- 「夫の不倫が発覚したが離婚したくない…再構築の方法が知りたい」
- 「不倫を再発させないための方法は?」
夫や妻の不倫が発覚した場合、躊躇もなくすぐに離婚を決意できる人はほとんどいないでしょう。多くの人は一度は再構築を目指します。そこでこちらの記事では再構築のメリット・デメリットとともに、不倫後の再構築の方法について、夫婦双方が気を付けることや、シタ側・サレタ側それぞれの注意点について詳しく解説。
さらに再構築がうまくいかなかったときの対処法を紹介していきます。再構築を目指す上では、不倫を再発させないことも重要です。様々な視点からできることを模索し、自分たち夫婦や子どものためにも再構築を成功させましょう。
不倫後の再構築とは
不倫後の再構築とは、夫婦のどちらかの不倫がもう一方に知られることになった後でも別居や離婚を選択せず、今まで通りあるいは今まで以上に夫婦としての絆を強めて夫婦としての危機を乗り越えていくことをいいます。いわば「夫婦関係の再スタート」を切ることと考えてください。
再構築は容易ではない
パートナーの不倫発覚後、夫婦関係を再構築しようとすることは可能です。しかし実際に関係を修復するのは容易なことでなく、双方の努力はもちろん、苦しみや悲しみを伴うということを覚えておきましょう。とくに振りされた側は、時間が経っても相手を疑う気持ちがぬぐえず「また不倫相手と会っているのでは?」「またいつか浮気するかもしれない」と以前のように100%信頼するのは難しいでしょう。
一方の不倫した側も、パートナーを傷つけてしまった罪悪感や自己嫌悪に陥り、相手の信用を中々取り戻せないことにいら立ちや焦りを持つようになります。次第に「もう終わったことなのにいつまで責められなければならないのか」といった怒りが湧いてくることも。このように、本当の意味での再構築はとても難しいものです。
再構築から離婚に至るケースが少なくない
再構築を決めたものの、双方の溝が埋まらずに離婚を決意するケースが少なくありません。一度別居した場合に離婚を迎えた夫婦の割合は38.9%、別居を継続中と答えた人は17.9%と、同居を再開した割合よりも高くなっていることが分かります。
また家庭内別居状態から離婚に至る割合は83%です。別居せずに一緒に暮らしていても、遅かれ早かれ離婚という結末になるケースが多くなっています。このように一度家庭内別居や別居をした場合、再構築から離婚に至るケースは少なくないのが現状といえます。
参考:別居経験者500人が「別居後に迎えた結末」…多かったのは「離婚した」or「同居を再開した」どっち?→生々しい実態明らかに|niftyニュース・第3の選択肢”だけど、8割以上の夫婦が関係修復が難しいという結果に|みんなのウェディング
再構築のメリット
夫婦関係の再構築には、次のようなメリットがあります。離婚すべきか再構築した方がいいかお悩みの方は、参考にしましょう。
経済的安定が得られる
収入の高い夫(妻)との再構築ができれば、これまで通り経済的に安定した中で夫婦生活を継続できます。収入が少ない又はゼロの場合、離婚後の経済的な心配から逃れられません。また夫婦共働きの場合も、2馬力で生活できるか1馬力で子どもを育てながら生活しなければならないかでは、経済的な事情が大きく変わってきます。
とくに子どもがまだ小さい場合、フルタイムで仕事をするのが難しく、離婚後に充分な収入を得るのは困難です。しかし不倫発覚後も再構築を選択すれば、このような経済的な心配をする必要がなくなります。
これまでの生活を継続できる
当然ですが、夫婦の再構築を選べばこれまで通りの生活を送れます。自宅の転居や職場への報告、子どもの転園や転校、戸籍や姓の変更などをする必要がなくなります。離婚前後では環境の変化が生じます。相手を許せないという気持ちもあるでしょうが、離婚に伴う精神的負担を考えて再構築を選択するのも一つの手です。
子どもの心の安定につながる
夫婦の間に子どもがいる場合は、再構築を選ぶことで子どもの心の安定につながります。子どものことを考えて、離婚を踏みとどまるという人も少なくありません。離婚が子どもの心身に与える影響は以下の通りです。
- 離婚後の生活になじめずに不安定になる
- 離婚による情緒不安定
- 片親が離れることへの孤独感
- 離婚後の両親とのかかわり方に悩む
- 進学などの夢を諦めなければならなくなる
- 物や人への愛着を失う
- 恋愛や結婚にマイナスイメージを抱く
- 何かしらの依存症になる可能性
- 精神疾患を抱えるようになる
