離婚時のやることリストを全網羅!タイミングごとの内容と注意点とは?

離婚時のやることリストを全網羅!タイミングごとの内容と注意点とは?
離婚時のやることリストを全網羅!タイミングごとの内容と注意点とは?
  • 「離婚時にやることをリストアップしたい」
  • 「離婚後の手続きには何がある?」

離婚についてやるべきことは離婚を切り出す前からすでにたくさんあります。いざというときに抜け漏れやミスが無いようにリストにして手元に準備しておきたいものです。そこでこちらの記事では、離婚前から離婚後に至るまでのやることを一覧で紹介。子あり・子なしや男女にかかわらず、離婚する人すべてにとって参考になる内容です。

さらに手続きをスムーズにするための注意点やポイントも解説します。結婚時は幸せな中で手続きも苦にならないのですが、離婚時はその何倍ものエネルギーが必要になります。子どものことなどは、やる気が起きないからと言って後回しにできないため、余分な労力を使わないようになるべくスムーズに手続きを進めていきましょう。


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目次

離婚を切り出す前にすべきこと

夫や妻にまだ離婚を切り出していないという方は、相手に離婚したい意思を伝える前に出来ることを始めましょう。切り出す前に離婚の準備がきちんとできれば、離婚の条件を決める場合や、相手が離婚を渋ったときに有利に働きます。

離婚原因がある場合は証拠を集める

相手に離婚したい原因がある場合はその証拠をしっかりと集めておきましょう。証拠は離婚そのものを認めさせるのに役立ち、慰謝料請求や財産分与でも有利に進めることが出来るからです。別居してからでは証拠を集めるのが難しくなり、離婚を切り出してからでは相手が警戒して証拠を処分されてしまう恐れがあるので、このタイミングで確保するのがベストです。

法的に証拠は離婚原因の種類によって次のように異なります。

離婚原因 証拠
不貞行為
  • 二人でラブホテルへ出入りしている写真や動画
  • メール、LINEのやり取り
  • 相手が不貞行為を認めた音声や動画
  • ホテルの領収書
  • クレジットカードの明細
  • GPSのログ
DV
  • 負傷したときの写真
  • 負傷したときの医師の診断書
  • 相手の言動が分かる音声や動画
  • 日記などの記録(日時・場所・状況・内容がわかるもの)
モラハラ
  • うつや不安障害など精神疾患の診断書
  • 相手の言動が分かる音声や動画
  • 日記などの記録(日時・場所・状況・内容がわかるもの)

夫婦の話し合いのみで決める協議離婚が難しい場合は、調停や裁判に進むことになります。上のような証拠がきっちり確保できていると、調停や裁判でもこちらの主張が認められやすくなります。

相手の財産の調査

離婚を切り出す前に、相手の財産の調査も必須です。離婚することになると、夫婦が婚姻期間中に築いた共有財産を分けることになります(財産分与)。財産分与は相手の収入や自分の職業にかかわらず、基本的には1/2ずつです。相手の財産をキチンと把握していなかったり、相手が故意に財産を隠すと財産分与で不利になってしまいます。

また子どもの養育費を請求するときにも、相手の財産がどのくらいあるかによって金額が変わってきます。そこで離婚を切り出す前に、相手の財産として何がどのくらいあるかを明確にしましょう。具体的には次のような財産を調査するといいでしょう。

  • 預貯金(通帳のコピー)
  • 収入を証明する書類(源泉徴収票・確定申告書・納税証明書など)
  • 不動産登記簿
  • 生命保険証書
  • 証券口座に関する書類

相手の財産を把握できれば、離婚後の生活のめどを立てやすくなります。どうしても共有財産の資料が集められないという場合は、弁護士に相談すると「弁護士照会制度」を利用して相手の預貯金をはじめとする財産を調査することが可能です。

財産分与を弁護士に依頼するときの費用相場や安くする秘訣は、こちらの記事を参考にしましょう。

「財産分与に関する弁護士費用|内訳別相場や変動する要素、安くする秘訣を解説」

親権を取るための証拠集め

離婚時に未成年の子どもの親権が争点になりそうと思う場合は、親権を取るための証拠を確保しておきましょう。子どもの親権は次のような点を考慮して判断されます。自分の方が親権者としてふさわしいと、それぞれの項目を証明できる証拠はこちらです。

