- 「離婚したいと思ってから実際の離婚までの間にすべきことって?」
- 「準備期間を設ける理由と適切な期間が知りたい」
夫や妻と離婚したいと思ったとき、どの位の準備期間が必要で、どのようなことを決めたらいいか知りたい方はいませんか?離婚の準備期間がないと様々なリスクが生じる可能性があり、スムーズな離婚のために考えるべきことがたくさんあります。
そこでこちらの記事では、離婚準備に必要な期間と具体的な離婚準備について詳しく解説。一つ一つの準備をおろそかにせず確実にこなしていくことで、離婚後の生活の安定や気持ちの整理にもつながります。離婚準備は周到に、実際の離婚はスムーズに行っていきましょう。
離婚の準備期間は必要?準備なしのリスクと切な準備期間
スムーズな離婚には適切な準備期間が必要です。では準備せず離婚するとどのようなリスクが生じるのでしょうか。
離婚準備をしないリスク
準備期間を設けて離婚準備をしないと、次のようなリスクが発生する可能性があります。
- 離婚の話し合いが長期化する
- 不利な条件で離婚してしまう
- 離婚を後悔する可能性がある
- 離婚後の生活が困窮する
- 相手に非がある離婚なのに証拠を確保できないために慰謝料請求ができない
- 子どもの親権を得られない
離婚はゴールではなく新しい人生のスタートです。きちんと準備しておけば上記のようなリスクを回避でき、新しい人生をスムーズにスタートさせられます。離婚を後悔しないためにも、離婚準備は適切に行う必要があります。
離婚の準備にかかる期間
離婚準備にかかる期間は、平均で6カ月~1年程度です。しかし個々のケースによって、離婚までの期間がさらに延びる可能性も。こちらでは、離婚準備に時間がかかるケースごとに、必要な期間について解説していきます。
子どもがいる場合
夫婦の間に未成年の子どもがいる場合、離婚準備期間は1年~3年と長くなりがちです。子どもの将来のために養育費の交渉は欠かせず、両親とも親権を希望する場合は、親権問題が原因で離婚までの期間が延びる可能性が高いでしょう。とくに専業主婦やパート勤めの主婦が子どもを引き取って育てる場合、経済的に自立する準備も必要です。
さらに子どもの精神的ケアにも時間を要するでしょう。両親の離婚は子どもの心理に大きな影響を及ぼします。なるべく悪影響を少なくするには、段階を踏んで子どもに離婚のことを伝え、準備を進めていかなければなりません。場合によっては子どもの入学や進学のタイミングで離婚するという方法もあります。
子持ち男性の離婚問題については、こちらの記事を参考にしましょう。
「子持ち男が離婚を決めるとき|離婚を決めた後にすべきこと&親権を取るための方法とは?」
専業主婦の場合
専業主婦の場合、離婚後の生活を安定させるため就職活動等に時間がかかります。この場合の平均準備期間は2年~3年です。ブランクがありなかなか正社員の仕事が見つからないという方は、資格取得などスキルアップから始めましょう。
自分名義の預貯金がない方は、離婚に伴う転居資金や当面の生活費を貯めることから始めてください。ときには数年かかる可能性もありますが、焦らないことが重要です。とくに離婚後も子どもと共に生きていくためには、経済的な安定が何よりも大切です。仕事中は実家に預けられるかなども、あらかじめ確認しておきましょう。
相手が離婚を拒否している・条件が折り合わない
相手が離婚を拒否している場合や、離婚条件(財産分与・慰謝料・親権など)で折り合いがつかない場合は、離婚までの期間が長期化します。離婚の方法は、協議・調停・裁判と3つの段階からなりますが、それぞれの手続きにかかる期間は以下の通りです。
| 離婚方法 | 期間 |
|---|---|
| 離婚協議 | 数カ月~1年程度
話し合いがまとまれば比較的早いが、合意できないと長期化する |
| 離婚調停 | 申立て~成立まで、平均で6カ月~1年
争点が多いと長期化し、場合によっては1年以上かかる |
| 離婚裁判 | 申立て~判決まで、平均で1年半(15.3カ月)
2年程度かかると覚悟が必要で、3年以上になるケースも |
日本では「調停前置主義」を採っているため、離婚裁判の前には必ず離婚調停を経る必要があります。そのため、協議から離婚裁判で結論が出るまでには、2年半~4年程度かかる可能性があります。