もちろん、子どものことを優先するあまりに自分の気持ちを押し込めるのはおすすめできませんが、再構築すべきか悩んでいる方は、まずはパートナーを「一緒に子どもを育てていく人」と見て再構築を図っていく方法もあります。
離婚が子供に与える影響を知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「【離婚】メンタルに配慮した子供への伝え方&ケアの方法|離婚が子供に与える影響と伝えるときの注意点」
世間体を保てる
不倫発覚後も離婚せず再構築を選択すれば、世間体を保てるというメリットがあります。理由がどうであれ、離婚後は親や親族、職場や友人などに離婚したことを報告しなければなりません。中には離婚理由を聞いてくる人もいるでしょう。もちろん心配してくれる人もいるでしょうが、面白半分で噂を流す人もいるかもしれません。
しかし再構築をすることで、対外的には夫婦としての体面を果たせるので、このような心配や不安をする必要がなくなります。
再構築のデメリット
再構築にはメリットもあればデメリットもあります。再構築を選択する前に、デメリットについてもよく理解しておきましょう。
元通りの関係に戻れない可能性がある
再構築を選択したとしても、元通りの夫婦関係に戻れない可能性があります。そればかりか別居や家庭内別居に至ってしまうケースも少なくありません。別居や家庭内別居をした場合の離婚の確率は、上で紹介した通りです。結局元通りにならず、結局離婚ということにもなりかねません。
不倫を思い出して辛くなる
再構築を選ぶということは、今まで通りパートナーと生活を共にするということ。毎日相手の顔を見るたびに、不倫の事を思い出して精神的に辛くなるという人もいるでしょう。再構築を選択した結果、かえってつらい思いや精神的ストレスを抱えるのであれば、思い切って離婚を選んだ方がいいのかもしれません。
夫婦関係が悪いと子どもに悪影響
再構築後も夫婦関係が悪かったりギクシャクしていると、子どもに悪影響が及びます。再構築を選択した夫婦の中には、過去の心の傷がいえずに相手に辛く当たってしまったり、関係が冷え切ってしまうケースもあるでしょう。
子どもの前で夫婦喧嘩をすると、子どもの心にストレスを与えて悪影響を及ぼす可能性も。無理やり再構築しようとしたとしても夫婦仲が元に戻らないようなら、子どものために離婚を決意した方がいいのかもしれません。
子どものために離婚すべきかお悩みの方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「『子どものために離婚しない』は本当?離婚の判断基準や子どもの本音を知って後悔しない生き方を」
再構築のために夫婦双方がすべきこと
再構築のため、夫婦それぞれがすべきことは以下の通りです。
お互いの努力が不可欠
再構築のためにはお互いの努力が不可欠です。一方は離婚したいと思っているのに相手に押し切られる形で再構築した場合、何か少しでもうまくいかないことがあると「やっぱり離婚すればよかった」と関係にひずみが生じがちに。夫婦それぞれが再構築に向けて努力できない限りは、再構築は失敗するでしょう。
不倫発覚後に夫婦関係を再構築するのはたやすいことではありません。夫婦で話し合いを重ねる中で互いの気持ちを整理し、新しいルールを作ったり実績を重ねる中で徐々に相手からの信頼を取り戻すしかありません。不倫された側も過去の不倫をなるべく蒸し返さないなどの心がけが必要です。
認識のズレを認識する
双方に認識のズレがないか確認することも大切です。不倫発覚後の認識のズレでよくあるのが、不倫した側が「不倫したことに相手は怒っている」と思い込む一方で、された側が「嘘をつかれたことに憤っている」「心のケアを何もしてくれないことに失望している」というケースです。
このような認識のズレを修正するには、夫婦で互いの気持ちを正直に伝えあう他ありません。「もう過去のことを蒸し返されたくない」「思い出すと辛い気持ちになる」という理由で正直に伝えあわないでいると、小さなズレが大きな亀裂となり、夫婦関係の悪化につながります。
夫婦のスケジュールを共有する
夫婦のスケジュールを共有するのも、夫婦関係の再構築に有効です。とくに不倫が発覚して間もないうちは、まだ相手を信用しきれずに、不安な気持ちに襲われることが多いです。以前のようにお互いが信頼し合えるようになるまでは、夫婦それぞれのスケジュールを共有しましょう。
仕事の帰りが遅くなるときにはあらかじめ連絡する、休日はなるべく家族で過ごすように心がけ、外出する予定があるときには行先や目的、帰宅時間を知らせるなどの約束を作りましょう。とくに自分がした不倫を後悔しているのであれば、スケジュールを共有することで自分は変わったというアピールができます。
