる場合は、離婚の方法や離婚時に決めること、離婚に向けて準備すべきことを知って、自分や子どものために早めに決断しましょう。
仮面夫婦がしんどいときの対処方法
仮面夫婦の場合、実際は冷え切った間柄なのに子どもの前や保護者との付き合いはもちろん、近所づきあいや親戚づきあいなどの場面でも「仲の良い夫婦」を演じなければなりません。そのような状況が長期間続くと、知らないうちにストレスをため、いつしか仮面夫婦であることをしんどいと感じることも。こちらでは仮面夫婦がしんどいと感じた時の対処方法を紹介していきます。
親や友人に相談する
思い切って、実家の親や親しい友人に相談してはいかがですか?仮面夫婦を貫いている人の中には、親や友人にも本当のことを言っていないという人がいるかもしれません。「実は仮面夫婦だった」とはなかなか打ち明けにくいですが、人に話すことで気持ちが楽になることが大いにあります。
話してみると「なんとなく気づいていた」と言われることも多く、親身になって話を聞いてくれる人がほとんど。自分一人では気が付けなかった視点や考えを発見できるだけでなく、前進してみようという気持ちになれる可能性もあります。
カウンセリングや精神科への受診
周りに打ち明けられる人がいない場合や、どうしても周囲に知られたくないという人は、離婚カウンリングや精神科のカウンセリングを受診すると、様々なアドバイスを得られるでしょう。離婚カウンセリングでは復縁の可能性や離婚についての考え方などがわかり、精神科のカウンセリングでは仮面夫婦によるメンタルの不調を解消できる可能性が。
このような専門家には守秘義務があります。仮面夫婦だということを絶対に知られずにしんどい気持ちを解消するには、専門家によるカウンセリングがおすすめです。
弁護士に相談
離婚を視野に入れている仮面夫婦の場合は、弁護士に相談するのも有効です。離婚の交渉を依頼することだけでなく、離婚によってどのような影響があるのかやどんな方法で離婚が可能か、離婚後の生活における注意点などを知ることができます。
弁護士に相談したからといって、絶対離婚に向かう必要はありません。やり直しができそうな仮面夫婦の場合は、反対に離婚を思いとどまるよう説得されるケースも。離婚が頭の片隅にある方は、弁護士に相談していざというときの対処方法を知る意味でも効果的です。
離婚の相談をする弁護士の選び方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚時に依頼したい弁護士の選び方|相談前・相談時のポイントと費用に関する注意点を解説」
ルールを決めて家庭内別居
夫婦間でルールを決めて家庭内別居するという方法も、仮面夫婦がしんどいときにおすすめです。仮面夫婦でいる限り、相手と中途半端に接触を持つとかえって辛い場合があります。そのようなときは「互いの生活に口を出さない」「居住スペースを完全に分ける」などのルールを決めてしまうと家庭内別居がやりやすくなります。
また小さい子どもがいる場合は「学校行事には夫婦そろって参加する」「子どもがある程度の年齢になるまで離婚しない」などの取り決めをするといいでしょう。ただ子どもがいて家庭内別居をする場合は、子どもへの悪影響が考えられます。子供がいての家庭内別居は慎重にして、できるだけ夫婦関係の修復に力を入れることをおすすめします。
一時的に別居する
相手と同じ空間で生活し続けるのが苦痛だという方は、一時的に別居するのも一つの方法です。別居がお互いに快適ならそのまま別居を続けられ、離れて暮らしてみて離婚を決意した場合は離婚も可能です。反対に元に戻りたいとお互い思った場合は、再び一緒に暮らすこともできるでしょう。一時的な別居はお互いの気持ちを再確認する意味でも有効な手段です。
ただし黙って家から出ていってしまうと、一方的に婚姻生活を放棄したとみなされて離婚時に不利になります。したがって冷却期間を置く意味として、一時的に別居することを別居前に必ず相手に伝えてください。同時に、収入が少ない方は多い方へ「婚姻費用分担請求」が可能です。
