不倫相手が妊娠したらどうすべき?夫・妻別の対処法とやってはいけないNG行為とは

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  • 「不倫中の相手女性が妊娠したと言ってきた…どうしたらいい?」
  • 「夫の不倫相手が妊娠出産した場合に慰謝料請求できるか知りたい」

不倫相手の妊娠は、当事者のみならず妻にとっても一大事です。その上さらに子どもを産みたいと言ってきた場合には、認知の問題や養育費、相続の問題も発生します。そこでこちらの記事では、不倫相手が妊娠したときの夫・妻別の対処法について詳しく解説。

さらにはやってはいけないNG行為についても紹介していきます。不倫相手の妊娠の発覚で、夫婦の将来のことから慰謝料請求についてなど考えることがたくさん出てきます。不倫相手の女性や配偶者としっかり話し合いながら、これからのことについて決めていきましょう。

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不倫中に相手女性が妊娠したときの対処法

不倫中、相手の女性から「妊娠した」と告げられたとき、男性はどのような対処をしていけばいいのでしょうか。

本当に妊娠したか自分の目で確認する

まずは妊娠が事実か、自分の目で確認してください。相手の女性が勘違いしている可能性や、理由があって嘘をついている可能性があるためです。一緒にいるときに妊娠検査薬を使ってもらうというのも一つの方法ですが、より確実に判断するには産婦人科で診断を受けるのがベストです。

2人で病院に行き検査を受けて、自分自身の目で妊娠を確認するのが望ましいでしょう。なお病院に行った際の領収書や明細書は、間違っても自宅に持ち帰らないよう注意してください。

自分の子どもか確認する

妊娠が確実になったら、自分の子どもであるかの確認も必要です。相手があなたの気を引くために「あなたとの子を妊娠した」と嘘をついている可能性があるからです。まずは相手に生理周期と最終月経日を尋ね、妊娠可能な時期に性行為があったか確認してください。

もしその時期に性行為がないなどの疑いのある場合には、DNA鑑定をするという方法があります。出生前の胎児でも、妊娠8~10週目頃ならDNA鑑定が可能です。

妊娠週数と母体の健康状態を把握する

産婦人科で妊娠を確認したら、今の妊娠週数と母体の健康状態を把握してください。というのも人工妊娠中絶手術が受けられるのは、妊娠22週までと決められているため。今後どうするのか決めるためにも、なるべく早めに相手との話し合いをしてください。

また妊娠中は週数によって、発生の恐れのあるトラブルが異なります。相手女性への配慮の仕方も変わってくるため、妊娠週数をしっかりと把握しておきましょう。

今後のことを相手と話し合う

妊娠したことが確実になったら、相手の女性と話し合って産むのか中絶するのかを決めなければなりません。後で詳しく解説しますが、どちらにしても今後の人生に大きな影響があります。中絶を選択した場合、自分の妻や家族にその事実を知らせる必要はありません。

しかし出産するとなった場合には、認知や養育費の問題もあるため、秘密にし続けるのは難しいでしょう。場合によっては家族とも話し合う必要があります。このとき直面した事実を受けられないがために、相手女性との連絡を絶ったりして逃げようとする男性も少なくありません。

しかしこれはトラブルを大きくするだけで、何の解決にもなりません。相手女性から慰謝料を請求されたり、自宅や勤務先に突撃される可能性も。また出産することを決め、認知を求められたり養育費を請求される場合も。逃げ出したくなる気持ちもあるでしょうが、感情的にならず誠実に対応するようにしましょう。

配偶者との今後を考える

不倫相手との今後を考えるのと同時に、妻との今後も考える必要があります。具体的には次のような選択肢があります。

妻と離婚して相手女性と再婚する

相手女性との再婚をする場合には、当然ですが妻と離婚しなければなりません。妻も離婚に合意してくれる場合は、協議離婚により離婚できますが、妻が離婚に合意しないケースもあります。あるいは離婚には合意したが、離婚条件で折り合わないという場合もあるでしょう。

離婚せずに不倫相手と別れる

もう一つの選択として、妻と離婚せずに夫婦関係を継続し、不倫相手と別れるという道があります。この場合は中絶するか出産するかについて、相手女性とよく話し合う必要があります。出産するとなった場合には、子どもの認知や養育費の問題が発生します。