親権で考慮されるポイント 必要な証拠
主に子どもを監護してきたのはどちらか、またその内容に問題はなかったか
  • 相手が子どもに暴力をふるった証拠(けがの写真・診断書など)
  • ワクチン接種や定期検診をキチンと受けていたことが分かる母子手帳
  • 子どもの通信簿
  • 子育て日記
  • 子どもとの写真
15歳以上の場合は子ども自身の意思
  • 子どもの署名入りの意見書や陳述書
親権を獲得した後の監護体制
  • 住む予定の場所が分かるもの
  • 親や兄弟の協力体制についての
経済状況
  • 源泉徴収票
  • 給与明細
  • 確定申告書
面会交流に関する寛容性
  • 子の監護に関する陳述書

子どもの親権を考えるとき、これまでの監護実績が何よりも説得力を持ちます。したがって母子手帳や写真、育児日記や通信簿などは別居する前にしっかり確保するようにしましょう。

別居の準備

離婚を簡単に受け入れてくれそうもない配偶者の場合は、離婚を切り出す前に別居の準備をすることをおすすめします。別居はそれ自体で、裁判で認められる「法定離婚事由」になるため。民法第770条では法定離婚事由を次のように定めています。

  1. 配偶者に不貞な行為があったとき
  2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  3. 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

夫婦での話し合いや調停を経由しても離婚が難しい場合は、長年の別居が法定離婚事由の「その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき」と認められれば離婚できます。

現在住んでいる家から出る場合は、次のような準備が必要です。

  • 住む場所の確保(実家・賃貸)
  • 別居費用の確保
  • 仕事・収入の確保
  • 子どもの学校や習い事の調整

別居費用は引っ越し費用や新たに家を借りるための費用です。また家具や家電を買いそろえることも考えると少なくても100万円は準備したほうがいいでしょう。今まで仕事をセーブしていた方は、正社員やフルタイムで働ける仕事を見つける必要があります。子どもを連れての別居を考えている場合は、転校の必要があるかや習い事を継続できるかも考慮に入れましょう。

別居に必要な準備はシチュエーションによって異なります。こちらの記事を参考に、あなたにあった準備を進めましょう。

「別居に必要な準備をシチュエーション別に解説!別居に関する注意点とは?」

離婚を切り出した後にすべきこと

配偶者に離婚を切り出して相手も離婚に合意した後は、離婚に関する様々な条件や離婚後のことについて決める必要があります。こちらでは子なし・共通の場合と、子どもがいる場合で分けて解説していきます。

子なし・共通の場合

夫婦が離婚する場合、離婚時に様々なことを決めなけれればなりません。子どもがいない夫婦はこちらの項目を参考にして、条件や離婚後のもろもろについて考えていきましょう。

慰謝料の請求

相手の行為が法定離婚事由に該当する場合、慰謝料を請求できる可能性があります。上で紹介した5つの法定離婚事由を参考に、次のような行為が当てはまれば、慰謝料を請求できるでしょう。よく「女性だから・専業主婦だから慰謝料をもらえるんでしょ」と勘違いしている人がいますが、たとえ専業主婦でも離婚原因となる行為があった場合は夫から慰謝料を請求されることになります。

  • 不貞行為(性的関係を伴う浮気・不倫)
  • 暴力や暴言
  • モラルハラスメント
  • 正当な理由なく同居を拒否される
  • 突然行方不明になる
  • 健康なのに働かない
  • 専業主婦なのに家事をしない
  • 収入がない相手に生活費を入れない
  • 別居後に婚姻費用(生活費)を入れなくなった

離婚時に慰謝料を請求できる典型は不貞行為やDV、モラハラなどです。実際に請求するには証拠が必須になるので、必ず証拠を確保したうえで請求するようにしましょう。

慰謝料の相場は離婚原因や婚姻期間の長さによって変わってきます。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

「離婚慰謝料の相場が知りたい!離婚理由や婚姻期間による相場・金額をアップさせるポイントを解説」

財産分与の取り決め

離婚時は財産分与の取り決めが必要です。共有財産は離婚時に清算して、双方に分けなければなりません。現金や預貯金のように等分できる財産なら問題ないのですが、不動産や車など簡単に分けられない財産は、どちらがどのように受け取るか話し合って決めるのが原則です。場合によっては他の財産で相殺したり、自分の手持ちのお金で買い取って分けることも考えましょう。