子供がいての別居では子どもをどちらが養育するかが問題に。今後の親権問題も関わってくるため慎重に判断しましょう。子どもがある程度の年齢の場合は、子ども自身の意見も尊重する必要があります。
仮面夫婦が離婚を迷ったら…
仮面夫婦を続けることに疑問を持ち離婚を考えるようになった場合、どのように結論を導き出せばいいのでしょうか?こちらでは仮面夫婦が離婚を迷ったときの判断について解説していきます。
仮面夫婦のメリット・デメリットを考える
まずは仮面夫婦のメリットとデメリットを比較して、どちらが自分にとって優先順位が上か考えましょう。
仮面夫婦のメリット
仮面夫婦には主に次のようなメリットがあります。
- 生活費の心配をする必要がない
- 子どもにとって両親が揃っていた方がいい
- 家事や育児を任せられる
- 世間体を保てる
- 年金や遺産相続で得になる
- 配偶者控除が受けられる
- 離婚の面倒な手続きを取らなくて済む
経済力の乏しい専業主婦やパート勤務の方の場合、たとえ仮面夫婦であっても結婚している方が相手の収入があるためお金の苦労をせずに済みます。また子どもの成長にとっては、両親が揃っていた方が良いのはもちろんです。結婚していることで自分の社会的地位を保てたり、世間の目を気にせずにいられるというメリットも。
将来もらえる年金も一人よりは二人の方が多くなる可能性が高く、遺産相続などでも有利に働きます。また離婚時に決めなければならないことや離婚協議書の作成、調停の申し立てなど、面倒な離婚手続きをする必要がないのも仮面夫婦のメリットと言えるでしょう。
仮面夫婦のデメリット
仮面夫婦には上のようなメリットがある一方で、次のようなデメリットもあります。
- 生活費を負担しなければならない
- 子どもへの悪影響
- 周囲に仮面夫婦であることがバレる
- 結婚生活が苦痛に感じる
収入の多い方は少ない方へ生活費を渡す必要があるため、一人で生活するよりも負担するお金が増えます。仮面夫婦を続けていると、そのことが周囲にバレる可能性も忘れずに。さらに冷え切った関係を継続させなければならないため、結婚生活自体が苦痛に感じることもあるでしょう。
仮面夫婦を続けている人の中には「子どものために離婚しない」と人が多くいますが、仮面夫婦でいることの悪影響をしっかり考えてください。子どもは親が思っている以上に周囲のことをよく見ています。以前より両親の仲が悪いと感じると離婚を心配する子どももいます。また「自分のせいで仲が悪いのでは…?」と思い詰めてしまう場合も。
会話やコミュニケーションを増やしてみる
思い切ってこちらから話しかけたり挨拶をするなど、コミュニケーションを増やす努力をしてみましょう。仮面夫婦の特徴として、相手への理解や関心の不足が根底にあります。仮面夫婦を解消するには相手に関心を持ち、相手を理解しようとする姿勢が大切。そのためには相手と話すことが欠かせません。
いきなりたくさんの会話は難しいでしょうから、初めは挨拶からでも結構です。一言から二言、三言と会話を増やす努力をしていきましょう。仕事や子どものこと、最近のニュースやテレビの内容など、話題を見つけたら相手に話しかけていきましょう。またきっかけづくりに感謝の気持ちを伝えるのも効果的です。
仮面夫婦を解消できないか夫婦で話し合う
毎日の挨拶や会話を増やす努力によって相手と話せるようになったら、仮面夫婦を解消できないか話し合ってみましょう。会話のなさで仮面夫婦になった場合は、再構築できる可能性があります。自分にも非があったと思えば、悪かった部分を謝り「再構築したいと考えている」と自分の気持ちを伝えましょう。
カップルカウンセリングを受ける
もしも夫婦二人でカウンセリングを受けられるようなら、カップルカウンセリングを受けることをおすすめします。カップルカウンセリングを受けることで以前は気が付かなかった相手の気持ちに気が付くことができ、夫婦としての愛情や信頼関係を取り戻すきっかけになることも。相手をどう誘っていいか分からないという方は、まずは一人で相談に行ってみましょう。
