- 「スキンシップがゼロだと離婚理由になる?」
- 「もう何年もセックスレスの夫と離婚したい…」
セックスはもちろん些細なスキンシップさえなく、離婚を考えている人はいませんか?果たして「スキンシップゼロ」だけで離婚理由になり、離婚することはできるのでしょうか。そんなお悩みをお持ちの方に、こちらの記事ではスキンシップゼロと離婚について詳しく解説。
また相手から、スキンシップがないことを理由に離婚したいといわれている方に、離婚を回避するための方法や、離婚を求められたときの対処法も紹介していきます。自分はどう対処すべきなのかや夫婦としてどうしていきたいかを考えるきっかけにしましょう。
スキンシップゼロが離婚問題になる理由
「たかがスキンシップがないくらいで」と思う方もいるでしょうが、相手は離婚を考えるほど深刻にとらえていることもあります。こちらではスキンシップゼロが離婚問題になり得る理由について、詳しく解説していきます。
スキンシップとは
スキンシップとは、「肌と肌との触れ合い」のことを指します。手をつないだりハグをしたり、互いの身体や肌の一部を触れ合わせることで、より親密感や安心感を高められます。とくに夫婦間では、長年一緒に暮らしていると、恋人時代ほどスキンシップは減っていくもの。
とはいえ、スキンシップは愛情を確かめ合う方法のひとつで、心のコミュニケーションともいえるでしょう。スキンシップがなくなると、知らないうちに夫婦間の溝が入り結婚生活に悪影響を及ぼすことも。次の二つの理由から、スキンシップゼロが離婚問題に発展する可能性をはらんでいます。
理由①セックスレスを含むため
理由の一番目は、スキンシップゼロがセックスレスを含むということにあります。実際セックスレスは、離婚理由の中でも比較的上位に入っています。
セックスレスで離婚する方法やポイントについては、こちらの記事を参考にしましょう。
「セックスレスで離婚する方法|認められる条件や有利に離婚する4つのポイントとは」
「セックスレス」の定義
セックスレスとは、性科学について研究している日本性科学会によると「病気や暴力など特別な事情がないにもかかわらず、1カ月以上性交渉やそれに準じたスキンシップがない状態」と定義されています。夫婦の双方が性交渉を望んでいない場合には、セックスレスは特に問題になりません。
離婚問題になりやすいのは、夫婦の片方が望んでいるのに、もう片方が性交渉を長期間拒んでいるようなときです。性交渉の頻度についての考え方は個人差がありますが、一般的には1カ月以上交渉がないとセックスレスといいます。
セックスレスと離婚の関係
裁判所がまとめた令和2年度の司法統計によると、セックスレスを含む「性的不調和」は離婚申立て理由の上位にあります。夫側で1,740件(11.3%)、妻側で2,808件(6.5%)という数字です。申立て件数でいうと女性の方が多いのですが、全体の申立件数の割合からいうと男性側からの方が性的不調和で離婚を求めていることが多いのが分かります。
理由②夫婦の信頼関係を強めるために大切
スキンシップは夫婦間の信頼関係を強める上でも大切です。そのような意味からも、スキンシップゼロは離婚理由になる可能性があると考えます。実際に人は肌と肌とを触れ合わせることで、オキシトシンという幸せホルモンが分泌されるといわれています。オキシトシンは精神的な安らぎを与え、ストレス反応を抑える働きも。
これは性交渉に限定したことではなく、手をつないだりハグをしたりするだけでもオキシトシンが分泌されます。このように夫婦間のスキンシップは、互いの信頼感をより強いものにするために不可欠だといえるのではないでしょうか。
スキンシップゼロは離婚理由になる?