小さなことでも感謝の気持ちを伝える
ほんの些細なことでも互いに感謝の気持ちを伝えあうのが、再構築が成功する秘訣です。夫婦としての時間が長くなるにつれ、何かやってもらっても「そうするのが当然」という気持ちになりがちです。また感謝の気持ちを示すのが今さら恥ずかしいという人もいるかもしれません。
しかしお互いにパートナーがいることのありがたみを忘れてしまうと、些細なことでイラっとしたり、喧嘩をしてしまう原因に。これを防ぐには小さなことでも感謝の気持ちを伝えあう姿勢です。互いに「自分は相手に必要とされている人間なんだ」と自覚することで、夫婦関係がより円満になります。
夫婦だけの時間を作りスキンシップを図る
夫婦関係の再構築を目指す上で、夫婦だけで過ごす時間を作ったり、スキンシップを図ることは大切です。とはいえ発覚後すぐは、不倫をした相手とスキンシップを取るのには抵抗があるかもしれません。
そのようなときには無理にスキンシップを取ろうとせず、最初は一緒に食事をする、映画やテレビを一緒に見るということから始めてみましょう。二人でいることに慣れたら徐々に距離を縮め、時間をかけて自然と触れ合えるような関係を築いていきましょう。
適度な距離感を大切に
再構築を焦るあまりに相手との距離を急激に縮めようとすると、かえって相手に拒否されたり、居心地の悪さを感じてまた不倫に逃げる可能性があります。また二度と不倫しないようにとの思いから、相手の行動を監視したり過度に束縛したりするのは逆効果です。
夫婦としてのコミュニケーションは取りつつも、適度な距離感を保つようにするのが再構築を成功させるポイントです。微妙なバランスが難しいところですが、自分たち夫婦にとって最適な距離感を見つけるようにしましょう。
共依存夫婦の特徴と危険性については、こちらの記事を参考にしましょう。
「共依存夫婦の特徴|主な原因と陥りやすい危険性、共依存関係から抜け出す方法とは」
夫婦カウンセリングを利用する
夫婦2人だけで再構築が難しいときには、夫婦カウンセリングを利用するという方法もあります。臨床心理士などの国家資格を持つカウンセラーが、夫婦間の問題や双方の気持ちのズレを明らかにして、どのようなアプローチで再構築を目指すかについてアドバイスが受けられます。
とくに不倫問題に強いカウンセラーであれば、不倫後の夫婦間の問題や再構築の難しさにも精通しています。不倫に悩んでいる人の相談を多く手掛けているので、経験に基づいた助言を受けられるはずです。
離婚カウンセリングの注意点については、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚カウンセリングは役に立つ?相談内容や注意点、メリット・デメリットを解説」
不倫を再発させないためにすべきこと
不倫後の再構築を目指すためには、不倫を再発させない工夫が必須です。こちらを参考にして、再発防止の対策をしていきましょう。
不倫相手の家族に報告するのはNG
不倫相手がまた近づいてくる可能性があるからといって、不倫相手の家族や配偶者に報告するのはNGです。不倫の暴露は名誉棄損や侮辱罪などの法的な責任を問われるだけでなく、慰謝料が減額されたり逆に相手から慰謝料を請求される要因に。
「相手が悪いことをしたのにどうして?」と思われるかもしれませんが、法律違反やより大きなトラブルに発展する可能性が高いです。相手家族にバラす以外の方法で、不倫再発の手立てを取っていきましょう。
不倫相手に忠告や警告する場合の注意点は、こちらの記事を参考にしてください。
「不倫相手に忠告・警告するときの注意点とは?ケース別・直接対決するときのポイントとNG行為」
慰謝料を請求する
不倫相手に再接触させないようにするおすすめの方法が、慰謝料請求です。相手方としても、これ以上慰謝料を請求されないために二度と接触しないようにしようと考えるので、不倫再発のリスクを減らせます。こちらでは、不倫相手に慰謝料を請求するときのポイントについて詳しく見ていきましょう。
慰謝料請求の要件
不倫相手に慰謝料を請求するためには、いくつかある要件を満たさなければなりません。不倫は法律用語では「不貞行為」といい、過去の判例などからどのような行為が該当するかについて規定されています。こちらは不倫慰謝料の請求に必要な要件です。
| 不倫慰謝料請求の要件 | 内容 |
|---|---|
| 不貞行為もしくは不貞類似行為があった | 性的関係や不貞類似行為(口淫・手淫・裸での抱擁・前戯など)がある |