とくに些細な夫婦喧嘩やセックスレスから仮面夫婦が始まったというケースでは、専門家を間に入れて話し合いをすることで、自分の気持ちを整理出来たり相手の想いを客観的に見るきっかけになります。その上でなぜ仮面夫婦になってしまったか、今後再発させないためにどのようなことをすべきかという助言や指導を受けられます。
円満調停を申し立てる
仮面夫婦を解消したい場合は、「夫婦関係調整調停(円満調停)」を申し立てるという方法があります。円満調停とは夫婦仲がこじれたとき、調停委員が双方の状況や言い分を聞き取り、仮面夫婦になった原因や解決方法について助言を行うという制度です。裁判所の調停手続きを利用しますが、あくまでも夫婦関係を円満にするためのもの。
相手にそのあたりをキチンと話しておかないと、「離婚申し立てをされたのでは」と勘違いする恐れがあります。また双方が裁判所に行くことになるため、円満調停の目的や流れを事前に伝えておきましょう。
相手が応じないようなら離婚も検討
これまで紹介したような方法を試してみても、相手が応じなかったり仮面夫婦が解消できないようなら離婚を検討する時期です。というのもこれまでの努力は、どれも相手が聞く耳を持っているときにできること。相手が全く話を聞いてくれないような状況では、いくらこちらが努力しても無駄になります。
長期間の仮面夫婦を解消するには、ある程度の時間をかける必要があります。自分の話を聞いてくれないからとすぐにあきらめたりせず、じっくりと丁寧に話をするのがポイント。その上で相手が歩み寄りを見せないのであれば、離婚することを考えましょう。仮面夫婦を今後も続けていくよりは、新しい生活に目を向けた方が子どもや双方にとって最良ではないでしょうか。
離婚した方がいい仮面夫婦
仮面夫婦を解消するにはある程度時間をかけて取り組む必要がありますが、次のような傾向が見られたら早めに離婚した方がいいでしょう。
精神的・肉体的な健康に影響が出ている
相手の言動によって精神的、肉体的な健康に悪い影響が出ている場合は、早急に離婚を考えましょう。そうしないと自分の心や体が壊れてしまいます。夫に暴力を振るわれてケガを負ったケースや、モラハラが原因のうつ・パニック障害など精神的な不調が見られたケースです。
家庭はそもそも心身の安らぎを感じられる場所。その家庭が原因で心身に不調が出た場合は、我慢して結婚生活を続ける必要がありません。一方的に心や体を傷つけられ命の危険が感じられる状態なら、早めに別居して相手から離れてください。当人同士だと話しにならない可能性があるので、離婚の話し合いは弁護士など第三者を通して行うようにしましょう。
相手に対して生理的に無理だと感じる
相手を生理的に無理だと感じるようなら、仮面夫婦を続けていても再構築は難しいでしょう。年齢による外見の変化や匂い、相手の不倫による嫌悪感などは、時間が経っても解消されることがほとんどなく、仮面夫婦を演じることすらも苦痛になります。愛情のある夫婦なら許容できることでも、仮面夫婦ではストレス元にしかなりません。
いくら仲のいい夫婦を装っていても相手が同席すると態度や表情に出てしまうなどで、周囲にも仮面夫婦だとバレる可能性が高いです。ただでさえ仮面夫婦でストレスを感じているうえに、さらに相手への生理的嫌悪感でストレスをためないよう、離婚を選ぶことをおすすめします。
同じ家で生活するのが苦痛
生理的嫌悪感はないものの、同じ家で生活するのが苦痛だと感じるようなら離婚を考えた方がいいでしょう。喧嘩などで一時的に気持ちが離れている状態ではなく、完全に相手から心が離れている状態では、これもまたストレスにしかなりません。「同じ空間にいるだけで苦痛に感じる」「顔を合わせたり会話をすると精神的に落ち込む」などと考えるようなら、早めに離婚を検討しましょう。
子どもの家庭環境が良くない
子どもにとっての家庭環境が良くないと感じたら、離婚を選択肢に入れてください。子どもがまだ小さいからと離婚をためらうケースがありますが、子どものために離婚という選択肢もあることを忘れずに。例えば次のような場合は、離婚を早急にすべきでしょう。
- 子どもへの暴力がある
- 子どもへのモラハラ(罵倒・無視・人格否定)がある