同時に相手女性への慰謝料や損害補償についても考える必要が出てきます。もちろん妻や不倫相手の理解が必要になるだけでなく、ある程度の経済力も求められます。

離婚に悩む人の決め手については、こちらの記事を参考にしましょう。

「離婚に悩む人の決め手は?決断を後押しする理由と後悔しない6つのポイント」

妊娠発覚後の選択肢について

では不倫相手の妊娠が発覚した後の選択肢について、それぞれ考えるべきことや注意点を具体的に解説していきます。

中絶の場合

不倫相手に妊娠中絶手術を受けてもらう場合には、相手に納得してもらった上でというのが原則です。妊娠中絶手術は、女性にとって金銭的にはもちろん、肉体的にも精神的にも負担が大きい手術です。妻にバレたくないと焦る気持ちもあるでしょうが、不倫相手を傷つけないような誠実な対応が必要です。

費用について考える

話し合って妊娠中絶手術をすることに決めたら、今度は費用負担についても話し合ってください。主な手術費用は以下の通りです。

妊娠週数 費用相場
妊娠8週目まで 12~15万円
妊娠9~10週目 15~18万円
妊娠11~12週目 18~20万円
妊娠13~22週目 30~50万円

妊娠13週を過ぎると、母体への負担が大きいことから入院による手術の必要があります。出産に限りなく近い手術になるため、経済的にも肉体的にも大きな負担です。また病院によっても費用が異なるので、事前に確認するようにしましょう。

費用負担割合は2人で話し合って決めればいいのですが、肉体的・精神的負担が大きいのは女性の方なので、あなたが全額負担した方が女性の負担をいくらかでも減らせるでしょう。後のトラブルを避ける意味でも、一層の配慮が求められます。

損害補償

妊娠中絶手術によって相手女性が仕事を休まざるを得ない場合には、その分の休業補償をした方がいいでしょう。具体的な補償金額は、女性の職業や給与金額、休業した期間によって変わります。慰謝料要素も含め、少し多めに渡すのも一つの手です。

慰謝料

不倫相手が妊娠中絶手術をしたことで、慰謝料が発生するケースがあります。すべてのケースで慰謝料が認められるわけではありませんが、妊娠するに至った経緯や手術に至るまでのあなたの対応が権利侵害行為とみなされたときには、慰謝料請求が認められる可能性があります。具体的には次のようなケースです。

  • 無理やり性交渉した
  • 暴言・暴力・脅迫によって中絶を強要した
  • 避妊していると嘘をついた
  • 妊娠後のあなたの対応が不誠実だった(一切の連絡を絶った・音信不通になって逃げたなど)
  • 既婚者であることを隠していた
  • 交際相手が未成年だった

慰謝料の相場は権利侵害行為の程度によって異なりますが、50万~300万円程度となります。

口約束の婚約で慰謝料請求ができるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「口約束の婚約で慰謝料請求できる?婚約が認められる要件と慰謝料請求のポイントを解説」

子どもを出産する場合

不倫相手が子どもを出産する場合、男性側が考えておかなければならないことに、認知・養育費・相続の3点があります。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

認知について

不倫相手が出産するとなった場合に問題になりやすいのが、認知についてです。認知とは法的にその子どもを自分の子であると認めること。認知をすると、自分の戸籍に不倫相手との子が「認知した子」として記載され、法的にもその子の父親であることが確定します。認知の方法には、「任意認知」と「要請認知」の二種類があります。

任意認知 母親(不倫相手)からの求めに応じて、父親が自主的に認知する方法

役所に「認知届」などの書類を提出すると、認知の効力が発生する

強制認知 父親が任意認知を拒んだ場合に、家庭裁判所の判断で強制的に認知の効力を発生させる方法

DNA鑑定によって親子関係を明らかにし、親子関係の存在が判明すれば強制的に認知される

認知は、養育費や相続権の発生の上でも必要な要素となります。「不倫したことを妻に知られたくない」と考える方もいるかもしれませんが、認知の事実は戸籍に記載されるので発覚するのは時間の問題です。認知を拒んだ場合でも、不倫相手が家庭裁判所に申し立てれば、DNA鑑定の結果に応じて強制認知が認められます。

