不倫の証拠の残し方|具体例ごとの集め方と残すときのポイント・注意点を知って証拠を効果的に使用しよう

NO IMAGE
  • 「不倫の証拠ってどのように集めて保管しておけばいい?」
  • 「法的に有効な不倫の証拠を集めるときのポイントが知りたい」

不倫の証拠は、パートナーや不倫相手に慰謝料を請求する場合や、離婚を要求するため、有利に離婚をすすめるために欠かせないものです。ではどのような証拠があり、どのように証拠を集めておけば、法的に有効な証拠となるのでしょうか。

こちらの記事では不倫の証拠の残し方にスポットを当て、証拠の種類ごとに証拠を残すときのポイントを紹介していきます。

離婚の無料相談ができる弁護士を多数掲載中
お住まいの地域から弁護士を探す
北海道・東北 北海道青森岩手宮城秋田山形福島
関東 東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木
北陸・甲信越 山梨新潟長野富山石川福井
東海 愛知岐阜静岡三重
関西 大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山
中国・四国 鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知
九州・沖縄 福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄

目次

不倫の証拠が必要な理由

探偵でもない一般の人にとって、不倫の証拠を集めることは簡単なことではありません。中には「確実な証拠がなくても大丈夫では?」と考える人がいるかもしれません。しかし不倫の証拠は、次のような場合に必要になってきます。

不倫の証拠となるものは?

法的に不倫の証拠として認められるのは「不貞行為」を示す証拠です。不貞行為とは、配偶者以外の異性と双方の自由な意思の元に性交渉をすること。パートナー以外の相手との性交渉を一般的には「浮気」や「不倫」といいますが、法律用語では「不貞行為」となります。

不貞行為の証拠として最も有効なのは、性交渉の場面を撮影した動画や写真です。しかし現実的にそのような証拠を撮るのは難しいでしょう。そのため実務上は、性交渉を疑わせるやり取りが記録されたものや、性交渉の前後と思われる行動に関する記録が不貞行為の証拠となります。

また単独では不貞行為があったことを直接証明するのが難しい場合でも、複数の証拠を集めることで、より不貞行為があったことの証明ができる確率が高められます。

妻の浮気を見破るポイントについては、こちらの記事を参考にしてください。

「妻の浮気を見破る8つのポイント|夫の場合と違う浮気の特徴や分かったときの対処方法とは?」

慰謝料請求のため

配偶者や不倫相手に慰謝料を請求するには、法的に有効な不倫の証拠が必要です。確実でない証拠では、相手に言い逃れされるかもしれません。また交渉がこじれて裁判になったときには、第三者にも客観的に不貞行為があったことを証明しなければなりません。

とくに慰謝料請求の場面では、不貞行為を明確に証明できる証拠があれば、請求が裁判所で認められやすくなるだけでなく、その金額もアップできる傾向に。逆に充分な証拠がないと、希望した額の慰謝料を受け取れないm可能性があります。

離婚慰謝料の相場が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「離婚慰謝料の相場が知りたい!離婚理由や婚姻期間による相場・金額をアップさせるポイントを解説」

離婚を要求するため

不倫をする相手とはもう一緒にいられないとなったときにでも、集めた証拠が離婚請求に有利に働きます。日本では、夫婦の協議の元で離婚する「協議離婚」、裁判所での話し合いで離婚する「調停離婚」、裁判所に判断してもらう「裁判離婚」の3種類があります。

どちらかが離婚を拒否しているなど話し合いがこじれると、最終的に離婚裁判で結論を出す必要が出てきます。離婚裁判では、民法第770条に定められた「法定離婚事由」がないと離婚が認められません。

(裁判上の離婚)

第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

引用:民法|e-GOV法令検索

相手の不倫で離婚したいときには、法定離婚事由の一番目「不貞な行為」に当てはまります。つまり相手が不倫をした証拠を集め、裁判で相手の不貞行為を証明できれば、離婚が認められる可能性があります。

早く離婚したい人が取るべき行動については、こちらの記事を参考にしてください。

「早く離婚したい人が取るべき7つの方法|スムーズに有利に離婚するためのポイントとは?」

離婚を拒否するため

逆に離婚を拒否したい場合も、不倫の証拠を集めることは必要です。相手が不倫したことを証明できれば、相手は「有責配偶者」となります。有責配偶者とは、婚姻関係の破綻の原因を作った側の配偶者のことで、原則として有責配偶者からの離婚請求は民法に定める「信義則の原則」に反するとして認められません。