- 子どもの前で夫婦喧嘩が絶えない
- 子どもの前でDV・モラハラをする
- 子ども関連の経済的DVがある
子どもへの暴力やモラハラは、子どもの心身へ深い傷を作ります。場合によっては子どもの生死にかかわる可能性があるため、なるべく早めに子どもを連れて安全な所へ避難してください。また直接は手を加えないものの、子どもの目の前で暴力や暴言をふるう行為は虐待です。
これらの行為は子どもの情緒不安定による諸症状やうつ、不安症などの心配があるだけでなく、大きくなってからも恋愛に臆病になってしまったり、結婚しても夫婦のあり方が分からずに子ども自身も仮面夫婦や離婚に至るケースも考えられます。子どもの将来的な心身の不調にもつながるため、早急に離婚を考えた方がいいでしょう。
子どもが離婚を希望した
子ども自身が離婚を希望した場合は、離婚するいいきっかけととらえてください。子どもには両親が揃っていた方がいいと思うのは当然です。しかし親が自分のために離婚を我慢しているくらいなら、いっそのこと離婚して欲しいと考える子どもも少なくありません。たとえ片親で経済的に苦しくなっても、毎日笑顔で生活できる方が子どもにとって良い環境の可能性も。
仮面夫婦で冷え切った結婚生活を続けていくことで、現在から将来にかけて子どもにマイナスの影響を及ぼしかねません。子どもが「離婚して欲しい」というときは、子ども自身の心の叫びだと受け止め、離婚について真剣に考えましょう。
仮面夫婦の離婚方法
仮面夫婦が離婚を決意した場合、手続きや準備はどのようにしたらいいのでしょうか。
手続きは普通の夫婦と変わらない
離婚時の手続きは、仮面夫婦でも普通の夫婦でもさして変わる箇所はありません。まずは当人同士で離婚に向けた話し合いをして、解決できる場合は「協議離婚」として離婚届を提出すれば離婚が成立します。話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所に「離婚調停」を申し立てて離婚についてや条件に付いて話し合います。
調停でも話し合いがまとまらない場合は「離婚訴訟」を提起して、裁判によって決着をつけます。ただし離婚訴訟を起こすには、法的に離婚が認められる「法定離婚事由」がなければなりません。仮面夫婦に至った理由が相手にある場合は、それを証明する証拠を提出する必要があります。
離婚の種類ごとの手続きの流れ・期間については、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚前・離婚後の手続きの流れを解説!離婚の条件や種類別の期間、注意点とは」
離婚時に決めること
離婚時に決めることは子どもがいない場合といる場合で異なります。
子どもがいない場合
夫婦の間に子どもがいない場合、離婚時にこのようなことを決めます。
- 離婚原因ごとの慰謝料
- 財産分与
- 年金分割
離婚原因が相手の不法行為の場合、不法行為や離婚によって受けた精神的苦痛に対して慰謝料を請求可能です。また結婚後に協力して築いた財産は、財産分与によって公平に分けることになります。また結婚期間中に支払っていた公的年金について離婚時に手続きしておくと、申請した範囲内で年金を受け取れるようになります。
子どもがいる場合
子どもがいる場合は、上の条件にプラスして子どものことも決めなければなりません。
- 子どもの親権者をどちらにするか
- 養育費の金額
- 面会交流について
親権者は子どもの年齢や養育環境などを加味して決められます。養育費の金額は両親の収入や子どもの年齢、人数などに応じた「養育費算定表」を基準に決定。子どもを手元で育てない方の親には面会交流権が与えられるため、面会頻度や面会時間などをあらかじめ離婚時に決めていきます。
離婚時の慰謝料請求について
離婚の原因が相手の不法行為の場合、慰謝料を請求できます。とくに仮面夫婦の原因になりやすい浮気や不倫では、不貞行為によって安定した夫婦関係が壊れた「不法行為に基づく損害賠償」として、精神的苦痛を負った側が配偶者と不倫相手の両方に慰謝料を請求できます。