不倫相手が「産みたい」となった場合には、このような覚悟が必要になります。

養育費について

認知によって法的に親子関係が認められれば、その子への養育費の支払い義務が発生します。強制認知によって認知した場合は、裁判や調停で確定した時点からさかのぼって請求される可能性も。具体的な養育費の金額は、双方の収入や扶養家族の有無など家族構成によって自動的に算出できます。

養育費の支払いを拒んだとしても、不倫相手が「養育費請求調停(裁判)」を申し立てると、養育費を支払湧負ければなりません。支払いを怠ったときには、最終的に強制執行によって給与や預貯金が差し押さえられます。

再婚で養育費を減額できるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「再婚で養育費を減額できる?減額請求の方法と勝手に減額されたときの7つの対処法」

相続について

不倫相手との子どもを認知した場合、相続についても考える必要があります。父親であるあなたが亡くなったときに、財産を相続する権利が発生するため。妻との間の子どもを「嫡出子(ちゃくしゅつし)」、不倫相手など婚姻関係にない間の子どものことを「非嫡出子」といいます。

以前は非嫡出子の相続は、摘出子の1/2と定められていましたが、平成25年の民法改正によって、嫡出子と同じ割合だけ相続できるようになりました。認知した子は相続人として、遺産分割協議に参加する必要があるという訳です。

この場合の相続で多いトラブルが、あなたが亡くなった後で非嫡出子がいることが発覚するというケースや、非嫡出子を除いて遺産分割協議を行ったところ相続の手続きが無効となったケース、非嫡出子と連絡が取れないケースなどです。不倫相手との子を認知する場合には、相続という遠い将来のことも考える必要があります。

ダブル不倫で出産する場合

あなたも不倫相手も既婚者、いわゆるダブル不倫だった場合、法律上の父親について問題が生じる可能性があります。というのも法律上では、婚姻関係にある男女の間に生まれた子どもは、夫の子と推定されるためです。婚姻期間中に妻が妊娠した子が不倫相手であるあなたの子であっても、夫の子としてみなされて法律上の親子関係が生じます。

もし不倫相手の夫が自分の子でないと認めてもらいたい場合には、子の出生を知ったときから1年以内(2024年3月31日以前)に「嫡出否認の訴え」を起こして、DNA鑑定などで生物学的な親子関係を否定しなければなりません。ただし2024年4月1日以降は、子の出生を知ったときから3年以内に延長されました。

嫡出否認の訴えができる期間を過ぎてしまった場合には、「親子関係不存在確認の訴え」という手続きを利用します。こちらは原則として手続き期間に制限がなく、父の他、母や子、その他利害関係を有する第三者の申立てが可能です。いずれにしても法的な問題に発展する可能性が高いでしょう。

ダブル不倫の慰謝料問題について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。

「ダブル不倫の慰謝料問題|ケース別慰謝料の相場と周囲すべきポイント、弁護士に依頼するメリットとは」

妻と離婚する場合

妻との離婚を決めた場合、次のような懸念点や離婚時の注意点があります。

離婚できない可能性がある

不倫した側が離婚を希望した場合でも、妻が合意しないと離婚できない可能性があります。離婚協議で合意できないのはもちろんのこと、離婚調停でも双方の合意がないと離婚できません。最終的に離婚裁判に発展した場合でも、有責配偶者からの離婚請求はハードルが高いのが現状です。

有責配偶者とは、離婚原因を作り出した配偶者のこと。不倫やDV、モラハラや正当な理由のない別居をした側は有責配偶者となり、有責配偶者からの離婚請求は裁判でも求められにくいという特徴があります。これは婚姻関係の破綻を招いた責任がありながら離婚を要求するのは、「信義則の原則(権利の行使や義務の履行は信義に基づいて誠実に行わなければならないという原則)」に反しているとみなされるためです。

有責配偶者からの離婚が認められる要件

しかし場合によっては、有責配偶者からの離婚請求が認められる可能性があります。昭和62年9月に最高裁判所で出た判決によると、次のような要件を満たせば有責配偶者からの離婚請求を認められる可能性があります。

  1. 年齢および同居期間と比例して相当の長期間夫婦が別居している
  2. 夫婦の間に未成熟子がいない
  3. 離婚により相手配偶者が精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状況におかれないこと