もっとも最近では、有責配偶者からの離婚請求でも次のような要件を満たす場合に限り、離婚を認める傾向があります。

  • 当事者の年齢や同居期間に比較して相当長期間の別居期間がある場合
  • 未成熟の子がいない場合
  • 離婚により配偶者が精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれない場合

有責配偶者からの離婚請求が認められるかはケースバイケースです。今は離婚を考えていない、こちらのタイミングで離婚したいという場合には、相手が有責配偶者であることを証明できる証拠が必須です。

相手から一方的に離婚を告げられたときの対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。

「相手から一方的に離婚を告げられたら?後悔しないための対処法と注意点」

自分が有利になるため

自分が有利になるためにも、不倫の証拠は残しておきましょう。証拠があることで、相手が悪いということが客観的に分かるようになります。誰が見ても悪いことをしているといえる証拠を確保することで、「慰謝料請求する」「離婚を申し立てる」「離婚を拒否する」「反省を促してやり直す」などいくつもある選択肢を選ぶ側になれます。

このように自分がどうしたいのかという選択肢を増やし、有利に交渉を進めるためにも証拠は必要と言えます。

集めた証拠の開示タイミング

苦労して集めた不倫の証拠は、ベストなタイミングで相手に開示することをおすすめします。相手に不倫を認めてもらいたいから、早く夫婦仲を改善したいからといって安易に証拠を開示してしまうと、他の証拠を隠されたりアリバイ工作をされたり、言い訳を考える時間を与えてしまうことに。

また不倫の証拠を持っているだけの段階で相手が弁護士をつけてしまうと、とたんにこちらが不利になる恐れもあります。配偶者や不倫相手に証拠を開示するのは相手に慰謝料請求や離婚請求をするタイミングとし、弁護士と相談したうえで戦略的にそのタイミングを決めるようにしましょう。

不倫の証拠の具体例・集め方

では具体的にどのようなものが不倫の証拠になるのか、具体的な証拠の内容をもとにして、その証拠の集め方や証拠を残すときのポイントなどを紹介していきます。

不倫を認めた音声データや念書

配偶者や不倫相手が不倫したことを認めた場合、その自白内容を記録した音声データや動画、作成した文書などが証拠となります。ここで注意したいのは、単に「不倫しました」という内容だけでは証拠として弱いので、「いつ・誰と・どこで・何回性交渉を持ったか」という内容を入れるようにしてください。

証拠の集め方

相手が不倫を認めた内容を証拠とするためには、次のような証拠の集め方があります。

  • 別の証拠を提示して相手に自白を促す
  • 自宅や車の中にボイスレコーダー・小型カメラを設置して不倫を認める発言を記録する
  • 2人が不貞行為に関する話題をしゃべっている内容を記録する

証拠の内容

不倫を認めた自白を証拠とするには、次のような内容を含めてデータや書面に記録してください。

  • 相手の氏名・住所・電話番号
  • 初めて不倫をした日とその場所
  • その後に不倫をした日とその場所を分かり限りすべて
  • 相手が既婚者だと知っていたこと
  • 不倫していた期間・回数

その上で今後一切の接触を持たない、交際を解消する等の誓約内容を入れ、慰謝料の請求に応じる旨をその金額や支払い方法を含めて記載します。上記の内容を相手に直筆で書かせて最後に署名捺印させてもいいですし、あらかじめパソコンで書面を作成し、末尾に署名捺印してもらう方法でも構いません。

証拠を残すときのポイント

相手の自白を証拠とする場合には、次のようなポイントに気を付けて証拠を残すようにしましょう。

  • 文書の内容に間違いないことを示すために必ず署名捺印をさせる
  • 自白の場面を記録するときには、相手本人が話していることが分かるように動画で残す
  • 自白の書面を作成させるときには、後から強要されたと反論されないようにその場面の録音や撮影をする
  • 会話の内容が鮮明に聞き取れるよう、高品質な録音にする
  • 録音日時が記録される機器やアプリを使用する
  • 感情的になる・責めるような口調・非難するような言い方はしない

自白の様子を録音・録画する場合、こちらの質問の仕方や言い方にも気を付けるようにしましょう。相手が録音・録画に気が付いて十分な自白が得られないようなときには、黙って記録する方法も考えてください。このとき、こちらも会話に参加している場合には、相手の同意がなくても記録が認められる可能性が高いです。