分与対象となる財産は、別居時の時価を基準にするのが一般的です。したがって離婚前に別居する場合は、自分の財産だけでなく相手の財産も把握しなければなりません。

年金分割の準備

結婚生活が長かった方は、将来受け取れる年金を増やすためにも、年金分割の準備を忘れずに。年金分割とは夫婦の片方又は両方が厚生年金もしくは共済年金に加入しているときに可能な制度。婚姻期間中に納めた年金の納付実績をもとに、将来もらえる年金にプラスできるという内容です。年金分割には「合意分割」と「3号分割」の二種類があります。

年金分割の方法 合意分割 3号分割
詳細
  • 扶養に入っていても入ってなくても出来る
  • 相手の同意若しくは裁判所の決定が必要
  • 分割割合は上限の1/2まで自由に決められる
  • 扶養に入っている主婦が出来る
  • 2008年4月1日以降の婚姻期間の保険料が対象
  • 分割割合は1/2で固定
  • 相手の同意がなくても手続きできる

年金分割の請求は、離婚後2年以内という期限があります。離婚後に速やかに手続きに入れるよう、年金の種類や相手の基礎年金番号などの情報はしっかり入手しておきましょう。

婚姻費用の請求

離婚するまでの生活費を受け取っていなかった人や、離婚を前提とした別居をする場合は、離婚までの間の生活費を婚姻費用として請求できます。夫婦は結婚生活をするうえで必要な生活費を分担する義務があり、たとえ別居中でもその義務を果たさなければならないため。婚姻費用は基本的に収入の多い方が少ない方に渡す形となります。

婚姻費用として認められるのは衣食住にかかる費用や医療費、子どもにかかる費用や交際費などです。費用の相場は家庭裁判所の「婚姻費用算定表」に基づいて決められることが多いため、自分たちのケースではどの位の金額になるかチェックしましょう。

離婚協議書の作成

これまで紹介した離婚条件が話し合いでまとまったら、その内容を記入した「離婚協議書」を作成しましょう。離婚協議書を作成しておかないと、言った言わないのトラブルになる可能性が高く、相手が約束を守らなかった場合でも法的手続きを取ることができません。将来の自分の権利を守るうえでも必ず作成するようにしましょう。

さらに離婚協議書を公正証書で作成すると、法的拘束力を高められます。公正証書に「強制執行認諾文言」を入れることで、万が一養育費や分割払いの慰謝料が滞ったときに、裁判手続きを経ずに相手の給料などを差し押さえできるからです。

公正証書を作成するには夫婦二人で公証役場に出向く必要があるため、遅くとも離婚届提出の1週間前までに時間に余裕をもって手続きを進めることをおすすめします。

離婚後の住居を決める

別居を経ずに離婚後は今の住まいから出る場合は、離婚後の住まいも決めておきましょう。住まいの場所は勤務先や子どもの学校、利便性や実家からの距離などを考慮に入れる必要があります。部屋の間取りや家賃なども重要な条件なので、内覧などしながら余裕をもって決めていきましょう。

離婚後の姓・戸籍を決める

結婚時に姓(名字)変えた方は、離婚後の姓を決めなければなりません。というのも、希望すれば結婚中の姓を継続することも可能なため。ただし婚姻時の姓を継続するには、離婚後3カ月以内に「結婚の際に称していた氏を称する届(婚氏続称届)」を役所に提出しする必要があります。離婚してから名字をどうしようか迷っていると期限が来てしまうため、離婚前から決めることをおすすめします。

また離婚後の姓と同様に、離婚後の戸籍についても考えておきましょう。実家の戸籍を抜けて配偶者と新しい戸籍を作った場合(多くは妻)は離婚後の姓・戸籍の選択肢として、次の3つの方法があります。

  • 旧姓に戻して実家の戸籍に入る
  • 旧姓に戻して新しい戸籍を作る(自分が筆頭者)
  • 婚姻時の姓で新しい戸籍を作る

離婚後に引き取った子どもと一緒の戸籍にしたい場合は、上の2もしくは3の方法を選択しなければなりません。自分が筆頭者の戸籍を作る場合は、新しい本籍地をどこにするか離婚届を提出する前までに決めておきましょう。