自分が有責配偶者
自分が有責配偶者の場合、離婚までの期間は長期化しがちです。有責配偶者とは、自分自身の行為(不倫・モラハラ・DV・悪意の遺棄など)が原因で夫婦関係を破綻させた配偶者のこと。有責配偶者からの離婚請求は原則認められにくく、認められる場合でも次の要件を満たす必要があります。
- 夫婦の別居期間が長期に及んでいる場合
- 夫婦の間に未成熟の子どもがいない場合
- 離婚によって一方の配偶者が精神的・社会的・経済的に過酷な状況におかれない場合
長期の別居期間がどの程度必要かについては、夫婦の年齢や同居期間との対比などで判断が変わります。過去の判例から見る目安の期間は7年~10年程度です。
DVやモラハラを受けている場合
配偶者からDVやモラハラを受けている場合、こちらから離婚を切り出しても相手は拒否する可能性が高いです。そのため離婚までの期間が長期化するケースが少なくありません。相手が暴力を振るう場合、離婚の話し合いをしようとすると逆上して話し合いにならない可能性が高いです。
またモラハラする人はプライドが高かったり相手の気持ちが理解できない場合が多く、離婚したい意思を認めてくれません。とはいえ、相手からのモラハラやDVで心身の健康が脅かされる場合には、早急に距離を取る必要があります。
まずは警察や「配偶者暴力支援センター」に相談します。配偶者暴力支援センターでは、DV被害者を守るための情報提供のほか、緊急的な安全確保が必要な方には一時保護を行っています。自分で家を出るという場合には、必ず子どもを連れて出てください。
相手の付きまといやストーカー化が危惧される方は、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)」に基づく申立てをしてください。裁判所から接近禁止命令が出された後、配偶者が近づこうとすると、2年以下の拘禁刑(懲役)または200万円以下の罰金刑が科されます。
DV夫と離婚する方法については、こちらの記事を参考にしましょう。
「DV夫と離婚したい…早く安全に離婚するための手順・相談先・気になるポイントを徹底解説」
離婚準備①離婚すべきか考える
離婚準備の第一段階は、本当に離婚すべきか考えることです。ここで離婚についてよく考えないと、離婚後に後悔する可能性が高いです。
離婚したい理由は?
まずはなぜ自分が離婚したいのか、その理由を明確にしましょう。本当に離婚したいのか、またその意思はどの位強いのか、離婚しても後悔しないのかを確認してください。以下のようなことを紙に書きだすと、自分の気持ちを整理できるようになります。
- 離婚したいと思ったきっかけや具体的な出来事
- いつから離婚したいと思っているのか
- なぜ離婚したいと考えたか
- やり直すことはできないのか
これらをまとめておけば、後で相手に離婚を切り出すときや話し合いの場でも、自分の気持ちを冷静に伝えられます。
法定離婚事由があるか
次に離婚を決めた理由が「法定離婚事由」に当たるか確認します。法定離婚事由とは、裁判で離婚が認められる理由のことで、相手が拒否していても法定気手続きを踏めば離婚が可能です。法定離婚事由は民法第770条に規定されていて、次の5つからなります。
| 不貞な行為 | 配偶者以外の人と、自由な意思に基づいて性的関係を持つこと |
| 悪意の遺棄 | 配偶者から悪意で遺棄されたとき
【具体例】
|
| 3年以上の生死不明 | 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき |
| 強度の精神病 | 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき |
| その他婚姻を継続し難い重大な事由 | 婚姻関係が破綻して夫婦関係が改善する見込みがないとき 【具体例】
|
協議離婚では、上記のような理由がなくても「性格が合わない」「一緒に暮らすのは無理」といった理由だけでも双方が合意すれば離婚できます。しかし離婚裁判では、法定離婚事由がない離婚が認められません。協議段階で相手を納得させるためにも、明確な離婚理由があるといいでしょう。