不貞行はどこからの行為が該当するのか気になるという方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「『不貞行為』はどこからの行為?不倫・浮気との違いや当てはまるケース、法的に有効な証拠を解説!」

LINEやメールでのやり取り

配偶者と不倫相手が交わしたLINEやメールでのやり取りも、不倫を示す証拠となります。直接性交渉があったことが分かる証拠でなくても、性交渉をうかがわせるようなやり取りがあったときには、証拠として保存しておきましょう。

証拠の集め方

LINEやメールでのやり取りを証拠として集めるには、相手のスマホをチェックする、PCのメールのやり取りを確認する、財布やカバンの中を見て相手からのメモや手紙が入っていないかチェックするといった方法があります。

証拠の内容

不貞行為を示す証拠として有効なのは、次のようなメッセージのやり取りです。

  • 「今日のホテルは最高だったね」
  • 「奥さん(旦那さん)にバレないようにしないとね」
  • 「今度は○○なエッチをしたい」
  • 「今日のエッチはどうだった?」

一方で「お食事ごちそうさまでした」「今日のデート楽しかった」といった内容だけでは、性交渉があったと証明するのは難しいため、他の証拠を合わせるようにしましょう。

証拠を残すときのポイント

LINEやメールでのやり取りを証拠として残す場合には、次のような点に気を付けましょう。

  • 画面のスクリーンショットだけでなく、前後のやり取りも含めて残す
  • 相手のスマホだと分かるよう、端末ごと自分のスマホで撮影する
  • 日時や送受信者が分かるよう、画面全体を撮影する
  • 可能であればバックアップデータも保存する

LINEで浮気の証拠を見つける方法が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「LINEで浮気の証拠を見つける13の方法|見つけた後にすべきことや注意点とは?」

SNSの投稿やDM

最近はX(旧Twitter)やFacebook、インスタグラムなどのSNSをする人が一般的となっています。うっかり不倫相手とのデートをSNSにアップしたり、SNSのダイレクトメール(DM)を使って、相手と連絡を取り合っている人もいるでしょう。そのためSNSの投稿やDMも忘れずにチェックしたいものです。

証拠の集め方

SMSから不倫の証拠を集める場合、次のような方法を試してみましょう。

  • 本アカウント以外にサブアカウントもないか調べる
  • 複数のSNSアプリを確認する
  • 不倫相手のプロフィール情報をチェックする
  • タグ付けされた写真やコメントがないか調べる
  • 怪しい投稿写真を画像検索する
  • 位置情報付きの投稿をチェックする
  • 相互フォローをチェックする
  • 「いいね」している人をチェックする
  • 投稿日時をチェックする

証拠の内容

SNSで不倫の証拠を探す場合、投稿された写真や動画、文章から探す以外に、同じ人から「いいね」されていないか、相互フォローの中に不倫相手がいないかなどを調査できます。またDMに性交渉があったことを疑わせるやり取りが残っている場合には、不倫を証明する証拠となります。

証拠を残すときのポイント

SNSで不倫の証拠を見つけた後は、次のような点に注意して残すようにしましょう。

  • 日時が分かる形でスクリーンショットを取る
  • 投稿URLも記録する
  • 公開範囲を限定しているときには、その内容も記録する
  • 削除される前に発見したらすぐ自分のスマホなどに保存する
  • 偽造を疑われないように画面に映した状態でデバイス本体ごと撮影する

写真や動画

性交渉の様子が分かる写真や動画は、最も有力な不貞行為の証拠となります。それ以外でもラブホテルや相手の自宅などに2人で出入りする記録も、性交渉に及んでいると推測できるとして、客観的な不倫の証拠となります。

証拠の集め方

写真や動画を集める場合には、相手のスマホに残っている写真や動画をチェックする方法の他に、尾行して証拠の写真を撮影する、探偵に依頼する、SNSをチェックするといった方法があります。いずれの場合も、違法な手段やあまりにも不適切な方法で入手した証拠は、裁判で証拠として認められない可能性があるので注意が必要です。

証拠の内容

不倫の証拠とするには、次のような写真や動画を確保しましょう。

  • 性交渉の様子がわかるもの
  • 裸や下着姿、パジャマ姿で2人が同じ部屋にいることが分かるもの
  • 2人でラブホテルに出入りする様子が映ったもの
  • 不倫相手の家に2人で出入りする様子が映ったもの