離婚時期の決定

離婚することが決まった人は、離婚時期も決めていきましょう。子どもが学校を卒業したタイミングや、妻の仕事が見つかってからなど、夫婦にとってベストな時期を選択してください。離婚時期を取り決めた場合は、その間の婚姻費用の内容と共に、離婚協議書に明記しておくといいでしょう。

離婚届の記入・提出

離婚時期が来る前に離婚届を記入して、いつでも役所に提出できるようにしましょう。離婚届の用紙は自治体役場の窓口で入手できます。本籍地以外の所に提出する予定の方は、夫婦の戸籍謄本も一緒に提出します。離婚の方法によって、必要な書類や期限が変わってきます。こちらの一覧を参考にして不備がないように提出してください。

離婚方法 協議離婚 調停離婚 裁判離婚
必要なもの・期限
  • 証人欄への記載
  • 調停調書の謄本
  • 申立人の印鑑(相手方の署名捺印は不要)
  • 戸籍謄本(本籍地以外の役所に届け出る場合)
  • 調停成立から10日以内に提出
  • 判決確定証明書
  • 調停調書の謄本
  • 申立人の印鑑(相手方の署名捺印は不要)
  • 判決確定後の離婚成立から10日以内に提出

協議離婚では離婚届は夫婦二人で提出する必要がなく、窓口に持参出来ないようなら郵送や第三者に頼んで提出してもらう方法も可能です。ただし離婚届は修正液の使用は不可で、内容に不備があると受理されません。二度手間を防ぐ意味でも、なるべくなら直接持参することをおすすめします。

離婚後の手続きには、離婚届を提出した後にできる戸籍謄本が必要です。新しい戸籍謄本が出来るまで1週間前後かかるので、離婚後の手続きを考えながら、逆算して離婚届を提出するようにしましょう。

子ありの場合

夫婦間に未成年の子どもがいる場合は、離婚時に次のような取り決めが必要です。

親権について話し合う

未成年の子供がいて離婚するには、離婚届に親権をどちらが持つか記載しなければ受理されません。離婚の話し合いの早い段階で、子どもの親権について話し合う必要があります。話し合いで折り合いがつかないときは調停や裁判で親権について争うことになります。

親権は基本的に、離婚の原因や有責性で判断されることはありません。子どもにとっての利益を最優先に考えられるため、これまでの監護実績や経済状況、子どもの意思などが重視されます。一般的に子どもの年齢が低いほど母親が親権獲得に有利ですが、育児放棄やネグレクトなどがある場合はその限りではありません。

養育費についての取り決め

子どもの親権をどちらが取るか決まったら、親権を持つ方の親は子どもの養育費を受け取ることができます。たとえ母親でも、親権を持たない場合は養育費を支払う可能性があります。毎月の金額や期限、変更の条件などをあらかじめ決めておきましょう。話し合いで養育費の金額を決める場合は、夫婦の所得に応じた「養育費算定表」を目安にするといいでしょう。

支払う期限は子どもが成人するまでや大学を卒業するまで、高卒の場合は卒業した3月までと決められます。子どもの進学状況によっては支払い期限を延長する可能性も含めて離婚協議書に入れておくと、後のトラブルが防げます。

養育費に関する弁護士費用について知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「養育費に関する弁護士費用が知りたい!ケースごとの相場・払えないときの対処法とは?」

面会交流についての取り決め

子どもとの面会交流についても決める必要があります。子どもと別に暮らすことになった親は、定期的に子供に会う権利「面会交流権」があるからです。面会の頻度や場所、連絡の方法などをあらかじめ決めておき、離婚協議書に記載しましょう。面会交流は子どもの成長のためには大切なもの。子どもが嫌がっていない限りは、自分の気持ちだけで会わせないなどしないように注意しましょう。

面会交流について決めておかないと、離婚後に頻繁な面会を求めてトラブルになるケースも。一般的には月に1回~2回、それぞれ数時間~半日程度の時間が相場です。現実的に対応可能な範囲内で決めるのがポイントです。

離婚後の学校(幼稚園・保育園)について考える

子どもを連れて離婚する場合、自分が働いている間の保育園や学童についても考えなければなりません。離婚後住む予定の自治体役場の保育課や保健福祉課などに相談して、保育園の申し込みをするようにしましょう。住む場所によっては乳幼児の空きが少ないところもあるので、なるべく早めの申し込みがポイント。