不貞行為がどこからの行為か知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「『不貞行為』はどこからの行為?不倫・浮気との違いや当てはまるケース、法的に有効な証拠を解説!」
離婚原因についての証拠があるか
次に、離婚原因についての証拠があるか確認してください。証拠は最終的に裁判所の判断を仰ぐうえで必須です。離婚原因が相手にあることが、第三者から見ても納得できる客観的な証拠を集めてください。また証拠は、慰謝料請求をする場合にも必要です。離婚を切り出してから証拠を確保するのは難しいため、相手に切り出す前に集めるようにしましょう。具体的な証拠の種類は以下の通りです。
| 離婚原因 | 証拠の内容 |
|---|---|
| 不貞行為 |
|
| 悪意の遺棄 |
|
| 3年以上の生死不明 |
|
| 強度の精神病 |
|
| その他婚姻を継続し難い重大な事由 | 【モラハラ】
【DV】
【性の不一致・セックスレス】
|
悪意の遺棄に関する証拠について詳しくは、こちらの記事を参考にしましょう。
「悪意の遺棄での離婚|認められる条件と必要な証拠、スムーズに離婚するためのポイントとは」
子どもへの影響について
未成年の子どもがいる場合には、両親の離婚が与える子どもへの影響についてもよく考えてください。子どもは純粋なので、自分に非がなくても「離婚するのは自分のせいに違いない」「もっといい子にしていたら離婚しなかったかも」と考えがちです。
また離婚や別居による環境の変化も、子どもにとっては大きなストレスとなります。子どもへの離婚の影響を最小限にするために、何ができるかを夫婦でよく話し合い、場合によっては離婚の延期を検討してください。子どもの年齢に応じた説明方法や、ケアの仕方についてもよく考えておきましょう。
子どもへの離婚の伝え方については、こちらの記事を参考にしてください。
「【離婚】メンタルに配慮した子供への伝え方&ケアの方法|離婚が子供に与える影響と伝えるときの注意点」
離婚後に頼れる相手はいるか
離婚後に頼れる人がいるかどうかも、事前に検討しておきましょう。離婚は精神的に疲弊しがちです。気軽に相談できる相手がいるだけでも、離婚のストレスから早く立ち直れるでしょう。身近に相談できる人がいない方は、専門家やカウンセラーに相談してみましょう。
子どもを引き取って育てるという場合は、緊急時に頼れる相手の存在が助けになります。子どもの急病で仕事を休めないときや、自分が病気になり日常を回せないときに、助けてもらえる人が身近にいるだけでも安心です。周りの人や公的支援制度を頼りながら、孤独な環境にならないよう気を付けましょう。
離婚準備②離婚条件を明確にする
離婚したいと思ったら、離婚条件を明確にすることも必要です。具体的には次のような離婚条件について考えます。
財産分与
財産分与とは、離婚時に夫婦が協力して築いた財産(共有財産)を分ける手続きのこと。夫婦の収入や職業にかかわらず、1/2ずつ分けるのが原則で、結婚前からある財産や贈与・相続した財産、別居後に新たに形成した財産は「固有財産」として、分与の対象から外れます。
財産の名義にかかわらず共有財産とみなされ、生活費のために借りた借金や家族が住む家の住宅ローンなど、マイナスの財産も分与の対象となります。
夫婦の財産の把握
財産分与で損をしないためには、夫婦の財産の把握から始めます。相手名義の財産を隠されないように、離婚を切り出す前に調査しておきましょう。また別居すると調べるのが難しくなるので、同居中に調べるといいでしょう。次のような相手名義の財産に関する書類のコピーを取っておくと、いざというときに安心です。
- 預貯金通帳
- 保険証券
- 不動産の権利書(登記識別情報)
- 車の車検証
- 証券会社からの通知
また不動産や車の査定を依頼し、実際の価格を把握しておくといいでしょう。
退職金の財産分与の方法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「退職金も離婚時の財産分与になる!金額計算から請求方法まで解説します」
ローンについての取り扱い
結婚後に購入した車や自宅のローンが残っている場合には、ローンの取り扱いにも決める必要があります。まずは財産を売却するかそのまま使い続けるかを検討します。使い続ける場合はどちらが引き取るか、ローンの支払いはどうするかを決めていきます。
