パート主婦の離婚に必要な準備とは?お金・公的支援制度、注意すべきポイントを詳しく解説

パート主婦の離婚に必要な準備とは?お金・公的支援制度、注意すべきポイントを詳しく解説
パート主婦の離婚に必要な準備とは?お金・公的支援制度、注意すべきポイントを詳しく解説
  • 「パート主婦でも離婚に後悔したくない」
  • 「パート主婦が離婚するときにすべき準備は?」

夫の扶養範囲内で働いているパート主婦にとって、離婚後のお金や住まいについては、フルタイムで働いている方に比べて切実な問題です。とくに子どもを連れて離婚を考えている場合、子どもへの影響を考えて離婚を躊躇している人もいるかもしれません。

そこでこちらの記事では、パート主婦の離婚について必要な準備や注意点をご紹介。生活する上で必要なお金については、離婚時に発生するお金や離婚後に利用できる公的支援制度と併せて詳しく解説していきます。離婚を後悔しないためには、一にも二にも離婚前の準備が肝心。必要な知識を頭に入れて、今からでもその準備を始めていきましょう。


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パート主婦がすべき離婚に向けての準備

パート主婦が離婚を考えたとき、お金や住まい、収入を得る方法や子どもについての準備が欠かせません。それぞれについて、詳しい内容を解説していきます。

お金について

まずは生活する上で欠かせないお金について。離婚前後では次のようなお金がかかってくるので、あらかじめ計算したうえで、必要な金額は手元に準備するようにしましょう。

引っ越しに必要な費用

離婚後も今住んでいる家に住めればいいのですが、引っ越しが必要になるという方は引っ越し費用を準備しなければなりません。引っ越し費用として必要になるのは、次のような内容です。

  • 賃貸物件の初期費用(家賃の4~6カ月分)
  • 引っ越し荷物運搬費
  • 家具・家電の買い替え費用
  • その他(駐車場代・近隣への挨拶品・日用品代など)

家賃のかからない実家に帰れる方以外は、賃貸物件を自分で契約しなければなりません。敷金礼金や前家賃、不動産手数料として、最低でも家賃の4カ月分は必要です。引っ越し荷物の運搬は、引っ越し業者の繁忙期によって料金が変動するため、事前見積もりは必須でしょう。

毎月の生活費

離婚後は自分と子どもの毎月の生活費を、自分一人で稼ぐことになります。事前に離婚後の生活に必要なお金の試算をして、毎月最低でもいくら必要か計画を立てておきましょう。次のような項目ごとに分けると計算しやすくなります。自分一人で計算できないという方は、ファイナンシャルプランナーなどに相談することをおすすめします。

  • 住居費
  • 水道光熱費
  • 食費
  • 医療費
  • 保険料
  • 通信費
  • 日用品費
  • 車両費・交通費
  • 被服費
  • 子どもの教育費
  • 交際費
  • 娯楽費

総務省の統計では、2014年の母子世帯(母親と18歳未満の子ども1人の世帯)の1カ月当たりの平均支出額は約19万円となっています。ただしこちらは税金や社会保険料等の非消費支出は除外されています。こちらの数字も参考にしながら、自分たちのケースではどのくらいの支出になりそうか、正確な金額を試算することをおすすめします。

参照:平成26年度全国消費実態調査 二人以上の世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果|総務省

子どもにかかるお金

子どもが小さいうちは、子どもを預けて働きに行くという人もいるでしょう。そのようなときには子どもを預けるのにかかるお金も必要になります。例えば次のような費用です。

  • 保育園費用
  • 預かり保育・延長保育料金
  • 学童費用
  • 病児保育費用
  • ファミリーサポートやベビーシッター費用

子どもが小学校を卒業するまでは、平日の帰宅までや夏休み等の長期休暇中に預かってもらえる場所が必要です。利用できる施設が近くにあるか探すのはもちろんのこと、それらの費用がいくら位かかるかも併せて調べておきましょう。

住まいについて

離婚後の住まいをどこにするかもよく検討しなければなりません。こちらでは住まいを移るタイミングや、ポイントについて解説していきます。

離婚の話を進める前に別居を検討

夫との離婚を考えたとき、いつまで同じ家に住んでいられるかはとても重要です。もちろん一緒に暮らしている中で離婚の話を進めることは可能ですが、同じ家に住んでいるのが精神的に苦痛だという場合は、別居を検討すべきでしょう。