ではスキンシップゼロは、法的に離婚理由になるのでしょうか。こちらでは離婚の3つの方法、協議離婚・調停離婚・裁判離婚のそれぞれで、離婚理由になるか解説していきます。
【協議離婚】双方の合意が必要
当事者同士が話し合いによって離婚を決める「協議離婚」では、離婚原因がセックスレスでも相手の不倫でも、離婚原因に関係なく、双方が合意すれば離婚が成立します。日本の離婚では、約9割が協議離婚を選択しており、最もスタンダードな離婚方法といえます。
逆にいうと、片方が離婚に合意しない限りは離婚は成立しません。離婚協議がうまくいかなかった場合、それでも離婚したいと思ったら離婚調停に進むことになります。
【離婚調停】合意がないと離婚できない
離婚調停とは裁判所手続きの一つで、裁判所に調停を申し立て、裁判所が選任した調停委員が夫婦の間に入り、それぞれの意見を聞いたうえで問題解決を目指す手続き。離婚時には離婚そのものの他、子どもの親権や養育費、財産分与なども調停で話し合われます。
しかし裁判のように裁判官によって強制的な判決が出る訳でなく、調停でも離婚したくないと主張し続けていれば、離婚が成立することはありません。調停が不調に終わった場合、離婚裁判に進むかどうか検討することになります。
【離婚裁判】法定離婚事由に該当するかが分かれ目
離婚裁判では、スキンシップゼロが法定離婚事由に該当するかどうかが、離婚が成立するかの分かれ目になります。
5つの法定離婚事由
法定離婚事由とは、裁判で離婚が認められるために必要な理由のこと。民法第770条では法定離婚事由として、次の5つの理由を挙げています。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
引用:民法|e-GOV法令検索
1の不貞な行為とは、浮気や不倫といった配偶者以外の異性と性的交渉を持つ行為のこと。2の悪意の遺棄とは、正当な理由なく夫婦の「同居・協力・扶助義務」を放棄することをいいます。3と4は読んでそのままの理由ですが、5のその他婚姻を継続し難い重大な事由は、具体的にどのような理由かが明記されていません。
スキンシップゼロが該当する項目は?
スキンシップがないことやセックスレスは、上の法定離婚事由のどれかに当てはまるのでしょうか、1~4に該当しないことは明白なのですが、5の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかどうかによって、離婚が成立するかが決まってきます。
つまりスキンシップがないことやセックスレスが、夫婦関係が破綻した理由と裁判所に認められれば、離婚できるということに。このような理由で離婚できるかどうかは、互いのセックスへの考え方や具体的な夫婦の事情によって個別に判断が分かれます。次項では、セックスレスが理由で離婚の可能性があるケースと、離婚にならないケースについて見ていきましょう。
セックスレスで離婚の可能性があるケース
セックスレスで離婚の可能性があるのは、次のようなケースです。
支障がないのに拒絶する
例えば夫婦の年齢が若く、双方とも健康的で性交渉をするのに支障が全くない場合は、セックスレスで離婚できる可能性があります。
夫は会社員で妻は専業主婦やパート勤め、それほど遅くない時間に一緒に夕食を取り、寝る時間や起きる時間も大体同じだとします。このとき相手に性交渉を求めても、とくに理由を説明することなく一方的に拒絶を続けていると、拒絶された方は不審に思い不満も募るでしょう。
こうした状況が長く続くと、夫婦関係が悪化することも考えられます。喧嘩が増えたりギスギスしたりすることが多くなり、双方が夫婦関係を継続する意志を失くすことも。そのような場合に、セックスレスが原因で離婚することが認められやすくなります。
不貞がある
単にセックスレスだと思っていたら、実は拒絶していた側が不貞していたというケースもよく見られます。以前は普通に性交渉があったのに、あるときから突然(徐々に)性交渉を拒絶し始めたというケースです。男性は他で性欲を満たしているから、女性は不貞相手に心のつながりを感じてしまうからなど、男女で違いはあるものの、不貞はセックスレスになりやすい一つの要因。
この場合、セックスレスそのものというよりも不貞行為が離婚原因として認められやすいです。法定離婚事由でも一番目に不貞行為とあるので、相手の不貞行為を法的に証明できれば、裁判で離婚請求が可能です。
夫婦関係が悪くなり長期の別居をしている
セックスレスやスキンシップがないことで夫婦仲が悪化し、長期の別居をしている場合も、裁判で離婚が認められる可能性が高まります。セックスレスが客観的な証拠をもって証明できないような場合でも、別居期間が5年程度あれば裁判で離婚が認められやすくなります。
また別居前に激しい夫婦喧嘩をしていたようなケースでは、婚姻関係の破たんが認められやすいという理由から、別居期間3年程度でも離婚が認められる可能性があります。