子どもの学校が遠くになる方は、転校することも考慮に入れましょう。もし通いやすい場所に学校や幼稚園がない場合は、転居場所を考え直す必要が出てきます。

ひとり親家庭への公的支援を確認

ひとり親になった後の生活が不安だったり、安定した収入を見込めない場合は、住所地のある自治体が実施している助成金制度や減免措置を受けられる可能性があります。自分が住む予定の自治体にどんな制度があるか、ホームページなどで確認して、手続き方法などをチェックしておきましょう。

また窓口で相談できれば、どのような制度を利用できるか分かるようになります。離婚後すぐに落ち着いて生活できるよう、離婚前から公的支援についてしっかり確認することをおすすめします。

子どもへの説明・心のケア

離婚が決まったら、子どもへの説明や心のケアも忘れずに。子どもがまだ小さいうちは詳しく説明する必要はないかもしれませんが、ある程度分かる年齢の子どもには、離婚について分かりやすく説明しましょう。また夫婦間で子どもにどのように伝えるか足並みをそろえたり、言うタイミングを話し合っておくとベストです。

転園や転校を伴うような大きな環境の変化があると、子どもにも大きなストレスがかかります。また片方の親と離れて暮らすことになると「自分のせいではないか」と傷つく子どもも。新しい環境になじめず情緒が不安定になったり不登校にならないよう、子どもの些細な変化をよく観察して、できるだけ手厚く対応できるように準備しておきましょう。

離婚後にすべきこと

離婚後は行政や各機関への手続きがいくつもあります。抜け漏れがないようチェックリストを参考に、自分に当てはまる項目を確認しましょう。

子なし・共通の場合

離婚して住所や氏名が変わったり、扶養を抜けたりすると次のような手続きが必要になります。

戸籍の変更・住民票の異動

引越しや転居、住民票の世帯主が変わる場合は、自治体の役場で次のような手続きをしなければなりません。期限が決められている手続きもあるので、なるべく期限内に済ませるようにしましょう。

手続き 手続き場所 対象者・期限・必要書類
住民票の異動 自治体役場 住所地が変わったとき(異動日から14日以内)
□同じ市区町村内:転居届
□違う市区町村:転出届と転入届
世帯主変更届 自治体役場 世帯主が変わったとき(変更日から14日以内)
□本人確認書類
□印鑑
□国民健康保険証(加入している場合)
離婚の際に称していた氏を称する届 自治体役場 婚姻により氏名が変わった方で離婚後も婚姻中の姓を使用したいとき(離婚後3カ月以内)
□戸籍謄本(本籍地以外の役場に提出する場合)

健康保険の加入・変更

結婚時、配偶者が加入している健康保険の被扶養者になっていた場合、離婚と同時に健康保険の対象から外れてしまうので、自身で健康保険の加入手続きが必要です。結婚時も国民健康保険だった方は住所や氏名の変更手続きを忘れずに。

手続き 手続き場所 対象者・期限・必要書類
国民健康保険の加入 自治体役場 社会保険加入者の扶養家族だった人が国民健康保険に加入するとき(離婚後14日以内)
□離婚届受理証明書
□健康保険証
□健康保険資格喪失証明書(離婚した元配偶者の勤務先で入手)
国民健康保険の変更 自治体役場 国民健康保険加入者で住所や氏名が変わった方
□(転居前)脱退手続き
□(転居後)加入手続き
□氏名の変更手続き

国民年金・厚生年金の加入・変更

健康保険の手続きと共に社会保険の手続きも忘れずに行いましょう。国民年金は自治体が窓口で、厚生年金は自身の勤務先や年金事務所が窓口になります。

手続き 手続き場所 対象者・必要書類
国民年金の種別変更 自治体役場 厚生年金加入者の扶養家族だった方が扶養を外れるとき
□種別変更手続き
国民年金の変更 自治体役場 国民年金加入者で住所や氏名が変わった方
□住所・氏名の変更手続き
厚生年金・社会保険の加入 勤務先 厚生年金加入者の扶養家族だった方もしくは国民年金加入者だった方が、自分の勤務先の厚生年金に加入するとき
厚生年金・社会保険の変更 勤務先
年金事務所
厚生年金加入者で扶養家族に変更があった方や住所・氏名が変わった方

