離婚を回避したい…【ケース別】離婚を切り出されたときにすべきことと状況別対処法とは?

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  • 「夫(妻)から離婚を切り出されそうで不安‥」
  • 「何とか離婚を回避する方法はない?」

夫や妻に突然離婚を切り出され、どうしたらいいか分からずに困っている人はいませんか?あなたも離婚を希望しているのなら構わないのですが、離婚したくないと思っているのなら状況に応じた正しい対処法をしないと、離婚しか選択肢がなくなってしまうかもしれません。

こちらの記事では、何とか離婚を回避したい人がすべきことやケース別の対処法を詳しく解説。また離婚を回避したいなら絶対に避けるべきことや離婚を回避できそうもないときにできることについても紹介していきます。離婚危機を回避するには、相手の出方に応じた正しい対処が求められます。冷静にできることを行い、夫婦関係の再構築ができるような状況に改善しましょう。

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目次

相手に離婚を切り出されたらどうする?

夫や妻に離婚を切り出されたら、ゆくゆくは離婚に応じなければならないのでしょうか。こちらでは法律の面から離婚しなければならないかどうかについて解説していきます。

離婚に応じる必要はない

もし相手に離婚を切り出されても、あなたが離婚したくないのであれば離婚に応じる必要はありません。日本では双方の協議の上で離婚届を提出する「協議離婚」が一般的ですが、話し合いがまとまらなければ離婚調停や離婚裁判を経なければならず、離婚が成立するまでの道のりは長く大変なもの。

夫や妻に離婚を突き付けられたとしても、それだけでは法律上離婚が認められたり強制されたりすることはありません。かえって焦って離婚に応じてしまうと、こちらの不利になる可能性が高いでしょう。まずは冷静になり自分の気持ちを確認し、離婚したいのか離婚したくないのか、離婚したくない理由は何なのかをはっきりさせ、自分の希望に応じた対策を講じていきましょう。

離婚調停でも離婚を拒否できる

双方の協議で話がまとまらないと、離婚調停に移行するケースがありますが、離婚調停でもあなたが希望しない限りは離婚を拒否できます。そもそも離婚調停を含む民事調停とは、家庭裁判所に申し立てて調停委員を介して双方の意見や希望について話し合いを行うことで紛争の解決を図る手続きのこと。

相手が強く離婚を望んだとしても、あなたが離婚を拒否していれば調停は不成立となり、離婚は成立しません。実際家庭裁判所に申立てがあった婚姻関係事件の調停の結果を見ると、次のような割合となっています。

調停成立(%) 調停不成立(%) 取下げ(%) 審判(%) それ以外(%)
平成21年 50.5 16.1 27.5 4.6 1.3
平成26年 53.6 16.2 21.9 6.3 2.0
平成30年 54.0 15.8 20.3 5.9 4.0

およそ5割以上が調停成立(離婚)となっている一方で、調停が不成立になっているのは16%前後です。取下げや審判も含むと、離婚調停で離婚が成立する割合はそれほど高くないことが分かります。ちなみに離婚の審判は調停手続きの流れで行われる手続きですが、全ての離婚に占める審判離婚の割合は1%ほどとほとんどないのが実情です。

参照:家庭裁判所における家事事件の概況及び実情並びに人事訴訟事件の概況等|裁判所

審判離婚になる条件や離婚までの流れについては、こちらの記事を参考にしましょう。

「審判離婚とは?審判離婚になる条件や離婚までの流れを知ろう」

強制的に離婚が成立するのは離婚裁判だけ

調停が不成立となった場合でも、どうしても離婚したいと思ったら裁判離婚を選択することとなります。裁判離婚とは文字通り、裁判上の手続きにおいて成立する離婚のこと。双方の言い分や離婚したい理由、離婚条件などを裁判官が聞き、裁判官が最終的に判断を下します。

日本は「調停前置主義」を取っているため、まず調停で話し合いを行った後でしか争いの場である裁判を申立てることができません。

離婚裁判の期間や手続きの流れは、こちらの記事を参考にしましょう。

「離婚裁判の期間を手続きの流れごとに解説!長引くケース・期間を短縮する秘訣とは?」

裁判離婚では法定離婚事由が必要

離婚裁判で離婚が認められるためには、法律上定められた離婚理由に該当し、かつその理由を裁判を申立てた側が立証できなければなりません。法律上定められた離婚理由は「法定離婚事由」といい、民法第770条に次のように規定されています。