| 不貞行為を証明する証拠がある | 法的に有効な証拠(ラブホテルに出入りする証拠など) |
| 慰謝料請求権の時効が到来していない | 不貞の事実を知ったときから3年、または離婚した場合は離婚を知った時点から3年
不貞行為があった時点から20年のいずれか短い方 |
| 不倫発覚時点で夫婦関係が破綻していない | 慰謝料は不倫に伴う精神的苦痛に対するものなので、不倫発覚時点で夫婦関係が破綻していないことも条件となる
発覚前に家庭内別居状態・夫婦関係が冷え切っているときには請求できない可能性がある |
| 双方に自由意思に基づく合意があった | 不倫関係が強要や脅迫によるものでない |
| 不倫相手に故意や過失があった | 故意(あなたの配偶者が既婚者だと知っていた)または過失(知るべきだったのにあえて知ろうとしなかった)ことも問題になる |
| 請求相手の住所氏名が分かっている | 住所や氏名が分からないと慰謝料を請求できない |
一方でパートナーが独身だと嘘をついて不倫相手と知り合い、不倫相手が既婚者だと気づくきっかけもなかった場合は不貞行為とみなされないため、基本的に慰謝料請求はできません。またパートナーが性的関係を強要し、相手がそれを断れなかった場合も、自由意思に基づく合意がなかったとして、慰謝料を請求できないでしょう。
ただし性的関係がなくても、既婚者との交際の様態が社会通念上許容できる範囲を超えているとみなされると、慰謝料請求が認められる場合があります。ただしこのときの慰謝料金額は相場よりも低くなります。
不貞行為はどこからの行為か知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「『不貞行為』はどこからの行為?不倫・浮気との違いや当てはまるケース、法的に有効な証拠を解説!」
必要な証拠
慰謝料請求には不貞行為の証拠の確保が必須です。客観的に見て不貞行為があったと類推できる次のような証拠を集めるようにしてください。
- 性交渉中の写真・動画
- ラブホテルや相手の自宅に2人で出入りしている様子を撮影した写真・動画
- 性的関係があったことが分かる(匂わせる)メール・LINEのやり取り
- 不倫相手との交際や性行為について書かれたブログ・SNSの投稿
- 当事者が不貞行為を認めている音声・書面
- 探偵による調査報告書
上で紹介したもの以外でも、複数の証拠を組み合わせることで不貞行為を証明できる可能性があります。
- 2人でラブホテルや相手の自宅に出入りしていた様子を見かけたという第三者の証言
- ラブホテルや旅行先で使用したと思われる領収書・クレジットカード明細
- 避妊具や性行為で使用する道具を購入した領収書・クレジットカード明細
- 不倫相手の家の最寄り駅等で使ったSuica、PASMOなどの利用履歴
- 配偶者との会話や目撃した行為、日常の行動などを継続的に記した手書きの日記・メモ
- ラブホテルや不倫相手の家に滞在したことが分かるGPS・位置情報サービス
ラブホテルの領収書が不倫の証拠になるか知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「ラブホテルの領収書は証拠になる?不貞行為を証明できる証拠の種類と法的に有効な確保の方法」
慰謝料の相場
不倫慰謝料の相場は、不倫発覚後の夫婦関係の状態によって、次のように変わってきます。
| 離婚する場合 | 100万~300万円 |
| 別居する場合 | 100万~200万円 |
| 離婚も別居もしない場合 | 50万~100万円 |
別居も離婚もせずに再構築を目指す場合、不倫が平穏な夫婦生活を侵害したとはみなされず、慰謝料金額の相場が低くなります。上記以外でも、次のような要素によって相場が変動します。
- 婚姻生活の長さ
- 夫婦の年齢
- 不貞行為の期間の長さ・頻度の多さ
- 未成熟の子どもの有無・年齢・人数
- 子どもへの影響の大きさ
- 不貞行為に至った経緯
- 不貞行為の悪質度(不貞の相手の妊娠・出産など)
- 反省の態度の有無
- 請求相手の社会的地位・収入・資産
- どちらがより主導的だったか
- 請求者の精神的苦痛の度合い
愛人への慰謝料請求をお考えの方は、こちらの記事を参考にしましょう。
愛人への慰謝料請求|する側・される側のポイント&対処法とよくあるトラブルとは」
求償権に気を付ける
再構築を前提に不倫相手に慰謝料を請求する場合には、「求償権」に注意してください。求償権とは、自分の責任の範囲を超えて慰謝料を支払ったとき、一方が共同不法行為者である他方に対して、その超えた分を請求できる権利のことです。