身分証明書の変更

氏名や住所、本籍地が変わった方は、次のような身分証明書の変更も必要に応じて行ってください。

手続き 手続き場所 対象者・必要書類
運転免許証の変更 住所地がある警察署
運転免許センター
住所・氏名・本籍地に変更があったとき
□運転免許証
□住民票の写し
パスポートの変更 旅券申請窓口 本籍地の県名や氏名に変更があったとき
□有効中のパスポート
□一般旅券発券申請書(記載事項変更用)
□パスポート用の写真
□戸籍謄本・抄本
マイナンバーカードの変更 自治体役場 住所や氏名が変わったとき(変更から14日以内期限)
印鑑証明 自治体役場 住所や氏名、印鑑に変更があったとき
□変更を希望する印鑑
□本人確認書類

銀行口座の名義・住所変更

給与振り込みや光熱費の引き落としで使用している銀行口座の名義や住所変更、クレジットカードの変更もケースに応じて行ってください。

手続き 手続き場所 対象者・必要書類
銀行口座の変更 各金融機関 銀行の口座名義や住所を変更するとき
□預金通帳
□届出印鑑
□身分証明書
□その他金融機関が指定するもの
クレジットカードの変更 クレジットカード会社 クレジットカードの名義・住所・引き落とし口座・口座名義・登録情報の変更があったとき

車・不動産の名義変更

自分名義の車や不動産を持っている方は、離婚後に氏名や住所、本籍地の変更が必要です。また財産分与によって配偶者から車や不動産を譲り受けた場合は、名義変更や財産分与登記をしなければなりません。それぞれに必要な書類などが異なるので、注意しながら書類を準備しましょう。

手続き 手続き場所 対象者・必要書類
車の名義変更 運輸支局(普通車・バイク)
軽自動車協会(軽自動車)
名義人の氏名を変更するとき
□戸籍謄本
□委任状
□車検証
□自動車税・自動車取得税申告書
□申請書
□手数料納付書財産分与により車を譲り受けて名義変更するとき(変更日から15日以内)
□車検証
□譲渡証明書
□車庫証明
□自動車税納税証明書
□自動車税・自動車取得税申告書
□自賠責保険証
□移転登録申請書
□実印
□印鑑登録証明書(新旧所有者のもの)
□旧所有者からの委任状
不動産の名義変更 法務局 名義人の氏名を変更するとき
□登録申請書
□戸籍謄本財産分与により不動産を譲り受けて名義変更するとき
□登録申請書
□権利証・登録識別情報
□住民票の写し(譲り受ける方)
□財産分与協議書
□戸籍謄本
□固定資産評価証明書
□実印
□印鑑登録証明書(譲り受ける方)

財産分与登記の場合、上記の手続きの他に固定資産時価評価額2%の登録免許税や譲渡税、専門家に依頼する場合の手数料が発生します。あらかじめ費用負担がどのくらいになるか確認して、準備する必要があります。

年金分割手続き

年金分割をする場合は、離婚届提出後2年以内に下記手続きが必要です。たとえ夫婦間で合意できていても、離婚後に年金事務所で所定の手続きを済ませていないと年金を分割されません。時効を過ぎると手続きできなくなるので、忘れずに手続きを済ませましょう。

手続き 手続き場所 対象者・期限・必要書類
年金分割 年金事務所 合意分割したとき・3号分割できるとき(離婚した日の翌日から2年以内)
□離婚時の年金分割請求書
□マイナンバーカード・基礎年金番号が分かる書類
□元夫婦それぞれの戸籍謄本
□調停調書謄本・審判所謄本・確定証明書のいずれか

その他の名義変更手続き

上記以外でも名義変更手続きが必要な契約があります。契約者名や登録情報が変更になった場合は、速やかに変更手続きをしてください。

  • 電気
  • ガス
  • 水道
  • インターネット
  • 携帯電話
  • 生命保険
  • 賃貸住宅

勤務先への報告

離婚した時点で会社に勤めている方は、会社への報告も忘れずに。総務に必要な届出を確認して、提出するようにしましょう。中には職場に離婚したことを知られたくないという人もいるかもしれません。その場合は担当者にだけその旨を伝えて、旧姓を引き続き使用して仕事できるように配慮してもらえれば、むやみに噂が広まることも少ないでしょう。