証拠を残すときのポイント

これらの証拠を残すときには、次のようなポイントに気を付けてください。

  • 対象者2人の顔がはっきりと認識できるか
  • 撮影した日時が特定できるか
  • 撮影した場所が特定できるか
  • 複数回にわたって出入りしている様子が分かるか

相手のスケジュールが分かる手帳やスマホの中身

相手のスケジュールが分かる手帳やスマホの中身から、不倫相手とのデートや密会の約束が記録されている可能性があります。また人によっては不倫相手との性交渉の様子を記録している場合があるので、このような証拠がないかチェックしましょう。

証拠の集め方

相手のスケジュールを確認するには、相手のスマホの中をチェックするほか、メモや手帳、ノートなどに記載されていないか相手のカバンや机の中、自室や車の中を探してみましょう。分かりやすく記録しているとは限らないため、「これってもしかして?」と思ったら、どんな小さなものでも証拠として残しておきましょう。

証拠の内容

スケジュールの内容から不倫を証明するには、次のような内容がないかチェックしてください。

  • デートや密会の予定(日時・場所)
  • 性交渉について書かれたもの(回数・内容・感想など)
  • 通常の行動パターンと一致しない予定がないか
  • 仕事の予定なのに休暇を取っていないか

証拠を残すときのポイント

これらを証拠として残すときには、次のような点に注意してください。

  • スマホのスケジュール画面は、デバイス本体ごと撮影する
  • 紙の手帳やメモはページごとに撮影
  • カレンダーアプリの更新履歴や動悸情報も記録する
  • 聞かされていた予定と実際の行動の不一致を記録する

領収書やクレジットカード明細

配偶者の財布の中に残っていた領収書やクレジットカードの利用明細からも、不倫の証拠が得られる可能性があります。とくにラブホテルの利用が分かる領収書やクレジットカードの利用明細は、配偶者以外の異性と性交渉を持ったことをうかがわせる有力な証拠となります。

証拠の集め方

不倫に関係がある領収書がないかは、次のような場所を探してみてください。

  • 配偶者の持ち物(衣類のポケット・財布・カバンなど)
  • 自室
  • 車の中
  • ゴミ箱の中

クレジットカードの利用明細は、紙で自宅に届く場合の他に、インターネット上からも閲覧可能です。配偶者からログインIDやパスワードを教えてもらっている方は、クレジットカード会社のHPからチェックしてみましょう。

証拠の内容

領収書やクレジットカードの利用明細が不倫の証拠となるのは、次のようなものです。

  • ラブホテルの利用が分かるもの(レシート・ポイントカード・サービス券など)
  • ビジネスホテルや旅館の利用が分かるもの
  • いつもと違う場所での飲食代
  • 不倫相手に贈ったであろうプレゼントの購入履歴
  • 特定日に定期的に発生する支出
  • 避妊具や精力剤を購入したレシート
  • デートで行ったであろう遊園地・映画館・水族館・テーマパーク等のチケット
  • ゆかりがない土地のガソリンスタンドやコンビニのレシート

証拠を残すときのポイント

上記のような証拠を残すときには、次のような点にも気を付けてください。

  • クレジットカードの利用明細は最低でも過去半年分を確認する
  • オンラインバンキングの入出金を確認する
  • 現金の引き出し履歴と支出に不一致な点がないか
  • 共同口座からの不審な出金がないか
  • 申告があった行先とレシート・明細書の利用場所に齟齬がないか

不倫相手からのプレゼント

配偶者のカバンや車の中から、不倫相手から貰ったであろうプレゼントが見つかることがあります。購入した記憶がないものや配偶者の趣味に合わないもの、年齢よりも若い持ち物を身に付けるようになったと感じたら、不倫相手からのプレゼントかもしれません。

証拠を残すときのポイント

不倫相手からのプレゼントを証拠として残すときには、次のようなポイントをおさえるようにしましょう。

  • プレゼント現物の写真を撮るときには複数角度から
  • ラッピングや付属のメッセージカードも含めて撮る
  • 撮影場所や撮影日時が分かるようにする

不倫で使ったであろう避妊具など

夫婦で使った覚えのない避妊具や性交渉の道具が見つかったときには、不倫の証拠となるかもしれません。これ単独で不貞行為を裏付けるものにはならないものの、状況証拠としては有効です。