不倫慰謝料が100万円と決まった場合、支払い義務があるのは共同不法行為者である不倫相手とあなたのパートナーの2人です。不倫相手にだけ100万円の慰謝料を請求し、不倫相手がそれを支払った場合、今度は不倫相手があなたのパートナーに対して50万円の支払いを求めることができるようになります。
再構築を決めて夫婦の財布が一緒の場合、100万円を受け取った後で50万円の支出が生じることに。慰謝料の取り決め時に求償権を放棄させる項目を入れることも可能ですが、それと引き換えに慰謝料の減額を求められる場合もあります。
ダブル不倫の慰謝料問題
パートナーの不倫が既婚者同士のいわゆる「ダブル不倫」だった場合、双方の夫婦の一方が慰謝料を請求しあって家計からお金が出入りするだけになります。場合によっては双方が慰謝料を支払わずに相殺するという方法が取られる場合も。
またこちらの夫婦は再構築を決め相手夫婦のみが離婚する場合は、こちらが受け取る金額よりも相手に支払う慰謝料の方が高額にある可能性が高いです。ダブル不倫の場合、慰謝料請求をして経済的利益があるのかについても、よく検討する必要があるでしょう。
ダブル不倫の慰謝料問題に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
「ダブル不倫の慰謝料問題|ケース別慰謝料の相場と注意すべきポイント、弁護士に依頼するメリットとは」
接触禁止の示談書を交わす
不倫相手と慰謝料請求の合意が得られた場合、示談書や合意書を作成して取り交わすのが一般的です。その書面の中で、今後一切双方ともに接触しないという「接触禁止」の項目を入れ、その約束を破った場合のペナルティも入れるようにしましょう。とくに再構築を決めた場合、不倫の再発を食い止めることがポイントに。
具体的に次のような文面を入れるようにしましょう。
不倫相手が同じ職場だったりした場合は、意図せず顔を合わせることもあるかもしれません。そのような場合には「この示談書作成後は」の後に「業務上やむを得ない場合を除き」といった文言を加えてください。
配偶者と誓約書・合意書を交わす
不倫相手とは別に、パートナーとも誓約書・合意書を交わす方法が有効です。書面に記載する内容は特に決まりはありませんが、再発防止の意味でも次のような内容を入れるといいでしょう。
- 今後は不倫相手との関係を解消する
- 今後一切不倫相手と接触しない
- 今後の夫婦関係の再構築を誓う
- 上記に違反した場合は、金○○万円の慰謝料を支払う
- また財産分与として○○を分与した上で離婚に合意する
誓約書は2通作成し、それぞれが記名捺印した上で各自保管するようにしましょう。夫婦だけで作成した場合、法的有効性を問われる可能性があるため、弁護士に作成を依頼すると安心です。
不倫した側が注意するポイント
再構築を目指す上で、不倫した側は次のような点に気を付けていきましょう。
「ゼロ」ではなく「マイナス」からの再スタートと認識する
不倫したあなたの信頼は「ゼロ」ではなく「マイナス」となっています。再構築はマイナスからのスタートであるということをよく心に留めた上で以前の良好な関係に戻す努力が必要です。結婚前に初めて会って、あなたを好きになってもらった以上の努力をしなければいけません。
不倫相手との関係を絶つのはもちろんのこと、スケジュールを共有して相手の不安を払拭する工夫や、時には第三者を介したコミュニケーションもすべきでしょう。あくまで「元の関係に戻る」のではなく「新しい関係を構築する」といった意識で、相手の気持ちに寄り添い続けましょう。
相手にとっては終わった問題ではない
不倫した側は「もう(関係は)終わったこと」なのに、相手の心の傷からはまだ血がドクドクと流れ出ている状態かもしれません。再構築を決めたとしても、不倫された側にとってはまだ全然終わっていないことだということを改めて認識すべきでしょう。
不倫を知ったときの状況が今もフラッシュバックする、ラブホテルから出てくるあなたと不倫相手の様子が頭から離れないという人は少なくありません。不倫した側は相手にそれだけ深い傷を負わせたという事実と向き合って、真摯に反省し続ける姿勢が必要です。
感情を出し切るプロセスが大切
再構築を目指すには、相手の感情を出し切るプロセスが大切です。不倫を知った後のパートナーは、ほとんどの人が精神的ショックを受け、気分が落ち込んだり怒りの感情を爆発させたりします。見ている側は辛く、自分が責められているように感じるかもしれませんが、これら感情を出すプロセスは不倫問題を乗り越えるのにとても大切です。