「相手の浮気やモラハラが原因で離婚するんだから、夫が出て行って欲しい」と思う気持ちも分からなくはありませんが、離婚話をスムーズに進めたいなら、自分の方が家を出る必要があります。とくに暴力や暴言がある場合は、生命の危機に陥る可能性も。ときにはシェルターを利用することも考えながら、なるべく早めに夫の元から離れましょう。

別居に必要な準備や注意点については、こちらの記事を参考にしてください。

「別居に必要な準備をシチュエーション別に解説!別居に関する注意点とは?」

賃貸を借りるには審査がある

実家に頼れず、住んでいる家を出て生活しなければいけない場合、賃貸物件を借りるには審査に通る必要があります。パートやアルバイトでも賃貸物件を借りられる可能性がありますが、正社員や公務員と比べると安定性が低いと判断されるため、審査に通りにくい傾向が。

ただし、パートでも勤続年数が長いと審査に通りやすくなります。また収入に対する家賃の割合も判断の材料となるため、家賃の金額をおさえるのも審査に通りやすくするコツです。連帯保証人が必要な場合は、なるべく収入や勤務先が安定している人にお願いすると審査に有利となります。

家賃の安い公営住宅を検討

住居費の負担をおさえたい場合は、家賃の安い公営住宅を検討してはいかがでしょうか。公営住宅は収入が低いほど家賃が低くなり、ひとり親家庭だと抽選が優遇される制度もあるため、十分に検討の余地はあります。公営住宅でもそれぞれ住宅ごとに違いがあるので、自治体に問い合わせてみたり実際の家賃について調べてみたりするのもおすすめです。

ただし離婚成立前に公営住宅に応募する場合は、申し込み時に弁護士による離婚協議中であることを証明する証明書や、離婚調停中や離婚裁判中に発行される裁判所からの「事件係属証明書」が必要です。ただしDVなど緊急を要するような事情があるときは、例外的に離婚前でも入居が可能です。詳しくは「配偶者暴力相談支援センター」など専門の機関にご相談ください。

離婚後は市営住宅に住みたいと考えている方は、こちらの記事を参考にして申し込みしましょう。

「離婚で市営住宅の手続きはどうなる?離婚前・離婚後の申し込みのポイントを解説」

収入の確保

離婚したいけど経済的に不安…という方は、まず収入を確保することから準備を始めましょう。パート先で正社員登用制度がある場合には、応募条件を調べてみましょう。パート先にそのような制度がないときには、フルタイムで働ける職場を探す必要があります。転職に有利になる事務や介護職などの資格を取っておくと、就職活動に有利になることも。

厚生労働省が公表したひとり親世帯の調査によると、母子世帯の平均年収は243万円。離婚による母子世帯だけで見ると、年間の就労収入は205万円、月額にするとおよそ16万円です。そのため最低でも200万円の収入を目標に、スキルアップや転職を目指すといいでしょう。

参照:平成28年度全国ひとり親世帯調査結果|厚生労働省

離婚時のやることリストを作成するときは、こちらの記事を参考にしましょう。

「離婚時のやることリストを全網羅!タイミングごとの内容と注意点とは?」

子どもの親権獲得

未成年の子どもがいる場合は、子どもの親権についても考えなければなりません。離婚届には、子どもの親権をどちらが持つかという項目があり、これを決めないと離婚届けが受理されないため。パート主婦の方の多くは、働きながら子供の世話をしてきたということで、離婚後も子どもと暮らしたいと考えるのは当然のこと。

ただ離婚を考えたときに「収入が少ないから親権獲得に不利になるのでは」と不安を感じる方もいます。もちろん収入は多いに越したことはありませんが、それほど心配する必要はないでしょう。というのも親権獲得にはこれまでの監護実績が大きく影響するため。これまで主として子どもの養育にかかわってきた母親の方が、親権獲得にはより有利になるでしょう。

ただし離婚前に別居する場合は、別居時に必ず子どもを連れて出てください。親権の判断材料に「継続性の原則」というものがあるため。子どもの養育に関して、現在の生活状況に特別の問題がない限りは、現状同居して子どもを監護養育している方が有利になります。そのため別居後に子どもと同居している方の親が、親権獲得には有利になるでしょう。