証拠の集め方

これらの証拠を集めるときには、次のような点に注意して探してみましょう。

  • セックスレスなのに未開封の避妊具を持っている
  • いつもと違う種類・ブランドや見覚えのない避妊具がある
  • 夫婦で使っていないのに避妊具の数が減っている
  • 仕事用バッグや車の中など不自然な場所に隠している
  • 自宅以外の場所から使用済みの避妊具が見つかる

証拠の内容

これらの証拠が見つかったら、配偶者はあなた以外の人と性交渉を持っている可能性が高いでしょう。

  • 見覚えのない避妊具
  • 性交渉で使用するグッズや衣装
  • ピル
  • IDU(避妊リング)

これらの証拠単独では、不倫相手の特定ができません。しかし相手がすでに分かっている場合には、不貞行為に及んでいる証拠として有効です。

証拠を残すときのポイント

避妊具や性交渉で使うグッズを証拠として残すときには、次のようなポイントをおさえてください。

  • 発見場所、日時を記録する
  • 現物の写真を複数の角度で撮影する
  • 使用前・使用後の写真を撮影する
  • パッケージや購入日が分かるものも撮影する
  • 夫婦間で使用していない種類・ブランドであることを明記する

通話履歴

配偶者と不倫相手の通話履歴は、単独で不倫の証拠とはならないものの、他の証拠と併せることで不貞の事実を証明できる可能性があります。

証拠の集め方

通話履歴を証拠として集めるときには、次のようなものをチェックしてください。

  • 特定の相手・番号への通話履歴がないか
  • 深夜早朝の長時間の通話履歴がないか
  • 同じ番号から複数の着信履歴がないか
  • 決まった時間帯(昼休み・仕事終わり)の通話履歴がないか

これらの証拠を集めるためには、携帯電話会社の明細書をチェックしたり、スマホの通話アプリ履歴をスクリーンショットで撮影してください。固定電話やFAXがあるときには、それらの通話明細の確認も必要です。また配偶者が仕事用の端末も持っているときには、私用と仕事用、両方の通話履歴をチェックするようにしましょう。

証拠を残すときのポイント

通話履歴を証拠として残すときには、次のような点が重要です。

  • 過去3カ月分の通話記録を入手する
  • 特定の番号との履歴を時系列で整理する
  • 通話の頻度と履歴の両方をチェックする
  • 配偶者の行動パターンと通話のタイミングに関連がないか調べる

カーナビ・ドライブレコーダー・ETCの履歴

自家用車に搭載しているカーナビ・ドライブレコーダー・ETC車載器の履歴も、不倫を示す証拠となるかもしれません。それぞれの記録機器ごとに記録できる内容については以下の通りです。

機器の種類 記録内容
カーナビ 検索履歴・走行履歴・目的地登録
ドライブレコーダー 社内外の録音・録画・位置情報(GPS機能)
ETC車載器 高速道路の利用履歴

ただし搭載している機種や機能によって、確認できるデータは異なります。設置している機器の記録はすべてチェックするようにしましょう。

証拠の集め方

カーナビやドライブレコーダーなどで次のようなことが分かれば、不倫の証拠として認められる可能性があります。

  • 車内で不倫中の動画や音声が残っていないか
  • 不倫相手との会話や通話の音声が残っていないか
  • リアルタイムの位置情報から不倫現場を突き止める
  • ラブホテルや相手自宅への訪問履歴
  • 深夜の走行履歴
  • 仕事中なのに別の場所に行っていないか

証拠を残すときのポイント

これらを不倫の証拠として残すときには、次のようなポイントが重要です。

  • カーナビの履歴画面は自分のスマホで撮影する
  • ETCの利用履歴をオンラインで取得する
  • ドライブレコーダーのSDカードに残っているデータはバックアップを取っておく
  • 最低でも1カ月以上の行動パターンを記録しておく
  • 複数回行っている同じ場所の記録をとる
  • 時刻と位置情報を正確に記録する

GPSの位置情報

最近ではネット通販でGPSトラッカーなどのGPS発信機を気軽に入手できるようになったため、不倫調査に利用するという人も少なくありません。しかしGPSで分かるのはあくまでも位置情報に過ぎず、不倫の事実を証明できる証拠としては不十分です。

とはいえ記録型のGPSなら滞在時間も分かるので、いつどこにどのくらいの時間滞在したかの証明が可能です。GPSによって以下のような情報を得られると、他の証拠と併せて不倫を証明できるかもしれません。

