養育費を勝手に減額できる?減額請求時のポイント&減額されたときの対処法を解説

養育費を勝手に減額できる?減額請求時のポイント&減額されたときの対処法を解説
養育費を勝手に減額できる?減額請求時のポイント&減額されたときの対処法を解説
  • 「養育費を勝手に減額できる?」
  • 「受け取る養育費を勝手に減額された…支払ってもらうための対処法が知りたい」

養育費は離婚後に子どもの養育や教育のために欠かせないお金ですが、毎月数万円をねん出するのが難しいという人もいるでしょう。そのようなとき、勝手に減額して支払ってもいいのでしょうか?こちらの記事では、養育費を勝手に減額できるかという点について詳しく解説。

養育費の減額請求をするときの注意点や手順なども紹介していきます。逆に養育費を受け取る側にしたら、養育費を勝手に減額されて黙っていられる人はいないでしょう。そのような方のために、減額を認めるかの判断基準や勝手に減額されたときの対処法もお教えしていきます。養育費の減額について困っている方はぜひ参考にしましょう。

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養育費を勝手に減額してもいい?

生活が苦しいときや相場よりも高いと感じたら、相手に言わず勝手に減額しても問題ないのでしょうか。

勝手に減額・踏み倒すのは厳禁

離婚時に養育費の金額に合意し、書面を交わしているような場合、いくらやむを得ない事情があるからといって勝手に金額を減らして支払うのはNGです。というのも法律的には養育費の金額について合意している以上、決められた養育費を支払う義務があるからです。

養育費の金額は、離婚協議で相手の合意を得たり、離婚調停や離婚裁判で取り決められます。一度決まった金額を簡単に変更することができず、変更するには相手が減額に合意したり、裁判所を通じて新たな金額を取り決める必要があります。

強制執行される可能性

とくに認諾文言付き公正証書や調停調書、和解調書など「債権名義」といわれる書類を作成していた方は、一方的に養育費を減額すると滞納したと同じ事になります。最悪の場合。強制執行され給与や預貯金を差し押さえられる可能性も。債権名義には次のような種類があります。

  • 執行認諾文言付き公正証書
  • 民事・家事調停調書
  • 民事・家事審判書
  • 離婚裁判の判決が確定した和解調書・判決書の正本
  • 仮執行宣言付支払督促

サラリーマンの場合、一番押さえやすい給与から強制執行の対象となります。裁判所から勤務先に書面が届くので、養育費を踏み倒していることが職場に知られる恐れがあります。また銀行預金などを差し押さえられてしまうと、口座が凍結され預金を引き出すことが一切できなくなります。

養育費を支払わず強制執行されるデメリットについて知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「養育費を強制執行する・されるデメリットとは?強制執行の基礎知識とデメリット回避方法」

減額するには相応の事情が必要

一度決まった養育費の金額を減額するためには、相応の事情が必要です。離婚時に合意したはずなのに、「やっぱり毎月厳しそうだから減額して欲しい」という理由だけでは、受け取る側が経済的に不安定になってしまうため。養育費を減額して欲しい方は、次のような相応の事情があるか確認しましょう。

やむを得ない事情で収入が減少した

そもそも養育費の金額は、支払う側と受け取る側の収入の金額に応じて算定表をもとにして決められます。そのため支払う側の収入がやむを得ない事情で減少したときは、養育費の減額が認められる可能性が高いでしょう。そして減額が認められるのは、「離婚時に予測できなかった事態」という条件も付きます。

一般的に次のような理由で収入が減少しているときは、養育費の減額が認められやすいでしょう。

  • 病気やケガで休業・失業した
  • 勤めていた会社が倒産した
  • リストラにあって転職した収入が激減した
  • 天災などで事業が継続できなくなった(自営業)

本人に責任のない原因で収入が減少したときは、養育費の減額が認められる可能性が高いです。逆に、自己都合で会社を辞めたり、養育費を減額したいがためにあえて低賃金の仕事に就いたときなどは、減額が認められません。さらに離婚時に予測できる事情で収入が減ったときも、減額できない恐れがあります。