参考:配偶者からの暴行・虐待・侮辱|新日本法規WEBサイト

過去の判例を踏まえると、不倫相手と再婚するために妻と離婚を希望するケースでは、10年程度の別居期間にプラスして、離婚後の妻が経済的に困窮しないよう、十分な慰謝料や財産分与を行う必要があるでしょう。

浮気したけど離婚したいとお考えの方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「自分が浮気したけど離婚したい…離婚の可否と認められる3つの条件&スムーズに離婚するポイント」

別居中の婚姻費用について

妻との離婚を前提に別居する場合には、別居中の婚姻費用の支払い義務が生じる可能性があります。夫婦には双方に同水準の生活を保持する義務があり、収入の高い側が低い側に生活費として婚姻費用を負担しなければなりません。もし妻の収入の方が少ない場合には、別居開始時点から離婚が成立するまでの間、婚姻費用を支払う必要があります。

婚姻費用の金額は双方の話し合いで決められるほか、裁判所が公表している「婚姻費用算定表」をもとにして

算出可能です。離婚協議がまとまらず別居が長期化すればするほど、相当の金銭的負担がかかることになります。

財産分与について

離婚時には財産分与についても問題になりやすいです。財産分与とは婚姻期間中に夫婦が協力して形成した「共有財産」を離婚時に清算する手続き。夫婦の年収や職業にかかわらず、基本的に1/2ずつ分配するのが原則で、預貯金や不動産などプラスの財産の他に、住宅ローンや子どもの学資ローンといったマイナスの財産も分与の対象です。

一方で結婚前から保有していた財産や自分の親族から贈与、相続された財産、別居後に新たに取得した財産は、財産分与の対象から外れます。金銭的な不安から相手が離婚に合意しないときには、妻に多く分与するなどの配慮がポイントになります。

住宅ローンが残っている家に住み続ける方法については、こちらの記事を参考にしてください。

「住宅ローンが残った家に離婚後も妻が住む方法|ケース別対処法と知っておくべき注意点」

子どもの養育費・親権について

妻との間に子どもがいる場合には、子どもの親権や養育費についても話し合ってください。妻に親権を渡した場合には、子どもが経済的に自立するまでの間、養育費を支払っていく必要があります。養育費の金額も、裁判所の「養育費算定表」が参考になります。いつまで養育費を支払うべきかは交渉の余地があるものの、一般的に成人になるまでや大学(院)を卒業するまでとされる傾向があります。

慰謝料について

不貞行為や不倫相手の妊娠によって離婚に至った場合、妻に慰謝料を請求される可能性があります。不倫慰謝料の相場は50万~300万円程度ですが、発覚後の夫婦関係によって相場が次のように変わってきます。

同居継続の場合 数十万~100万円程度
別居の場合 100万~150万円程度
離婚の場合 150万~300万円程度

離婚せず同居継続の場合と別居の場合、離婚に至った場合とでは、精神的苦痛の大きさが異なるとして、慰謝料金額にも違いが生じます。

略奪婚で慰謝料を請求されるリスクについては、こちらの記事を参考にしてください。

「略奪婚で慰謝料を請求される?略奪婚を考えている人が知っておきたいリスクや法的知識」

妊娠・出産は増額要素になる

そして不倫相手の妊娠や出産は、慰謝料の総額要素になります。そうでない場合と比較すると、慰謝料が50万円ほど増額される傾向にあります。これは不倫の悪質性が高く、妻の精神的苦痛がより大きくなると考えられるため。場合によっては300万円を超える相場以上の慰謝料請求が認められる可能性もあります。

その他の増額要素

不倫相手の妊娠・出産以外にも、慰謝料金額は次のような要素で増額する傾向にあります。

  • 婚姻期間が長い
  • 不倫期間が長い
  • 不貞行為の回数が多い
  • 不倫に積極的だった
  • 未成熟の子どもがいる
  • 不倫発覚前、夫婦関係は円満だった
  • 不倫したことに対する妻の落ち度がない
  • 不倫による精神的苦痛の度合いが大きい
  • 慰謝料を請求される側の収入や社会的地位が高い

婚姻期間が長く小さな子どもがいるほど夫婦関係に与える不倫の影響が大きいとして、慰謝料は増額傾向に。また夫婦関係が円満だった方が、不倫による精神的苦痛が大きいとして、請求できる金額も大きくなります。逆に不倫以前から夫婦関係が破綻していた場合には、不倫による影響がないとして慰謝料請求が認められない可能性があります。