父親に親権を取られるのでは?と心配な方は、こちらの記事を参考にしてください。

「父親が親権を取れる確率は?重視されるポイント・親権獲得のためにすべきことを解説」

離婚時に発生するお金を把握しよう

別居から離婚するまでには、夫婦間でお金について決めなければならないことがたくさんあります。引っ越し費用や離婚後の生活のためにも、取れるお金は抜け漏れなく獲得するようにしましょう。

婚姻費用

離婚前に別居を検討している場合、別居中の生活費を夫に請求することができます。夫婦には互いに生活保持義務があり、収入の高い方が低い方に対して、双方が同じ生活水準になるように生活支援を行わなければならないからです。

このときの生活費を「婚姻費用」といい、別居が始まってから離婚が成立するまでの期間受け取ることができます。婚姻費用として受け取れる費用の内訳は、次の通りです。

費用の種類 内訳
住居費 家賃・住宅の維持費など
生活費 食費・光熱費・日用品費・被服費など
医療費 通院費・入院費・薬代など
養育費 子どもの教育費・養育に必要な費用
交際費 外食など友人等の交際に必要な費用
娯楽費 趣味や余暇を楽しむ費用

婚姻費用は過去の分をさかのぼって請求できないため、別居したらなるべく早めに請求しましょう。家庭水準や収入差によって婚姻費用の金額は変動しますが、一般的な婚姻費用の相場は裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」を参考にして下さい。

相手が婚姻費用を支払ってくれないときは、裁判所に「婚姻費用分担調停」を申し立てることができます。この調停では、家庭裁判所に申し立てた月からの分が決められます。もし夫がすんなり支払ってくれそうもないと感じたら、別居と同時に調停を申し立てることをおすすめします。

婚姻費用をもらい続ける方法はある?という疑問をお持ちの方は、こちらの記事を参考にしてください。

「婚姻費用をもらい続ける方法は?損しないための対抗策とよくある質問に答えます!」

慰謝料

相手の不法行為(DV・モラハラ・不倫)によって精神的苦痛を受けたり、相手が原因で離婚する場合は、慰謝料を請求することができます。主な離婚原因ごとの、慰謝料相場は次の通りです。

離婚原因 慰謝料の相場
不貞行為(不倫・浮気) 100万~300万円
DV(暴言・暴力) 50万~300万円
モラハラ 0~100万円
世の不一致(セックスレス・性的異常) 0~100万円
悪意の遺棄(扶助義務違反) 50万~300万円
婚姻を継続し難い重大な事由(ギャンブル依存・度重なる借金・過度な宗教活動・犯罪による服役など) 100万~300万円

上記の離婚原因にプラスして、次のような要素によっても慰謝料の金額が変動します。

  • 婚姻期間
  • 子どもの有無・人数・年齢
  • 夫婦の年齢
  • 夫婦の職業
  • 支払う側の収入や財力
  • 有責性の高さ
  • 有責行為の頻度・期間

慰謝料を請求するには、第三者からでも客観的に不法行為の内容が分かるような証拠が必要です。そのため、なるべく別居する前に証拠を確保しておきましょう。法的に有効な証拠の種類や証拠の取り方は、ケースによって異なります。詳しくは離婚問題に強い弁護士に相談しましょう。

離婚慰謝料の相場や金額をアップさせる方法については、こちらの記事を参考にしてください。

「離婚慰謝料の相場が知りたい!離婚理由や婚姻期間による相場・金額をアップさせるポイントを解説」

養育費

離婚時に未成年の子どもを引き取って親権者になる場合は、成人もしくは学校を卒業するまでの期間、元夫へ養育費を請求できます。養育費の金額は子どもの人数や年齢、夫婦の年収に応じて決められます。一般的には、裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」を基準として金額を決めます。調停や裁判で養育費について決める場合も同様です。

ただ養育費算定表は、子どもが公立学校に行くことを前提として計算されています。塾や私立の学校に行かせたい場合は、別途で請求するか、離婚時に養育費の内容を「離婚協議書」として作成しておくことをおすすめします。