別居から離婚が成立するまでの期間について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「別居からの離婚が成立する期間はどれくらい?必要な期間や別居する際の注意点」
セックスレスでも離婚にならないケース
次のようなケースでは、たとえセックスレスでも離婚が認められる可能性が低いでしょう。
双方が性交渉を望まない
双方が性交渉を望んでいない場合には、セックスレスで離婚することができません。そもそもセックスレスが理由で離婚したいとも思わないでしょう。セックスレスの定義として、原則としていずれか一方に性交渉を持ちたいという意思があるということが前提になります。
やむを得ない事情があった
セックスレスにやむを得ない事情があった場合も、それが理由で離婚することは難しいでしょう。例えば双方の生活時間帯が合わないときや、仕事が忙しすぎるというような場合です。たとえ20代や30代の夫婦でも、どちらかが夜勤でなかなか一緒に居る時間が取れない、どちらも仕事が忙しく疲れ切っていて、家ではゆっくり眠りたいと思っているようなケースでは、セックスレスだからといってすぐに離婚が認められるとは限りません。
ただしこのようなケースでも、夫婦のすれ違いが大きくなり夫婦関係に溝ができてしまうと、それにより夫婦関係が破綻して離婚に至る可能性があります。
自然にセックスレスになった
自然にセックスレスになった場合も、それが理由で離婚するのは難しいでしょう。例えば結婚数十年経っている高齢夫婦などです。このような夫婦は性交渉をしないケースが多いので、たとえ性交渉がないからといって離婚が認められる可能性は低いと考えます。
夫婦どちらかの病気によるもの
夫婦どちらかの病気が原因によるセックスレスも、離婚が認められる可能性が低いです。例えば心臓の病気で、性交渉すると心臓に負担がかかるような場合や、病後体力が弱っていて性交渉ができないケースです。
また夫が勃起不全(ED)で性交渉ができない場合もあります。糖尿病や動脈硬化が原因となることもありますが、何も原因がなくても加齢とともにEDが生じる可能性も。EDは治療が必要な病気なので、これが原因で性交渉できなくても、法的に離婚原因とは認められないでしょう。
男性不妊を理由に離婚をお考えの方は、こちらの記事を参考にしましょう。
スキンシップゼロによる離婚を回避するための7つの方法
今まで何となく相手からのスキンシップを拒んできていたが離婚までは考えていないという方は、スキンシップゼロによる離婚を回避するために、次の7つの方法を試してみましょう。
寝室を一緒にする
もし現在、別の寝室で寝ているという方は、まず寝室を同じにすることから始めてください。同じ寝室にすることで、眠りにつくまでコミュニケーションを取ることができます。また互いに触れられる距離にいることで、自然にセックスレスが解消される可能性も。
心の距離を縮めるには、まずは物理的な距離から縮めていきましょう。離婚を回避するには、寝室を同じにするなど、互いに手の届きやすい範囲にいることがポイント。逆に寝室が別なままでは、いつまでもスキンシップゼロが解消されないでしょう。
相手の疲労やストレスを軽減する努力
相手に疲労やストレスが溜まっていると、いくら誘っても拒まれてしまう可能性が高いです。まずは仕事や家事、育児などで疲れている相手に協力できることは積極的に協力していきましょう。そのうえでマッサージやお風呂、お香や音楽などリラックスできるような方法を試すことをおすすめします。
機能的に問題があるときは病院を受診
年齢やストレスによる機能的な問題でセックスレスになっている場合は、病院への受診をすすめましょう。男性の場合は泌尿器科へ、女性は産婦人科へ相談できます。一緒に付き添って医師の診察を受けるのもいいでしょう。治療内容や経過が分かっていれば、相手の状況を理解しやすくなります。
スキンシップ以外でも愛情表現をする
スキンシップゼロによる離婚を防ぐには、スキンシップ以外でも愛情表現をすることを忘れずに。「ありがとう」「ごめんね」というのはもちろんのこと、互いの日々の働きを認め合い、感謝の言葉で返す会話を積み重ねていくことがポイント。
相手が何を求めているか知る
配偶者が家庭の中で何を求めているか知ることも重要です。個人差はありますが男性は勝ちにこだわるプライドの生き物なので、家庭内で認められないとモチベーションが下がったり、家庭の外で認めてもらおうとしてしまいます。多少のことは目をつぶり、夫に気分良くいてもらうといいでしょう。
女性は何事にも完璧を求めがちです。そのため上手に緩めてあげることが大切になります。「あれもこれもやらなきゃ!」となっているときには積極的に手助けをし、気持ちをフッと緩められる時間を作りましょう。
夫婦カウンセリングを受ける
夫婦2人だけで関係を修復することが難しいときには、夫婦カウンセリングを受けるという方法もあります。専門のカウンセラーに相談することで、夫婦関係の修復に向けたアドバイスを受けられます。また夫婦間に第三者が入ることで、当人同士では話しにくいことも話せるようになる可能性も。