子ありの場合

子どもを引き取っての離婚の場合、子どもに関する手続きもしなければいけません。離婚届を役所に提出すると、必要になるだろう手続きを案内してくれる可能性もありますが、自分なりに流れや手続き方法を把握しておくとスムーズに進められます。

子どもの姓・戸籍の変更

子どもの姓や戸籍の変更手続きが必要になる場合があります。親が離婚しても子どもの姓や戸籍には全く影響がありません。離婚して妻が夫の戸籍から抜けても、子どもは夫の戸籍に入ったまま。妻が子どもの親権を持ち一緒に暮らすことになった場合、同じ世帯でも親権者と子どもの姓や戸籍が違うという状態になります。

こうしたケースでは様々な不都合が生じるため、子どもの姓や戸籍を親権者と同じにする手続きが必要です。手続き方法としては、まず子どもも姓を変更する「子の氏の変更許可申立」を裁判所に申し立て、姓の変更が認められた後で親権者の戸籍に入れる「入籍届」を役所に提出します。それぞれの手続きの必要書類は以下の通りです。

手続き 手続き場所 対象者・必要書類
子の氏の変更許可申立 子の住所地を管轄する家庭裁判所 離婚で別になった子の氏を同じにしたいとき
子が15歳未満…親権者が申し立てる
子が15歳以上…本人が申し立てる□子の氏の変更許可申立書
□収入印紙(800円分)
□郵便切手(裁判所に確認)
□子の戸籍謄本(全部事項証明書)
□入籍を希望する親の戸籍謄本
□届出人の印鑑
入籍届 自治体役場 離婚で別になった子の戸籍を自分の戸籍に入れたいとき
□入籍届
□子の氏の変更許可の審判書謄本
□子の戸籍謄本(本籍地以外の役所に提出するとき)
□入籍を希望する親の戸籍謄本
□届出人の印鑑

子ども・ひとり親家庭への助成金の変更

子どもを手元で育てる場合、次のような手当てやひとり親家庭の制度があります。生活するうえで助けになる制度ばかりなので、忘れずに手続きするようにしましょう。

手続き 手続き場所 対象者・必要書類
児童手当の変更手続き 自治体役場 中学生までの子どもを持つ家庭
児童手当の受給者・振込先口座を変更したいとき
□認定請求書
□請求者の健康保険証
□請求者のマイナンバーカード
□請求者の本人確認書類
□請求者の印鑑
□請求者名義の通帳やキャッシュカード
児童扶養手当の申請 自治体役場 18歳に達する日以降の3月31日までの子どもを持つひとり親家庭
□子の戸籍謄本
□請求者のマイナンバーカード
□離婚の記載がある親の戸籍謄本
□申請者名義の銀行口座情報
□請求者の所得証明書
□申請者の印鑑
□年金手帳
□健康保険証など
ひとり親家庭等医療費助成制度 自治体役場 子どもを持つひとり親家庭
□健康保険証
□ひとり親家庭を証明する書類(児童扶養手当証書など)
□ひとり親家庭等医療証交付申請書
就学支援 自治体役場 小中学校に通う子どもがいる家庭
給食費や医療費、修学旅行費の一部を支給
□就学援助費受給申請書兼世帯票

子ども名義の通帳・保険の変更

子どもの健康保険や子供名義の預貯金、保険の変更も忘れず行いましょう。

手続き 手続き場所 対象者・必要書類
子の健康保険の資格喪失手続き 元配偶者の会社 子を社会保険加入者である元配偶者の扶養家族から外すとき
通帳の名義変更 各金融機関 名義となっている子供の氏名を変更するとき
□預金通帳
□届出印鑑
□身分証明書
□その他金融機関が指定するもの
学資保険などの受取人変更 各保険会社 学資保険の受取人を変更するとき
(必要書類は各保険会社に確認)

子どもの転入学手続き

子どもの学校や幼稚園、保育園等の転入学手続きも早めに行ってください。離婚が決まったらなるべく早めに学校や保育園に報告し、離婚後は速やかに入園、転校などの手続きを取るようにしましょう。人によっては離婚後子どもを保育園に入れる必要がある方もいるでしょう。離婚後に人気のあるエリアや自治体では、年度途中の受付期間が限られている場合があるので注意が必要です。