離婚時の養育費の相場や請求方法については、こちらの記事を参考にしましょう。

「離婚時の養育費の相場が知りたい!ケース別の相場や増額方法、請求方法とは?」

財産分与

婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚時に分配することを「財産分与」といいます。財産分与割合は、医師や経営者など極端に高所得でない限り、双方の職業や収入にかかわらず1/2ずつとするのが原則です。夫名義の財産でも、婚姻期間中に得た財産は分与の対象となります。

専業主婦やパート主婦の方にとっては、財産分与はその後の生活のためにとても重要。分与対象の財産には、次のような種類があります。

  • 預貯金
  • 不動産
  • 保険
  • 株式や投資信託
  • 社内積立や共済貯金(公務員の場合)
  • 退職金(離婚後10年以内に退職の予定がある場合)

ただ独身中から持っている財産や、実家から相続及び遺贈した財産などは分与の対象外です。夫が内緒で積み立てている貯金や隠し財産があると、その分分与に不利になるため、別居する前に必ず夫名義の財産について調査しておきましょう。

財産分与に税金はかかるの?という方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「財産分与でかかる税金について|種類別・ケース別の税金計算方法や節税対策とは?」

年金分割

婚姻期間が長い方や、間もなく夫が退職して年金生活に入るという方は、「年金分割」の手続きも忘れずに。年金分割とは、夫婦が婚姻期間中に支払った厚生年金の保険料を分割し、離婚した元夫婦が将来受け取れる年金額を調整(夫婦の納付記録を合算し1/2ずつ分割)する手続きのことです。

国民年金や国民年金基金、厚生年金基金などは、分割の対象外となります。年金分割には、「3号分割」と「合意分割」の2種類があり、それぞれ該当する人や手続きの方法が異なります。

年金分割の種類 内容
3号分割
  • 平成20年5月以降に結婚した方
  • 婚姻期間中に2008年4月1日以降の被保険者期間がある、専業主婦やパート主婦など夫の扶養に入っていた方(第3号被保険者)
  • 双方の合意は必要ない
合意分割
  • 平成20年4月以前から結婚していた方
  • 自身が勤める会社・役所で厚生年金や共済年金に加入していた方
  • 相手と話し合って合意が必要
  • 分割の割合を1/2まで任意で決められる

どちらの分割方法を取ったとしても、離婚した日の翌日を起算日として、2年以内が請求期限となります。3号分割は相手の合意が必要なく手続きできますが、合意分割で相手の合意が得られない場合は、裁判所に「年金分割調停」を申し立てる必要があります。

いずれの場合も期限が過ぎると手続きできなくなるため、なるべく早めに手続きをするようにしましょう。

離婚後の生活に困ったときの助成・支援制度

パート主婦の方が離婚を考えたとき、一番不安なのはやはり経済面でしょう。こちらでは、行政や国で行っている様々な助成・支援制度について紹介していきます。

児童手当

児童手当は、0歳~中学卒業の子どもを育てている全世帯を対象に支給される公的制度です。現在すでに受給されているという方も多いのではないでしょうか。支給の申請先は、お住いの各市区町村の役場です。児童の年齢ごとの児童手当の金額は、次の通りです。

児童の年齢 児童手当の金額
3歳未満 一律15,000円
3歳以上~小学校修了前 10,000円(第3子以降は15,000円)
中学生 一律10,000円

児童手当は主として生計を支えている側(主に父親)の銀行口座に振り込まれているため、離婚で子どもを母親が引き取る場合は、受給者の変更が必要です。父親からの「受給資格消滅届」と母親が記入した「認定請求書」を一緒に役場窓口に提出すれば、申請日の翌月分から受給者を変更できます。

まれに離婚する夫から「児童手当が入るんだから養育費は払わなくていいだろう」と言われることがあります。しかし基本的に児童手当の金額が養育費の算定に影響を与えることはありません。「それとこれとは別」と毅然とした態度で、養育費をきちんと請求してください。

児童扶養手当

児童扶養手当は、ひとり親家庭を対象として「18歳に達する日から最初の3月31日までにいる児童」に対し、所得などの条件を満たしたときに支給される手当のこと。所得制限があるため、収入が多い方は受給できない場合があります。手続きの申請先は各市区町村役場です。