再婚し扶養家族が増えた

養育費を支払う側が再婚し、扶養家族が増えたときは、養育費の減額が認められる可能性があります。例えば再婚相手が専業主婦になったときや再婚相手との間に子どもが生まれたとき、相手の連れ子と養子縁組したときなど。再婚に伴い、再婚相手や子供に扶養義務が生じるためです。

これまで元妻との間の子どもにのみ扶養義務があったものが、再婚相手やその子どもが増えたことで、経済的な負担が増え、子どもひとりにつきかけられる費用の減少が予想されるのが理由です。養育費を支払う側の収入が増えていない限り、養育費の減額が認められる可能性が高いでしょう。

元妻の収入が増えた

元妻の収入が増えたときも、養育費の減額が認められる可能性があります。離婚時に想定していなかった元妻の就職や転職、昇進や起業などにより、収入が大幅に増えた場合などです。単純に受け取る側の経済状況が向上したということで、支払う側からの減額請求が認められるでしょう。

ただし離婚時にすでに就職が決まっていたり、起業することが分かっていたケースで、収入が増えることを想定して養育費を算定していた場合は、減額は難しいと考えます。

元妻が再婚して世帯収入が増えた

元妻が再婚し、配偶者の収入がプラスされて世帯年収が増えたときも、養育費減額請求が認められるケースがあります。元妻の収入が増えたのと同様に、単純に子どもの養育にかけられる原資が増加したとみなされるためです。

元妻が再婚し養子縁組した

元妻が再婚して再婚相手と子どもが養子縁組をした場合、養育費の減額および免除請求が認められる可能性があります。今まではあなたと元妻に子どもの扶養義務があったものが、養子縁組したことで元妻とその再婚相手に第一次的な扶養義務者が移ったため。

再婚相手に収入がない場合は引き続き養育費の支払い義務が残る可能性はありますが、再婚相手の年収に応じて養育費の減額が認められたり免除できる場合があります。

養育費が高すぎると感じる方は、こちらの記事を参考にして減額方法を知りましょう。

「養育費の新算定表が高すぎる…改定の理由と従来との変更点、支払えないときの減額方法とは?」

養育費の減額請求方法&注意点

では実際に養育費を減額して欲しいときは、どのように減額請求を行えばいいのでしょうか。注意点とあわせてみていきましょう。

減額請求方法

一度決めた養育費を減額請求する場合、すんなり決まらず泥沼化する可能性が非常に高いです。そうならないためには、ポイントを押さえて早めに解決するのがベストです。場合によっては専門家の手を借りることも検討しながら、相手が受け入れやすい減額幅を決めていきましょう。

双方での話し合い

やむを得ない事情で支払っている養育費を減額して欲しいときは、元妻に減額してもらうよう交渉しなければなりません。双方のみの話し合いで決着できると、減額する金額などを自由に決めることができます。下で説明しますが、調停などの手続きが必要なく、時間も費用もかかりません。

ただいくらやむを得ない事情があったといえ、算定表で決めた金額は子どもを育てるのに十分な額とはいえません。とくに離婚から数年経っている場合は、相手にとってマイナスにしかなりません。減額交渉がうまくいかずに長引いたり、決裂したりする可能性があることも理解しておきましょう。

話し合いがまとまった場合は、後のトラブルを防ぐためにも「合意書」などの書面を作成し、双方が保管することをおすすめします。減額交渉を成功するポイントは、決して感情的にならず、給与明細や預貯金通帳などの証拠を持参して、今まで通りの支払いが難しいことを説明しましょう。

内容証明郵便を送付

相手側に話し合いを拒否された場合、養育費の減額を請求するという内容を記した内容証明郵便を送付するのも一つの方法です。内容証明郵便で送っていると、後々の調停や裁判で減額請求をしたということを証明できる証拠として扱ってもらえます。

とはいえ減額請求交渉はあくまで、養育費を受け取る側が減額を受け入れることで成立するもの。いきなり内容証明を送り付けてしまうと、高圧的な態度ととらえられる恐れが。やはり最初は、穏便に話し合うことから始めるのが妥当でしょう。

養育費減額調停

話し合いでは決着がつかない場合、家庭裁判所に「養育費減額調停」を申し立てる方法があります。離婚調停と同様に、家庭裁判所の調停委員が元妻との間に入り、養育費の減額について双方の意見をすり合わせることになります。減額すべきやむを得ない事情があれば、調停委員が説得して減額できる可能性が。