こちらは住宅ローンが残った家を財産分与する場合のパターンと具体的な対応方法です。
| パターン | 対応方法 |
|---|---|
| 売却する | 【アンダーローンの場合(売却価格>ローン残債)】
売却して手元に残ったお金を等分に分ける 【オーバーローンの場合(売却価格<ローン残債)】 他の共有財産で清算して、残った財産を分与する |
| ローン名義人が住み続ける | ローン名義人が引き続き払い続ける
他方配偶者が連帯保証人になっている場合、金融機関と交渉して外してもらう |
| ローン名義人でない方が住み続ける | 名義人はそのままで、住み続ける側が家賃として毎月の返済額を支払う |
| 共有名義で一方が住み続ける | 共有名義はそのままで、他方配偶者の共有持ち分に応じた返済額を家賃として支払う |
財産分与でローン返済中の家を売らない方法があるのか知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚時の財産分与で家を売らない方法はある?ケース別の方法と注意点、スムーズに分与するポイントとは」
年金分割
年金分割とは、婚姻期間中に納めた厚生年金保険料の納付記録を、離婚時に決められた割合で分割する手続きのことをいいます。結婚期間が長い方は、老後の生活費にもかかわってくるため、離婚時に欠かせない手続きです。年金には、国民年金・厚生年金(共済年金)・企業年金(公務員の職域加算)という3種類がありますが、このうち年金分割の対象になるのは、厚生年金(共済年金)のみです。
年金分割には3号分割と合意分割の2種類があり、それぞれの手続き方法はこちらです。
| 3号分割 | 合意分割 |
|---|---|
|
|
年金分割の手続きには、「離婚した日の翌日から2年以内」という請求期限があるので、必ず期限内に手続きするようにしましょう。
離婚で年金はどうなるか知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚で年金はどうなる?財産分与における年金分割の種類と方法、離婚後に後悔しないポイントとは」
慰謝料請求
相手の不倫やDV、モラハラなどで離婚を検討している方は、証拠があれば相手に慰謝料を請求できます。離婚理由ごとの慰謝料相場は以下の通りです。
| 離婚理由 | 慰謝料相場 |
|---|---|
| 不貞行為 | 100万円~300万円 |
| DV・モラハラ | 50万~300万円 |
| 性の不一致 | 0円~100万円 |
| 悪意の遺棄 | 50万円~300万円 |
| その他婚姻を継続し難い重大な事由 | 100万円~300万円 |
慰謝料の相場は、次のような要素でも変動します。
- 婚姻期間の長さ
- 子どもの年齢や人数
- 支払う側の収入・社会的地位
- 相手の反省の態度が見られるか
- 夫婦関係の悪化度合い
- 精神的苦痛の度合い
円満離婚の慰謝料相場については、こちらの記事を参考にしましょう。
「円満離婚の慰謝料相場が知りたい!増額・減額する方法と弁護士に依頼するメリット」
親権獲得
夫婦の間に未成年の子どもがいる場合、離婚時にどちらが親権者になるか決めなければ離婚が認められません。話し合いで解決できないときには、調停や裁判で親権者を決めていきます。裁判所を介して判断する場合には、次のような点が重視されます。
- 子どもの利益と福祉に反していないか
- これまでの監護実績
- 親権者の健康状態
- 子どもの養育環境「継続性の原則」
- 子どもの年齢「母性優先の原則」
- きょうだいの有無「兄弟姉妹不分離の原則」
- 子どもの意思
- 面会交流についての寛容性
子どもの年齢が小さいほど、母親が親権獲得に有利になります。他にもこれまでの監護実績や兄弟の有無、子供自身の意思も判断材料とされます。
父親が親権を取れる確率が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「父親が親権を取れる確率は?重視されるポイント・親権獲得のためにすべきことを解説」
養育費