逆に「怒って当然なのに怒らない」「落ち込んでもいいのに無感情」という状況は危険です。相手が自分自身の気持ちと繋がれていなかったり、感情に蓋をしてしまっている可能性があります。これは心身に大きな影響を与えるだけでなく、再構築の障壁になることも。そうならないためにも相手の感情を出し切るプロセスが欠かせません。
不倫された側が注意するポイント
不倫された側は、次のような点に注して再構築を目指してしていきましょう。
相手に何を求めているか明確にする
まずは自分の気持ちを整理して、相手に対して何を求めているか明確にしましょう。不倫に傷ついているときは「どうにかして私の気持ちを安定させてほしい」と思うのが本音かもしれません。しかし今後の関係性の土台を作る上でも、自分の隠れた要求や安心できる方法を知るのは有効です。
とくに相手が夫の場合、具体的に「何をどうして欲しい」と言わないと、こちらの気持ちを分かってもらえないことも。次のように具体的な内容で、相手に何を求めているか言葉にしてみましょう。
- もっとこのような愛情表現をして欲しい
- スキンシップの頻度はこのくらい
- パニックになっているときにはこちらの話を聞いて欲しい・抱きしめて欲しい
- 出張の時は逐一行動を連絡して欲しい
- 週に一度はゆっくりと二人で話をしたい
- もっと育児にかかわってほしい
とくにフラッシュバックなどでパニックに陥っているときには、相手は攻撃されていると思って防御の姿勢に入りがち。聞く姿勢を取ってくれずにさらに喧嘩に発展することもあるでしょう。そのような場面でして欲しいことをあらかじめ具体的に伝えられれば、双方が落ち着いて対処できるでしょう。
嫉妬し過ぎて疲れたとお感じの方は、こちらの記事を参考にしてください。
「嫉妬しすぎて疲れた…嫉妬や束縛をしてしまう心理と対処法を知って、離婚を回避しよう」
不倫の話は極力しない
夫婦で再構築すると決めた以上、不倫の話は極力蒸し返さないという姿勢が欠かせません。不倫された側は、ふとしたことで不倫相手の顔や不倫中のパートナーの言動などを思い出して苦しむことがあります。しかしフラッシュバックする度に相手を責めていても何も解決しません。そればかりか、再構築に向けての相手の努力をないがしろにしてしまいます。
また不倫以外のことで夫婦げんかになった場合でも、過去の不倫の話を蒸し返さないようにしてください。「自分は努力しているのに、いつまでも蒸し返されるのならいっそ離婚すればよかった」という気持ちが出て、再構築が難しくなります。
離婚した方がいい夫婦の特徴は、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚したほうがいい夫婦の特徴|悩んだときのポイントと対処方法を知ってより良い道を選ぼう」
自分にも非がなかったか考える
再構築に当たり、不倫した側が悪いのは当然ですが、自分にも非がなかったか振り返る姿勢が大切です。次のようなあなたの態度が、パートナーが不倫に走った原因になっている可能性があります。
- あなたが拒否したことによるセックスレスだった
- 夫婦間のコミュニケーションがなかった
- 家事や育児が忙しく最低限の会話しかなかった
- パートナーの存在をないがしろにした
- 日ごろのパートナーへの気遣いが足りていなかった
不倫したパートナーに、不倫した理由を聞いてみるのもいいでしょう。その場合にこちらが責められたと感じても、すぐに言い返さず自分に非がなかったかを改めて考えてみましょう。
再構築が難しいときは…
再構築を目指して努力しても、中々以前のような関係に戻れないときには、次のような対処をしていきましょう。
別居してみる
お互いの顔を見るのも苦痛になったときには、別居するのも一つの手です。相手のいない空間で互いに冷静になって、自分の気持ちや相手への感情を見つめ直すことで、パートナーがいる大切さに気が付けるかもしれません。
夫婦関係を見直すために別居する場合は、あらかじめ○カ月や半年など、期間を決めるようにしましょう。また定期的に相手と連絡を取り合う、子どもと一緒に外で会うなど、接触を継続してください。全く接触もないまま別居が長期間に及ぶと、それだけで法律上の離婚が認められてしまうためです。
別居に必要な準備に関して詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「別居に必要な準備をシチュエーション別に解説!別居に関する注意点とは?」
離婚準備を始める