(裁判上の離婚)

第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

引用:民法|e-GOV法令検索

具体的にどのような理由が必要なのか見ていきましょう。

不貞行為

配偶者に不貞な行為があったと証明できれば、裁判で離婚が認められます。法律上の不貞行為とは、配偶者以外の異性と性交渉あるいはそれに類する行為を伴う浮気や不倫のこと。不貞行為があり、その事実を客観的に立証できる証拠があれば、離婚裁判で離婚が認められます。

不倫がバレたらどうなるかや慰謝料の相場は、こちらの記事を参考にしましょう。

「不倫がバレたらどうなる?トラブルを防ぐ対処法や慰謝料の相場・変動する要素を解説」

悪意の遺棄

悪意の遺棄とは、夫婦の同居・協力・扶助義務を不当に反する行為のこと。正当な理由なく次のような行為をすれば、悪意の遺棄が認められて離婚が成立する可能性があります。

  • 理由もなく同居を拒む
  • 無断で別居や長期外出をする
  • 家事や育児の放棄
  • 働く能力があるのにもかかわらず全く働かない
  • 収入があるのに生活費を全く払わない

ただし次のようなケースは、悪意の遺棄に該当しないと考えられます。

  • 専業主婦が生活費を負担しない
  • 病気で働けない
  • 解雇されて失業し、就職活動中である
  • 実家の親を介護するための別居
  • DVやモラハラから逃げるための別居

3年以上の生死不明

配偶者が3年以上生死不明だと、裁判で離婚が認められます。生死不明とは文字通り全く連絡がない音信不通で、生きているのか死んでいるのか分からない状態のこと。この状態が3年以上継続した場合、婚姻の継続が困難とみなされ、残された配偶者は裁判所に離婚の請求ができます。

回復の見込みがない強度の精神病

配偶者が回復の見込みがない強度の精神病にかかったときも、裁判で離婚が認められる可能性が高いでしょう。「回復の見込みがない強度の精神病」と認められるには、次の3つの要素が必要となります。

  • 精神疾患であること
  • 共同生活が営めないほど症状が重いこと
  • 回復の見込みがないこと

配偶者が精神疾患にかかり、コミュニケーションが全く取れないなど共同生活が営めないほど重症な場合かつ、医師によって回復の見込みがないと判断された場合に離婚が認められます。ただし過去の裁判例では、離婚後に相手が困らないような様々な配慮を尽くさなければならず、認められるハードルは高めとなっています。

うつ病で離婚する場合に慰謝料が発生するかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「うつ病で離婚するときに慰謝料は発生する?状況別の相場や請求方法、条件を解説」

その他婚姻を継続しがたい重大な事由

法定離婚事由の5番目は、その他婚姻を継続しがたい事由があること。上記4つの理由に該当しないものの、それにより夫婦関係が事実上破たんしており、精神的・経済的・社会的にこれ以上結婚生活を続けられないと判断されれば、離婚が認められます。具体的には次のような理由があります。

  • DV・モラハラ・虐待
  • 薬物やギャンブル依存
  • 過度な宗教活動
  • 犯罪による服役
  • 借金などの金銭問題
  • 性生活の不満
  • 性的不一致(異常性欲・同性愛・性的不能など)
  • 配偶者の親族との不仲
  • 性格の不一致
  • 長期の別居

このようなことが原因で、客観的にみて夫婦関係が破綻しており、修復の可能性が見込めない場合に限り離婚が認められます。逆に双方の努力や妥協によって夫婦関係が改善できると判断されれば離婚は認められません。1つの理由だけで認められるケースはまれで、周辺の事情や実情に鑑みて、離婚を認めるかどうか判断されます。

離婚したくない人がすべき8のこと

相手が離婚したいような雰囲気だったり「離婚したい」と言われた場合でも、絶対に離婚したくないと思ったら、次にあげる8のポイントを実践していきましょう。

話し合える状態か確認する

離婚を切り出された場合、まずは双方が話し合える状態か確認しましょう。一方もしくは両方が感情的になってい居たりすると、いい結果にならないのは明らか。そのようなときは「○日にまた話し合おう」と代案を提示した方がいいでしょう。