調停は双方が顔を合わせることなく話し合いができるというメリットがある一方で、受け取る側の合意がなければ最終的に不調に終わってしまいます。また調停が開かれるのは原則として月一回なので、話し合いが長引くにつれそれだけ時間がかかるでしょう。

養育費減額審判

調停での話し合いでも合意に至らず、これ以上話しても話し合いがまとまらないと判断(不調)されると、家庭裁判所の「養育費減額審判」の手続きに移行します。双方の主張をもとに、最終的に裁判官が適正な養育費の金額を決定します。その後は審判で出た金額を養育費として支払っていくことになります。

事前の調停の段階で必要資料が出そろっている場合は、2カ月程度で審判が出ますが、通常は3~4カ月程度、資料が揃わなかったりするともっと時間がかかることもあります。調停や審判で金額が決まるまでは、以前決められた金額を支払わなければなりません。調停や審判の手続き中、勝手に減額することはもちろんNGです。

養育費を一括請求したい方は、こちらの記事を参考にしてメリットや計算方法を学びましょう。

「養育費の一括支払い・請求について|メリット・デメリットや計算方法、注意点を解説」

減額請求するときの注意点

養育費の減額請求をする場合は、次のような点に注意しましょう。

再婚だけでは免除理由にならない

元妻が再婚したという噂をどこからか耳にし、「支払っている養育費を免除できるかも」と思った方はご注意ください。元妻が再婚しただけでは、養育費の免除理由にはなりません。というのも、再婚相手と子どもが養子縁組をしない限り、再婚相手には扶養義務が発生しないため。

再婚によって大幅に世帯年収が増加しない限りは、養育費の免除や減額が認められない可能性があります。また養育費を支払う側が再婚した場合も同様です。自分や元配偶者が再婚しただけでは、養育費の支払い義務がなくならないことを覚えておきましょう。

再婚すれば養育費を支払わなくていい?という疑問をお持ちの方は、こちらの記事を参考にしてください。

「再婚で養育費を払わないようにできる?減免ができるケースや請求方法、注意点を解説」

自営業者の収入操作では認められない可能性

自営業者が自身の収入を操作して減少したように見せ、養育費を減額請求しても認められない可能性が高いでしょう。収入の減少による養育費の減少請求において、とくに問題になりやすいのがこのようなケースです。給与所得者の場合は難しいですが、自身で会社を経営しているような自営業者は自分の役員報酬を簡単に調節できてしまいます。

あえて養育費の減額を狙って役員報酬を操作した資料を出してきても、裁判所がそれを認めないでしょう。ただし予測不能な事由で会社の経営状況が悪化し、従前どおりの役員報酬を出せなくなったことを証明できれば、養育費を減額できる可能性があります。

減額できる額は専門家に確認

養育費の減額請求を成功させるには、妥当な金額を提示する必要があります。そのために減額できる金額の算定は重要です。しかし養育費の算定方法は非常に複雑で、さまざまな要素を複合的に見なければなりません。具体的な減額可能額が知りたい場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

離婚時に養育費の金額を決める場合は養育費算定表が参考になります。しかし元夫婦の片方もしくは双方が再婚したようなケースでは想定の範囲外のため、算定表を用いて計算することはできません。また個々に条件などが変わってくるため、専門家でないと減額可能な金額を出せないのが理由です。

養育費に関する弁護士費用が知りたい方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「養育費に関する弁護士費用が知りたい!ケースごとの相場・払えないときの対処法とは?」

減額請求がきたときの判断基準

元配偶者から養育費の減額請求が来た場合、次のようなことを基準に減額すべきか判断することをおすすめします。

減額が認められやすいケースか確認

まずは相手が言ってきた理由が、減額が認められやすいケースに該当するか確認しましょう。上で示したような相応の事情がある場合は、調停や裁判で減額が認められる可能性が高いです。なるべくこちらに有利な条件にするには、話し合いで交渉をまとめるのも一つの方法です。

減額に応じなくてもよいケースがある

減額が認められやすい事情がある一方で、必ずしも減額に応じなくてもよいケースがあります。次のような理由に当てはまる場合は、相手からの減額請求をはねのけても問題になることはないでしょう。