離婚後子どもと一緒に暮らさない親(非監護親)は、子どもと暮らす親(監護親)に子どもの生活費・教育費として養育費を支払う義務があります。原則は成人(18歳)するまでですが、協議によって大学を卒業するまで(22歳)などと任意で決められます。
毎月一定額の養育費を支払うのが一般的で、養育費の金額は夫婦の合意があれば自由に決められます。話し合いがまとまらないときには家庭裁判所が公表している「養育費算定表」を参考にするといいでしょう。養育費について協議するときには、次の内容も取り決めておきます。
- 毎月の支払額
- 支払期間(子どもが何歳になるまでか)
- 支払い方法(振込先・毎月の振込日)
取り決めた内容は、他の離婚条件と共に「離婚協議書」に明記してください。支払われなくなった場合に強制的に財産差し押さえが可能な「強制執行認諾文言付公正証書」にすると、いざというときにも安心です。
養育費に関する弁護士費用が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「養育費に関する弁護士費用が知りたい!ケースごとの相場・払えないときの対処法とは?」
面会交流
子どもと一緒に暮らさない親は、定期的に子どもと会える「面会交流権」があります。面会交流は子どもの心身の健やかな成長のために重要で、どのように実施するかは協議によって決められます。具体的には、次のような内容について決めていきます。
- 面会交流の可否
- 面会交流の頻度
- 面会交流の時間や場所
- 元夫婦の連絡方法
- 都合が悪い時の対応
- 学校行事へ参加するか
- 宿泊・旅行は可能か
- 祖父母との面会について
- 交通費の負担はどうするか(遠方の場合)
こちらも後で言った・言わないのトラブルにならないよう、離婚協議書などにまとめておきましょう。
面会交流を拒否できるかについては、こちらの記事を参考にしましょう。
「面会交流を拒否したい!子供に会わせないことの違法性と対処法を解説!」
離婚準備③離婚後の住まい・生活について
続いて離婚後の住まいや生活についても検討、準備していきます。とくに離婚後の生活に不安がある方は、離婚前にしっかりと準備をするようにしましょう。
住居の確保
離婚して今の住まいを離れる予定の方は、住居の確保が必要です。多くは実家に帰るのか、賃貸を借りて引っ越すのかの2択になります。実家が遠方にあるなどで、賃貸に引っ越すことを選ぶ方もいるでしょう。民間の賃貸物件を借りる場合には、引っ越し費用や敷金礼金などの初期費用として100万円程度が必要です。
毎月の家賃負担が大変という方は、公営住宅を利用するという手もあります。人気のエリアや物件では、抽選に当たらないと入居できません。事前に申し込みをしておくなどして住居を確保しましょう。
離婚で市営住宅の手続きがどうなるかについては、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚で市営住宅の手続きはどうなる?離婚前・離婚後の申し込みのポイントを解説」
離婚後の生活の見積もり
住む場所と同じタイミングで、生活の見積もりを立ててください。毎月の支出をリストアップし、どの位のお金があれば生活できるのかを見積もります。
収入の確保
毎月生活できるほどの収入がない方は、転職や就職などで収入を確保する方法を探りましょう。場合によっては資格取得や職業訓練を視野に入れ、長期的な準備が必要です。
またキャリア不足や子どもの年齢が足かせになり、仕事が決まらないという方も少なくありません。そのような場合には、子育てと仕事の両立を目指す「マザーズハローワーク」で仕事を探してみましょう。
パート主婦に必要な離婚準備については、こちらの記事を参考にしましょう。
「パート主婦の離婚に必要な準備とは?お金・公的支援制度、注意すべきポイントを詳しく解説」
離婚で受け取れるお金を計算する
離婚後の経済状況を安定させるためにも、離婚で受け取れるお金を計算しておきましょう。収入だけで賄えないときには、生活費に充てられます。財産分与や養育費、慰謝料としていくら受け取れる予定なのか、見積もりを取っておきましょう。