もし相手と直接話し合うことができない場合には、メールやLINE、手紙などで関係改善の意思があることやそのために何ができるかなどを繰り返し相手に伝えましょう。

冷静に話し合う

双方に気持ちの余裕があり、落ち着いた話し合いができそうなときは、冷静に話し合うことから始めましょう。相手がなぜ離婚したいのかを確認し、自分が離婚したくないということをきちんと伝えてください。何事も原因が分からないと対策が取れません。そのためには相手がなぜ離婚したいと思っているのか、その理由を明確にしましょう。

相手が離婚を切り出すということは、考え抜いた結果なことも。あなたを責め立ててくるかもしれません。腹が立つこともあるでしょうが、まずは相手の意見に真摯に耳を傾けることが大切。相手が不貞しているなど本当の理由を隠している場合もあるでしょうが、性格や価値観の違いが理由なら、その原因を冷静に受け止める姿勢が必要です。

謝罪して改善策を提示

自分に悪い部分や直した方がいいことがある場合は、謝罪して改善策を提示してください。相手が不満に思っていることに対し、どのように改善できるか具体的な行動対策を示しましょう。ただし相手の言っていることが理不尽だった場合、離婚したくないからといって相手の言いなりになって結婚を継続しても、果たして本当に幸せなのかよく考えてください。

また話し合っても双方の意見が平行線のままなど、価値観の違いが逆に深まってしまったと感じた場合は、離婚等言う選択肢についても検討する必要があるかもしれません。

価値観・性格の違いを受け入れる

話し合いの中で、相手の言っていることがどうしても受け入れられなかったり理解できないと思うこともあるでしょう。そのようなときは「自分には理解できないが相手はその価値観を大切にしている」「夫婦でも性格が違うのは当然」ということを再認識して割り切る姿勢が必要です。

夫婦といえども生まれも育ちも性別も違う別の人間、価値観や性格に違いがあるのは当然です。大切なのはそのような価値観や性格の配偶者を受け入れられるかという点に尽きます。相手の価値観や性格の違いを受け入れられる姿勢があれば、離婚を回避できるでしょう。

価値観の違いで離婚したいと思ったときは、こちらの記事を参考にしましょう。

「価値観の違いで離婚したい…よくある理由と離婚の可否、迷ったときの相談機関を紹介」

相手は変えられないと認識する

配偶者といえども、他人は変えられないと認識してください。「過去と相手は変えられない、変えられるのは自分と未来だけ」という言葉を耳にしたことがある人もいるでしょう。相手を変えようと無駄な努力をするよりは、自分の考えや価値観を変える方がよほど建設的です。

しかし配偶者に関しては、なぜか相手を変えられると思っている人も多いのではないでしょうか。「自分の意見に合わせるのが当然」「相手が間違っているから正してやろう」と思っていると、その考えは態度や言葉に現れて相手に伝わります。結果的に離婚への意思を助長させることになるため、相手は変えられないと相手の意見を尊重する姿勢が大切です。

「離婚届不受理申立書」の提出

離婚を回避したい場合は、役所に「離婚届不受理申出書」を提出することおすすめします。離婚届不受理申立書とは、合意なく相手が勝手に離婚届を提出しないようにするための書類です。この不受理の届出をしておけば、相手が勝手に離婚届を役所に提出しても、役所が受理しないつまり形式上でも離婚が成立しないことになります。

日本では原則として、離婚届が提出されると離婚が成立します。離婚届を偽造しようと思えばできてしまうため、双方の合意がない離婚を防ぐための制度としてこの制度ができました。離婚届不受理申出書の書式は、お住いの市区町村の役場で入手可能。郵送や代理人による申出は原則として認められないため、本人が直接役所に出向いて手続きする必要があります。

夫婦関係調整調停の利用

時間をかけて話し合ってもどうにもならないときには、「夫婦関係調整調停」の利用を検討してはいかがでしょうか。夫婦関係調整調停とは、双方の間に調停員が入り、言い分を聞いて円満解決に導いてくれる制度。家庭裁判所に申し立てて、原則月一回のペースで話し合う時間が持たれます。

夫婦関係の修復に向かうケースでは、双方に守るべきことについて合意が可能。一方で相手の離婚したい意思が変わらずに修復の合意ができない場合には、調停が不成立となって終了することとなります。

状況に応じて専門機関に相談

場合によっては、専門家や専門機関に相談することをおすすめします。自分が離婚についてどのような悩みを抱えていて、どのような結果を望んでいるのか明確にすることで、誰に相談すべきか明らかになるでしょう。