支払う側の都合で収入が減少した

養育費を支払う側の都合で収入が減少した場合は、そのことを理由に減額請求してきても応じる必要はありません。例えば自分の意思で転職や退職をした結果、収入が減少したようなケースです。また「近々家をローンで購入する予定だから」という理由による減額請求や、「来年から給料が下がるので養育費を減額して欲しい」という要求も応じる必要はないでしょう。

裁判所で認められるのはあくまでも病気やケガ、リストラや天災などの本人に落ち度がないやむを得ない事情があるときに限られます。

合意後に相場よりも高いと気がついた

離婚時の話し合いで養育費の金額を決めたのに、後になってから「相場より高いと気がついたから減額して欲しい」と言われても応じなくていいでしょう。特別な事情がない限り、そのような理由から減額が認められる可能性が低いため。相場より低かろうが高かろうが、一度はその金額で合意している以上、支払い義務が発生します。

合意した方に支払う責任があるので、いくら相場よりも高い金額で合意したとしても、「相場より高いから」という理由で減額は認められないでしょう。

面会交流を拒否したことによる報復

面会交流を何らかの事情で拒否したことによる報復で、「子どもと会わせないつもりなら養育費を支払わない・減額する」という主張は通りません。そもそも、未成年の子どものために養育費を支払うのは親の義務です。離婚時に「毎月1回は面会交流する」という取り決めをしても、子どもの都合やタイミングなどで応じられないことがあります。

しかし面会交流の問題とは全くの無関係なので、面会できないことを理由に養育費の減額や支払い拒否は認められないでしょう。相手が同様のことを言ってきたとしても、応じる必要はありません。きっぱりと拒否していいでしょう。

相手が勝手に減額・打ち切りしてきたときの対処法

養育費を支払う側が勝手に減額や支払をストップしてきたときは、次のような対処法が有効です。今は取り決め通り支払いが行われていても、未来はどうなるか分かりません。いざというときに備え、準備は怠らないようにしましょう。

相場を理解しておく

養育費の相場を理解することが、減額や打ち切りに対しての有効な対処法になります。一般的に収入の変化による養育費の減額請求では、減額の可否や減額できる金額を判断する基準として、裁判所の養育費算定表が用いられます。相場よりも多く減額されないためには、自分と相手の収入額に応じた金額で決めるようにしましょう。

相手との減額の話し合いの場に出向く前に、子どもの年齢・人数ごとの相場を理解することをおすすめします。もし相手が話し合いで相場とかけ離れた金額を主張してきても、相手の要求をうのみにする恐れがなくなります。また相場を理解していると、落ち着いて話し合いに臨むことが可能です。

養育費の相場や増額方法、請求方法については、こちらの記事を参考にしてください。

「離婚時の養育費の相場が知りたい!ケース別の相場や増額方法、請求方法とは?」

減額が認められにくい証拠を確保

減額が認められにくい証拠を確保するのも、減額請求を退けるのに効果的です。例えば相手に減額請求が認められるようなやむを得ない事情がないことや、減額されるとこちら側の生活が苦しくなることなどを主張していきます。また再婚を理由に請求してきた場合は、再婚相手と子どもが養子縁組していないことを証明するといいでしょう。

ただ口で言うだけでは証拠能力に欠けるため、戸籍謄本や給与明細、課税証明書などを証拠として準備するようにしましょう。そして減額理由が相応でないときには、きっぱりと「減額には応じられない」と断ることをおすすめします。

債権名義を準備する

支払う側が勝手に養育費を減額してきたり、支払をストップしてきたようなときには、速やかに債権名義を準備してください。債権名義があることで相手方の給与や預貯金を差し押さえられ、未払いの養育費を回収できるからです。裁判所に動いてもらうには、冒頭で紹介した債権名義が必要です。

公正証書以外は、裁判所で作成する文書になります。単に離婚時に夫婦間で交わした「離婚協議書」や「合意書」などは債権名義に該当しないので注意しましょう。債権名義がない場合は、裁判を経て強制執行の手続きを進める必要があります。