どのように相手を誘ったらいいか分からないという方は、まずは一人だけでカウンセリングを受けることもできます。
離婚カウンセリングを受けたいとお考えの方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚カウンセリングは役に立つ?相談内容や注意点、メリット・デメリットを解説」
夫婦関係円満調停を申し立てる
裁判所に夫婦関係円満調停を申し立てることで、離婚を回避できる可能性があります。夫婦関係円満調停とは、夫婦関係の修復を目的とした調停で、調停委員が双方の意見を聞き、夫婦関係を継続させるためのアドバイスや提案をしてくれます。双方が納得すれば調停は成立し、調停で取り決めたことは調停証書という形で書面化されます。
スキンシップゼロが理由の離婚を求められたときの対処方法
夫や妻にスキンシップがないことやセックスレスが理由で離婚を求められたとき、次のような対応をするようにしましょう。
それ以外の理由がないか聞く
スキンシップや性交渉がないこと以外に理由はないか、腹を割って話を聞くようにしましょう。もしかしたらあくまで表面上の理由で、それ以外に言いにくい本心や直してほしい部分がある可能性も。絶対に怒ったり不機嫌になったりしないからと約束し、離婚したい本当の理由を聞いてください。
解決可能な問題であれば、できるだけの真摯な姿勢を見せることで、離婚を回避できるかもしれません。
相手が不貞をしている可能性
スキンシップゼロやセックスレスが理由で離婚と言われたとしても、相手が不倫や浮気をしている可能性があります。最近態度が怪しい、急に性交渉を拒むようになったという場合は、不貞していないかしっかり調査する必要があるでしょう。
不貞を調べる方法
浮気や不倫をしているかどうか調べるには、いくつかの方法があります。不貞行為とはそもそも、「配偶者以外の異性と、自由意志のもとで性的関係を結ぶこと」をいいます。性的関係にはセックスはもちろん、その類似行為も含まれます。不貞を証明する証拠として、法的に有効性が高いものから低いものを順に紹介していきます。
証拠能力 | 証拠の種類 |
---|---|
高 |
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中 |
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低 |
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証拠を確保する方法として、興信所に依頼する、自分で持ち物や車の中を探す、相手のスマホの中を見るなどがあります。法的な証拠能力が低い証拠しか集められない場合でも、複数を組み合わせて証拠能力を高めることができます。
不貞の証拠として法的に有効なものについては、こちらの記事を参考にしてください。
「『不貞行為』はどこからの行為?不倫・浮気との違いや当てはまるケース、法的に有効な証拠を解説!」
不貞しているときの対処方法
もしかして相手が浮気や不倫しているかもと思っていても、確実な証拠を確保するまでは決して問い詰めたりしてはいけません。証拠がない段階ではいくらでも言い逃れできてしまうからです。そして相手と話し合う前に、自分は今後どうしたいのか考えるようにしましょう。
もう夫婦としてやっていけないというときには証拠をもとに離婚を要求できますが、夫婦としてやり直したいと思ったら伝え方がポイントです。またあなたが先にセックスを拒否したなどの理由があれば、相手が不倫していたとしても希望通り離婚をしたり慰謝料請求できない可能性があります。
夫が浮気しているときの妻の対処法や再発防止のためにできることは、こちらの記事を参考にしてください。
「旦那が浮気⁉賢い妻ならどうすべき?後悔しない対応とNG行動、再発防止のためにできること」
弁護士に相談する
セックスレスやスキンシップがないことが理由で離婚を切り出されたり、相手が不倫していることが分かったときには、離婚問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。あなたの希望をもとに、最適なアドバイスをしてくれるでしょう。
相手に不倫があった場合は証拠の取り方や話の切り出し方、離婚条件などをアドバイスしてくれます。また直接話し合うことができない場合でも、あなたの代わりに相手方と交渉を任せられます。離婚問題は人生にそう何度もないもの。このようなときこそプロの力を借りて、間違った対応をしないようにしましょう。
スキンシップゼロで離婚するときのポイント
こちらでは、スキンシップゼロで離婚する場合のポイントや注意点を紹介していきます。
悩みが深刻化しやすい
スキンシップゼロ、とくにセックスレスについては悩みが深刻化しやすいという特徴があります。このような事柄は完全に夫婦間の問題で、プライベートなことが原因しています。セックスレスかどうかは夫婦2人にしかわからず、誰かに確かめに行くという性質の問題でもありません。