離婚慰謝料で1000万円もらえるかについては、こちらの記事を参考にしてください。

「離婚慰謝料で1000万もらえる?高額慰謝料を手にする方法と減額するコツとは」

ダブル不倫の場合

ダブル不倫の場合、慰謝料の問題は複雑になります。その原因として、不倫の加害者・被害者が二組の夫婦に存在するために、離婚するかしないか、不倫がバレているかいないかで請求の方法が変わってくるためです。

不倫の事実がバレているかどうか 離婚するかどうか 慰謝料請求方法
双方の夫婦に不倫がバレている 双方の夫婦が離婚しない場合 双方とも慰謝料請求は可能だが、貰える金額は少額もしくは慰謝料なしで解決するケースが多い
片方の夫婦のみが離婚する場合 離婚する側の被害者は配偶者と不倫相手の両方に請求可能

離婚しない側の被害者は不倫相手にのみ請求

離婚する側はしない側よりも請求できる慰謝料の相場が高くなる

双方の夫婦が離婚する場合 双方の被害者が自分の配偶者と不倫相手のそれぞれに請求可能
片方の夫婦にしか不倫がバレていない 双方の夫婦が離婚しない場合 バレている側の被害者が不倫相手にのみ請求するケースが多い
片方の夫婦のみが離婚する場合 バレている側の被害者が自分の配偶者と不倫相手のそれぞれに請求可能

離婚しない場合、家計が同じなので通常は夫婦間で慰謝料の請求・支払いを行いません。また不倫がバレていない側の被害者にあえて不倫の事実を伝えてしまうと、相手方から自分の配偶者に慰謝料を請求される可能性が生じます。また不倫相手に「黙っている代わりに慰謝料を支払え」などと要求すると、脅迫や恐喝の罪に問われる場合があるので気を付けましょう。

不倫相手が妊娠したときのNG行動

不倫相手が妊娠した場合、いくらパニックになったとしても次のような行動はNGです。

判断や話し合いを先延ばしにする

中絶の判断を先延ばしにしたり、不倫相手との話し合いを避けるような行為はやめましょう。中絶を選択する場合には時間的な制限があり、これを超えると母体に大きなダメージを与える可能性が高いです。そのため、なるべく早い段階で、今後のことを話し合う場を設けるようにしましょう。

話し合いを放棄して連絡を絶つ

話し合いの先延ばしのみならず話し合い自体を放棄して連絡を絶ったり、音信不通にするといった不誠実な行動も控えてください。追い詰められた相手女性が自宅や職場に押しかけるなど、極端な行動に出る可能性があります。

もし当事者間での話し合いが難しいときには、弁護士などの第三者に依頼したうえで交渉してもらうなどの対処が必要になります。

妻に嘘をつく・隠す

いくら妻にバレたくないからといって「不倫はしたがそれ以上はない」などと言ってごまかすのはおすすめできません。何かのきっかけでバレたときの影響が大きく、後の離婚条件や慰謝料で不利になる可能性が高いです。また妻に隠したまま不倫相手の子を認知するのは不可能だと思っていいでしょう。こちらもバレたときに大きなトラブルに発展する可能性が高いからです。

中絶の強要・認知の拒否

いくら産んでほしくないからといって、相手女性に中絶を強要してはいけません。脅迫したり暴力を振るって中絶を強要すると、不法行為とみなされて慰謝料の支払い義務が生じます。強要とまでは言えなくても「中絶してもいいけど費用は自分で出せ」「勝手に手術を受ければ」など突き放すような行為は、精神的苦痛を顕著にしたとして慰謝料請求のリスクを高めます。

同様に「産んでもいいけど認知はしない」と冷たくあしらうような態度もいけません。実際の判例でも、結婚を匂わせて避妊なしで性交渉し、その結果妊娠した女性に対して「認知はしない」と突き放した男性に対して、言裁判所は慰謝料の支払いを命じています。

夫の不倫相手が妊娠したときの対処法

夫の不倫相手が妊娠したという状況は、妻のあなたにとって大きなショックです。不倫していたというだけで精神的ダメージがある上に、さらに妊娠・出産していたとなるとそのショックは計り知れません。悲しみや怒りで冷静な判断が難しいでしょうが、今後の生活のためにも次のようなことを早めに考えるようにしましょう。