  • よく行くラブホテルの場所
  • 不倫相手の自宅の場所
  • 行動パターンやデートの足取り

証拠の集め方

GPSで不倫の証拠を集める場合は、小型の発信機(GPSトラッカー・AirTagなど)を相手の衣類や持ち物(カバン・財布など)に忍び込ませる方法や、車に取り付ける方法があります。

証拠を残すときのポイント

GPSで証拠を残すときのポイントは、基本的にドライブレコーダーなどと同じですが、勝手に相手の車や持ち物に忍び込ませると、ストーカー規制法違反やプライバシー侵害に当たる可能性があります。できれば相手の合意のある形で利用するようにしましょう。

交通系ICカードの履歴

配偶者が電車やバスといった公共交通機関を日常的に利用するときには、交通系ICカードの利用履歴をチェックすることで不倫の事実が分かる場合があります。交通系ICカードには次のような種類があります。

  • Kitaca(キタカ)
  • Suica(スイカ)
  • PASMO(パスモ)
  • TOICA(トイカ)
  • manaca(マナカ)
  • ICOCA(イコカ)
  • PiTaPa(ピタパ)
  • SUGOCA(スゴカ)
  • nimoca(ニモカ)

交通系ICカードの利用履歴からは、利用日時・乗降駅(停留所)・区間・利用内容・残額などが分かります。

証拠の集め方

交通系ICカードの利用履歴は、券売機やチャージ専用機、アプリなどから確認できます。カードの種類によって確認方法が異なるので、注意が必要です。またPASMO・ICOCA・Suicaの利用履歴に関しては、26週間以内の期間で履歴表示は20件までといった制限があるので注意が必要です。

浮気調査で証拠が出なかったときの対処法は、こちらの記事を参考にしましょう。

「浮気調査で証拠なかった…どうしたら?自分で証拠を集めるときのポイントと注意点とは?」

第三者の証言

勤務先の関係者や友人、知り合いなど第三者の証言も不倫の証拠となります。とくに当事者と関係のない第三者の証言は、裁判でも証拠として重視される傾向があります。

証拠の集め方

第三者の証言を証拠として集めるときには、当事者との関係性がポイントです。というのも同僚や友人、知人といった関係者は、不倫問題以外にも関係が続くため、頼まれて証言する可能性がないとはいえないからです。できれば直接的な利害関係がない近所の人やマンションの住人、たまたま目撃した人などの証言が得られるといいでしょう。

証拠の内容

第三者の証言として有効なのは、次のようなものです。

  • ○○の喫茶店に呼び出されて不倫相手がいることを打ち明けられた
  • ○月○日○時頃、○○のラブホテルに女性(男性)と入るところを偶然見た
  • ○月○日○時頃、○○で知らない女性(男性)と一緒に歩いているところを目撃し口止めされた

不倫現場を偶然目撃した、居合わせたという場合には、日時が明らかになっていると他の証拠と組み合わせることで、証拠としての信憑性を上げられます。

証拠を残すときのポイント

第三者の証言を証拠として残すときには、次のような点に気を付けてください。

  • 利害関係のない第三者が望ましい
  • 具体的な日時や時間、状況が明確である
  • 証言者の身元や連絡先が確認できる
  • 裁判での証言の意思がある

証拠として裁判に提出するときには、次のような方法で証拠を確保してください。

  • 本人の同意を得た録音・録画による証言の録取
  • 証人の書面入り陳述書を作成する
  • 弁護士立会いの下で証言を録音・録画する
  • 公証人役場で証言宣誓書を作成する

不倫について記したメモや日記

自分で集めた証拠だけでは不十分と思われるときには、相手の不倫の記録をメモや日記として残しておくことをおすすめします。

証拠の内容

メモや日記として記録するときには、次のような内容を記載してください。

  • 配偶者の生活記録(出社時間・帰宅時間・休日など)
  • 配偶者の怪しい言動
  • 見つけた証拠について
  • 感じた気持ち・受けた精神的苦痛など

証拠を残すときのポイント

日記やメモを不倫の証拠として残すときには、次のような点に注意してください。

  • できるだけ毎日記録する
  • ルーズリーフなど1枚の紙ではなく、製本されたノートや日記帳を使う
  • 消せる鉛筆・シャープペンシルではなく、消せないボールペン・万年筆を使う
  • 後から書き足せないように余白を開けずに書く
  • 誰でも読めるように丁寧な字で書く
  • 自分に不利になることは書かない
  • 日付や場所を明確に記載する
  • 行動を時系列で記録する
  • 訂正する場合は横線を引く
  • 感情的に書かない
  • 第三者が読んでも理解できるように分かりやすい表現を使う