離婚前に別居を検討している方は、収入の多い方に婚姻費用を請求できます。婚姻費用の支払いは、夫婦の相互扶養義務となっており、子どもと自分の生活のために使えます。具体的な金額は家庭裁判所の「婚姻費用算定表」をご確認ください。婚姻費用は、原則として請求時点から発生します。そのため、別居後すぐに「婚姻費用分担調停」を申し立てるのがポイントです。
婚姻費用をもらい続けたいとお考えの方は、こちらの記事を参考にしましょう。
「婚姻費用をもらい続ける方法は?損しないための対抗策とよくある質問に答えます!」
離婚後に活用できる公的制度
離婚後にひとり親になったときに利用できる、公的支援制度や控除制度をチェックしておきましょう。
| 制度名 | 制度の内容 |
| 児童手当 | 0歳から中学卒業までの児童を対象に、子どもの年齢や人数に応じて手当が受けられる制度
|
| 児童扶養手当 | ひとり親家庭が受けられる手当の一つで、離婚などによって父母いずれかと生計を別にしている世帯が支給対象
|
| 児童育成手当 | 両親が離婚した家庭、父母いずれかが死亡し片親になった児童を扶養する人が受給できる手当
|
| 住宅手当 | 自治体によっては、ひとり親家庭を対象にした住宅手当を支給している
初期費用の補助、家賃の補助、市営住宅への優先的な入居などさまざま |
| ひとり親家族等医療費助成 | 子どもを養育しているひとり親家庭を対象に医療費の一部を助成する制度
住民税が非課税の場合は自己負担なし、住民税課税世帯でも通常は3割負担のところ1割負担で医療が受けられる |
離婚後の各種公的手当の手続きに関しては、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚後の児童手当・児童扶養手当の手続きについて|ケース別の変更方法と基礎知識」
離婚準備④離婚方法を検討する
離婚したいと思った場合、どのようにして離婚するかといった離婚方法も検討してください。
別居の必要性
先ほど紹介した5つの法定離婚事由がない場合には、別居するのも一つの方法です。というのも別居期間が長くなればなるほど、婚姻関係が破綻していると認められやすくなるからです。不貞などの法定離婚理由がなくても、裁判で離婚が認められる可能性が高まります。
モラハラやDVといった特別な事情がない限りは、別居に関する話し合いを設けるようにしましょう。相手の同意なく一方的に家を出てしまうと、その行為が「悪意の遺棄」とみなされて、離婚に不利になってしまいます。別居前には財産分与のための財産調査を行い、子どもの親権を取りたい場合は必ず子どもを連れて別居してください。
別居に必要な準備については、こちらの記事を参考にしてください。
「別居に必要な準備をシチュエーション別に解説!別居に関する注意点とは?」
協議離婚
夫婦の話し合いだけで離婚や離婚条件に合意できる場合は、協議離婚で離婚できます。離婚届を記入し、住民票のある役所に提出するだけで離婚が成立します。離婚届を提出する前までに、離婚条件について話し合いを行い、具体的な内容を決めてください。
調停離婚
話し合いで合意できない場合には、離婚調停に進みます。離婚調停では家庭裁判所の調停委員が双方の間に入り、離婚の可否や離婚条件についての話し合いを行います。調停の申立ては、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。原則月一回の話し合いを重ね、合意を目指します。
ただしあくまで調停は話し合いの場なので、お互いが合意しなければ離婚は成立しません。具体的な手続き方法や必要書類は、裁判所の「夫婦関係調整調停(離婚)」をご確認ください。
離婚調停の期間を短くする方法は、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚調停の期間を短く有利にするには?長引く原因や疑問を解決して新たな一歩を」
裁判離婚
離婚調停で話し合いがまとまらないときには、最終的に離婚裁判で決着を付けます。夫婦いずれかの住所地を管轄する家庭裁判所に訴状を提出し、相手方に答弁書が送付されます。その後は月一回の口頭弁論が行われ、そこで離婚に至る理由の証拠や離婚条件について精査されます。
裁判官や双方の弁護士による尋問の後、最終的に判決が出ます。裁判手続きは法的な知識が必要で複雑なため、弁護士に依頼したうえで対応してもらいましょう。具体的な手続きについては、裁判所のHPを参考にしてください。