未払い分の養育費請求をする

元夫が養育費を一方的に減額したり支払いをストップしてきたときには、未払い分の養育費請求をしましょう。まずは相手に電話等で、取り決めた養育費の金額は勝手に変更できないことを伝えて下さい。そしてなるべく早めに内容証明郵便で、未払い分の養育費請求をしてください。

履行勧告・命令制度を利用

養育費の減額や支払い停止があったときには、裁判所の履行勧告・命令制度を利用するという方法があります。履行勧告・履行命令とは、次のような手続きです。

履行勧告
裁判所から相手に養育費の支払いを促す制度。口頭・電話・書面による申出が可能だが、法的な強制力がないため、未払い分を回収できるかは不確実。履行勧告が利用できるのは、家庭裁判所の調停や裁判で養育費の取決めをしている場合に限られる。
履行命令
裁判所が相当の期限を切って履行を命令する制度。相手が命令に従わなかった場合は、10万円以下の罰金を科することができる。

これらの制度は裁判所からの催促なので、一定の効果が期待できます。ただ履行命令の罰金は、養育費を受け取る側に入る訳でないため、金銭問題の解決法としてはあまり効果的でないでしょう。

裁判所に調停を申し立てる

離婚後に養育費の請求をしたい方は、裁判所に「養育費請求調停」を申し立てることで、その後の支払いがスムーズに受けられることが多々あります。養育費の金額を調停や審判で決めていた場合、速やかに強制執行に移行できるでしょう。調停が不成立になった場合には、審判へと移行します。

調停の申し立て先は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。申し立てにかかる費用は、子ども1人につき1200円分の手数料と、連絡用の郵便切手が数千円分かかります。詳細は申し立てる裁判所に事前に確認するとよいでしょう。

強制執行を行う

何度催促しても不足分を支払ってくれないような相手には、強制執行により強制に財産を差し押さえて回収できます。まずは債権名義があるか確認し、「債権執行」の申し立てを、支払う側が住所地を管轄する地方裁判所に行います。申立書には、執行文が付された債権名義の正本を添付する必要があります。

裁判所は申し立て時に受け取った書類を審査し、「債権差押命令」を発令。勤務先の会社や預金口座のある銀行といった「第三債務者」と、支払い義務者にそれぞれ発送します。差押命令を受け取ってから1週間経過すると、第三債務者に対する取り立て権が発生し、差し押さえが可能になるという流れです。

早期に弁護士に相談

養育費の減額を請求され、どうしたらいいか分からないという方は、なるべく早めに養育費問題に弁護士に相談することをおすすめします。請求に応じる必要があるのかや金額の妥当性、手続きの方法などのアドバイスが受けられます。

実際弁護士に依頼すると、少しでも減額幅を抑えるための交渉を任せられます。相手に顔を合わせることなく解決できるので、心理的負担も減らせるでしょう。もちろん調停や裁判になった場合も、あなたの代理人として手続きを進めてもらえます。

養育費問題に適切に対処するには、法律の知識や交渉力が欠かせません。減額しなければならなそうだが、少しでも多く養育費を受け取りたいという方は、ぜひ弁護士に相談してみましょう。

離婚時に依頼したい弁護士の選び方は、こちらの記事を参考にしましょう。

「離婚時に依頼したい弁護士の選び方|相談前・相談時のポイントと費用に関する注意点を解説」

まとめ

離婚時に取り決めした養育費の金額を、勝手に減額することはできません。養育費を支払うのは親としての義務であり、勝手に減額してしまうと給与や預貯金を差し押さえられる恐れがあります。養育費を減額するには、直接の交渉や調停、裁判などの手順を踏む必要が。

そして養育費を減額できるのは、リストラや病気による失業などのやむを得ない事情があるときなど。また自分や元配偶者が再婚し、扶養家族が増えた場合や、子どもが再婚相手と養子縁組した場合などに限られます。ただし再婚しただけでは減額理由にならず、自営業者が収入を操作しても減額は認められません。

養育費を支払う側から減額請求が届いたという方は、その理由や減額幅が妥当か判断してください。減額に応じなくてもいいケースがあるので、不安な方は弁護士に相談することをおすすめします。まずは離婚問題や養育費問題に強い弁護士事務所を見つけ、無料相談を利用してみましょう。

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