不倫の証拠を残すときの注意点

自分で不倫の証拠を集めて残す場合、次のような点に注意してください。

不倫の証拠とならないもの

前出の通り、法的に不貞行為と認められない限りは慰謝料請求や離婚請求が認められません。そのため次のような資料は、不倫の証拠として十分とはいえない可能性が高いでしょう。

  • 配偶者と不倫相手がデートの約束をしているやり取り
  • 配偶者と不倫相手がレストランで食事をしているところの写真
  • 日常的なやり取りをしているだけのメッセージ・SNSの内容
  • 手をつないだりキスをしている写真・動画

プラトニック不倫と不貞行為の違い、慰謝料請求の可否については、こちらの記事を参考にしましょう。

「プラトニック不倫で慰謝料は発生する?不貞行為との違いと慰謝料相場、請求する・されたときの対処法」

相手にバレないように気を付ける

不倫の証拠集めをするときには、絶対に相手にバレないように気を付けてください。こちらが不倫の証拠を集めていることが分かってしまうと、証拠を隠蔽されるなど今後の証拠集めが難しくなるため。また行動がより慎重になるなどして警戒される恐れもあります。

例えば相手のスマホをチェックするときには配偶者が寝ている時間帯にする、GPSを取り付ける場合には設置場所を定期的に変更するなどの工夫が必要でしょう。

違法な手段で集めない

不倫の証拠集めをするときには、違法な手段を使わないように注意してください。というのも違法な手段で集めた証拠は、裁判で使えない可能性があるため。過去の判例でも、次のような判断が下されています。

その証拠が、著しく反社会的な手段を用いて人の精神的肉体的自由を拘束する等の人格権侵害を伴う方法によつて採集されたものであるときは、それ自体違法の評価を受け、その証拠能力を否定されてもやむを得ないものというべきである。

引用:東京高判昭和52年7月15日|判時867号60頁

また犯罪とみなされると、自身が処罰される可能性があります。次のような行為は、違法行為とみなされる可能性が高いので気を付けてください。

証拠集めの手段 刑罰
不倫相手の自宅敷地内に立ち入る

私有地に立ち入って張り込みをする

マンションや駐車場内に侵入する

住居侵入罪・建造物侵入罪(刑法第130条)
GPS機器を無断で仕掛ける

GPS機器を用いて相手の位置情報を取得する

不倫現場を抑えようとしての尾行・待ち伏せ行為

ストーカー規制法違反
ストーカー規制法の「付きまとい等」と同様の行為

「見張り」などに該当する行為

迷惑防止条例違反
立ち入り禁止場所に無断で立ち入る 軽犯罪法違反
GPS機器を取り付けるために車の一部を破損させる行為 器物破損罪(刑法第261条
パスワードを盗用してスマホのロックを解除する

ID・パスワードを盗用してLINEなどのSNSにアクセスする

不正アクセス禁止法違反
浮気調査アプリ・位置情報アプリなどを相手のスマホに勝手にインストールする 不正指令電磁的記録供用罪(刑法第168条)

上記のような刑罰の他に、民法上のプライバシー侵害とみなされると、慰謝料を請求される可能性があります。元々は不倫した側が悪いのに、こちらが慰謝料を支払わなければならない事態に陥る可能性があるので、浮気の証拠を確保するときには、違法行為をしないように気を付けてください。

データの加工・捏造はしない

いくら有効な不倫の証拠が得られなくても、デジタルデータを加工・捏造することはやめましょう。最近ではデジタル技術の発達によって、撮影した写真や動画のデータを編集することが簡単になっています。不倫に関係する場面を切り取るといった程度なら問題ありませんが、写真の加工やメールの改ざんによってありもしない事実をさも存在するように見せかける行為は厳禁です。

もしもデータの加工や捏造が裁判で発覚すると、証拠として採用されなくなるだけでなく、私文書偽造罪(刑法第159条)によって処罰の対象となる恐れが。間違ってもデータの加工・捏造はしないようにしましょう。

デジタルの証拠を残すときは

いくら探してもデジタルの証拠しかないという場合があるかもしれません。裁判ではデジカメ・スマホで撮った写真や、スクリーンショットは改ざんや偽装がされやすいとして、証拠として認められない恐れがあります。