相手女性に中絶を強要できない

前提として、不倫相手の女性に中絶を強要することはできません。中絶するかどうかを決められるのは、妊娠している相手女性だけです。たとえ示談交渉で中絶を約束した場合でも、女性の気が変わって産もうというときにはそれを強制的に止めて中絶させる手段はありません。

離婚すべきか考える

次に夫と離婚すべきかどうか考えてください。離婚する・しないはもちろんのこと、離婚しない場合にどのように夫婦関係を再構築していくかや、離婚する場合の離婚条件、慰謝料請求についても考えていきましょう。子どもを引き取って離婚する場合には、自分の収入で生活できるか、離婚後の住まい、仕事の間の子どもの世話をどうするか等も考える必要があります。

場合によってはすぐに離婚をせず、離婚後の生活の目途が立った後で離婚するのも一つの方法です。離婚は人生にとって大きな選択。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、しっかり考えて準備したうえで離婚を決意しましょう。

離婚すべきか悩んだときのポイントについては、こちらの記事を参考にしましょう。

「離婚したほうがいい夫婦の特徴|悩んだときのポイントと対処方法を知ってより良い道を選ぼう」

認知や戸籍の問題を考える

夫の不倫相手が子どもを産むという選択をした場合、認知や戸籍の問題が生じます。夫が認知しないという選択をした場合でも、強制認知の方法をとれば非嫡出子として親子関係が認められる可能性が高いです。もちろんその内容は夫の戸籍の「身分事項」の欄に記されるため、後に夫婦の子どもが知る可能性も。

もちろん夫が死亡した場合には、非嫡出子にも相続権が発生します。夫婦間の子どもと同じ相続割合とするのが原則なので、相続争いが生じる可能性も否定できません。

妊娠中なのに夫との離婚をお考えの方は、こちらの記事を参考にしてください。

「妊娠中なのに離婚したい…気になる親権や養育費、認知について解説」

養育費による経済的負担

離婚しないまま不倫相手の子どもを認知すると、夫に養育費の負担義務が生じます。養育費を支払って余りある程経済的余裕がある場合は問題ありませんが、そうでない場合は養育費負担によって家計が苦しくなったり、自分たちの子どもに十分にお金をかけてあげられないという事態も十分に考えられます。

もちろん養育費の金額は支払える範囲で決められるケースがほとんどですが、妻にしてみれば「夫が不倫さえしなければ…」という気持ちになっても仕方ありません。離婚しない場合には養育費の負担も問題になるということを覚えておきましょう。

養育費に関する弁護士費用が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「養育費に関する弁護士費用が知りたい!ケースごとの相場・払えないときの対処法とは?」

弁護士に相談

夫が不倫して妊娠させた結果、どうしたらいいか分からないという方は弁護士に相談してください。離婚条件についてのアドバイスや慰謝料を請求する手順、有利に離婚するためのポイントを教えてもらえます。また夫との離婚の話し合いや不倫相手への慰謝料請求の交渉も弁護士に任せられます。

とくに離婚すべきか悩んでいる人は、第三者の冷静な視点からのアドバイスが参考になる場合も。再構築を目指す場合でも、二度と同じようなことが起きないように弁護士に間に入ってもらい合意書や誓約書を作成することをおすすめします。

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まとめ

不倫相手の妊娠が分かったら、妊娠が事実か確認したうえで本当に自分の子どもか明らかにしてください。その上で中絶するか出産するか、不倫相手と話し合う必要があります。間違っても中絶を強要したり、話し合いに応じないといった不誠実な対応は控えましょう。

中絶する場合は手術費用の負担についてや慰謝料の支払いについても検討してください。不倫相手が出産を希望するときには認知の問題や養育費、相続権についても考えるべきでしょう。同時に妻と離婚するか、離婚条件や慰謝料はどうするかについても決めてください。

不倫相手が妊娠した場合、当事者の夫でも夫の不倫を知った妻でも、考えるべきことがたくさんあります。自分たちだけで解決できそうもないと思ったら、不倫問題に詳しい弁護士に相談するのがおすすめです。どちらの立場でもためになるアドバイスを受けられます。

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