離婚裁判の期間について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚裁判の費用を徹底解説!金額の相場や払えないときの対処法、注意点とは?」
離婚準備⑤相手に切り出すタイミングを検討する
こちらでは、トラブルを防いでスムーズに離婚するための切り出し方を紹介していきます。
離婚したい理由ははっきり伝える
離婚したい理由は、相手に分かるようはっきりと伝えるようにしましょう。たとえ口にしにくい内容でも、言葉を濁したりせず、「○○という理由で離婚したいと思っている」と伝えてください。場合によっては離婚原因となった証拠を提示して、すでに夫婦関係が破綻していることを理解してもらいましょう。
相手が離婚に応じないときの対処法は、こちらの記事を参考にしてください。
「夫や妻が離婚に応じない…基本とケース別の対処方法を解説!やってはいけないNG対応とは?」
すぐに結論を求めない
こちらは随分長い間離婚について考えてきましたが、相手は突然離婚を切り出されて混乱状態にあるかもしれません。すぐに結論を求めたりせず、考える時間を作るといいでしょう。場合によっては「お互い冷静になって今後のことを考えよう」と別居を提案するのもいいでしょう。
極力冷静な態度で
離婚の話し合いのときは、極力冷静な態度を心がけましょう。相手をけなしたり非難するような発言は避け、できるだけ穏便に話し合ってください。相手が興奮してきたようなときは、一時的に違う部屋に行く、話し合いを切り上げてタイミングを改めるといいでしょう。
話し合いでは離婚そのものだけでなく、子どものことやお金のことなど離婚条件についても順番に話し合ってください。事前にメモなどにして内容を整理しておくと、抜けもれなく話し合いを進められます。
離婚を相手に納得させる方法については、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚を夫や妻に納得させる9つの言葉|拒否する理由や心理学的交渉術を知ってスムーズな離婚を」
DVやモラハラの場合
配偶者のDVやモラハラが原因の場合は、無理に話し合いの場を持つ必要はありません。まずは自分と子どもの身の安全を第一に考えましょう。やむを得ない事情がある場合には、事前に相談なしで別居も可能です。また協議離婚は諦めて調停を申し立てる方法も有効です。
身の安全を確保したうえで弁護士に依頼し、弁護士を介した話し合いもおすすめです。とくにDVやモラハラをする人は、自分より強い立場の人に弱い傾向があります。法律の知識を持ち交渉のプロである弁護士が代理人になることで、相手が素直に離婚に応じる可能性が高まります。
離婚準備⑥離婚時の条件を履行するための手続き
離婚時に決めた条件を確実に履行してもらうためには、次のような離婚準備が欠かせません。
相手と合意できた内容は書面化する
協議の結果、相手と合意できた内容は書面化してください。「離婚協議書」や「合意書」などの表題で、財産分与や慰謝料といったお金に関すること、養育費や面会交流などの子どもに関することを記載します。ただし子どもの福祉に反する内容(面会交流権を放棄する・再婚したら親権を変更するなど)や、離婚後まで相手の行動を制限する内容(再婚の禁止・婚姻時の氏の使用禁止など)は、その一部が無効になる可能性があります。
書面は2通作成し、双方が書面捺印したものをそれぞれが保管します。離婚を先にしてしまうと相手が協議に応じない可能性があるので、離婚条件についての話し合いや書面化は離婚前に行うようにしましょう。
離婚前後の手続きの流れに関しては、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚前・離婚後の手続きの流れを解説!離婚の条件や種類別の期間、注意点とは」
公正証書を作成するときのポイント
離婚協議書は公正証書にすることをおすすめします。とくに養育費や慰謝料の分割払いなど、離婚後も支払い義務がある金銭に関する決め事に関しては、強制執行認諾文言付きの公正証書にするのがベストです。公正証書とは、公証役場で公証人立ち合いの元で作成される公文書のこと。強い法的効力や証拠力があるので、法的トラブルの予防に効果的。