ただし慰謝料請求が認められるためには、夫婦関係が円満だったと証明できなければなりません。仮面夫婦だとすでに夫婦関係が壊れているとみなされ、不倫が原因で破綻したという因果関係が認められない場合も。仮面夫婦の状況や時期によっては、慰謝料請求が認められない可能性が高いので注意しましょう。
離婚慰謝料の相場を知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚慰謝料の相場が知りたい!離婚理由や婚姻期間による相場・金額をアップさせるポイントを解説」
離婚後の生活のための準備
仮面夫婦でも離婚よりましだと考える理由に、離婚後の生活に対する不安があります。なかなか離婚に踏み切れないという方は、離婚後の生活のための準備を事前に整えると、離婚を躊躇する気持ちが和らぐはずです。
お金・仕事のこと
離婚後に必要なのは何といってもお金です。夫婦が離婚して別々に暮らすようになった場合、生活するのに必要な生活費がそれぞれに必要です。子どもを引き取って育てる場合は子どもの教育費なども考えなければなりません。まずは離婚時に受け取れる財産分与や養育費についてしっかりと取り決めしましょう。
離婚するまで専業主婦やパート勤務だった方は、離婚後の収入源も問題です。離婚前に就職先を探すなど、収入源を確保する努力も欠かせません。どうしても毎月の生活費が足りないようなら、児童扶養手当や母子家庭の支援制度など公的制度の利用を検討してみては?自治体窓口に相談すると、自分が受け取れる支援について教えてくれます。
住居問題
離婚後の生活のためには住む場所の準備も欠かせません。離婚して家を出る場合、住む場所がなければ住居探しからスタートする必要があるでしょう。すぐに見つかればいいですが、すぐに見つからない可能性も。なるべくなら離婚前に住居を決めておき、家を出てすぐに生活できるよう、家の中もある程度整えておくと離婚後の生活への移行がスムーズになります。
子どものこと
子どもの親権を持つ方の親は、子どものことも準備しておきましょう。転居に伴い子どもの学区が変わるなどの事情があるなら、子どもに転校の必要を言い聞かせる必要があります。同時に転校先の準備や通院先探しも忘れずに。子どもへの影響を最小限にするには、できる限り普通に生活できる状態にすることがポイント。そのための準備を、最優先項目の一つにしましょう。
気持ちの準備
忘れてはいけないのは、自分の気持ちの準備です。頭の片隅で「離婚した方がいいのでは?」と思っていても、実際に離婚に踏み出せない人が少なくありません。「離婚はいけないこと」という罪悪感があって離婚を決意できないという方は、離婚は決して悪いことではないと自分に言い聞かせましょう。
人生では人と縁を結ぶように、必要なタイミングでの別れがつきものです。今の日本では3組に1組の夫婦が離婚を選んでいます。離婚はネガティブなイメージがありますが、新しい人生への出発点ともいえます。後悔しない人生を歩むためにも、「離婚は悪いこと」という意識にとらわれ過ぎないようにしましょう。
まとめ
仮面夫婦でいることがしんどいと感じたら、周囲の人や専門家に相談するのがおすすめ。ルールを決めて家庭内別居をしたり、一時的に別居するのも有効です。離婚すべきか迷ったときは、仮面夫婦のメリットとデメリットをよく考えて、会話を増やす、カップルカウンセリングを受けるなど歩み寄る努力が必要です。
しかし相手に歩み寄りが見られない場合は、離婚を検討する必要があります。また精神的・肉体的に悪影響が出た方や一緒に暮らすのが苦痛で仕方ない人、子どもに離婚して欲しいと言われた方は離婚を考えた方がいいでしょう。離婚の流れは普通の夫婦と同じです。条件などが合意でき、離婚後の生活に関する準備が整えば離婚が可能です。
仮面夫婦を経て離婚を決意するには、子どもや現状を離婚しない理由にせず、「自分はどうしたいのか」をはっきり意識することが重要。もし離婚へ気持ちが傾いたときは、なるべく早いタイミングで離婚問題に詳しい弁護士に相談してください。法律の専門家の立場から、あなたの状況に合ったアドバイスが受けられるはずです。