自分で証拠を取るときには、なるべく動画で撮影するようにしましょう。どうしても写真でという場合には、連続した内容を複数枚撮影して、改ざんや偽装を疑われないようにしてください。

自分で不倫の証拠を集めるのが難しいときには…

法律に違反せず法的に有効な不倫の証拠を集めるのは、自分ではなかなか難しいものです。どうしても自分で証拠を集められないときには、次のようなことを検討しましょう。

探偵に依頼する

自分で証拠を集められない場合には、探偵事務所や興信所に浮気調査を依頼することを検討してください。探偵事務所や興信所は、個人や企業を調べることが主な仕事です。個人による張り込みや尾行はストーカー規制法違反になる恐れがありますが、探偵が行う調査では違法とはなりません。

また探偵が作成する「調査報告書」は、専門の調査機材を使用し、対象者がいつ・どこで・誰と・何をしたかを文章とともに、日付が記載された写真・動画を添付したもの。専門家による調査結果として裁判所でも採用される証拠です。証拠集めを依頼する探偵事務所や興信所を選ぶときには、次のような点をチェックしてください。

  • 探偵業法に基づく正規の営業許可があるか
  • 事前に調査内容や期間、金額などを提示してくれるか
  • 証拠の収集方法が合法か
  • 最終的な報告書はどのような内容になるか
  • 調査員の宣誓書や証言が含まれるか
  • 不倫相手の個人情報を特定できるか

相手からの自白を促す

決定的な不倫の証拠が得られなくても、相手からの自白があれば慰謝料請求や離婚請求が認められる場合があります。今持っている証拠を提示しながら、不倫していることはわかっていると伝えましょう。その上で配偶者に不倫の自白を促してください。次のような場合には、相手からの自白を引き出せる可能性があります。

  • 一刻も早く離婚して不倫相手と再婚したいと思っている
  • 不倫している状態が心苦しく感じている
  • 不倫相手ともめている(別れ話になっている・脅されている・ストーカー行為をされている)
  • 独身と偽って不倫し、相手から訴えられそうになっている

弁護士に相談

自分で不倫の証拠を見つけられないときでも、不倫問題に詳しい弁護士に相談することで事態を打開できる可能性があります。というのも弁護士は、「職務上請求」や「弁護士会照会」という制度が利用できるためです。

職務上請求 その職務に必要な範囲内で、第三者の戸籍謄本や住民票を請求できる制度
弁護士会照会(23条照会) 受任した案件に関して、弁護士会を通じて公的機関や民間企業に照会を行うことができる制度

例えば電話番号やメールアドレスから不倫相手の住所氏名を調査するなど

また弁護士に相談したことがきっかけで、今まで気が付かなかったところから不倫の証拠を得られる可能性も。相手との慰謝料請求交渉や離婚協議を任せられるのも、交渉のプロである弁護士ならではです。また調停や裁判などの法的手続きをすべて任せられるので、自分ですべて対応する場合に比べてストレスや労力を顕現できるのもメリットです。

お住いの地域で、不倫問題に強い弁護士を見つける>>

まとめ

法的に有効な不倫の証拠は、配偶者以外の異性と性交渉したという「不貞行為」の有無がポイントです。性交渉の様子を撮影した動画やラブホテルに2人で出入りした画像、当事者が自白した書面などが証拠として認められやすいでしょう。

不倫の証拠を残すときには、証拠の種類ごとに注意すべきポイントがあります。裁判で使える証拠となるように、様々な点に注意しましょう。一方で不法な手段で入手した証拠は、裁判で採用されないばかりか自身が罪に問われる可能性も。逆に慰謝料を請求されたりしないよう、適法な方法で確保してください。

どうしても自分で証拠をつかめないときには、探偵や弁護士などの専門家に相談してみましょう。探偵による「調査報告書」や弁護士が利用できる制度によって、法的に有効な不倫の証拠が得られるかもしれません。まずは不倫問題に詳しい専門家に相談して、今の状況でどのような方法なら証拠が得られそうか確認してください。

離婚・不倫の慰謝料の相談は専門家にお任せください!

  • 離婚したいけど相手が応じてくれない。
  • 離婚後の生活に不安を抱えている。
  • 親権の獲得や養育費をきっちり払ってもらいたい。
男女問題でお困りの方は専門家に相談してご自身の人生を取り戻しましょう。

離婚の基礎知識カテゴリの最新記事

PAGE TOP