夫婦カウンセラー

双方の歩み寄りや自分の考えを変えることで修復ができそうなときには、夫婦カウンセラーに相談してみてはいかがでしょうか。カウンセリングでは、夫婦関係を良くするためのアドバイスを受けられるだけでなく、あなた自身の考え方の癖に気が付けたり、避けるべき対応や行動を知ることができたりします。

相談料の相場は1時間1万円程度ですが、対応するカウンセラーによっても異なります。カウンセラーと一口にいっても国家資格である臨床心理士を有する人から、通信教育講座で資格を取っただけの人まで様々。相談者との相性もあるため、資格の有無や実績などをよく確認し、あなたに合ったカウンセラーを見つけましょう。

相手の不倫が原因なら探偵事務所

相手の不倫が原因で離婚を求められている場合は、不倫調査を専門としている探偵事務所に相談してはいかがでしょうか。「探偵事務所に相談するなんて」と意外に思うかもしれませんが、不倫の証拠をきっちりと押さえておけば、不倫相手と引き離す場合に役立ちます。また不倫した側(有責配偶者)からの離婚請求も認められにくくなるはずです。

多くの探偵事務所では無料相談や見積もり無料で対応しています。不倫調査の費用は事務所によって変動しますが、およそ数十万円~100万円が相場。費用に関して不安だったり、本当に依頼すべきか悩んでいる方は、まずは無料相談に行ってみてはいかがでしょうか。

法的な問題は弁護士事務所

夫婦関係の修復が難しく次のような法律問題に発展しそうな場合には、弁護士に相談すべきでしょう。

  • 有責配偶者からの離婚阻止
  • 別居中の婚姻費用請求について
  • 配偶者や不倫相手への慰謝料請求
  • 自分が不倫した場合の慰謝料減額について

また離婚が回避できそうもないケースでも、財産分与や子どもの親権、養育費についての不安を解消できる可能性があります。弁護士への相談は初回無料のところから、30分1万円のところまで事務所によって異なります。実際に依頼した場合の弁護士費用は依頼内容や個々の状況によって左右されるため、詳しくは相談時にお尋ねください。

【ケース別】離婚を回避するための対処法

こちらでは、ケース別に離婚を回避するための対処法を紹介していきます。自分がいまどのような状況あるか判断し、状況にあった離婚回避方法を選択しましょう。

突然離婚を迫られた

相手に突然離婚を迫られた場合、なるべく冷静に対応してなぜ離婚したいのか、相手の話に耳を傾けてください。相手の一時的な感情で離婚したいと思っている可能性が高いからです。また夫婦喧嘩がエスカレートした結果や、仕事や家庭以外のプライベートで精神的に落ち込んでいる場合もあります。

話を聞くうちに、実際は話を聞いてほしかったり慰めて欲しいだけだったりということも。唐突に離婚を迫られても感情的にならず、なぜ離婚したいと思っているのか、相手の話をよく聞いてみましょう。

離婚を切り出した側の生活がどうなるかについては、こちらの記事を参考にしましょう。

「離婚を切り出した後の生活はどうなる?別居の判断とお金、相手が離婚に応じないときの対処法を解説」

喧嘩が原因の離婚話

喧嘩が発端の離婚話では、いったん冷静になるためにその場を離れるなどの対処が必要です。そのうえでどのような言葉が相手の地雷を踏んでしまうのかの分析をしましょう。自分がカッとならないように、アンガーマネジメントやアンガーコントロールの方法を学ぶのも一つの方法です。

また相手と話し合って、夫婦喧嘩をしないための工夫や夫婦喧嘩についてのルール作りを一緒に考えるのもおすすめ。夫婦であっても他人なので、価値観や考え方、生活習慣などに違いがあるのは当然。円満に夫婦生活を送る上でどうすればいいか話し合って譲歩しあえればベストです。

勝手に家を出ていかれた

相手に勝手に家を出ていかれた場合、相手が冷静になるのを待ったうえで行動を起こしましょう。まずは連絡が取れる状態に持っていき、相手に心配していることや連絡を待っていることを伝えてください。相手の居場所が分かっている人は、一度訪ねて話を聞くという方法もあります。

話し合いができるのであれば、同居再開を目指していきましょう。すぐに同居が再開できないときには、自分は別居に同意していないことや相手による一方的な同居であることの証拠が残るよう、相手に継続的に同居を求めるメールなどを送ってください。