公正証書の中に「強制執行認諾文言」を記載することで、約束通り養育費が支払われなくなったときなどには、裁判なしで強制執行が可能になります。相手の給与や預貯金を差し押さえて、養育費の支払いに充てられるという訳です。
離婚時のやることリスト作成時は、こちらの記事を参考にしましょう。
「離婚時のやることリストを全網羅!タイミングごとの内容と注意点とは?」
離婚準備に関する注意点・ポイント
こちらでは、離婚準備に関する注意点やポイントを紹介していきます。
勝手に離婚届を提出するのはNG
いくら相手が離婚を拒否しているからといえ、勝手に離婚届を提出するのは控えましょう。一方的に離婚届を提出すると、離婚が無効になる可能性が高いです。そればかりか有印私文書偽造や偽造有印私文書行使罪に問われる可能性も。離婚届の代筆も基本的に禁止されているので、相手に「勝手に書いて出しておいて」と言われても離婚届の代筆はNGです。
離婚届の代筆について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
「離婚届けは代筆できる?有効性や認められる要件を解説!相手の同意なしに離婚する方法とは」
「離婚届不受理申出」の提出
自分のタイミングで離婚するために、あらかじめ役所に「離婚届不受理申出」を提出しておきましょう。相手が離婚をせかしているときなどは、離婚条件の協議中に勝手に離婚届を提出されることも考えられます。そうなると、立場の弱い側が不利な状況に置かれてしまう恐れもあります。
その対策として、離婚届不受理申出の提出が有効です。不受理申出は規定の用紙に署名捺印し、原則は夫婦の本籍地がある役所に提出します。本籍地が遠い場合には、最寄りの役場にも提出可能ですが、転送のための時間がかかる点に注意が必要です。
離婚が決定的になってもやってはいけないNG行為
離婚が決定的になった場合でも、離婚が成立するまでは次のような行為は控えてください。自分の立場が悪くなり、財産分与で不利になったり慰謝料を請求される可能性があるためです。
- 配偶者以外の人と交際すること
- 嫌われたいからと暴力・暴言を振るう
- 相手の人格を否定するような言動を取る
- 一方的に家を出て別居をする
- 別居後に一切生活費を入れない
上記以外にも、子どもに相手の悪口を吹き込んだり、自分の考えに同調するよう求めるなど、子どもを巻き込むような言動もNGです。また調停や裁判で、調停委員や裁判所の職員に高圧的な態度を取ったり怒鳴ったりするのも止めましょう。
スムーズに離婚するには…弁護士に相談!
スムーズに離婚するには、なるべく早い段階で弁護士に相談するのがおすすめです。離婚問題に強い弁護士に相談できれば、次のようなメリットを得られます。
- 有利な条件で離婚できる
- 離婚が成立するまでの期間を短縮できる
- 相手との協議を任せられる
- 離婚に必要な準備や手続きのアドバイスを受けられる
- 裁判所の手続きを代理で行ってもらえる
- 不安や疑問があるときにいつでも相談できる
- 後のトラブルを予防できる対策が取れる
もちろん自分一人でも離婚準備は可能ですが、専門家がいればあなたの心身の負担が軽減できます。また貴重な時間や手間を他のことにかけられる点も、弁護士に依頼する大きなメリットです。
まとめ
離婚したいと思ってからやることの第一は、後悔しないためにも本当に離婚すべきか考えることです。また財産分与や慰謝料などの離婚条件を明確にしてください。同時に離婚後の生活のためのお金や、住まいについても考えていきましょう。
次にどのような離婚方法で離婚できそうか検討します。場合によっては別居をする必要もあるでしょう。相手に離婚を切り出すタイミングを見極め、話し合いがスムーズ進むような工夫をしてください。話し合って合意した内容は、公正証書にすると離婚後も安心です。
離婚にはある程度の準備期間が必要で、十分に時間をかけないと様々なリスクが生じます。スムーズな離婚には、弁護士に依頼するのがおすすめで、相手との交渉や裁判手続き、離婚条件の検討などにメリットがあります。まずは無料相談を利用して、新しい未来へ向けての後押しをしてもらえる弁護士を見つけましょう。