学校・幼稚園への報告

転園や転校しない場合も、学校などへの報告は忘れずに。離婚してなるべく早い段階で学校や園に連絡してください。直接学校に訪問する必要はありませんが、少なくとも担任の先生に直接報告するようにしましょう。学校へ離婚の連絡をすると、担任は児童や生徒の情報を記載した「生徒(児童)調査票」の内容を変更します。

離婚の手続きをスムーズにするためのポイント

離婚の手続きをスムーズに終わらせるためには、次のようなポイントがあります。

離婚を切り出すタイミングも十分検討する

離婚を切り出すタイミングは、離婚をスムーズに進めるのに大切なポイントです。証拠の確保や財産の調査、離婚後の生活の準備など、十分に事前準備を進めてから、夫や妻に離婚を切り出すようにしましょう。また離婚を切り出す場合も、あなたの頭に血が上っている状態では冷静な話し合いが出来ません。たとえ浮気が原因で離婚を決意したとしても落ち着いてから話すようにしましょう。

ただしDVやモラハラ被害にあっていて、身体に傷を受けたり精神的に追い詰められた状況のときは、準備が整う前でも早めに避難した方がいいでしょう。自分一人だけでは逃げられないという方は、親や友人などを頼ることも検討して下さい。

やることはタイミングごとに一覧にしてチェック

離婚後は特にやるべき手続きがたくさんあります。忙しいうちに手続きするのを忘れないよう、一覧の用紙にまとめてチェックリストを作りましょう。なるべくなら離婚前と離婚後に分けて作成すると、分かりやすいのでおすすめ。中には期間が決まっている手続きもあるため、ひとつずつ確実に終わらせるようにして下さい。

協議離婚で決着させる

協議離婚で決着させるのも、手続きをスムーズにする秘訣です。協議離婚だと当事者同士の話し合いで終わらせられるので、時間をかけずに最短で済みます。条件がまとまらず調停や裁判になってしまうと、申立てに時間がかかり、月一回の期日を数回こなさないと結論が出ません。

専門家に頼める手続きは依頼する

離婚協議書の作成や公正証書の作成なども専門家に依頼することが出来ます。書類の作成だけなら司法書士でも対応可能です。費用は離婚条件で決めた内容の金額によって変動します。

慰謝料や養育費など当人同士だけでは話し合いがまとまらず、交渉が長引いてしまうようなときは、弁護士に交渉を任せるといいでしょう。弁護士は法律の専門家のみならず交渉の専門家でもあります。依頼者の希望を踏まえて、離婚のもとになった証拠を使いながらうまく交渉をまとめてくれるはずです。

離婚を決意したら早めに弁護士に相談

離婚を決意したら早めに弁護士に相談するのも、離婚前・離婚後の手続きをスムーズに終わらせる秘訣です。また「離婚条件を有利にしたい」「どうしても譲れない条件がある」という方も費用は掛かりますが弁護士に依頼した方が安心です。調停や裁判へ進んだ場合でも、申立の手続きや有利な進め方など、その人にあったアドバイスが受けられます。

離婚をスムーズにするには、早めの対処がポイント。当事者間の交渉がこじれる前に弁護士に相談できると、交渉のポイントや証拠の使い方などをサポートしてもらえます。さらに協議段階でも弁護士を同席させることで、相手に本気度を示せます。専門家の力を借りながら、離婚をスムーズに有利に進めていきましょう。

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まとめ

離婚の手続きを確実に進めるには、夫や妻に離婚を切り出す前から証拠を確保したり相手の財産について調べるのがおすすめ。離婚を切り出してからは、慰謝料や養育費などの離婚条件だけでなく、離婚時期や別居の準備なども始めましょう。子どもがいる方は、子どもの学校についてやひとり親家庭への支援、子どもの心のケアも忘れずに。

離婚後はやるべき手続きが山のようにあります。こちらの記事を参考に自分なりにやることリストを作成して、終わったらチェックを付けていきましょう。離婚をスムーズにするには、離婚を切り出すタイミングに注意して協議離婚で決着をつけるのがポイントです。また弁護士など専門家に依頼すると、相手への切り出し方や公正証書の作成、条件の交渉などを任せられます。

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