ただし相手が弁護士に相談して計画的に別居している場合には、むやみに連絡したり無理に訪問することが不利になる可能性も。こちらも弁護士に相談したうえで、どうすべきかアドバイスを求めてください。

家を追い出された

離婚を求める相手から家を追い出されてしまった場合、未成年の子どもがいる場合は子どもを連れていきましょう。仮に離婚が避けられなくなった場合に、別居期間で子どもの養育実績を持たれてしまうと、こちらが親権を取るのに不利になる可能性があるからです。

相手とは定期的に連絡を取り話し合いの場を設けるか、直接の話し合いができないときには家庭裁判所に夫婦関係調整調停を申し立ててください。

生活費をストップされた

別居後生活費をストップされてしまった場合には、家庭裁判所に「婚姻費用分担調停」を申立てる方法があります。相手が一方的に別居に踏み切った場合、収入の多い側が少ない側に生活費や家賃、子どもの費用を渡さなくなり、生活に困るケースがあります。

しかし別居中であっても離婚が成立するまでは、収入が多い側が少ない側に対して生活費(婚姻費用)を負担する義務があります。相手が生活費などを払わずに家を出たり追い出したりしたのであれば、家庭裁判所に申し立てて婚姻費用を請求することをおすすめします。

よく分からない理由で離婚を迫られた

「結婚を後悔している」「自由になりたい」など、よく分からない抽象的な理由で離婚を迫られた場合、実は不倫相手がいるなど別に離婚したい理由が隠れているケースがよくあります。このような場合には、毅然とした態度で離婚しない旨を伝えて、離婚を回避しましょう。

ときには「結婚して変わったから」など、あたかもこちらに離婚の原因があるような発言をしてくる場合も。しかしこちらが離婚に応じなければ、基本的に離婚が成立しません。「そんな抽象的な理由では離婚に応じられない」と伝えるようにしましょう。

配偶者が不倫している

もし配偶者が不倫していることが明らかなら、あなたが同意しない限り有責配偶者からの離婚請求は認められません。夫婦関係の修復が可能か検討するのと同時進行で、不倫の証拠を押さえてください。配偶者がしているのは法律上の不法行為であり、慰謝料請求される可能性があることを理解してもらいましょう。

とくに不倫から離婚を決意した配偶者は、不倫相手に夢中になっている可能性が高いです。不倫の証拠をきっちりと確保して、目を覚まさせる必要があります。もし相手が調停や裁判を起こしたときでも、離婚を拒否する有力な証拠となります。まずは不倫の証拠を押さえ、自分が有利な立場になったうえで余裕を持って対応しましょう。

自分が不倫している

自分が不倫していることが配偶者にバレて離婚を言い渡された場合、離婚を回避したいときには今すぐに関係を解消する必要があるでしょう。前出の通り性交渉を伴う不倫は法定離婚事由に該当します。裁判になればあなたの不倫が理由で離婚が成立してしまうという訳です。

もし配偶者にはっきりとはバレていない場合でも、不倫の事実が明らかになれば離婚がより近くなるのは明白です。相手が気づいている・いないにかかわらず、関係を解消すべきでしょう。

ダブル不倫で離婚する方法や慰謝料請求については、こちらの記事を参考にしてください。

「ダブル不倫で離婚したい!離婚の方法や気になる慰謝料請求について解説」

家庭内別居状態

夫婦関係が冷え切って家庭内別居状態になっているケースでは、関係回復は容易ではありません。時間をかけて徐々にコミュニケーションを増やすなどの努力が欠かせません。場合によっては夫婦カウンセリングなどで相談しながら、どうコミュニケーションを取っていけばいいかアドバイスをもらいましょう。

とはいえ家庭内別居に至ったのは、コミュニケーション不足で関係が悪化してしまったことが要因なことも。突然普通にコミュニケーションを取ろうとしても、さらに相手の嫌悪感を募らせる結果となる可能性があります。そのようなときには焦らず、まずは家庭内や子どもの連絡事項など少しずつ会話をすることから始めましょう。

弁護士を通じて離婚の意思を伝えてきた

弁護士を通じて離婚の意思を伝えてきた場合、こちらも法律の専門家である弁護士に相談してアドバイスを受けたり、相手との交渉を依頼することを検討すべきでしょう。相手が弁護士を依頼しているということは、本気で離婚したいと考えているとみていいでしょう。