不倫発覚後の再構築が難しいと判断したときには、離婚準備を始めた方がいいかもしれません。夫婦仲が改善しないまま結婚生活を続けていても、双方にとっていいことはありません。夫婦に子どもがいる場合には、子どもへの悪影響も心配です。
具体的な離婚準備については、次のような項目を検討しましょう。
- 離婚後に住む場所をどこにするか
- 引っ越しや離婚後の生活に必要なお金
- 離婚後の収入(仕事・副業など)をどうするか
- 子どもを連れて離婚する場合は転園・転校の有無
- 離婚のタイミング(子どもが学校に入学する前・受験が終わってからなど)
- 仕事の間に子どもを見てもらえる体制が整えられるか
- 離婚後に自分(子ども)の戸籍・姓をどうするか
- 離婚後に受け取れる公的手当・補助制度の有無
- 離婚後に相談できる相手がいるか
離婚を切り出すのに適したタイミングについては、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚を切り出すのに適したタイミングは?切り出す前の注意点とケース別対処法」
離婚条件を検討する
離婚時には、様々な離婚条件について検討します。なるべく有利な条件で離婚するためにも、離婚(別居)前の準備が必要です。
| 離婚条件 | 必要な準備 |
| 婚姻費用 |
|
| 財産分与 |
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| 年金分割 |
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| 慰謝料請求 |
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| 子どもの親権 |
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| 養育費 |
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| 面会交流 |
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離婚を早期に実現するには、ある程度の妥協や譲歩も必要です。離婚条件に優先順位をつけ、譲歩できる範囲をあらかじめ決めておくと、交渉がスムーズに進みます。
離婚の仕方や手続き方法については、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚の仕方と手続き方法|後悔しないための離婚条件とを切り出す前にすべき離婚準備を徹底解説」
弁護士に相談する
不倫後の再構築が難しく離婚すべきかお悩みの方は、夫婦問題に詳しい弁護士に相談してください。また不倫相手に慰謝料を請求したいという場合や、パートナーと交わす誓約書の作成を依頼したい場合もおすすめです。実際に離婚準備をする上でも、どのような条件で実現できそうかや譲れない条件を勝ち取るポイントについてアドバイスが得られるでしょう。
相手との交渉も弁護士に任せられ、交渉に費やす手間やストレスを軽減できます。離婚にはただでさえエネルギーが必要です。パートナーの不倫で離婚をするということは、発覚後のショックや信じていた相手への不信感もあり、さらに心理的な負荷がかかります。
そのようなときこそ専門家の力を借りて、一日も早く新しい生活をスタートさせてください。
離婚の仕方や手続き方法については、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚の仕方と手続き方法|後悔しないための離婚条件とを切り出す前にすべき離婚準備を徹底解説」
まとめ
不倫後の再構築は簡単とはいえず、うまくいかず離婚に至るケースも少なくありません。再構築への双方の努力が不可欠で、認識のズレを見極めたうえで、時間がかかることと認識しましょう。夫婦のスケジュールを共有する、意識してスキンシップを図るなどの工夫も必要です。
再構築には不倫の再発防止対策も不可欠です。不倫相手には慰謝料を請求し、接触禁止の内容を含んだ合意書を取り交わしましょう。パートナーに対しても誓約書を作成し、再構築のために互いに努力することや相手と接触を持たないことなど、ペナルティを課した上で約束してもらってください。
どうしても再構築が難しいときには、弁護士に相談したうえで別居や離婚を検討してください。慰謝料請求や離婚条件の交渉など、精神的ストレスがかかる場面でも弁護士があなたの代わりになってくれます。まずは無料相談を利用して、離婚までのロードマップを作成していきましょう。