月額の支給額は、扶養している子どもの人数や所得制限の有無によって次のように変動します。

児童の数(1人当たり) 東京都の支給月額(令和4年4月現在)
児童1人 全部支給(所得制限未満):43,070円

一部支給(所得額に応じて):46,060円~10,160円まで10円単位で変動

児童2人目の加算額 全部支給:10,170円

一部支給:10,160円~5,090円まで10円単位で変動

児童3人目以降の加算額 全部支給:6,100円

一部支給:6,090円~3,050円まで10円単位で変動

参照:児童扶養手当|東京都福祉保健局

離婚後の児童手当や児童扶養手当についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「離婚後の児童手当・児童扶養手当の手続きについて|ケース別の変更方法と基礎知識」

児童育成手当

児童育成手当は、東京都やその他一部の自治体で実施しているひとり親家庭向けの助成制度です。支給条件は児童扶養手当に準じていることが多く、支給期間は年3回。月額は東京都で子ども1人当たり13,500円です。お住いの自治体にこのような制度があるか、確認してみましょう。

生活保護

子どもが小さくて預けて働くのが難しい、自身が病気がちで働けないという方は、生活保護を検討するのも一つの手です。生活保護は憲法に定められている「健康で文化的な生活」を、権利として制度化したもの。自立支援を目的としているので、「今働けず生活が苦しいから助けてほしい」という人は相談してみてはいかがでしょうか。

相談窓口は自治体役場や福祉事務所など。収入や財産の制限があり、受給中も定期的に面談や指導が入ります。受給金額は、お住いの場所や世帯人数等により変動。母子家庭は母子加算があるので、平均よりも多い約19万円がもらえることも。まずは窓口に相談に行き、生活保護の対象となるかどうか確認しましょう。

住宅手当

ひとり親家庭向けに、住居費を支給する住宅手当という制度があります。これは20歳未満の子どもを扶養するひとり親家庭を対象としている制度で、1万円以上の家賃を支払っている場合に支給されます。自治体独自の制度となっているので、まずはお住いの自治体にこのような制度があるか確認してください。

その他ひとり親家庭向けの公的扶助制度

上記以外にも、ひとり親家庭を対象とした手当・助成金制度があります。利用できる制度がないか、あらかじめチェックしておきましょう。

制度の種類 内容
特別児童扶養手当
  • 20歳未満の身体・精神に障害を持つ子どもがいる家庭に支給
  • 障害の程度や手帳(療育手帳・障害者手帳)の種類に応じて支給額が変動
障害児童福祉手当
  • 身体・精神に重度の障害を持つ20歳未満の子どもを持つ家庭に支給
  • 支給額は一律で14,480円
ひとり親家庭の医療費助成制度 自治体独自の制度で、ひとり親家庭の親と子どもの医療費のうち自己負担分の一部を助成する制度

高校卒業までの子どもがいる家庭が対象になっているケースが多い

子ども(乳幼児)医療費助成制度
  • 自治体独自の医療費助成制度
  • お住いの場所によって助成の割合や対象となる子どもの年齢が異なる

その他、税金や公共料金の減免・割引・控除制度もあります。

  • 所得税・住民税の減免
  • 国民健康保険の免除
  • 国民年金の免除
  • 水道料金の割引
  • 粗大ごみ料金の減免
  • 公共交通機関の割引

これらの割引や減免を受けられるかについては、「○○市(お住いの自治体名) ひとり親優遇制度」などでインターネット検索してみてください。

公的給付金・貸付金

手当や助成が受けられない場合でも、公的な貸付金・給付金制度を利用する方法があります。利用目的などに応じた制度に分かれているので、どのようなときに使えるのかチェックしましょう。

制度の種類 内容
母子父子寡婦福祉資金貸付金 生活資金・就学支援資金・転宅資金など、目的に応じて13種類ある

貸付限度額や貸付期間、償還期間などは種類によって異なる

高等職業訓練促進給付金 ひとり親家庭の親が、介護福祉士や看護師など就職に有利になる特定の資格を取得するために生活費や専門学校の入学金を一部負担するために支給される給付金制度
自立支援教育訓練給付金 20歳未満の子どもを扶養しているひとり親家庭の親を対象として、一定の要件を満たし特定の教育訓練講座を受講した場合の受講料の一部として給付される制度