相手は交渉のプロでもあるので、何の準備もせずに焦って話し合うことはおすすめできません。もし弁護士が「○日までに返事が欲しい」と言ってきても慌てず「これから専門家に相談するので・今弁護士に依頼中なのでもう少し時間をください」と対応しましょう。

離婚問題を依頼した弁護士を変えたいときの手順や注意点は、こちらの記事を参考にしてください。

「離婚問題を依頼した弁護士を変えたい!変更の手順や注意点は?払った着手金はどうなる?」

離婚を回避したいなら避けたほうがいいこと

離婚を回避したいと思ったら、次のような対応をするのはNGです。

長期間の別居をする

勝手に家を出て行かれたり、逆に家を追い出されたとしても、離婚を回避したいのなら長期間の別居はしないようにしましょう。別居期間が5年や10年など相当期間に及べば、それだけで「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」として離婚裁判で離婚が認められる可能性があるからです。

離婚したくないと思っているのなら、なるべく長期間の別居は避け、2人で話し合う機会を定期的に設けましょう。

別居から離婚が成立するまでの期間について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「別居からの離婚が成立する期間はどれくらい?必要な期間や別居する際の注意点」

相手を説得しようとする

離婚したいと思っている相手を理詰めで説得しようとしても、逆効果になる可能性が高いでしょう。仮に配偶者が本気で離婚を考えているのなら、あなたが反論したことはすでに何度も考え抜いているはずだからです。否定的な言葉は、逆に離婚への決意を強くさせる菊花になる恐れも。

また「あなたなしで生きられない」など、相手に縋りつくことで離婚を回避しようと思っても重荷となるだけです。離婚したくないからといってむやみに縋るような言動は避け、冷静に解決策を探るようにしましょう。

離婚回避を焦りすぎる

離婚回避を焦りすぎるばかりに、小手先のことで関係を修復しようと思っても難しいです。突然花やプレゼントを贈ってみたり、家事を頑張ってみたりしても離婚を思いとどまらせるには不十分でしょう。離婚を考えるということはあなたと共に人生を歩みたくないという明確な拒否であり、花や家事で夫婦仲が良くなるのなら、それは夫婦喧嘩のレベルです。

本当に離婚を思いとどまらせるのに必要なのは、相手の話に真摯に耳を傾ける姿勢と、相手の主張に理解を示す真摯さでしょう。離婚を回避したいために焦って行動してはいけません。

周囲に味方を作ろうとする

いくら配偶者に離婚を求められたからといって、周囲に見方を作ろうとする行動もNGです。離婚を切り出した相手からすれば責められているように感じ、自分に有利な立場を作ろうと見えるからです。離婚回避には逆効果となるでしょう。

とくに男性は、家庭内のトラブルを他人に言いふらされるのを嫌う傾向にあります。親族などに相談したところで、あなたの知らないうちに勝手に配偶者に連絡をされるなどして話をややこしくされる恐れも。相手が離婚を切り出してきた場合、周囲を巻き込んで離婚回避しようとする作戦は成功するとはいいがたいでしょう。

両家の親を交えての話し合い

離婚は夫婦二人だけのことでないからといって、片方もしくは両方の親を交えて話し合いを行っても、あまりうまくいくとは思えません。親から見れば結婚していても大切な子どもに違いありません。たとえ自分の子どもが悪かったとしても、相手を非難する可能性が高いでしょう。

自分の親に相談やアドバイスを求めるのは問題ありませんが、夫婦の話し合いに親を参加させるのは避けた方がいいでしょう。

一人で抱え込み過ぎる

離婚に関する悩みや不安を、一人で抱え込み過ぎるのも問題です。一人だけで思い悩んでいると極端な思考に陥りやすく、客観的な視点に立つことができなくなります。悩み事があるときには、誰かに話したりするだけでも心が軽くなるでしょう。

離婚はプライバシーにかかわる問題で、そう簡単に人に話しにくい話題ですが、信頼できる人がいれば相談することも検討しましょう。離婚経験がある友人や夫婦カウンセラー、相手の不倫は探偵事務所に、離婚に関する法的問題は弁護士に相談することをおすすめします。