またセックスレスについての悩み自体が非常にプライベートで、親や友人にも打ち明けられないという人も多いでしょう。そのため、自分の中だけで問題を抱えてしまいがちになり、悩みが深刻化しやすく、極端な「離婚」などに思考が向かう傾向が高いでしょう。
離婚に悩む人の決め手や決断を後押しする理由については、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚に悩む人の決め手は?決断を後押しする理由と後悔しない6つのポイント」
証明が困難
さらにセックスレスやスキンシップの有無は、客観的な照明が非常に難しいという点もポイントです。あったことを証明できても、なかったことを証明するのは困難だからです。また自分がスキンシップを拒絶されたと感じていても、相手にそのつもりがなかったと言う可能性も。
このようなことから、セックスレスだけを理由として裁判で離婚を請求するには、非常に難しいと言わざるを得ません。
スキンシップゼロの証拠となるもの
スキンシップがないことを証明するのは非常に難しいものの、次のような証拠をもとにして婚姻関係の破たんを主張すれば、裁判で離婚が認められる可能性があります。
日記やメモ
毎日の日記やメモはセックスレスの証拠となり得ます。日記は基本的に毎日つけ、自分から性交渉を求めた日には、その状況や相手からの返答、態度や対応などを具体的に記入していきましょう。拒絶されたときだけ記録を付けると、後になって捏造を疑われる恐れがあるためです。
双方の生活状況を一覧にしたもの
夫婦それぞれの生活状況を一覧にした表も、証拠として有効です。起床時間や食事時間、帰宅時間や就寝時間などでいいので、毎日つけるようにしましょう。生活状況を継続的に記録することで、相手が性交渉を応じられる状況なのに応じていないということが明らかになるでしょう。
メールやLINEの内容
セックスレスやスキンシップがないことについて手紙のやり取りをしたり、メールやLINEで話し合いした場合には、その内容を記録として取っておきましょう。こちらがメールなどで性交渉を誘ったときに、どのように相手が拒絶していたかということが分かります。
このような証拠を積み上げると、相手が継続的に生協賞を拒絶していたということを証明できます。
慰謝料請求について
セックスレスやスキンシップゼロが理由で離婚する場合、相手に慰謝料を請求できるのでしょうか。離婚時の慰謝料請求は、夫婦のどちらかに有責性があれば慰謝料請求が可能です。そしてセックスレスが原因のケースでは、理由が特にない一方的な拒絶の場合に、慰謝料が発生するケースがあります。
慰謝料相場
セックスレスが原因の離婚の場合、慰謝料の相場は10万円~100万円です。ケースバイケースですが、セックスレス単独の理由では、あまり高額な慰謝料は期待できないのが現実です。セックスレスでの離婚は、証拠集めが大変なだけでなく、慰謝料もそう多くは期待できない離婚理由となります。
離婚慰謝料の相場については、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚慰謝料の相場が知りたい!離婚理由や婚姻期間による相場・金額をアップさせるポイントを解説」
高額になるケース
次のようなケースでは、慰謝料の金額が高額になる可能性があります。
- 不貞相手と性交渉している
- セックスレスの期間が長い
- 性交渉の拒絶方法が冷たい
- 問題改善のための話合いなどの取り組みに協力していない
- 婚姻期間が長い
- 未成年の子どもがいる
- 支払う側の収入が高い
- 支払う側の社会的地位が高い
セックスレスの原因が不倫や浮気だった場合、慰謝料相場の金額が一気に100万円~300万円になります。また婚姻期間やセックスレスの期間が長い、拒絶の仕方が冷たいなどの場合にも、離婚慰謝料の金額が高額になりがちです。
まとめ
スキンシップゼロが理由で離婚問題に発展する可能性があります。セックスレスの問題を含み、夫婦の信頼関係を損なわせる行為だからです。双方が合意すれば協議や調停で離婚することが可能で、裁判になった場合は、夫婦関係を継続し難い重大な事由と認められれば、離婚請求が認められます。
離婚を回避したい場合は、相手の疲労やストレスを軽減するために行動し、相手が何を求めているか知る努力が必要。夫婦カウンセリングや夫婦関係円満調停も有効です。相手から離婚したいと言われたときには、本当にそれだけが理由なのかや不貞が隠れていないかを見極めましょう。
スキンシップがないことやセックスレスを証明するには、日記やメールでのやり取りが必要です。慰謝料請求も可能ですが、金額は他の理由に比べて低額になりがち。スキンシップゼロによる離婚や慰謝料請求で困ったときには、離婚問題に詳しい弁護士に相談するのがベストです。手続きや交渉を任せられたり、有利な条件で離婚することが可能に。まずは無料相談で、今の状況や今後どうしたいかを伝えましょう。