パート主婦が離婚するときの注意点

パート主婦が離婚するときには、次のようなことに注意が必要です。

養育費ありきの生活設計はNG

未成年の子どもを親権者として養育する場合、元夫から養育費を受け取ることができますが、養育費ありきで生活費の収支計算をしないようにしましょう。養育費は親権者でない方の親が支払わなければならないお金ですが、必ず入ってくることが保証されている訳ではないため。

2019年の調査では、毎月キチンと養育費を受け取れている母子家庭の割合はわずか24.3%ほど。実に3/4以上の世帯が、養育費の不払いを経験しているというデータがあります。また元夫の経済状況や再婚によっては、養育費を減額するように要求してくる可能性も。

いくら公正証書で養育費について取決めしたとしても、事情が認められれば慰謝料を減額されてしまいます。離婚後の生活を成り立たせるためには、養育費は計算に入れず、収入の範囲内で生活設計をしていきましょう。

参照:養育費不払い 日本は”ひどい”国なの?|NHK生活情報ブログ

子どもの年齢と教育費は比例する

子どもの年齢が上がるにつれ、かかる教育費も高額になることを忘れずに。子どもが小さいうちから将来に備えて貯金や保険の積み立てをしていきましょう。こちらは教育機関ごとにかかる教育費の目安です。

必要になる教育費 教育費の目安
公立幼稚園(3年間) 約70万円
公立小学校(6年間) 約193万円
公立中学校(3年間) 約144万円
公立高校(3年間) 約135万円
国立大学(4年間) 約257万円

参照:子どもの学習費調査|文部科学省

上の表で計算すると、幼稚園から大学まですべて公立に進学したとしても、およそ800万円が教育費として必要になります。高校から大学を私立文系にすると、およそ1200万円以上かかることに。子どもが小さいうちは余裕があっても、将来は教育費で赤字になる可能性があるので、教育費を含めた支出額を前もって計算し、どう補填していくか計画することは大切です。

準備不足・勢いだけの離婚は後悔の元

準備が整わないまま離婚したり、勢いだけで離婚したりするのは後に後悔する原因です。とくにパート主婦は自身で生活を成り立たせるのが難しいため、離婚前に引っ越し費用や当座の生活費を貯金しておき、収入アップのための資格取得や転職活動を始めるべきでしょう。

勢いだけで離婚してしまうと、後になって「もっとちゃんと準備してから離婚すればよかった」と後悔する羽目に。自分一人だけならまだしも、子どもがいる場合は子どもにまで苦労を掛けてしまいます。離婚するときは必ず準備は綿密に、1人でもやっていけると確信できたら実行に移しましょう。

住宅ローン返済中の家の取り扱い

住宅ローン返済中の持ち家があると、離婚後どちらがその家に住むかによっても問題生じます。ローンを夫が返済していて名義が夫の家に、離婚後も夫が住む場合は特に問題はありません。

しかし夫がローン返済している家に妻と子どもだけが住む場合、ローンはどちらが返済していくかや財産分与をどのようにするかによって、個別の対応が必要になります。場合によっては持ち家を売却した方が、後のトラブルを防げる可能性も。ローン返済中の持ち家をどうしたらいいか迷ったときは、弁護士までご相談ください。

まとめ

パート主婦が離婚するためには、お金のことや住む家、収入の確保や子どもの親権についての知識を仕入れ、準備は念入りにしましょう。とくに別居から離婚時にかけて受け取れる婚姻費用や慰謝料、養育費や財産分与は、きちんと受け取れるような準備や手続きが必須です。

それでも離婚後の生活が苦しくなったときは、公的支援制度や減免制度、貸付制度などを活用することをおすすめします。ひとり親世帯ならではの支援制度もあるので、お住いの自治体窓口などに問い合わせてみましょう。

パート主婦が離婚するときは、養育費をあてにすることなく自活できるように準備を整えることが重要。子どもの年齢が上がるにつれて教育費が高額になるので、計画性をもって貯蓄していきましょう。もしも離婚で不安な点や分からないことが合ったら、離婚問題に強い弁護士に相談するのがベストです。相談料無料の事務所も多いので、安心して相談できます。

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  • 離婚したいけど相手が応じてくれない。
  • 離婚後の生活に不安を抱えている。
  • 親権の獲得や養育費をきっちり払ってもらいたい。
男女問題でお困りの方は専門家に相談してご自身の人生を取り戻しましょう。

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