子どもを理由にする

子どもを離婚回避の理由にすることはあまりおすすめできません。離婚を申し出た側は、子どもの存在や子どもへの十分に考えたうえで離婚を切り出しているからです。子どもがいること訴えても、相手の気持ちが変わることはまずないと考えていいでしょう。

「出さないから」と言われて離婚届に記入

たとえ相手に「持っているだけだから」と要求されても、離婚届にサインすることは控えましょう。相手が勝手に離婚届を役所に提出しないとも限らないからです。離婚届が受理されると、形式上は離婚が成立した形となります。そのような場合は戸籍の記載を消して、離婚前の状態に戻す手続きが必要に。

どのような理由があったとしても、離婚をしたくない場合は離婚届の記入には応じず、必ず離婚届不受理申出を提出しておくようにしましょう。

生活費を渡さない

相手に離婚を要求されたのが許せないからといって、勝手に預貯金を取り上げたり、生活費を渡さないという行為はNGです。また別居後の婚姻費用を払わないのも避けた方がいいでしょう。

このようなことをすると、相手からは法定離婚事由の悪意の遺棄に当たると主張されたり、夫婦関係を修復する意志が見られないとみなされる可能性があるからです。離婚を回避しようと思ったら、婚姻費用請求の有無にかかわらず、前向きな姿勢が必要です。

離婚調停に出ない

相手に離婚調停を申し立てられた場合、離婚調停に出ないという選択肢は選ばないようにしましょう。調停を欠席すると相手の言い分が全面的に認められる可能性があるからです。

離婚調停は調停委員を介して離婚の話し合いが行われるため、必ずしも弁護士に依頼する必要はありません。しかし相手が確実に離婚したいと弁護士に依頼している場合には、こちらも今後の進め方について弁護士に相談することをおすすめします。

離婚調停にかかる期間や有利にする方法については、こちらの記事を参考にしてください。

「離婚調停の期間を短く有利にするには?長引く原因や疑問を解決して新たな一歩を」

離婚を回避できそうもないときには…

どうしても離婚を回避できそうもないときには、気持ちを切り替えて次のような対応をしましょう。

離婚はこちらのタイミングで

相手がどうしても離婚の意思を変えないのであれば、離婚時期についてはこちらのタイミングで決めましょう。もちろん期間が長すぎる場合には納得してくれないかもしれませんが、離婚後の生活に不安がある人にとっては離婚準備期間は必要です。

例えば新しく仕事が見つかるまでや子どもが保育園を卒園するまでなど、区切りのいいタイミングで離婚できないか提案してみましょう。

なるべく有利な離婚条件を引き出す

離婚の時期と同様に、こちらに有利な離婚条件を引き出すのも手です。例えば慰謝料を高めに請求したり、財産分与の割合を多くしてもらう、養育費を相場より高めに設定するなどです。このような要求に応じられないのであれば、相手が離婚を撤回してくれるかもしれません。

仮に離婚が避けられなかったとしても、あなたに有利な条件で離婚できる可能性があります。

離婚問題に強い弁護士に相談

離婚を回避できない場合には、離婚問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。なるべく有利に離婚しようと思ったら、法律的な知識が欠かせません。また交渉スキルも必要です。弁護士に依頼すると、養育費の相場や慰謝料請求方法、財産分与で失敗しないコツなどをアドバイスしてもらえます。

相手と直接交渉するのが難しい場合は、弁護士があなたの代わりに離婚条件を交渉してくれます。もちろん離婚調停や離婚裁判になったときも代理人として仕事をしてくれるはずです。

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まとめ

離婚を回避したいと思ったら、まずは冷静に相手の理由を聞きましょう。謝罪や改善策を提示するのはもちろんのこと、相手のことは変えられないと価値観の違いを受け入れることが重要。そのうえで離婚届不受理申出や夫婦関係調整調停などの手続きを利用しましょう。

相手が離婚したい理由や夫婦の状況に応じて、離婚を回避するための適切な対処方法が異なります。離婚を回避したいと思ったら長期の別居や離婚回避を焦りすぎること、周囲に見方を作ろうとすることや離婚の話し合いに親を参加させることは控えましょう。

片方が離婚に合意しない限り基本的には離婚には至りませんが、どうしても離婚を避けられない状況になったときには、こちらの希望するタイミングや条件を引き出すようにしましょう。そのためには離婚問題に詳しい弁護士に相談するのがベスト。依頼者の有利な条件で離婚できるように交渉してくれるでしょう。

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